「リアル・シンデレラ」ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル・シンデレラ
ジョニー・デップ、復帰作。ようやく映画館で見れる。それだけでめちゃくちゃに嬉しいのです。個人的にはフランスの歴史もの、伝記映画は大の苦手ジャンル。そのうえ、前評判もそれほど良くなかったので期待していなかったのですが、ジョニデの力なのか、世界観にどっぷりと浸かることが出来ました。
しかしながら、主演のマイウェンに魅力を感じず、国王が惚れた女性にはどうにもこうにも見えなかったのは残念。実際はどのような人物であったか分からないが、ある程度の品と高貴な美しさが無いといけないでしょうに。60になろうとも衰えない美貌をもつジョニーデップとは不釣り合いに見えて、前半はそればっかり気になってしまう。監督としては演出も中々に良かったためセンスがあったように思えたから、なお別に女優を用意して欲しかったなぁと思ってしまいました。
睡魔に襲われることは覚悟の上だったのですが、この手の映画にしては珍しく、最後まで飽きずに見入ってしまいました。テンポのいい展開と、分かりやすいストーリー構成。18世紀フランスには疎い自分でも、本作はかなり上手くまとめられていて、しっかりと楽しむことが出来ました。というか、ロケーションがあまりに完璧で驚き。セットも素晴らしく、映像だけでも圧巻でした。
やな奴が多く、不快に思うシーンが多くある中で、使い人のラ・ボルトは今年最高のキャラ。キングスマンのマーリンやジョン・ウィックのシャロン的ポジション。国王の右腕として活躍する者。彼なしにルイ15世は語れぬ。彼の垣間見える人間らしさにはとても心温まり、ジャンヌの唯一の居場所として相応しい役者さんでした。ボルトという人物のおかげで、作品がグッとまとまっていていい作品になっています。
歴史ものとしては薄味ですが、個人的には割と満足度の高い映画でした。最後が文字でダラダラと説明しちゃうのは勿体ないなぁと思っちゃったけど、まるで童話のような話しが実際にあったことというのは、何とも面白いなぁと感じました。バカっぽい感想ですが笑