「成長するということは……」インサイド・ヘッド2 ばぶさんの映画レビュー(感想・評価)
成長するということは……
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喜びが少なくなるということ……
ヨロコビにそう呟かせるシーンにグッときました。
ライリーは13歳になり、高校に進学します。
いよいよ思春期に突入。
シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシ、ナツカシという新たな感情が生まれます。
新たな感情たちは初っ端から暴走気味で、既存の感情であるヨロコビたちは司令部から追い出されてしまいます。
何とか戻ろうと足掻くあいだにライリーの思考はぐちゃぐちゃになって……
主人公こそ子供ではありますが、この映画は子供向きではありません。
子供時代を何年も前に通り過ぎた大人たちのための映画です。
ヨロコビ一行が司令部に戻る道中で、イカリが言います。
「ヨロコビ。君は間違う。とても沢山間違うことがある。だけどな。お前が居なきゃ、ライリーは前に進めないんだ」
喜びが、希望がなければ、人は前に進めない。
だからいつだって、喜ぼうとする気持ちを見失ってはならないんです。
ここで私は目頭が熱くなりました。
ああ、そうだよなあ、って。
そしてクライマックス。
心配しすぎたシンパイは、暴走したあまりに硬直してしまいます。
なにもかもが不安でたまらない。
どうにかして不安をなくしたい。
でも、どうやって?
そこへヨロコビが語りかけます。
「シンパイ。大丈夫だよ」
ヨロコビだってどうすればいいかわかりません。
大丈夫という根拠もない。
けれど、人間どこかで腹を括らなきゃいけないんです。
心配しすぎたからって、何事も丸く収まるわけじゃない。
どこかのタイミングで、進まなきゃ。
非常に面白い映画でした。
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