ぼくが生きてる、ふたつの世界のレビュー・感想・評価
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本筋とあまり関係ない感想になってしまった
吉沢亮の、あの反抗期の息子、まさにアレ。
だるそうなところなんか、まったくそのもの。
私はいわゆる健常者ですが、息子たちの反抗期は重箱の隅をつつくように親の至らないところ、不足をみつけて、そこを全力で突っ込んで理不尽だろうとなんだろうと親を責め、拒否してふてくされ、口を利かなくなる。母は、蛇蝎のごとくというか憎しみの対象みたい。次男が特に酷かった。
スーツを作りに行くところ、自分たちのことかと思いました。
反抗期の次男が大学に合格して、入学式用にスーツを買ってやる、と私の仕事が休みの日に二人で出かけて、店の人に聞きながらあれがいいとか、これがいいとか、次男、他人様の手前があるのかいつになく機嫌が良く普通に口をきくので、私はうれしくて天にも昇る気持ち。それから近くのファミレスでランチして、何でも食べていいと言ったらほんとに遠慮なく、ランチのパスタコースにポテトフライとコーンスープ追加、デザートにパフェ食べて、私の残したパスタまでペロッと食べてしまいました。かーちゃんのお小遣いでお会計したけど、100万回散財してもいいと思いました。
その間、別人みたいにあれこれとよく喋ること。学校のこと、友達のこと、これからどうしたいのかとか、ファミレスをでて家に帰るまでそれが続きました。(長々と自分語りで恐縮です。)
なので、この母の気持ちが我がことのようにわかります。
息子の気持ちはよくわかりませんが、あまり深く知らなくて良いのかも。
出ているところで推測するくらい。親といえども他人に心の奥底まで知られたくないでしょう。
エンディングの曲の歌詞、親の心はあんなものです。
親がそう言うと、子どもにしたら押し付けがましいのでしょうけど。
大は、アメリカ映画のCODAみたいに特に何かに才能があるわけでもない、普通の子どもだが、それ故、特殊な環境の普通のコドモのことを知ることができるよう。
周囲から特別視されるのも嫌だろうし、複雑な感情を抱きがちで反抗期となったらそれが爆発、母のよいところすらウザくなってしまうのだろう。
両親は、障害者が故に教育を受けられなかったようだし、小さくておかあさん大好きな頃までは良いが、それ以降はなんで自分だけ、と思う気持ちは当然だと思う。
迷える大を、温かく見守る両親と祖父母、彼は家族には恵まれている。
就活にことごとく失敗しても腐らない、どこでもやっていけそうな自己肯定感の高さは、愛されて育っているが故でしょう。
両親は、障害が故に息子に負担をかけていることに「罪悪感」を持っていないか、顕にしない。でも、感謝はする。そして、障害者ができることを先回りしてしてしまうことは良くないのだとわかった。
周囲の者はどうするのが良いのか良くないのかわからないので、当事者からどんどん発信してほしい。この映画は、貴重な発信源の一つだと思う。
CODAの話だが、男の子と母親の話だと思いました。
駅で去っていく母はきっと、昔より確実に年を取っているんでしょう。
背中が何かを語ってましたか。
良い映画でした。
見ようかどうしようか散々迷ったけど、観てよかったです。
母は強し
■あらすじ
東北の港町、耳の聞こえない両親のもと育てられた五十嵐大。
幼いころから、母親の通訳をし、手話も我流で少しずつ覚える。
しかし、成長するとともに、周りから特別視されることに違和感、戸惑い、
苛立ちを感じる。そして反抗期を迎え、母親の明るさすら、
うっとおしいと感じるようになる。
二十歳のときに逃げるように上京、一人暮らしを始めるが・・・
■レビュー
母親の強さ、愛情の深さに、感動。
思春期の反抗的な息子の態度であれ、すべてを受け止める。
そして息子を信じ、寄り添う。
20万円もする補聴器を買ったのも「大ちゃんの声が聴ける」って。。。
いや、聞こえてないじゃん!と笑いたくなった。
父親も息子の上京に背中を押すところに感動。
母親とのなれそめ、駆け落ちエピソードを話す姿は、
男同士ならではか。
ばくち打ちの祖父、そして毎日お経を唱える祖母にとっては、
孫の大が唯一の話し相手だったのかもしれない。。。
ラストの母親との電車のシーン、そして電車を降りたホームで母親から
「手話で話してくれてありがとう」という言葉に大が泣き崩れたシーンは
ぐっときた。
主人公の大を演じた吉沢亮さんも素晴らしかったが、
母親役の忍足亜希子さんの素敵な笑顔、前向きな姿勢に感動。
現実
私の両親は健常者だ。
だから、この主人公や原作者の気持ちを本当に理解することはできない。
私には想像だにできない多様な困難や苦悩があったことだろう。
でも、だからと言って、それをだらだらと垂れ流されてシンパシーを感じるほど、
私は善良ではない。
現実を離れてフィクションの世界を堪能したいのに、
ダメ息子を想起させられるシーンを延々と見せつけられる。
ウンザリだよ。
健常者だって多かれ少なかれ苦悩し乗り越えようともがいている。
そんなものは見せていただかなくても十分認識している。
障害者の子供だから許されると甘い気持ちなら止めてもらいたい。
一方で、障害の有無に関わらず、親の気持ちは痛いほど分かる。
そんなちっぽけなことでも嬉しいんだよね、と目頭が熱くなった。
とにかく前半で暗澹たる気持ちになってしまった。
ラスト近くでほんの少し盛り返したが、遅きに失した。
咽び泣くところでした。
まず驚いたのは、
子役の子が吉沢亮さんの子ども時代か
と思わせる顔のシンクロ率のおかげで
五十嵐大と言うキャラクターの人生を
隣でちゃんと観てたような気になれました。
そのおかげでラスト前の
コーダとして生まれた事で逆に
耳が聞こえる両親から生まれた子より
たくさんはは親と喋ってたんだなと思わせる所で
危うく映画館で咽び泣くところでした。
ろうの両親の子供として生まれた映画に
「コーダ あいのうた」や「エール!」があって
耳が聞こえない両親の対比で歌手になる夢と言う設定を
用いたと思うのだけど、
耳が聞こえると聞こえない人生だけでもう対比は充分に
成り立っているから、
大ちゃんはこんな両親の子に生まれたくなかったと言うけど、人生においては両親やろうの方と接してる時の方が穏やかで生き生きしてるように思えました。
中学時代から30代までを演じた吉沢亮さんは素晴らしいし、出て来ただけで華があるな!と思ったけど、
あの子役の子が吉沢さんの子ども時代を演じた事が
この作品の解像度をスゴくあげてくれたように思いました。
多くの人に觀てほしい映画
親子の関係が真に迫っていた
冒頭の3分くらいで、
これは覚悟して見ないと駄目だと思い、身を乗り出して鑑賞しました。
モノローグとか、テロップとか安直に説明を始めていく最近の日本映画だらけの中で、どんどん話を進めて観客を引き込んで行く演出に感服です。
吉沢くんも良かったですけど、わたしは両親の2人、特にお母さん役の忍足さんの演技に感動しました。補聴器買って喜んだり、吉沢くんと時には衝突したり、それでも笑顔で前向きで楽しそうなお母さん、なんと言えばいいのかわかりませんが「強い」でいいのか、とても良かったです。
最後、三浦友和さんの辺りから、パスタ、ローカル線、駅、サイレント、このあたりの10分くらい、泣かすような演出ではないのですが落涙しておりました。わたしの場合、母はわたしが22の時に死んでしまったので、吉沢くんと忍足さんのような、2人で外食した記憶がありません。楽しそうな食事シーン、メニューの選び方から羨ましくなりました。
作品では、もちろん、障害がある方々の生き方や健常者との関わり方なども大きなテーマになっています。でも、わたしとしては「家族みんなの愛」の方に感動しました。
今年のベストワンでいいんじゃないですか?。呉監督の作品は全部観てますけど、「そこのみにて」より好きです。
でも、吉沢くん、8年も帰らないのは、気持ちはわかるけどそりゃないよ。
でんでん、久々に怖かった。迫力満点、もんもんはリアルすぎる。
5人で飲むシーン、出来ることを助けてはいけないは、リアル社会では難しいと再認識。
いいストーリーだけどもったいない!
ようやく観る事ができた作品。
コーダがテーマだが、色々考えさせられた。よくできた作品。
ただ、脚本やテーマはもう少しコーダにスポットライトをあてても良かった。
大の成長記かと思うところもあった。
せっかく吉沢亮を起用しただけにもったいなさも感じる。
いい作品、テーマだけにもったいない。
親が恥ずかしかった十代だった全ての人へ
ろう者の両親を持つ聴者の一人息子、いわゆるCODA (Child Of Deaf Adult : コーダ)の少年が青年になるまでの成長物語です。両親の耳と口になる少年に掛けられる周囲からの「えらいね」「頑張るんだよ」という励ましが彼にとっては抑圧の積み重ねである事が非常に細やかに描かれます。
「こんな家に生まれて来たくなかったよ」
という親にとって最も辛い言葉を投げかけられたお母さんの気持ちは、この歳になると痛切に響きました。
でも、これは別に CODA の物語ではないのだと言う事が徐々に分かって来ます。自分が中学生の頃、親と一緒に街を歩いている姿を同級生に観られる事はとても恥ずかしかったのを覚えています。親は、そんな思春期の子供の気持ちは理解しつつも少し寂しかったのではないかなと思うのです。そんな普遍的な「申し訳なかったな」の思いが本作の終盤を支えます。
また、本作では現実のろう者である忍足亜希子さんがお母さんを演じています。このお母さんがとてもよかった。手話の動きが滑らかなのは勿論ですが、発話はうまく出来ないが発声は出来るろう者の声が(当然ですが)本当にリアルでした。その手話と僅かな声にお母さんの思いが乗り移っていました。
いい映画だった
観てよかった。ドーンと来た。若い監督たちの作品を連続して観てたけど、ベテランと言ってはなんだけど、呉美保監督の長編映画のキャリアだからできる105分の勝負を見せてもらった感じ。
まったく前情報なしで観たので冒頭からどこに飛んでく話かまったくわからず、かと言って音楽もほとんど鳴らないし、とある家族(ただしコーダの家庭)が映し出されて、人が成長し、人が亡くなったり、倒れたり、そこはドラマの外にあって淡々と時間は進む。人生のスケッチ。そして、これはコーダだからどうのこうのでなく、ただの地方に生まれ、地方に暮らすただの家庭の普遍的なスケッチを追いかけているうちに(やたらイケメンの子供の成長がイケメン繋がりで凄いなとか思いながら)、しばらく映らなかった母が東京で暮らす青年のもとで電話越しに声にならない声で息子の名を呼ぶのを聞いた時に泣き、ラスト前後に至ってはボロボロになって声が出るのを必死に抑えて泣いていた。卑怯である。忍足亜希子演ずる母親のああいう顔を僕らは見たことがあるのだと思う。実際の世界で。妙なドラマではなく、ただの生活のすみっこで、相手にはなんでもないのにこちらが感極まって、想いが浮かび上がってしまうとき、ただの相手の無垢な顔、普通の後ろ姿にいろんなものをのっけてしまう。あんな経験きっとある。そのアンチドラマな生活の本当のドラマをすっと描きだして見せてくれたこの作品に、ああ、映画を観たな、と思った。よかった。
障害者当人でなく家族が主人公
2024年劇場鑑賞267本目。
時間が合わず日本語字幕付きで鑑賞。
観る前は邪魔かなと思いましたが、この映画の特性を考えると逆に字幕なしってどんな感じなんでしょうというくらいしっくりきました。
障害者の家族が主人公なのは珍しいと思っていましたが、コーダ あいのうたがまさにそうで、今さらコーダの意味がろうの親から産まれた健常者の事と知りました。他の障害の子供に対する用語はないんでしょうか。
映画自体はびっくりするくらいするすると時が流れていき、まぁそうなんだろうな、という日常が静かに描かれていきます。主演が吉沢亮なので彼女の影が全くないのが不自然なくらいで、実際はモデルの人がいるのでまぁそこはそうなのでしょう。
筆談もあるし、今だとスマホで字も出せるし、手話いるのかな、みたいなことも思いますが、こういう世界があるよ、という話としては満点だと思いました。
あたしには血も涙もないのかな😭
泣けそうな予告に期待して行ってはみたものの、
【涙活報告】泣けませんでした😅
1ミリも泣けなかった。
やはり枯渇気味なのか………
予告ではお父さん(陽介くん)が登場しなかったから母子家庭なんだと勝手に思い込んでたけど、お父さんいるぢやん!なんならお爺ちゃんもお婆ちゃんもいるぢゃん!
結構周りのサポート厚いぢゃん!!
▶その辺りのギャップに萎えたのかな〜あたしよ脳みそは。
ユースケ・サンタマリアがいい味出してる (*´艸`*)
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ティーチイン付きの上映会で監督と森三中の大島さんが登壇。二人はマンションのお隣同士に住んでるんだとか。
そんなご近所さん話が多過ぎて、別に聞きたくもないのにな……と興醒めしたティーチイン😭
ティーチインが無意味だと感じた際には遠慮なく席を立たせて頂ける文化を築き上げたい…
俺、三浦友和に似てる?
同じテーマのコーダあいのうたは、下ネタ好きな両親はじめエンタメっぽさがあったが、こちらは呉美保監督らしい劇伴ほとんどなしのドキュメンタリータッチ。踏切が出てくるだけで緊張感が高まるし、でんでんが出てくるだけで不穏になるが(爆)、所どころ笑いも入ってくる。聾唖の話ではあるけれど母子の普遍的な物語でもあって、正直全員泣くし、最終盤にあーゆーシーンがくると、エンドロール終わるまでに涙が引かなくて恥ずかしいので、やめてほしい(涙)。
居酒屋でのシーンなど健常者がよかれと思ってやっていることでも聾唖者への無理解があったり、マイクロアグレッションになっていたり。聞こえないとはどういうことか、それは不幸なことなのか、そもそも相手を理解するとは…といったことも観ていて考えさせられた。電車内で手話で話すシーンがあるが、手話を解さない自分としては、どこかの国から来日中のインバウンドが彼らの言葉で言いたいことを好きに話しているようにも見えて、案外便利だなと思えたり。
母と息子の家族愛
両親ともに耳が聞こえないが息子は聞こえる「コーダ」のお話。舞台は宮城県の海辺の町。田舎町にありがちと思われる嫌味な言い方(地元なのですごくわかるので、こんな表現でごめんなさい)、理解の無さから、肩身の狭い想いをしたり。それでも息子「大」は素直に育っていくが、思春期を迎えると自分の境遇にイラついて母親にあたることも。ただ、辛い言葉をうけた母親への、夫からのアドバイスがさりげなくて素晴らしい。夫と息子の関係も程よい距離感で安心する。
地元を離れ東京で働く大への、母親からの応援の電話も良かった。母親の愛情の強さ大きさにずっと圧倒されたし、それをだんだん素直に受け止める息子の様子にも何度も涙が流れた。
エンドロールの歌も良かった。原作者が主人公と同じ名前だと気付いてさらに泣けた。
館内が明るくなっても、すぐ立ち上がれなかった。この映画を観れて、本当によかった。
CODAという言葉を初めて知った
ふたつの世界、、と感じるんだな。
ずっと音楽記号のCODAとどんな繋がりが?、、と思ってたら何のことはない、CODA / Children of Deaf Adults、、、まんまであった。
愚か私。
そんな家庭に産まれたイケメンの話です。
美しい絵と、きちんと作られた美術で説得力ましましです。私じつは吉沢イケメンすぎて少し苦手だったんですが今回は好印象です。まあ異性の話が出ないのは少し不自然かなとは思いました。
母役の忍足亜希子がめちゃくちゃ可愛くてやられました。そしてでんでんはもちろん、烏丸せつこがこんなに出来る人になっていたとわ、びっくりしました。
祖母祖父なんかも居て状況としては恵まれてる方でわ?と思うんですがそれでもそんな両親を恥ずかしく思たっりする時期あるんだなぁと、、、普通に二つの世界の橋渡しができていたのに何故反転して親に反発してしまうのか?、、まあ髪の寝癖一つで学校行きたく無くなる多感な頃は自分にもあった事を思い出しなぜか納得する。
派手さは少ないが女性監督らしい丁寧な描写と読後感も良く良作だと思う。
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