劇場公開日 2024年8月1日

「ハズカシの登場は人生のエポックメーキング」インサイド・ヘッド2 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ハズカシの登場は人生のエポックメーキング

2024年10月2日
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鑑賞方法:映画館

「精神を成長させるためには、恥をかくことが必要」というのは、YouTubeでも盛んに情報発信している精神科Dr.の言ですけれども。

いわく「恥をかいてしまっても「次はこんなことをしないぞ」と思い直せばそそれで済むところ、多くの人は恥をかくことから逃げようとするので、精神的な成長が止まってしまう。「次は完ぺきにやってみせるぞ」というポジティブな捉えで、恥をエネルギーに変えることが大事。
いろいろな場面で失敗をしたり、恥をかいたりすることは誰にでもあると思うので、そこをすべてポジティブの方に転換していけるとすると、人生で100回失敗して100回恥をかける人は、ものすごい成長をすることになる。」と。

本作でも、司令部から放逐されてしまったヨロコビとカナシミに与(くみ)して、シンパイ(とダリィ)の暴走を何とか抑えるべく密かに司令部に潜入したカナシミを匿(かくま)ったのは、他ならぬハズカシでした。

あと、前作の時にも思ったのですけれども。
ヒトは、これだけの記憶(思い出)を抱えて生きているんだなぁ、というのが率直な感想。
ある傾聴ボランティアの集まりで、話し手から話を引き出すきっかけとして「あなたの人生のリュックサックには、どんな思い出が入っていますか」という決まり文句があるそうですけれども。
そういう言い方をするのであれば、誰の「人生のリュックサック」にも、これだけたくさんの記憶(思い出)が入っていると言うことでしょう。
(その点から言っても、これだけの記憶(思い出)をまったく「無」にさせてしまうような自死という選択が無意味なことにも、評論子には思えました。)

そんなことにも想いが至ると、ひとりの少女・ライリーの内面的な成長譚を、擬人化してアニメ化した一本とだけ評してしまったら、それは本作の上っ面を軽く撫(な)でただけに終わってしまうとも思われます。

いずれにしても、佳作だったことは、間違いがなかったことと思います。
前作と同様に。

(追記)
前作と同様に、困難に直面して困り果てたときのヨロコビの表情が脳裡から離れません。評論子には。

本来は「歓び(喜び)」を司るキャラクターのはずなのですけれども。

それでもやっぱり困ることがあるというのは、やっぱり人生というものは「山あり谷あり」で、決して平坦ではないよという暗喩だと受け止めるのも、評論子の穿ちすぎ・考え過ぎではないとも思います。

talkie