劇場公開日 2024年9月20日

「日本の商業映画でコーダを取扱うことに感激。 手話と声、ふたつの言語...」ぼくが生きてる、ふたつの世界 いたかわさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本の商業映画でコーダを取扱うことに感激。 手話と声、ふたつの言語...

2024年10月12日
iPhoneアプリから投稿

日本の商業映画でコーダを取扱うことに感激。
手話と声、ふたつの言語、ふたつの世界を行き来する。

耳が聞こえなくても手話で通じ合う幼少期は何とも微笑ましい。しかし、次第に周りの目線や違いに目が向いてしまう…
子役たちがみんな吉沢亮に似ていたので今後に期待できる。

そして本格的な反抗期。
自分が大だったら同じようにグレるだろうなと思うエピソードが描かれる。
そんな大を愛情を持って暖かく支え続ける両親の姿が良い。その上、他の家族も大変な思いを抱えているよと笑い合える心の深さにも感動した。

そして東京編。
大可哀想だなと思っていたが、大個人のせいでもあるよなぁと思わせててくれる始めの無気力さが良い。
東京でのある出会いが自分自身と家族のことを考えるきっかけになっていて、やりたいこと見つかったし、東京行ってよかったなぁと勝手に親の気持ち笑。

終盤、久々に再開した母親に向かって言ったありふれた言葉に、凄い涙腺を刺激された。その時、理解した。今作は普遍的な家族との愛の形を描いているんだなと。
両親がずっと大のことを第一に考え愛情を持って接していたことに気づけて出た言葉なんだろうな。
だからあの言葉に自分も共鳴し言葉以上の感動を感じたのだろう。

いたかわ