「イタい」恋わずらいのエリー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
イタい
色々イタかった。
「ミステリーという勿れ」の原さんが良くて見にきたのだけど…色々イタかった。
まぁ、基本的にオッサンが観にくるような映画ではないのだが…題名に惹かれたってのもありはする。
たまになるキュン期の到来ではあったのだけど、演出などに無理矢理感も強く、登場人物の心情とリンクし辛い動きもしばしば。
原さん的にはコメディパートは苦手なのかなって印象で、それ以外はすこぶるいい。
虚飾を排し、人物の心情のみを吐露する箇所なんかは、どんなにバカみたいな台詞でも聞かされてしまう。大した女優さんなんだなぁと思う。
予告で「監督を笑わす事に一生懸命でした」とかなんとかのコメントがあったのだけど、俺としてはバカバカしくて笑えはしなかった。
あー、無理してんだなぁって同情する。
どうにもズレた世界観を感じていて…コレが現代の高校生を描いているとも思えず「中学生が思い描く高校生活」って世界観に至る。
SEXを匂わす台詞や描写がありもするも、そこに対するイメージは頓珍漢で、バナナを凝視するカットはあるわ、ピー音で隠される台詞はあるわ…その状態に困惑する。まるで高校生になったらSEXするのが当たり前の世界に見えるのだ。実際、劇中の2人は結ばれるらしい。ここでもダイレクトな表現は使わず「大人の階段を登った」みたいな表現だ。
思春期の好奇心を煽るも、表現には制約がかかるみたいな変な状態。
色々、キモいのだ。
巻き起こるシュチュエーションもそうだし、もう無理くり感しかなく…アレに納得させられるのは、アレらを体験してない世代しかないだろうと思い上記の世界観に至る。
だから俳優陣はよく頑張ったなぁと思う。
この原作に全く興味が湧かないオッサンなどは、もっと俳優陣に似合う原作無かったのかよって思う。
なんていうかそんな感じなので、演出側の線引きも見えたりで…なんか不具合にぶつかった時に「いいよ、そんなとこまで見てるヤツなんかいないよ」的な大人の事情を感じる。
だから、日本のエンタメは悪くなるばかりなんだろう。とはいえ、実際そういうもんだから現場でこだわりを見せる監督等は「青くさい」とか批評もされて敬遠されるのだろう。
きっとこんな作品にこんなレビューをする俺もイタい部類に入るのだろう。もう色々とお腹いっぱいで胸焼けしかしない。