インサイド・ヘッド2のレビュー・感想・評価
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本当に自分が好きになりたい人へ
ちょこっとだけ横道に逸れるが、前回のインサイド・ヘッドの竹内結子さんのヨロコビが好きだから、少し受け入れるのに時間かかり、今になった。それは作品においてどうにも出来ることではないし、自分の柔軟性のなさだと思っている。そこは見る側として申し訳なく思った。
ここからはインサイド・ヘッド2の本編に関すること。感想を書きたい。自分は自分が好きにではない。と言うか自分に関心がなく、興味もなかった。そんな自分が見ていて、自分とは複雑な感情が混じり合わさり出来てるものだと思っていた。要は自分に関心がない上に、自分は世界を斜に構えて見てる嫌なやつで、感情面は人より豊富だと勝手に天狗になってるだけの奴だったと言うことだ。
実際にはそこまで深く考えてるわけでもなく、語彙力なんて凡人にも追いつかないレベルのくせに。なんて言い訳がましいが、この映画はもっとシンプルで誰の心の中にもきっとある当たり前の感情が、個性豊かなキャラクターとして出てくる。実はヨロコビが最後にシンパイを心配する部分に感動して泣いてしまった。
人間はシンパイという感情があるから、危機回避の想像を極めた生き物だと思っていたが、楽しい、嬉しい、なのにシンパイをしてしまうのは何故か、そこはイマイチイメージは湧かなかったけど、この作品を見て納得した。それはあぁいうイメージが脳内で繰り広げられてるからなのだなと。なるほどと、衝撃的なイメージだった。
本当に自分が嫌いになりそうな時はまた見よう。今回は自分は自分に歩み寄りたくなった。次回見る時はどんな感情で観れるだろう。その日が待ちどうしい。
大人も子供も誰でも一度は見て欲しい作品だった。
頭の中の私のための私達
1のが好きだったかなあと思いつつも今作も良かったです。
皆で複雑なライリーの気持ちをぎゅってしたところでめっちゃ泣いた。
感情が感情を選定してライリーを作るわけじゃなく、全ての気持ちふくめてライリーなんだね。悲しい気持ちもどこかに捨ておけない。だって人間だから完璧じゃないもの。
自分の中の感情達はどう動いてるんだろうという視点で見てしまいます。なので以下自分語り注意。
複雑なライリーの感情をぎゅっとしたところで皆ライリーが愛おしいんだねと。自分を愛してるのは自分なんだなあと不思議な感覚に。
ああいう全ての感情丸っと全部愛おしいと思うのを、夫や家族に対しては思うのだけど自分に対して感じたことはない気がする。普通はああなのだろうか。
私の中では不安がとても大きくて、今回の映画のようにいつも先回りして完璧であろうとしてる。喜びとかの自分の感情がわからなくなっていて、本当にあの金庫の奥に行ってしまってるみたい。だけどその感情達は多分今も私のことを愛してどこかで待っててくれてる、愛してくれてるのだろう。か。
自分がしたいこと、好きなことを不安なしに考えられないんだよなあ。傷つくことを恐れて安牌を探す癖がついてしまった。昔の純粋に楽しかった頃の思い出を思い返すことも自分の感情を探す旅にはいいのかもしれない。
どこかで待ってくれてる感情達に会えるよう頑張りたい。会ったら愛しそうにハグしてくれるといいな。
グッとくる所もあったけど、、、
設定に違和感?感情のキャラ達に少し無理がある気がすると感じました。
親友達に正直な気持ちの告白と謝罪には観ているこちらも胸が苦しくなってグッときてしまったけど、なんか、、、うーん。
憧れの先輩と会話してる時にダリィ感情って現れるかなぁ、、、ちょっと共感しづらい?よく分からない場面?設定?がちょこちょこあった。
大人こそ観てほしい
泣いた、
もう涙がとどめなく溢れるって言葉がぴったり
っていうくらい泣いた。
1も泣けたけど
今作はさらに心にダイレクトに刺さる。
アニメーション作品は第一に子供達に楽しんでほしいけど、
『インサイド・ヘッド2』は
大人にこそ深く深く染み入る物語だと思う。
自分のどんな感情も愛しく思うし、
これまでの人生やどんな選択も肯定したいと思えるし、
色々なことを思い考えながら一生懸命生きる自分に「お疲れさま、ありがとう」と声をかけたくなるし、
これからはもっともっと自分自身のことを大切にしなければ、と思う。
前作より各キャラの活躍や魅力が伝わるシーンがたくさんあり、ムカムカ推しとしてはそれも嬉しかった!
また、普段はすこーしやりすぎ?と思うこともあるヨロコビが終盤にシンパイと向き合う場面では、ヨロコビだからこそのあたたかな安心感があったし、練習試合最後の太陽の光と「あなたを必要としてる」の演出は、どこか身に覚えのある感覚で、ああ、自分の中にも彼らがいるんだなぁと実感する秀逸なシーンだった。
ストーリー展開やチャーミングなキャラクター達を楽しみつつ、
複雑な感情にまっすぐに訴えかけてくる、素晴らしい作品です。
こんな作品をつくってくれて本当にありがとうピクサー!!
感情の視覚化
1を観ていたので2も鑑賞。字幕。前作のピンボンが大好きで悲しくて手放したくなくて涙溢れて大好きだった。歌も歌える。
2はライリーが思春期を迎えてより複雑な感情が入り混じってくるお話。
ヨロコビのうざさはそのままに(笑)新キャラ“シンパイ”が追い詰めます。私も心配な時、ああなってるんだと視覚的にみられてどうしようもなく支配されてつらい気持ちがよくわかった。それを止めるのは良いこと悪いこと全て自分を作ってきたものだと。それが自分らしさと。冗長なセリフで説教くさく伝えたりしないところ流石です。
ライリーがヨロコビを求め、本当の友達は心配してくれるところ涙出る。
小ネタは笑えるけど、中盤少し眠くなる…子供も楽しめる作品だからゆっくり進むのは仕方ないですね。
シンパイ以外の新しい感情にももっと活躍して欲しかったところはある。キャラ多いからなぁ。
ヨロコビのところにピンボン置いてあった?
のんびり観るには良き映画でした。
“ナツカシ”ばかり出てくるこの頃です。
まぁまぁだった。
個人的にストーリーは2015年公開のインサイドヘッドの方が良かった。
まずインサイドヘッド2でライリーがやってるアイスホッケーは習ってる子供も少ないし共感が薄い。
ライリーも思春期になったけど、「分かる!自分もこんな経験あった!」って思う描写も2015年公開のインサイドヘッドと比べて少なかった。てかほぼアイスホッケーやん、、ってなった。アイスホッケーの印象しか残ってない。
シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシの新キャラクターの登場は思春期イメージできて良かった。
ただ、もっと普通の子供が経験するようなものが足りなかった気がする。もっと学校で経験するようなこととか、思春期中の家族関係とかの描写が個人的に欲しかった。友人関係の描写は考えさせられたから良かったし共感はできた。
まぁ友達や知り合いにはおすすめしない映画、、
キャラクターの動きや仕草、背景なんかは良かった。
やり過ぎ
どうにも…けたたましい。
1作目もこんなだっけ?
とにかく台詞に捲し立てられる。
13年かけて作られた性格が「私はいい人」ってのも気に入らない。
様々な感情は自分だけのもので、推奨モデルなんかはないはずで…それにも関わらず、画一的なスタンダードがあったような気がしてならない。
それを「ヨロコビ」達が押し付けてるような気もしてて…なんかこんなシステムだったっけと頭を傾げる。
1作目は年も幼く、自我を形成する時期だったから気にならなかったのかしら?
今回は思春期で…様々な感情が生まれて、より複雑になっていくみたいだ。
「心配」とかが出てきて、リアクションが多様にもなってその経緯に感心はする。
なのだが、途中から対立する構図になって、ライリーの主導権の奪い合いみたいになる。何を見せられてんのかよく分からないのだ。
なんか言わんとする事は分からなくもないのだけれど、お節介が過ぎるというか、エンタメが過ぎるというか…俺は楽しくなかった。
ただ、公開してしばらく経つのに映画館は満席に近い状態で、隣の席のJKだかJCだか微妙なお年頃の女子は、館内が明るくなった途端「良かったー」と感激した様子だったので、良い映画だったのだと思う。
結構楽しみにしてたんだけど、ライリーの成長の割には全ての感情がなんの成長もしてなさそうだったのが、不満だったのかもな。
見る価値あり
カナシミの存在が受け入れられたり
どれも大切な感情というのをより深く考えさせられたり実感しました。
映画を見ながら
それわかる!!と言うような共感シーンもあれば見てて身勝手すぎイライラする…と感じてしまうシーンもあってこういうふうに感じられるようになったのも私の成長だと感じましたし、いくつものシーンを重ねる毎に感情に支配されてるという感じが好きです。
ただ、最後は感情たちの操りではなく、ライリー本人の在り方を優先したところが成長に感じました。
ライリーだけではなくて感情の子たちも共に成長してるように感じられて素敵だなと思いました。
大人になると感情のままに動くのでは無くなってママやパパたちの感情みたいに落ち着いていくのかなと思うと3が出るの楽しみです。
自己受容の物語
観てきた人に聞いたら、「面白くなかった!シンパイが余計なことばっかりするんだよ!」と言っていたので、これは観たいと思いました。
シンパイが余計なことをする…まさにいつものわたしなので。
子供の頃は、単純で楽観的である意味乱暴で、何も気にせず自分の気分のままに生きていたけれど、大人になるにつれ色んな事が気になって人の目も気にするようになったり、どんどん厄介な自分に手こずってきました。
シンパイなんかしなければいいのに、ハズカシイもなければいいのに…でも、全部自分なんだって受け入れて色んな気持ちを大切にしたいと思いました。
観てよかったです。
思春期真っ最中の子供に見せたかった…
思春期というボタンが現れたり、新たな感情たちが登場してやっぱり視点はとてもユニークで面白かった。
ただ、シンパイが(悪気はないけれど…)とてもウザくて映画を見てイライラ…
最後はディズニーらしく(感情の中の)主役と仲直りして終わりという、幸せな終わり方。
映画を見るのは日々のストレス発散を目的としてるのでもうちょいスカっとしたかったな…。
でも今後のライリーと感情の成長も見てみたい!大人になったライリーの頭の中にはちょこちょこでてきてた『ナツカシ』もでてくるのかなw
思春期を迎えたライリーに新たな感情が芽生えます。これからもライリーがライリーらしくあるために、彼女の心の内が揺らぎせめぎ合う姿を描いたお話です。
前作は劇場で観た記憶あります。えーと…何時だったか。
とオモイデが遠い記憶を検索中。
あ。2015年8月でした。9年前です。(…遠い目)
”とりあえずこっちも観なきゃ” とコウキシンが脳内で騒ぐ
ので鑑賞することに。・_・
さあ鑑賞開始。
主人公の女の子はライリー。13才。
アイスホッケーのチームに所属。腕前はなかなか。
先日の試合では勝利したものの、反則やらかして退場。あら。
そのことがずーっと気になっている。
そんなライリーの頭の中では、ヨロコビをはじめ「感情」が
ライリーの言動に影響を与えている。ふんふん。
ライリーにはホッケー仲間が二人いる。
ある日の試合後、高校の強豪チームから「合宿に参加」しないかと
ライリーたち3人に声がかかる。嬉しい。
有頂天になり、高校でも3人でプレイする場面を想像する。
ところが合宿に行く途中、2人から思わぬ発言が…。
二人はライリーとは違う高校に行くというのだ。ショック。
# 憧れの選手のいるチームに入りたい
# 今まで一緒だった仲間と離れたくない。
年上の先輩たちに認められたくて、背伸びしてしまう
今まで好きだったものを、友人二人の前で貶してしまい
実力を認めてもらいたくてスタンドプレイに走ってしまい…
その挙げ句、友人に怪我をさせてしまい…胸の内に生まれて
くるのは、焦り 不安 後悔
次第に情緒不安定になっていくライリー
何とか感情をコントロールしようと、一人で頑張るシンパイ。
シンパイに君たちはもう要らないといわれたヨロコビたちも、
ライリーの経験した「良くないこと」を遠くに捨て去ろうと
していたことに思い当たる。
今までの経験・体験は、ライリーに必要なものだった
ヨロコビたち、今までのライリーの感情と、
シンパイたち、新たに生まれた感情とが一つのライリーとなる。
そして…。
◇
と、こんな感じのお話でした。
つまらない作品ではないのですが、観ていて疲れました。・_・;
9年前の作品のときはどんな感想だったかなぁ と前作の鑑賞
メモを確認。前作も今回同様「疲れた」の感想。あらま。
(※前作のレビューは書いていません)
ヨロコビとシンパイが、ライリーを何とかしようと忙しなく動
き回る姿。それを一緒になって見ていて「疲れた」と感じた
訳なのですが、良く考えてみればそれは
思春期に入りかけた少女の心理の変化を「本人+感情」たちと
一緒に追っかけ回ったからなのだろうな とも思います。
その点で、子供のそして思春期に差し掛かった少女の心理を
上手く描いた作品かなとも思うようになりました。
観て良かった作品と思います。
続編出来ないかな。
(出来るなら9年後よりは早めを希望♡)
◇あれこれ
■もの足りなさを感じた要素
思春期といえば、初恋。
…かなぁと思ったのですが、恋愛要素は前作にも今作にも
描かれませんでした。(今回のは「憧れ」でしょうか?)
次作があるのなら、そのあたりを観てみたい気がします。・_・
■遠くに飛ばされた「嫌な記憶」たち
ヨロコビたちがライリーのためと考えて、良くない想い出を
脳内の遠くまで吹っ飛ばしていました。 あれー。
そんな事をしたら人格形成に歪みが出るのでは…と心配して
いたのですが、最終的にそれらを含めて思春期に立ち向かう
新しいライリーが生まれる伏線(?)になっていたのは良い
展開でした。(個人的に好き)
嫌な経験もすべて、自分の一部ですよね。 (…しみじみ)
■ヨロコビの表情♡
アップの表情ではなく(失礼?)比較的小さめに画面に映った
ヨロコビの表情。それが百面相みたいに色々な表情に変化する
のです。クルクルと。
その変化がとても可愛らしくて、癒されました。 はい。
◇最後に
エンドクレジットの中に「田中敦子」さんの名前を見つけました。
この作品ではライリーの母親役で出演されていたのですね。前作
もそうだったのでしょうか。
謹んで哀悼の意を表します。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
メインコントローラーの大切さ
1未鑑賞なのですが、吹き替え版鑑賞で楽しかったです。
ライリーは感情のメインコントローラーがヨロコビなんですね!思春期のこの頃が今後の自我の形成にめちゃめちゃ大事です。
フアンが涙をポロリシーンで一緒にポロリ。
しかし、親友なら違う高校に行くことは悩んでる段階で教えて欲しいなぁ。。ホッケーより、こちらのネタを引きずりまくり、私ならトラウマ案件だなと思いました。
私は若い頃から怒りがメインコントローラーなので、大人になった今でも感情コントロールが下手くそ。
私にもあんなにかわいいイカリちゃんがいたら良かったのに。寂しい老後が待ち構えてそうです。
個人的にはカナシミとハズカシミが好きです。
多部未華子さん、大竹しのぶさん、とても上手でした。
抑圧された感情😂
原題は『Inside out 2』なんですね!
1作目は未鑑賞ですが、ライリーの成長と共に
新たな感情たちが増える様子がわかりやすかったです。
頭の中で起こる感情の表現や葛藤のテンポが良く、時間があっという間に感じる映画でした。
子どもが見ることで学べる事もあれば、大人が鑑賞しても楽しめる内容になっていてアニメーション技術もさすがDisneyクオリティですね。
感情たちのキャラクターデザインのこだわり・日本語吹き替えのレベルが高かったのでとても楽しめる作品でした💐
さらにパワーアップした
大人になった主人公がさらに新たな感情を手にした事によって友情や大人の世界という中で傷つき、傷つける事があります。
自分の心が「シンパイ」に包まれてしまうと一気に心が壊れてしまう。
全ての感情には、それぞれの役割があるのにお互いがうまく尊重しておかないと偏ってしまう。そんな時にいつでも戻ってこれるように普段から自分の感情と向き合いたい。
ストーリーも大人になっていく姿が分かりやすいので子供にも伝わりやすくてよかった。
ゲームのキャラクターがけっこう良かったです。
繊細で科学的で深い
子育てしたことのある親向けの映画
現役のコドモにはピンとこないと思う
思春期のニンゲンの脳と感情の活動を繊細に描いたと思うが、しっかりした科学的分析に基づいていて素晴らしい。
「シンパイ」とか「ダリィ」とか「ハズカシ」「イイナー」とか、どっちかというとネガティブな感情も社会で生きていくにはどれも不可欠、
思春期は社会性を身に着け始める時期でもあり、ライリーがただの「いい子」から、社会でうまく振る舞う技術を試行錯誤しながら育てていくところ(そのために今までにない新しい、複雑な感情が必要)を積極的に肯定的に描いているのに感心した。日本なら、自分を大事にすること=自己中、うまくやること=ズルさを身につけること、などとされておおっぴらには肯定されない、建前的に否定的に扱われると思う。
「シンパイ」が暴走して制御が効かなくなるところにゾッとしました。
リアルでは、いきなりヨロコビが来て助けてくれたりしません。
ヒトにはどの感情も不可欠、と描かれていましたが、シンパイに悪役成分が多く、ヨロコビがどっちかというとヒーローなのは、一応子供向けだからなんでしょうか。
自分、日常生活では「シンパイ」とより親密です。
そういうお年頃だからか、もしかすると日本人だからかも。
ホメてますが正直なところ、あまり面白くはなかったです。
なんでそんなにヒットしてるのか不思議
思春期の人格形成に踏み込んだ深い作品
喜びや悲しみといった人間が持つ様々な感情をひとつひとつ擬人化することで、脳内で起きている複雑な感情の行き交いを可視化し、そこにハラハラドキドキのアドベンチャー要素も盛り込んだディズニーらしいエンタメ作品。
前作は主人公であるライリーの幼少期を描いた物語でヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカという5体の感情が登場した。
その後継となる今作は思春期を描いた物語でシンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシという新たな4体の感情が加わり、成長とともに複雑化する人間の感情と、それにより生まれる様々な葛藤が描かれている。また、今作ではひとつひとつの想い出が束となり、結晶という形で個人の人格形成に深く関与している点についても描かれている。
物語の舞台は地域の強豪ホッケーチームで、14歳になったライリーが新チームのトライアルに誘われ、その実力をアピールしてチーム入りを勝ち取り、新しいチームメイトに溶け込もうと奮闘する姿が描かれている。
人間は大人になるに従い、様々な競争に巻き込まれ、自分を他者と比較し、人に認められたい、人より優位に立ちたいという欲求が生まれてくる。一方で周囲から浮かないよう、嫉妬されないよう、空気を読んで自分を押し殺し、時には自分を偽ってでも周囲に合わせることで、所属する集団から弾かれないよう細心の注意を払いながら生きている。
今作で主要な役割を果たしたのがシンパイで、あらゆるネガティブな未来を想定し、ライリーの身に起こるであろう様々な失敗や危機を予測し、事前に回避行動を取るという高度な役割を担っている。当初はこれがうまく機能し、ライリーはすんなり新チームに溶け込めるかと思われた。
しかし、シンパイによる感情のコントロールが支配的になると、ネガティブな未来ばかりを予測し、ライリーからは余裕が消え、利己的になり、打算的になり、元チームメイトの旧友を裏切り、新しいチームメイトに気に入られるため自分を偽り、不正行為にまで手を染めるようになる。
聡明で明るく、素直で、正直で、友達想いの心優しい幼少期のライリーはすっかり影を潜めてしまった。
私事で恐縮だが、自分も幼少期はなにも考えずに伸び伸び自分の感情を表現できる子供だったが、思春期に入ると自意識過剰になり、周囲の目を気にするあまり、感情をうまく出せなくなり、自分の殻に閉じこもる内向きな性格になっていた。
思春期というのは一度、自分を壊して再構築するという不安定な時期であり、なぜ思春期になると無邪気なままではいられなくなるのか、生き辛さを感じるのか、この映画を通して自分の過去を思い返し、なんとなく理解できた気がした。そして、自分もそんな時期があったなと思うと同時に、自分も思春期の葛藤があったから成長できたのかもしれない、と少し勇気づけられた気もした。
少し話が脱線したが、前作では人間にはヨロコビだけでなく、カナシミのようなネガティブな感情も必要だと訴えるシーンがあったのだが、今作でも同じようなメッセージが込められたシーンがあった。
司令室に復帰したヨロコビが人格形成に関わる結晶を、シンパイのものからヨロコビのものに交換することで、ライリーは元の性格を取り戻すかと思われたが、事態はまったく改善せずヨロコビが戸惑うというシーン。
ヨロコビは母親のようなキャラで、ポジティブな想い出だけでライリーに幸せいっぱいな人生を歩んで欲しいと願っているが、映画はこのシーンを通じて、実はカナシミやシンパイといったネガティブな要素も人格形成には必要不可欠なものだ、と訴えているように思えた。
ヨロコビが作る幸せな記憶だけでなく、これからの人生にはシンパイが支配した期間に経験した様々な失敗や嫌な記憶、表出したライリーのダークな部分も含め、それらすべてが彼女の成長や人格形成に必要不可欠なものであり、それらをありのまま受け入れることこそライリーが大人の階段を登るために必要なのだ、と。
1も発想の着眼点という部分で発明的に凄い映画だと思ったのだが、2はそこからさらに進化して、より深く人間の人格形成に迫ったという点で、負けず劣らず良い映画だなと思いました。
キャラクターがみんな愛しい
5歳の娘と映画館にて。
初めて、一度も『まだ終わらないの?』と聞かれずに最後まで鑑賞できた。
それだけのめりこめたのか、成長したのか。
5人の感情に加えて4人の感情が登場、どれも個性的で、必要な感情で、役割を全うしている姿が愛くるしい。
『こんなのライリーじゃない』という言葉があった。
13歳なんてまだまだ成長途中と思う。
でも、性格が変わることを恐れている。
ということは、幼少期の性格形成がいかに大切かを説いている気がする。
ヨロコビの声優さん、とても素晴らしかった。知らなければ引き続き竹内さんが演じていると思ってしまうほど違和感がなかった。
シンパイのタベちゃんも最高の声質だった。
家族の島が小さくなり、友達の島が大きく存在することに、親としては寂しくもなった。
まだまだライリーの成長を見守っていきたいので続編に期待!
らしさは一個じゃない
思い出したくない思い出を取り除いて美しい一つだけの「らしさ」の木を大切にしていた。
しかし全ての思い出がライリーを作る大切な思い出だと気づき、全て泉に入れると木は一定の形に留まらなくなった。
自分らしさは一つだけと勘違いし、そのらしさを保とうと葛藤する。でもその葛藤してる自分も含めて全てが自分らしさなんだと教えられた。落ち込んでマイナス思考に陥ってる時、「自分はこんな悲観的じゃない。このままではダメだ。」と思うかもしれないが悲観的な自分も自分らしくて、でもそれじゃダメだった必死に否定するのも自分らしい。だってそうやって考えるのも行動するのも自分なんだから。そんな当たり前に気付かされた。
シンパイに「あなたはライリーじゃない。だから操らないで」みたいなセリフがあったけど、自分らしくない自分を唯一産んでしまうのが自分ではない誰かに操られること。それだけはしちゃダメだよって言われた気がした。
↑っていう俺が感じた感想。
自分がいろいろ悩んでることをわかりやすく可視化してくれたそんな作品だった。
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