旅する身体 ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi
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少し前に開催されていた巨大ロボット群像展で展示されていた新長田駅前の鉄人28号像の図から始まる。東京2020パラリンピック開会式に出演していた森田かずよ氏が最初に取り上げられる。専門学校で学ぼうとしたときに、踊ることについて疑問の目を向けられたという。そんな時代を潜り抜けてきた逞しさを感じる。次に聴覚障がいの KAZUKI 氏は、手話は言葉を表現するだけなので、ダンスにはなっていないという壁に向き合っていた。聴者が手話歌を振り付けにして満足するのとは大違いだ。骨形成不全症の宣弘氏も、骨が弱いにもかかわらず、様々な活動に挑戦してきて、車いすでスケートボードに乗ろうとしたり、急なスロープを下ろうとしていた。視覚障がいの美津子氏は、振付師から言葉の指示を間違えられたり、練習から本番に近づくと空気が変わってきたり、音楽がはいるとまた感覚が変わってくる、と戸惑っていたようだったが、本番の動きは、周りの仲間と距離を取ったまま、動きがよく合っていて、整列もよくできていた。脳性まひで不随意運動をする幸子氏は、悩みが大きかったけれど、本番では、森田氏と同じように車いすから降りて身体表現をしたり、車いすに健常者と一緒に乗って舞台を大きく移動したりといった動きを表現していた。
メイキングの過程でそれぞれ悩みを表明する場面が多くて、笑えるような場面が少なかったり、ダンスを離れてのそれぞれの日常生活を映して人物像を描くようなところはなかったので、物足りなかった。