インサイド・ヘッド2のレビュー・感想・評価
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らしさは一個じゃない
思い出したくない思い出を取り除いて美しい一つだけの「らしさ」の木を大切にしていた。
しかし全ての思い出がライリーを作る大切な思い出だと気づき、全て泉に入れると木は一定の形に留まらなくなった。
自分らしさは一つだけと勘違いし、そのらしさを保とうと葛藤する。でもその葛藤してる自分も含めて全てが自分らしさなんだと教えられた。落ち込んでマイナス思考に陥ってる時、「自分はこんな悲観的じゃない。このままではダメだ。」と思うかもしれないが悲観的な自分も自分らしくて、でもそれじゃダメだった必死に否定するのも自分らしい。だってそうやって考えるのも行動するのも自分なんだから。そんな当たり前に気付かされた。
シンパイに「あなたはライリーじゃない。だから操らないで」みたいなセリフがあったけど、自分らしくない自分を唯一産んでしまうのが自分ではない誰かに操られること。それだけはしちゃダメだよって言われた気がした。
↑っていう俺が感じた感想。
自分がいろいろ悩んでることをわかりやすく可視化してくれたそんな作品だった。
自分を見直す
前作のインサイドヘッドは見ていないのですが、楽しめました
5人の感情が非常にユニークで面白かったのですがそこに新しい4人が登場して
ハチャメチャでした
以下ネタバレになります
最初はあまり良く思えない新しい4人の感情でしたが話が進むにつれて主人公のことを良くしたい、変えたいという思いがあっての行動と分かっていき9人で力を合わせて人格形成のような感じになっていて映画を見ている自分自身にも思うところがある作品でした。
私は友人と見に行きましたが1人でも楽しめると思います
思春期の複雑な感情。新キャラも可愛い!
ヨロコビ達はだいぶ仕事?になれて結束力も上がっていて良き!そこから、新キャラが出てきて悩むみんな。それからまさかの展開。お互いの言い分は分かるし、納得できるけどシンパイが割と力技に出て驚き。現実側と感情側が上手く交差しながら進んでいき面白い。展開もサクサク進んでいき、感情たちの考えも伝わってきて良き!終わり方も綺麗に纏まっていて良かった!
過去の名作の領域まではあと一歩
大人になってから観たピクサー映画の感想は作り手に対する「感心」「敬意」
圧倒的なキャラ造形、
(マーベルとは違い)事前の知識不要で老若男女、誰にでも通じるコメディ
トイ・ストーリーやモンスターズインクという、とてつもなく完成度が高い作品を送り出したピクサー
この作品もその系譜に入るのではと前評判から期待してたけど
そこまでの爆発力は無いのかな
秀作なのは間違いないのだけど
各々のキャラを活かしたストーリー展開や小ネタをもう少し欲しかった
自分をつくるのは自分
1もすごく面白かったが、2もそれと同等かそれ以上に面白かった。
脳の機能を擬人化したものがここまでドラマチックに感動的にできるなんて、発明だと思う。
ありふれた一般人だからこそ共感性が高いという、何という逆転のアイデアか。
なぜ「思春期」になるとめんどくさい性格になるのか、無邪気なままではいられなくて、生き辛くなっていくのか、理由がよく分かる。
「シンパイ」は「未来に対する備えをさせる」動機になる感情で、大人になるために必要だけど、過剰になると暴走してライリーの行動をのっとってしまう。「シンパイ」の感情だけが取捨選択した記憶で形成された「セルフイメージ」は、「私はダメな人」というもので、特に日本人にはこういう人が多いと思う。
幼少期の発達過程においては、「私は良い人」というセルフイメージをもつことが何より大事で、これがなければ自分自身に対する尊厳を持つことができない。それは自分を大事にする源の感情でもあるし、自分自身への誇りにもなる。また、それがあるからこそ、他人ももっているであろう尊厳を大事にできる。
「ヨロコビ」たちは、この健全なセルフイメージを成長させるために存在する、と言っても良い。そのため、無数の体験の中から、そのセルフイメージの成長に必要な記憶を取捨選択している。
しかし成長して社会生活を送る中で、さまざまな人生の困難にぶつかり、無力感を味わい、客観的・相対的に自分自分を見つめられるようになってくると、単純に「私は良い人」と信じられなくなってくる。そしてセルフイメージを再構築せざるを得なくなってくる。この、一度自分を壊して再構築するという不安定な時期が思春期にあたる。
幼少期においては、「自分」というものは、「感情」たちによって受動的に作られていくものだったが、思春期以降においては、「自分」はどんな人間なのかは、「自分」がつくっていく。それは、単純に「良い人」「悪い人」では割り切れない複雑な自分像。でもそういう「いろいろな自分」はぜんぶ本当の自分で、その全部をまるごと自分自身だと肯定できること、それが本当の意味での人間の成長なのだと深く実感できるストーリーだった。
この映画はちゃんと脳科学や心理学に基づいて作られていると思うが、そういうことを全く知らなくても楽しく観れるのが良い。とくに印象に残っているシーンは、「シンパイ」が未来に起こる最悪な想像をたくさん書かせているところ。それが無数に頭に浮かんでしまい、ライリーは眠れなくなってしまう。
不安で仕方なくて眠れない夜には、自分の頭の中の「シンパイ」が暴走してるんだな、なんて思うと、少しは楽になるかも。
この世界観はほんとうによくできていて、いくらでも続編が作れそう。ライリーが恋愛とかしても面白そうだし、ライリーとはべつの人のインサイドヘッドでも面白そう。
「はたらく細胞」の漫画やアニメもヒットしてるし、これからのSFは擬人化系がくるかも…。
ヨロコビもカナシミも、すべての感情と経験が自分を造る
基本的にはドタバタコメディーで、大人も子供も楽しめますが、子供には少々この映画の意図するテーマや深い意味などを理解することは難しいのではないでしょうか。
しかし、深い意味など特に考える必要もなく、十分楽しいし面白いし、かなり低年齢でも飽きないような工夫もあり、全年齢で楽しめる映画です。それでいて、深い意味や理由など裏を探ることが好きな私のようなひねくれたおぢさんも、勝手に解釈をしたりして楽しむことができました。
・「私はいい子」
赤ちゃんは、自分の感情のままに振る舞います。自分の快・不快をそのまま表すことによって、自分が親の愛情表現という報酬を得ることが可能だからです。しかし、徐々に成長するに従って反応的な感情のみでは、不十分だということを学習します。
獲得した知識・経験によって、その時々「どう振る舞うか・振る舞わなければならないか」によって報酬が変わることに徐々に気がつくのです。「私はいい子」でいる。そのように振る舞うことで、親や社会から肯定され受け入れられることが、自分にとって最も報酬が得られることを学びます。
・「他者の評価」頼みの危険
主人公の頭の中の司令所の中心に、自我の象徴である結晶があります。
司令所の面々は15年に渡り結晶を大事に育ててきました。そして特にヨロコビは、その結晶を大事にしていますし、執着しています。
主人公にとっての自我は「私はいい子」ということ。しかし、「いい子」とは何が「いい」のでしょうか。それは、周りの人達にとって「都合のいい」振る舞いです。それは、あくまで「他者から都合がいい」ということです。
ですから、自分の自己評価は他者の意向に依存していることになります。
「自分はこうしたい」ではなく、「他者からどう見られるか」が重要になってしまいます。
ヨロコビは、主人公の不名誉な記憶を記憶の隅に葬り去ってきました。「自分はいい子」という自我を保持し続けるためには、不名誉な記憶を破棄することでしか自分の高い自己評価を保つことはできなくなるからです。
確かに、必ずしも他者がどうして欲しいのかという意向を汲んでその期待に応えることは、必ずしも悪いことではありません。他者や社会の期待に応えるということは、道徳や社会の規範を学び身につけることに他ならないからです。
しかし、他者や親の意向をすべてその通りに実行することは不可能です。成長するに従って、自分の意思と他者の意向が合致しないことも増えてきます。他者はいつも自分を肯定してくれるわけではなくなっていきます。
・孤独の肖像
シンパイは、一体何をしようとしていたのでしょうか?
シンパイは、他者の評価に基づく「私はいい子」という自我を変更し、挫折や苦しみに主人公が耐えられる自我を造ろうとしました。
もはや他人の自分に対する高評価だけを期待することができなくなったのですから、他人から高い評価を受けることを目標にするのではなく、「自分自身の評価を自分で下げること」によって危機を乗り越えようとしました。最初から他人の高評価を期待しない様にしたのです。
自己評価の高い自我よりも自己評価の低い自我の方が、危機に対応できるように思われるかもしれません。しかし、実はそこから得るものは何もありません。他人が評価してくれず、自分で自分を高く評価することもできないとしたら、そこには絶望しかありません。
・シンパイの杞憂
司令室に復帰したヨロコビは、以前の自我の結晶とシンパイの自我の結晶を交換しましたが、うまく行きません。もはや自分にとって都合の良い記憶だけで形作られた以前の自我では、新しい事態には対処できなくなっていたのです。
実は、嫌な記憶も良い記憶も「ありのままの自分」であって、そこに「良い・悪い」「必要・不必要」はないのです。「受け入れるか・受け入れないか」ただそれがあるのみです。
葛藤の後、主人公はありのままの自分を受け入れることができました。
「自分はいいところもダメなとこもあるけど、それが今の自分」。
主人公は、新しい自分(自我)を織りなすことができました。
人生は、自分にとって都合の良いことばかりおきるわけではありません。「自分はいい人」という他人からの評価が絶対でもないし、「自分はダメ」と自分を卑下して萎縮してもいけない。
「自分はいい人でもあって、ダメなところもある」それを上手く一つにバランスよくまとめていく作業が、長い人生を生き抜く上での大事な過程であるということではないでしょうか。
・生きるヨロコビ
主人公の世界では、特に大変な事件が起こるわけでもなく主にホッケーの3日の合宿がメインです。ところが主人公の頭の中では、感情の大嵐、大冒険が巻き起こっています。
主に活躍するのは、ヨロコビです。
人生の中でも牽引役をする感情は「喜び」なのではないでしょうか。
それは、ただ単に「楽しい」というひと時の気分ではなくて、心の深くから湧き起こるような深い感情です。それはどこから来るのかというと「他者からの受け身の都合の良い評判」を超えた先にある「他人を尊重しあう大人の関係性」から来るのではないでしょうか。
自分の心の中に閉じこもっている時、自分だけが世界に一人ぼっちのように思えて、底知れぬ孤独を感じるものです。苦しみや悲しみに打ちのめされ、さらなる闇へ逃げたくなります。
しかし、私たちは社会や他者との関係性の中に生きています。しかし、そんな「私」を陰日向に支えてくれる友達や親や名もない人がいる。その関係性から得られる喜びこそが、真に自分を自分たらしめて自己肯定感をもたらしてくれるのです。
もし今、他者との関係性や低い自己肯定感から、悩み・傷つき・苦しんでいるとしても、私たちの頭の中ではヨロコビやカナシミが日々自分を応援し奮闘していると想像すると、自分は一人ではないと思えて生きていく勇気がもらえるような気がします。
思春期ライリーと不変のヨロコビ
思春期のライリーの頭の中。
思春期ならではのホルモンが突然溢れ出し制御不能。
元々いたヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカに加わる、
シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィと、
時々早まって出てくるナツカシおばあちゃん。
両親はその時期を経験済みの年のため、頭の中では全ての感情が折り合いよく動いている。
ライリーはこれまでヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリのコントロールによって、文武両道で優しい優等生に成長していたが、そんな良い子にも思春期が訪れる。しかも高校入学がかかったホッケー合宿直前に。
仲間であり友達の2人は違う高校へ行く事を決めていて、ライリーは憧れの先輩がいる高校にホッケー入学するためには、欠かせない合宿。
思春期に入ったからこそ、他人から見た自分の視線が強烈に気になり、先輩達に気に入られなければ、結果を出さなくてはと躍起になりオーバーヒートするライリーの頭の中は、シンパイが占拠中。
元々の感情のバランスが取れた「良い子」のライリーらしさは、友達をさておき自分だけ先輩達に取り入り、コーチの評価ノートを盗み見るような、「私はダメな子」モードに流されそうになるが、蚊帳の外にされたヨロコビが記憶の中を走り回り、これまでとは異なる認知に書き換わってしまったライリーの想い出記憶の中からライリーらしさを取り戻す。
でも、ヨロコビは気が付く。
新しいライリーらしさは、元々の「良い子」や乗り越えた「ダメな子」、思春期の周りとの関わりや経験を通して、ライリー自身が作り上げるもので、それこそが個性でありこれからのライリーの人格になっていくのだと。
合宿最終日、高校からお声がかかるかプレッシャーの重圧の中で、友達2人とは別チームでプレーするライリーは序盤、自分ばかりシュートを決め、仲間にパスを回さず、友達にパックが当たって怪我をさせても響かないほど空回りしていた。
が、反則を食らい、ボックスで過呼吸になりながら、ヨロコビがシンパイを止めてくれてはたと気がつく。
友達を大切にするライリー、人の気持ちがわかるライリーを思い出して、謝りに行こうとすると、友達もライリーを心配してボックスに来てくれた。
謝罪して、試合後半からはギリギリ、自分らしさを取り戻したライリー。
実際の思春期は数年続くもので、合宿の数日間でおさまるものではないのだが、思春期までに培った人格やライリーの人間関係が、思春期のライリーを信じて支えてくれる。
それには、これまでのヨロコビ達感情の活躍がとても大きいと感じた。
ただ、私はヨロコビの仕切り屋さんで、周りの意見を聞かず、カナシミを顎で使うところが前作同様苦手である。同級生だったらまず仲良くならないだろう。
そして、ライリーは、ひとりっこで両親の期待を背負い、周りが自分に厳しすぎるというように、良い子だがかなり心配だ。
これは社会人だったら、責任感が強く鬱になりやすく突然出勤不可になったり自死してしまったりに陥りやすいタイプに見えた。
そうならないためには、「自分を信じて自然体で自信をもつこと」「周りに頼ること」が必要であり、ライリーは思春期のうちにそこに気が付いて習得することができた。
ひと安心。
自分のことを自分でする、
みんなでひとつのことをする、
みんなのためにできることをする、と来て、
思春期には、
自分がしたいことを見つける、
そのために自分を磨く、
周りと違う自分や不完全な自分を認める、
補って貰えるよう周りを信頼して頼る、
自分らしく周りに貢献する
と人間的成長の月齢であり機会も豊富。
兄弟もいないし、何ひとつ友達に相談しないライリーが心配だったが、これからは変わっていくのだろう。
ライリーが成長して大人になっていく過程の脳内をとてもわかりやすく凝縮して描いていると思うが、ヨロコビとシンパイ以外のキャラ達の出番が少なく、ライリーの脳内はほぼヨロコビとシンパイで回っているんだなとよくわかる。2人ともライリーのために頑張っているとはいえ、押し付けがましいんだなー。。
日本人の脳内だと、イッショとかもいそう。
謎キャラ、ポーチ。
成長するということは……
喜びが少なくなるということ……
ヨロコビにそう呟かせるシーンにグッときました。
ライリーは13歳になり、高校に進学します。
いよいよ思春期に突入。
シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシ、ナツカシという新たな感情が生まれます。
新たな感情たちは初っ端から暴走気味で、既存の感情であるヨロコビたちは司令部から追い出されてしまいます。
何とか戻ろうと足掻くあいだにライリーの思考はぐちゃぐちゃになって……
主人公こそ子供ではありますが、この映画は子供向きではありません。
子供時代を何年も前に通り過ぎた大人たちのための映画です。
ヨロコビ一行が司令部に戻る道中で、イカリが言います。
「ヨロコビ。君は間違う。とても沢山間違うことがある。だけどな。お前が居なきゃ、ライリーは前に進めないんだ」
喜びが、希望がなければ、人は前に進めない。
だからいつだって、喜ぼうとする気持ちを見失ってはならないんです。
ここで私は目頭が熱くなりました。
ああ、そうだよなあ、って。
そしてクライマックス。
心配しすぎたシンパイは、暴走したあまりに硬直してしまいます。
なにもかもが不安でたまらない。
どうにかして不安をなくしたい。
でも、どうやって?
そこへヨロコビが語りかけます。
「シンパイ。大丈夫だよ」
ヨロコビだってどうすればいいかわかりません。
大丈夫という根拠もない。
けれど、人間どこかで腹を括らなきゃいけないんです。
心配しすぎたからって、何事も丸く収まるわけじゃない。
どこかのタイミングで、進まなきゃ。
非常に面白い映画でした。
夏の家族映画にはオススメ出来ない名作
インサイドヘッドの1作目を観た時、こんなに間口は広いのに、子供向けにはしないのヤバいなぁ‥と思ったが、
本作はそれに拍車を掛けている。
具体的に言えば、ライリー以下の年齢の子供はターゲットにはならない。
何故ならこの作品は、誰しもに起こるライリーのような心の葛藤に共感し、
自分や、精神的困難にぶつかっている方への理解のための作品だからだ。
間違っても12歳以下の子供と見るような作品ではないのが恐ろしい。夏休みに家族で見ても、難しくて子供には若干退屈で地味な作品として見えてしまうだろう。
まぁ、そう云う子には、大きくなってから見直してもらうしかないだろう。
数年がかりのアハ体験になるかも知れない。
昨今お約束とも言える、ディズニーの多人種表現として、学校の友人やキャンプのメンバーに様々な人種的特徴が見られることがあるが、ギリギリノイズには到っていない。
多人種国家であれば、ギリありえるかもとも思える範囲ではある。
吹替版での視聴でしたが、主演の小清水さんは、見事にヨロコビを引き継いでくれました。素晴らしい采配と演技に感謝。
参加声優・俳優の方々も実力派の方ばかりで、こちらも満足です。
キーキャラクターであるシンパイを演じた多部未華子さんもキャラボイスがすごい‥‥。
ゲスト声優の入れる塩梅も見事。平成フラミンゴとかチョイ役すぎて気づかない。
まずは良かった点を大きく3つ
①物語の結末
ラストのヨロコビがシンパイを助けるシーンで、ヨロコビも自らの過ちに気づくシーンがあった。あれがものすごく良い。あれがなければ、ヨロコビはJoyからPride=傲慢になってしまっただろう。
この感情全てをひっくるめて自分を作る大切なものと言う着地点がブレないため、作品として「仲間もの」「家族もの」のような、一体感のある結末を迎えられた。
もちろんヨロコビの端々にprideを感じさせるニュアンスがあるのも面白いけど。
②映像表現
ピクサーのCG技術は回を重ねるごとに見事と言えるものを見せてくれる。
今回は何と言ってもブルーフィーやランスのくだりだろう。
スパイダーバースの1作目を見ているような、同じCGの中でここまで見事に共存させられた画面作りは、映像的快楽を感じられた。
また、光や粒の描写は、今作とても緻密に描いていることも素晴らしい。リンク上での氷を反射するような光や、捨てた思い出の雪崩のシーンも、やはり気持ちが良い映像だった。
③作品構造
思春期を迎え、感情が増えると聞いた時、最初は大丈夫だろうか?と思った。
しかも出てくる感情が、不安と羞恥心と嫉妬と気怠さ。
一番心配だったのは、やはり嫉妬である。
だが今回の嫉妬=イイナーは小さいのだ。
これは小さい=他を羨ましがる に焦点を当てたキャラデザの表れだろう。しかし、そのキャラに相まって、幼児性も獲得している。
嫉妬ではなく憧れに重きを置いて、スターウォーズで散々見させられるような暗い方面の感情は出してこない。上手いバランスである。
気怠さもライリーの成長の足を引っ張るような事はせず、どちらかと言えばある種の「諦め」のような感情を担う。自己防衛のような役割だ。
このように感情の役割を上手く調整する事で、物語のバランスを非常に丁寧に保っている。心理描写として、見事としか言いようがない。
今作は、本国でも非常に評価が高いようですが、納得の出来だったと思う。
ヨロコビの気持ちを語るシーンには胸に来るものがあるし、イカリが語る「君(joy)がないと前に進めない」の言葉も堪らない。
個人的な感想としては満足だが、
ライリーのドラマパートのみの描写だけを抜き出して見てみると、結構歪なシーンも多いとは思う。
他の学校へ行く事を黙っていた友人はキャンプに誘われた時に態度で示すべきだし、コーチのスマホ没収は練習時間だけ(未成年の両親への連絡など)にすべきだし、未来を見据えての進学決断のライリーだが憧れのバルのチームメイトに魅力がない。
現実側が舞台装置になっているため、多少の筋書きの歪みは感じるが、ある種サイドストーリーでもあるので、許容は出来る程にはなっている。
ただ、そこまで綺麗に補完出来ていたら、もっと良い作品になっていたと思う(自分の読み込みが足りないだけかも知れませんが‥‥)
色々と書いた本作ですが、
joyとprideについても書いたように、この作品は、まだ進む事も出来る。
と言うか、人気が出たので、次作の話も出ている事だろう。
‥‥ただ、ここから先を描くと、大罪と呼ばれる欲が増えるし、いつかは色欲を描く必要も出るかも知れない。
色欲は今一番描きづらいテーマなので、描くのかどうか‥‥。
もし続編があるなら、見事な着地点に期待したい。
思春期爆発2 〜難しいお年頃〜
ためにためてお盆期間に鑑賞〜✌️期待通りの素晴らしい作品でした。
前作を見返しての鑑賞でしたが、前作を観てなくても忘れてても大丈夫な作りになっていました。
主人公のライリーが前作では5つだった感情が思春期に入り感情が増え難しいお年頃に突入❗️😵、新しい感情のシンパイを中心に色々と進んでいく。
進行していく中でシンパイが物語上の演出でしかたないのかもしれないが、たまに悪役のような立ち回りに(自分勝手にライリーの感情をほぼ独占してるからかな…💦)みえる時があり、思春期をとうの昔に終えた大人だから思う事なのかな〜😅。
シンパイのやり方も間違ってはいないが10代の頃は失敗もなにも経験ないから友達を怒らせてしまうような行動ばかりを優先、一言声かけるなどこうすれば良いのにな〜😵っとライリーにいらぬ心配をしながらハラハラして観てました(笑)。
最後はまとまってたし、ヨロコビはライリーにはみんな必要な感情だという事は前作で気づいているからね😄。
物語も前作の5つの感情と新しい感情達と場面が変わるので前作はヨロコビとカナシミでの行動だったが今作はイカリ・ビビリ・ムカムカも一緒だから良かった感が(笑)。
新キャラはシンパイのぐいぐい感すごいがハズカシが何気に活躍してるのほっこりした☺️。
後はなんといってもカナシミがやたらキュートに可愛く見えて今作の全キャラ中で1番好きになりました😊。
ビンボンは出てきてほしかったな〜(せめて保管庫とかに(笑))。
終盤の皆んなで木をかこって抱き合うシーンは涙腺を揺さぶられました(なぜか耐えてしまったが(笑))、それほど感情達のライリーへの愛(かな❓)に感動させられました。
今のライリー同世代やその年代を持つ親、過去に思春期を経験した大人(皆だよね💧)なら凄く楽しめる作品だから大ヒットに繋がってるのかな❓(笑)。
「私ときどきレッサーパンダ」も似たような思春期時代だが、メインストーリーは親子なので「インサイドヘッド2」のが万人受けするの納得‼️。
唯一残念なのが竹内結子さんが続投できない事😢。
新しい声が合ってない訳では決してありません🙇♂️、同じ声で聞きたかったっと言うただのワガママです。
ご存命であればきっと声をあててくれていたでしょう。
竹内結子さんのご冥福をお祈りいたします。
少女の思春期をピッタリ表現! 感情の内側変化を上手く魅せているのが秀逸!
お盆真っ最中だけども (迎え松明やったよぉ (*´▽`*) )
夕方、随分と涼しく成って来たかな~この頃。
秋の足音が少し聴こえて参りましたよ。 (=゚ω゚)ノ
そんな日を迎え 今日は「インサイド・ヘッド2」の鑑賞です。
何とこの映画 本国アメリカでは本日現在
6億ドル突破してるんですね~ スッゴ! (≧◇≦)
2015年:インサイド・ヘッド
2024年:インサイド・ヘッド2 (今回で2作目)
思春期を迎えるライリー。
彼女の5つの感情:「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「恐れ」
これに 新しい5つの感情:「不安」「嫉妬」「羞恥心」「倦怠感」「懐古」
全部で10個のキャラが入り乱れにw。
アイスホッケーキャンプに招待されるライリ-。
彼女の級友2人と、新しい学校環境でチームとなるメンバー達と
果たして彼女はこの未来に起こる難局を如何にしてマインド制御して
人生を謳歌(楽しみ喜び合う)出来るかが今回の話。
小学校⇒中学校までは義務教育。友人仲間は余り変わらないだろう。
でもこの先 高校進学、大学へ行ったら?? クラブに勉強に
自分に影響する環境が目まぐるしく変わっちゃう。
そんな身に起こる不安を丁寧に描いてます。
コレは中々 年頃の子供達、親御さんが観るにお薦めな一作だと感じました。
思春期迎えると訳の分からん事考えたり、やっちゃったり、
どうも遣る事と思ってる事がチグハグだったり。
他人の目線がやたら気になったり、すぐ落ち込んで、そして何故か元気に。
感情のジェットコースタ-の毎日。(ソレ僕やんw)
まぁ 一日映画数本も観てるとね。そりゃ感情もオカシク成るよね。
そんな感じでしょうか。
前作時、カナシミが受け持つ重要性がテーマだった様に。
今回は 色々な感情、想いが 決して無駄では無いんだよ。
総て人の生きる様(現象)を現わしていて、人として育つためには
その経験・感情達が育んで成長する。それを上手く魅せていたと感じました。
流石、ディズニ-でしょうかね。
そして 人はいつか歩んできた人生を「懐古」するのでしょう。
だから 出番は今じゃない! (*´ω`*)
※お盆だから そう思うのかもです。
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ヨロコビ:(CV竹内結子さん)と
カナシミ:(CV大竹しのぶさん)の掛け合いが また観れたら良かったのですが
竹内さんの後、CV小清水亜美さんにバトンが渡ったのですね。
イメ-ジは損なわれていなかったと感じます。
ヨロコビのライバル シンパイ:(CV多部未華子さん)もとっても良い感じでしたね。
そして、日本語版主題歌:SEKAI NO OWARI「プレゼント」も
心に丁度響くイイ感じに流れてきて ラストを締めくくってますね。
夏休み後半~
ご家族揃って 是非劇場へ
お越し下さ~い!!
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PS:もう直ぐ ”夏目アラタの結婚” 公開。クレ-ジでサイコな人物の
インサイド・ヘッドも観てみたいかも。配給A24とかなら遣りそう。
Nextサスペンスホラ-バケ-ションに期待するw!
シンパイタイプ
TOHO CINEMAS MAGAZINEの
キャラクター診断やってみた♪
私はシンパイタイプでしたw
子のリクエストで鑑賞。
(ヒットした前作は未鑑賞ですが、問題ありませんでした)
子も私も大好きな「カールじいさんの空飛ぶ家」を手がけた、ピート・ドクター監督作品。
夏休み中だし、作品が作品なので、ある程度は察していましたが。。
いや〜賑やかで(°▽°)
けどよ??
子供がうるさいのは我慢するが、大人が上映中も話し続けてるってどうなの??
後ろの中学生男女兄弟とお父さん。
子と映画来てテンション上がっていたのか、お父さんだけずっと喋ってて。。
ヨロコビの事を「ウレシイ」と言ってみたり、いちいち弟君に解説?してみたり。。
子の方が常識的で「うるさい」「黙れ」と注意していたが、それでもお父さんちょけ続けていました。
正に、お子さん思春期なお年頃なのでは??嫌われるゾ!と思ってしまった。
お子さんを前に注意するのも気が引けたので我慢しましたが、私の中のムカムカとイカリの登場回数多めでした( ̄∇ ̄)
さてさて本作ですが。。
ヨロコビ、ビビり、ムカムカ、カナシミ、イカリと、子供の頃からライリーを見守る感情達に、シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィと、新たに現れた大人の感情達との意見の食い違いによって起こる衝突を描いたもの。
そう!思春期!わぉ!厄介!
自覚はないのだが、家族が集まると私の思春期は酷かった!という話しになりいつも肩身が狭くなる。
パパを無視しまくっていて可哀想だったと言われ続けているし、これから来るであろう私の子の思春期にぶち当たり、あの時のパパの気持ちがわかるよ〜!って脅かされている(°▽°)
あんたの子だもんきっとすごいよ思春期!って脅かされている(°▽°)
実際、あの頃のあの何とも言えない感情は、まるで感情やホルモンに乗っ取られているかの様で、自分で自分をコントロール出来ない、何とももどかしい時期だったのは覚えている。
無意味にイラついたり落ち込んだり、友達を羨ましいと思ったり、自分はダメだと絶望したり。。
あの時の私の感情達も、ライリーの感情達のように次々と司令塔が入れ変わっていたのかな。なんて思いました。
あの頃の爆弾の様な私を、見捨てず見守ってくれた親きょうだいには感謝しかありませんw
部活で空回ったり、親友とギクシャクしたり、新たな仲間に溶け込もうと一生懸命だったライリー。
私はあんなにキラキラした青春じゃなかったけれど、一番の壁は人間関係だったので、ライリーの気持ちが良くわかった。
ヨロコビのようなポジティブな感情は勿論大切だけど、一見ネガティブに見えるシンパイやビビりだって、危険回避には欠かせない感情。
どんな感情も大切で愛おしくなりました。
そして、今まで経験してきた様々な記憶や体験。
失敗や悲しい記憶を捨ててしまうのではなく、それら全てが今の自分を形成している宝物なんだとも思いました。
ライリーの成長を通して、感情達も譲り合って、パニックにならないように対処していけるようになった所が良かったです。
ライリーが頑張って作った花がとても魅力的でした。
様々な感情をキャラクターとして擬人化する事で、小学生にも理解しやすい作品ですね。
鑑賞後、子に感想を聞くと「お母さんはシンパイに似てた」とw
理由は「いつもいつも"大丈夫?"って聞くし、何かあるかもしれない!って言って荷物が多くなる」だってww
そう。お母さんはシンパイだねw
でもだって、いつでも君が心配だし、何かあったら!って思って荷物も多くなっちゃうんだよ。
ママ友にはドラえもんか!と言われている。
大抵の物は出せるw
そして
子は自分の事を「イカリ」に似ていたと言うから又また母さんシンパイ発動で動揺!!
え?!え?!
「暑がりだから頭から火が出てたのが似ていた」という理由を聞いて一安心。
はぁ〜ビックリした。でもでも本当は、夏休みの宿題が「ダリィ」だそうです(°▽°)
いいからそれは早くやって!
だけど、
色んな想いがあって良いんだね、と、言っていたので、おお!そうだね!その通りだよ!って、大袈裟に褒めておきました♪
まぁ、実際大人になると、もっと黒い感情達も登場してくるのですが。。
ライリーパパママには5つの感情しかないの変だ。。とか思っちゃったよニヤリ^ ^
そして
「お父さんは心配症」って漫画あったな〜って思い出して、読みたくなっちゃった。
本当は字幕で観たかったのですが、吹き替えの声優さん達も達者でした!
多部ちゃん!大竹さん!見事でした。
映像も綺麗でした!
私は子と映画の感想を言い合う時間がとても好きなので、幸せな時間をありがとうと思いました。ヨロコビ〜♪
素晴らしい、けども。
1は本当に大好きで数あるピクサー作品の中でもナンバーワンクラスです。その続編ということで楽しみにしていきました。もちろん素晴らしい作品です。
「思春期」という難しい時期にさまざまな感情が生まれ、ヨロコビやカナシミなどだけでは無い感情たちと共にいわば「大人になっていく」というストーリーはどの人にとっても共感できるものです。
特にクライマックス、シンパイが動きすぎて(つまり過剰に心配になってしまって)逆にコンフリクトを起こし動けなくなってしまう、という描写が素晴らしいです。これは誰だって経験したことあるものでしょう。
それぞれの新たな感情もいいです。特にハズカシとイイナ、このふたりは実は「他者ありき」の感情なんですよね。世の中に自分しかいなければ、ハズカシもイイナも起こらない。このふたつを持つことが、他者を意識する思春期でしょう。
ただ。
流石に感情のキャラクターが多くなりすぎです。そのせいでそれぞれのキャラクターが活きていないという感じです。それはとても勿体無いですね。むしろ今回はシンパイの登場だけでも良かったかもしれません。(ダリィ、ハズカシ、イイナがいいキャラなので苦しいところですが)
ナツカシは本当にたまに顔出すだけなのでこれは削っても良かったのではないでしょうか。
前作にあったギャグ(理想のボーイフレンドやガムの歌)なども減りそこも惜しいです。ただこの上映時間に収めるには仕方ないところかもしれません。むしろこの話は配信ドラマのほうが合うかもしれません。
【日本語版主題歌】
前作冒頭の日本語版主題歌は正直、私にとってはトラウマ級のひどいものでした。なぜピクサーの映画を見に来たのに冒頭数分、日本語版主題歌を聞かなきゃ(見なければ)いけないのか。あれは酷かった。もちろん歌ってるアーティストに罪はありません。今回も日本語版主題歌があるとのことで本当に憂鬱な気持ちで行きました。しかし今回はエンディングロールに使われておりそれほどまでの不自然さはありませんでした。1の日本語版主題歌に憤っている方にもそこはご安心いただけると思います。
【日本語吹替版声優について】
メインキャラクターであるシンパイを演じた多部未華子さんは素晴らしいですね。彼女の新境地と言えると思います。そのほかの声優さんもすべて素晴らしいです。
一点だけ。これはもう叶わぬ願いですが、1と同じ声優さんが演じる2のヨロコビ。。聞きたかったですね。もちろん2のヨロコビの声優さんは素晴らしい演技です。
前作からの成長
人が成長し色々なことを感じるようなことになり、感情が増える。
それにより、行動が複雑になって、更にまど上手く制御ができない、と言う様子がよく表現できているなぁと思いました。
ストレートな表現でテンポも良く、見やすかったですね。
喜びの声優さんが本業の小清水さんになりましたが、個人的には満足です。
竹内さんとはまた違った味があるかな。竹内さんも良かったし、今回も良かったかな、と。
次はもっと複雑になるんだろうなぁw
感情からの自立を描いた思春期の成長ストーリー
前作はまだ小学生低学年だった娘と見に行き、今作は高校生となった娘と見に行きました。そんなに月日が経ったのか。。
この作品とても好きです。感情を押し殺しては人間成長できないし、本当の幸せは手に入らない、という人間にとって非常に大事な事を、小難しくなく分かりやすく教えてくれる作品。
今作も基本的な構造は一緒だけれど、新しいギミックや思春期ならではの成長の奥深さも感じられる良作でした。
前作は遠方への引越という幼いライリーにとって劇的な環境変化を、我慢して抑え込んでいたカナシミを解放することで乗り越え成長する物語。
今作のライリーは思春期となり、大きく変化し始めた人間関係に順応しようとする中で、新たに芽生えた感情に翻弄されながらも、なんやかんやで乗り越えますよ、というお話。
新たな感情として登場したシンパイは、新しい人間関係に順応するために当初はうまく立ち振る舞い、それまで司令塔だったヨロコビに変わってライリーの言動を支配していきますが、シンパイの感情に支配されたライリーは次第に暴走していくことになります。
ここで今回新たに登場した人格ギミックが展開のキーとなります。
それまではヨロコビ達が選別したポジティブ記憶のみから構成された「私いい人」キャラでしたが、シンパイによって「私ダメな人」キャラにキャラ変させられてしまいます。
なんだかんだあって、今まで忘れようとしていたネガティブ記憶も含め色々な記憶・経験を統合した、いい人キャラでもダメキャラでもない、豊かな人格が形成されたことで、これまで一方的に感情によって支配されていた脳内制御をヨロコビに任せることをライリー自ら決断します。
シンプルに悲しみを乗り越え成長する子供の脳内を描いた1に対して、思春期特有の人格崩壊と再形成、感情優先の幼稚な子供から理性で感情を制御できる大人へと、やや複雑だけど人として大事な成長を描いたこのシーン、ここが1との一番の違いであり、この作品一番の見せ場でした。
エンドロールでのサブキャラの脳内劇場を密かに楽しみにしてましたが、今回はパパとママがほんの少し出てきたくらいでしたね。
続編があるか分かりませんが、ミッドライフクライシス真っ最中の私としては、中年の挫折と復活に直面した脳内を描いて欲しいですね。需要あるか分かりませんが。
思春期の女の子の頭の中とランス・スラッシュブレード
実家帰省時に7歳の姪と5歳の甥が観たいと言い出すので、吹き替え版を一緒に観に行きました。前作は未見ですが複雑そうな話なので子供にわかるのか? と思いましたが、彼女達なりに解釈して楽しんでいるようでしたので子供向け映画は深いなあ、と思いました。
中年のおっさんなりの視点としては、ライリーという女の子が思春期を迎えて新しい感情が芽生えて塞ぎ込んだり親友とうまくコミュニケーションができなかったり、憧れの先輩が現れてはしゃぎたいけど恥ずかしいから抑えてしまったり・・・みたいな光景が共感出来たりできなかったり、「中学生女子」の悩みが視覚化されて面白かったです。
前作のキャラ(感情)と新キャラ(新しい感情)が対立しているようにも思えますが、全て一人の女の子の成長のために必ず発生する必要な感情達であり、対立ではない。全てが共存して必要とし合っている、というのが大切なのかな、と。それは大人にも言えることで、表面的に観ると「シンパイ」が前作のキャラを排斥してネガティブ思考に染めてしまいますが、人間が生きていく上では「シンパイ」も必要であり取り除いて良いものではない。実際、心配のあまり色々な事を考えて計画を立てているという前向きな行動をしているように見える。それを観て納得する部分も大きかった。
ただ、新キャラの中でもシンパイの出番は多いですが他は少ないです。それは主人公の女の子の環境と性格がそっちに寄っているから、と解釈しています。例えば「イイナー」は羨望ってことなんでしょうけど出番が少ない。それはこの女の子は他者を羨むことが少ないという事なのでしょう。
引っかかったとしては、ラストに向けて感情達が動いていく中で、「これまでの記憶や感情がライリーらしさを作っていく」というヨロコビのセリフ。色々な感情から行動をとり、記憶や経験が積み重なって人格が形成されて行くので、確かにその通りだと思います。ですが、それをキャラクターに言わせてしまうのは少し勿体ないと感じた。それは神視点の台詞であってキャラクター視点ではない。言うのであればお父さんとかお母さんとかコーチとか。それだと難しくなってしまうのか。言葉にせず情景として描くか、でもやっぱり一番大切なメッセージだから言語化するべきだったのか。うーん。子供向け映画は深い。
ランス・スラッシュブレード。オタクのオッサンなのでこのキャラが登場して中村悠一の声が出た瞬間に爆笑してしまった。驚いてた5歳の甥、ごめんね。「スマブ〇やんけ」「リン〇とクラ〇ドとマイ〇〇ルポニーが混ざってる」「それで声が中村悠一なんかい」「しかも出落ち」と一斉にオタクのツッコミが浮かんでしまった。吹き替えで観てよかった。
思春期
子供から見たら大人ってすごく立派に見える。
子供らしさから脱却したい、そんな時期の思春期。
反発したり、自分を恥じたり、将来に不安を覚えたり、気怠げになってしまったり、、、新しく生まれる感情。
大人になればなるほど、人の声色や表情に敏感になってしまうの何でなんでしょうね、、。
知育番組のキャラクターが忘れ去られてるところ、すごい好きなシーンだった!花江夏樹で1回現実に引き戻されたけど笑
考えすぎた時に、1回落ち着こう冷静になろうって出来るのは、司令部で他の感情たちが止めてくれてるからなんだなぁ
恋愛とか更年期とかもやったら面白そう!😬
最後のオチは“自分らしさ”。
綺麗なところだけ切り取っても、有頂天になって失敗した時に取り返しのつかないことになる。
自分のダメなところも苦手なところもしっかり理解してこその自分らしさ。出来ないならやってみるまで!
素直にいい話
ライリーも思春期となり新たな感情が芽生え成長していく話です。
自分の頭の中もこんな感じだったのかな…?子供達もこんな感情達がぶつかりながら大人になっていったのかな…なんて思いながら観てしまっていました。
いらない思い出なんかない。失敗や嫌な事も自分の成長に欠かせない大切な経験なんだって、あらためて思い出させてくれた映画でした。
楽しく見る心の働き
前作未見の状態で見たが特に問題はなかった。専門家の指導を仰いだと言う、思春期の心の働きが直感的に理解できるストーリーがよく出来ていて面白く、自分の花を咲かせる仕組みや記憶の倉庫などの美しい画もあって、楽しく観ました。
特に、シンパイちゃんがどんな心配があるかのブレインストーミングをさせている場面が印象的で、あー、こうやってどんどん不安が高まっていくんだな、だからヨロコビ(楽天主義)ちゃんを心の中に常駐させておくことはとっても大事なんだな、と思った。そして、全ての感情には各々働きがあり、そのどれもが必要なものだということを、シンパイに「こんなはずじゃなかった。ただライリーを護りたかっただけ…」と言わせて表現しているのに泣きそうになった。記憶の彼方に追いやったイヤな思い出達だって脳内ピットに戻るための礎になっているところもいい。全てが自分の花の素なんですね。エンディングで流れるセカオワの曲もエモかった。
隣の大人のお姉さん二人組がラストで号泣されてましたが、思春期アラーム(秀逸なアイデア!)が脳内に設置される年頃の子供達やその親御さんには間違いなくおすすめです。
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