「う〜ん」ぼくが生きてる、ふたつの世界 邦画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
う〜ん
原作は知らずどういったことで作られたかなど予備知識は入れずにまっさらな状態で見ました。
予告で見かけてなんとなく気になっていましたし、さらにはこちらのサイトでやけに評価が高かったので見てみました。
見る前はなんとなく親子の感動の物語なのかなと思っていたのですが全く違いました。
正直、疲れている時には見ない方がいい映画です。だいぶ体力を使います。
聴覚障害の両親、ヤクザの祖父、宗教信仰の祖母といったなかなか複雑な家庭で育つ吉沢亮の生まれてから大人になるまでの人生を追っていく物語です。たいていこの感じのストーリーは大人になって成功するとか昔の苦労が報われるとかそういう感じがありがちですが、今作はそういったものではなく幼少期から普通の家庭とは違った苦悩を抱えて、さらには大人になってもなかなかうまいこといかないそんなリアルな感じが描かれています。
正直見ていてずっとしんどいです。
前半なんか特にしんどいですね。
時代背景的にも昭和後期から平成にかけてのような感じが見えて、その頃はまだまだいろんな障害に対する理解や認知、配慮なども全然今とは異なるものだったと思うのでそんな時代に両親が障害者である子として生まれ学生時代を過ごすことの葛藤のようなものがすごく描かれています。
その作品を通して見ていてしんどい感じが現実に近いというか夢物語的なフィクションとは違っていてそのあたりのリアルな部分を監督は見せたかったのかななんて勝手に思いました。
また、親に対してのありがたみなんかをある程度大人になってから身に染みるのはこれはやっぱり誰もが感じるものだと思います。
今作は各演者さんの演技も安定の演技力でした。
特に初めて見ましたがお母さん役の女優さんが本当に聴覚障害の方のような口調などがすごい演じ切っていて素晴らしい演技力でした。
あと、幼少期の吉沢亮さん役の子役がめっちゃ吉沢亮の子供時代って感じの役者さんでびっくりでしたね。
ユースケさんは後になんらかのキーパーソンになるのかと思いきや全然そんなんじゃなかったのはなんだか残念でした。
物語の終わりとしてはなんだか中途半端な感じに終わります。
そのあたりもあえてのこの何もない終わり方で感動のハッピーエンドではないやり方が何らかの監督の意図があるのかなと思います。
正直、自分としては良い映画だったかどうかよくわかりません。