劇場公開日 2024年9月20日

ぼくが生きてる、ふたつの世界のレビュー・感想・評価

全253件中、21~40件目を表示

4.0〝ただの〟一つの或る家族の物語。

2025年4月16日
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鑑賞方法:VOD

本作の原作になってる五十嵐大さんのエッセイは読んだことがあるんだけど、印象的なエピソードも多くとても記憶に残っている。
吉沢亮さん主演で映画化されたということでサブスクで鑑賞。

まず、説明的なモノローグやセリフは入れず、主人公家族のドキュメンタリーみたいになっていたのがとても良かった。

冒頭、無音の中で働く男性(大の父親。聴覚障害者)のシーンから始まり、私たちは「あれ?音が鳴らないけど故障か?」と違和感を感じ聴覚障害を擬似体験する。
ここからまず引き込まれる。

聴覚障害者の母である明子さんの子育てのシーン、聴こえないことをカバーするための工夫、それでもどうしても気付けないことがある部分、
健聴者の両親(配慮の概念が今ほどない昭和世代)の明子さんへの接し方、
口話と手話が入り乱れている五十嵐家の食卓の様子、
次第に成長して聴こえない母が周囲と違うことに気づいていく主人公・大くんの戸惑いと苛立ち(言葉ではなく彼の表情で表される)。

淡々とこれらが出来事として描写されて大の成長と共に積み重なっていくのが、本当に一つの家族のヒストリーを見ているようで、リアルな感触がすごいのよね。

だから観終わってみて思うのは、これは「聴覚障害者の両親がいる(ある種特別な)家族の物語」ではなく「〝ただの〟一つのどこにでも或る家族の物語」だったのだな、ということ。

これは受け手がそう感じるように製作側が意図して注意深く製作していたんだろうなと思う。
そしてそんな「家族の物語」として、本作はとても良い作品だった。

母親の愛のありがたさを素直に受け取れずに、煩わしくてそっけない態度を取ってしまう若者の息子。
それは別に聴覚障害とかの有無に関係のない、ある種普遍的な行動でもあるわけで。

ラスト、大が今まで母・明子さんとの思い出を走馬灯のように思い出して(注:明子さんは亡くなりません。念のため)駅で一人で涙するシーン、一人の母親としての明子さんの大への愛情がすべてのカットから感じられて、私も思わずぼろぼろと泣いてしまった。

そう、大の明子さん役の忍足亜希子さん、とても良かったな。父親役の今井彰人さんも素敵だった。

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ゆめ

4.0静かに沁みる良作

2025年4月12日
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泣ける

家族とは、やはり同じ時間を過ごしてきた積み重ねによって築き上げていくものなんだなとしみじみ思う。
長い長い何十年にもわたるともに過ごす時間のなかで、喜怒哀楽という言葉にすると無機質な感じがするが、喜びも怒りもふくめていろんな感情が爆発することだってある。
古今東西そういう経験をへて家族ってできていくものなんだなと改めて思った。
ろうあ者の両親をもつ息子の葛藤を描いた作品だが、私は耳が聞こえるとか聞こえないとかそういうことではなく、無償の愛を描いた作品だったなと感じた。
息子が、母の無償の愛に気づいたラストシーンで静かな涙がこぼれた。

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totococoro

5.0「社会的弱者であること」と「可哀そうであること」はまったく別物

2025年4月5日
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呉美保監督といえば、田舎の漁村で最貧困の生活を送り、人間関係のしがらみから逃れられない人々の苦しみを直視した『そこのみにて光輝く』(2014年)や、まったく綺麗事を排除した教育現場や児童虐待の厳しい現実を直視した(教育関係者なら目を逸らさずに必見の)『きみはいい子』(2015年)など、弱き者たちから決して目を逸らすことなく、上っ面な憐れみはかけずに、どうしようもなく胸が締め付けられるけれど、温かな眼差しを忘れることがないため、しっかりと心に刻み込まれる作品を撮ってきた監督。でも、本作は、しっかりと心に刻み込まれる作品であることは間違いないが、「温かな眼差し」の方に重点が置かれたように感じた。

10年前の作品では上映後に胸が苦しくて立ち上がることも出来ないくらいだったのが、今回は本当に温かな気持ちになって観終えることができた。とは言え、偏見や差別、貧困といった要素はしっかり描き込まれているし、また社会的弱者であることと可哀そうであることはまったく別物なのだといった批判的視点も決して忘れられていない。

この10年歳を重ねた結果、こちらの涙腺もずいぶん緩んだようで、大きな出来事はほとんど起きず、淡々とした日常が描かれているだけなのに、ハンカチを握りしめながらの鑑賞となってしまった。

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Tofu

4.0吹きこぼれる鍋

2025年4月5日
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赤ちゃんの泣き声が聞こえない。
とかドキドキしながら見ました。

お父さんの笑顔に救われる。

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ボケ山田ひろし

4.0東京🗼でも生きる

2025年4月3日
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りか

4.5私たちが生きていくふたつの世界は、きっと素敵だ

2025年3月30日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

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近大

4.5親子が紡ぐ世界観が良い

2025年3月30日
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泣ける

幸せ

五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」が原作。

母親(五十嵐明子)役の忍足亜希子の演技が良かった。

忍足亜希子自身がろう者だからということだけではなく、明子がどこにもいるような母親だったからで、子を思う母の愛が伝わってきて心に響いた。

特に終盤、スーツを買う場面や帰りの車内での会話は目頭が熱くなった。

もちろん、吉沢亮(五十嵐大)の演技も良かったのは言うまでもない。
思春期(ちょっと中学生には見えなかったけど)から青年期までの、鬱屈した心境や怠惰な日常を見事に表現。

心に葛藤を抱える青年期あるあるに共感できた。

それにしても出てくる子役がみんな吉沢亮そっくりなのには笑ってしまった。

父親(五十嵐陽介)が、明子と東京へ駆け落ちしてフルーツパーラーでパフェを食べたことを大に話しながら、東京へ行くことを勧める。

この場面は、父が息子にかける愛情がひしひしと伝わった。

父親役の今井彰人もろう者であるが、自然な父親を演じていて笑顔になれた。

祖父(でんでん)、祖母(烏丸せつこ)が一生懸命に明子を育てたことが短い場面ながらも理解できた。

コーダとしての大が、東京でろう者と交流を持つ中で様々な学びがあり、それが親への愛情に変わっていくところが、観ているこちら側の学びにつながっていった。

列車がトンネルを抜けると同時に大が操作したパソコンで映画のタイトルが出てきた演出に感動。

また、テーマソング「letters」が最後に流れ、母が子に贈る手紙の歌詞に心を揺さぶられた。
亡き母もこんな気持ちで家を出た私に対して思っていたのだろうと。

追記
「ゴールドボーイ」と同じ脚本家(港岳彦)だとはとても思えないのは私だけなのか。

2517

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まーさん

4.0永久保存版🙆‍♂️

2025年3月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

評価は高かったが、邦画なのであまり期待せずに鑑賞した。なかなかどうして非常に良い映画だった。母親と子供、それぞれの感情が心に突き刺さった。激しい展開は無いが、深く引き込まれた。

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@Jankichi@

4.5彼と共に追体験するろう者の世界

2025年3月27日
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泣ける

幸せ

ろう者の俳優さんを沢山起用されての本作、手話だけでは補えない部分を顔の表情筋を名いっぱい使って会話をしているのがリアリティがあり触れることのない彼等の日常を知れて感慨深いものがあった。

それに手話には地方に寄って表す違いもあったりろう者の人々の社会への関わり方を大くんのお陰で追体験が出来たのも良かったです。パチンコのバイト先で出会ったおばさまが快活で気持ちいい。

健常者の親を持ったとしても所謂毒親もいてどこの家庭でも悩みはあるものだ。母とお買い物をした後に電車で楽しい2人だけの世界で談話するシーンがなんて微笑ましいことか。大役の吉沢亮さんの手話が自然過ぎて違和感なく素晴らしかったです。

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月子

3.5CODAのストーリー

2025年3月27日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

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ひつじ

3.0大したことは何も起こらず、終始淡々とした映画だけれど

2025年3月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

大したことは何も起こらず、終始淡々とした映画だけれど、良い映画でした。

吉沢亮さんは、結構好きな俳優だけれど、とても良い演技だった。

母親役の忍足亜希子さんも素敵でした。

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ねこたま

5.0やはり最高の作品でした。

2025年3月24日
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知的

幸せ

昨年自分の中では1番の作品。Netflixで観れるようになったのでもう一度鑑賞。
映画館では広島の八丁座で観たのですが、ほぼ満席。その中の三分の一はろう者の方達がいた感じで、終わった後に皆んな手話で会話し合ってました。
原作も読みましたがこれも秀逸。ぜひ日本の全ての人に字幕で観てもらいたい作品です。
なかなか派手な作品に出演がちの吉沢亮ですが、素晴らしかったですね。バンパイヤは少し延期になってますが、「国宝」はとても楽しみです。

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アマッポ

4.5耳の聞こえない両親のもとで育った五十嵐大は、ごく普通の家庭として過...

2025年3月22日
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鑑賞方法:VOD

耳の聞こえない両親のもとで育った五十嵐大は、ごく普通の家庭として過ごしていたが
小学生頃から、何気ない友達の一言や、周囲の目線で、ふつうではないんじゃないかと思うようになる。それから、母には反抗的になってしまう、一度にたくさんのひとと関わるようになって比較対象がたくさんできてしまう時期なので仕方ないことはあるなと思った。
ずっと、長い間、話すことを避けてきた母親に
「みんなが周りにいる中、手話で話してくれてうれしかった。」といわれて
いままで、ひどい扱いをしてきてしまった、母親の気持ちが強く伝わってきたのかもしれない。むせび泣く吉沢亮の芝居が胸に迫るものがあった

耳が聞こえなくても特別ではない
私自身ろう者の人と出会ったことはないけど、特別扱いするのはやめようと思った。
エンドロールは、母親の手紙が英語で歌われていて、そんなかんじで、言語が違うだけで何ら変わらないと伝えたいのかなと思った。英語をしゃべる人と会話したいときは英語を学ぶのと同じ

中学生になって、突然吉沢亮になって自転車を漕いでくるのが映った瞬間ちょっとおもしろかった、でも意外と中学でいけてたね。
出演者みんな演技が自然でよかった。
家に遊びに来た男の子が、大の母を不思議そうに見る表情がじわじわきたし、
花壇の犯人だと決めつけてきた女性は、絶妙にむかついた(笑)

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るる 移行

0.5この映画は全くのフィクションですね。

2025年3月20日
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マサシ

4.0コーダの人生を丁寧にリアルに描く

2025年3月14日
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泣ける

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mac-in

4.0無償の愛

2025年3月12日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

CODA、他の映画でメジャーになったから、少しは一般の人にも浸透してはいるんだろうけど。あのとき少し手話やろうかなと思ったが、時間を捻出して学ぶってなかなかどうしてできない。そして、私自身は聾者との接点を得ることのないまま、時は流れる。

お母さん役の忍足さん、もうアラフィフなのか。実生活では聴者の俳優さんと家庭を築いている。出会いはゲスト出演した舞台で、旦那さんはそこから手話を学び始めたとか。興味を持つ、もっとコミュニケーションをとりたい、っていうモチベーションの源泉は大事だよなぁ。その夫の兄が横浜ベイスターズの三浦大輔とか、一生懸命に努力ができるって、血筋や環境によるところが大いにあるな、と思った。

CODAもまた環境によって規定されるところが大きい。本作のように、20世紀の田舎(宮城県の沿岸地域)ではまだ周囲の理解も乏しく、経済的にも決して恵まれているとはいえない状況下で思春期を迎え。聾者の母を疎ましく思ったり、当たってしまうことがあるのも、未成熟な若者としては当然なのかな、と思う。お母さんの気持ちを思うと、凄く心が苦しくなるけれど、聾者・聴者に関わらず、多くの親が子の反発を儀礼として通過していくんだよな。振り返れば自分自身も親とぶつかっていたなと思い当たり、懺悔の念にかられる。

何も見出せないまま成人し、上京して。たまたま縁のあった居場所を見つけ働いて。何とか人生を軌道に乗せていく。人はそれぞれにあった居場所さえ見つけられれば、生きていくことができるし、何がしたいか分からなくても、大抵は何とかなるのかなと思う。そして、反発していた家族との間で培った手話が、東京での新たな絆を育んでいく。経験してきたことが、どこでどうプラスに働くかって分からないもんだよな。

時を経て、再び母と向き合い。母は変わらず愛情を注いでくれている。こんな母(両親)ばかりではないのは承知しているが、自身の親から受けた愛情について改めて思いを致した。

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Nori

3.0母子の情愛のベタつきを巧く回避。

2025年2月19日
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今更初見。
地味。秀作。
青年が母を慰る頻度の少なさのリアル。
母子の情愛のベタつきを巧く回避。
サビに回想は買えぬが、
柴又ではない駅で泣かすベタは良し。
誰にもある親との世界と外の世界の往還の戸惑いを
聾の世界を借りて語る。
サンタマリアの胡散臭さも良し。

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きねまっきい

5.0心に響く作品。

2025年2月2日
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心に響くいい映画だった。
「ぼくが生きてる、ふたつの世界」という言葉は、この作品にぴったりくるタイトルだなと、観終わってしみじみ思う。

でもそれを、「ろう者と聴者」とか、「手話と音声言語」とか、観ながら頭に浮かんだ「偏見や思い込み」とか、「悪意の有無」とか、「ディスコミュニケーション」だとか、そうした言葉で言語化しても、表面的で陳腐なレビューしか書けない予感しかない。

なので、今回は個人的な体験と重ねて、2つのことについてだけ、記録に残そうと思う。

<ここから少し内容に触れます>

①大が、手話サークルで知り合った友人プラスその友達たちと飲む場面。
大が、代表して飲み物やつまみを頼んだことに対し、しばらくして友人は「さっきは、ありがとう。でも、私たちのできることを取らないで」とトイレのそばで話しかけてくる。
このセリフがとても共感できた。
私自身、まだ、なって一年も過ぎないが、呼吸器障害を抱え、たまに車椅子ユーザーでもある。
なので、自分に向けられた「思いやりや善意による行動」は、素直にありがとうという気持ちだ。
でも、積極的に周囲の人々に思いやりや善意の行使を求めたり、すがったりしたいわけではないこともわかってほしい。
私が「できることをできる方法でやってる」ことを認めて、見守ってもらえたらと思う。

②迷惑をかけたり冷淡な振る舞いをしてきたりしたことへの謝罪や、はるか昔の大学生の頃、友人と早く遊びたいが故に「忙しいから泊まらずに帰る」と言った私に「帰ってご飯を作るのは大変だろうから」と弁当を持たせてくれたことなどへの感謝。7年前に母が急逝してしまった今となっては、もう伝えることは叶わない。そのことを一番後悔したのは、今日この映画を観終わった時だったかもしれない。
吉沢亮と忍足亜希子、2人のやり取りに泣けて仕方がなかった。

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sow_miya

4.0コーダの話し

2025年1月26日
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知的

今まであまり知らなかった、両親が聴覚障害者の子供の話し。

親が障害者っていう点で、普通の家庭よりも苦悩は多いのかもしれないけど、どの家庭にもその家族にしかわからない、色々な苦悩や葛藤や幸せがあるんだなぁって思った。
それを吉沢亮くんが、本当によく演じていたと思う。
あんまり彼が出ている映画、観たこと無いけど良い俳優さんになったね。

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きゃな

5.0これはもっとたくさんの人にみてほしい作品。

2025年1月3日
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るんるん
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