サイレントナイトのレビュー・感想・評価
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微妙。
痛快モノではない
聖夜と静けさをかけたタイトル。主人公は冒頭、銃に撃たれて声が出せなくなり、全くセリフがありません。
子供が流れ弾に当たって突然亡くなった。それに激昂した親が犯人に復讐する、映画やドラマでは一見ありふれた内容に感じるテーマ。多分この映画を観て酷評している人の多くは、その慣れたテーマの爽快復讐劇を期待していたのではないでしょうか。
でも、私は全く違うテーマを感じました。この映画は、目の前で大切な人の命を不可抗力で奪われた人たちに送るメッセージなんだと。
子供が目の前で殺されて、どこにぶつけていいのかわからない深い悲しみと憎悪を抱えた、そんな人たちがやり遂げたいと思う事をこの主人公にやらせてみせて、抑止力にしたいのではと感じたのです。
アメリカは銃社会で、日本にも流れ弾で亡くなられた様々な事件のニュースが届きます。でも、銃の所持はいまだに認められています。
頭の片隅に「へーそんな怖い事件あったんだ」くらいにしか感じない出来事の先にはこのようなご家族がいらっしゃるのです。
そしてそれは、特別な能力も技術もない、一般人がほとんどなのです。
今上映中の映画に、プロフェッショナル、アマチュア、ベテラン、がありますが、この映画のタイトルは差し詰め「素人」です。殺しなんて全く無縁の、ごくごく普通のパパなのです。
その素人が考えつく復讐劇は、多分このレベルなんです。銃の調達、筋トレ、ドリフトや射撃の練習に憎き犯人の調査などなど。子供を失った悲しみで無気力な毎日から、復讐という目標のおかげで生きる活力を取り戻したのです。
そしていざ実行に移すと、やっぱり素人なんです。いくら動かない相手にhow to動画で得た情報を練習しても、実際は当たり前に反撃されるし、思うようにはいかない。いざ銃を撃って人を殺してしまったら、吐いてしまうんです。でもそこでタガが外れるのも、素人だからこそなんだと思います。
そして最後の妻に宛てた手紙が、この物語の全てです。復讐をしても子供は戻らない。わかっていても命をかけてやりたかった。これに尽きます。
そしてこの映画は問いかけるのです。大切な人を亡くした人たちに。本当にこれでいいのか?と。
兎角男性が陥りやすい復讐心。この主人公は復讐に全ツッパしましたが、さて、妻サイドから考えてみましょうか。
子供の死の直後、妻は病院で変わり果てた夫と再会します。幸せなクリスマスイブに子供だけでなく、夫も失うところだったのです。夫だけでも助かってと日々暮らした事でしょう。でも回復しても夫は何もせず、悲しみから立ち直れない。妻は子供の死を受け止め、それでもやっぱり生きていかなきゃと仕事にも出ています。
生きてさえいてくれればいいと思っていたのに、心ここにあらず。本当なら子供の死で受けた心の傷をお互い慰め合い、支え合っていけると思ったのに。それどころかある日突然杖を捨てて明らかに復讐心むき出しで何やら始めている。抱き合っても見ている先は自分ではない。この人の目に私は映らないし、この人が生きていくのに自分は必要とされていないんだと悟り、家を出ます。
そして最後に手紙を読んで思ったでしょう。私を愛してるならなぜ思いとどまれなかったの?と。
流れ弾で失ったのは子供の命。言うなればそれだけなんです。でもこの妻は、夫も家族も失った。主人公は自分の人生そのものを失った。守れなかった命の他は、自分自身で壊したに過ぎないのです。
銃だけでなく、様々な不可抗力で突然愛する人を失い深い悲しみを抱えた全ての人たちに、これ以上悲しみを連鎖させないで!自分の人生見つめ直して!復讐するってこういう事だよ、と客観的に考えて欲しい、そんな強いメッセージを感じました。
そして銃のない日常を!そんな映画でした。
銃の種類の多さに圧倒
ギャングの抗争により
子供が流れ弾に巻き込まれ
亡くなってしまう。
自身は重症を負い、声を失う。
濃厚なリベンジアクションに
終始引き込まれました。
全編セリフがないのに
ここまで表現できるなんて…!
前半にあるギャングの頭ごと
吹っ飛ぶシーンがかなり好きです。
派手なカーアクションと銃撃戦は見応え抜群。
ジョン・ウー監督といえば2丁拳銃と鳩。
今回も見事な映像手法でした。
人の怒りと憎しみは行動に移させる。
復讐日に備え着実にスキルを習得しながら
一心不乱に努力を重ねる日々。
素人のリアルさもあって共感できました。
ボスは結構弱め(小声)
眼光が鋭いジョエル・キナマンは必見!
スタントマンの皆様の表現も最高でした。
特典のポストカードありがとうございました。
観てすぐに石破総理かましました
~ロッテントマトより最高のレビュー~
《批評家の声》評価は新鮮なスコア。
『きよしこの夜』は、セットがしっかりしていればアクション映画にセリフはそれほど必要ないこと、そして二流のジョン・ウー監督作品でも入場料を払う価値があることを再確認させてくれる。
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🌟セリフのないアクション映画『きよしこの夜』は、魅力的な実験ではあるものの、失敗作と言えるだろう。現代のアクション映画は、大げさなイメージ作りには理想的な媒体となり得る一方で、ユーモアや人間味を伝えるには言葉が必要なのだ。
🌟ジョン・ウー監督がトレードマークであるスタイリッシュで過激な暴力を描き出すとき、おしゃべりはほとんど必要ない。
フルレビュー | オリジナルスコア: 3/4 |
🌟『きよしこの夜』は、ウー監督がこれまで何度も受けてきたような称賛を爆発させるほどの作品ではないが、彼がかつてそうであったような映画監督を悼むほどひどい作品でもない...
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《観客の声》観客の評価はひどい。
『きよしこの夜』にはなかなか良いアクションシーンがあるが、始まるまでに時間がかかりすぎるし、ストーリーも特に特別なものではない。
※途中リタイアしたので批評家と一般の方の両方の意見を乗せました。
カメラがずっと動き続けてたり不自然なズーム、壁破壊して部屋移動したり、抑揚を出すための動きのあるアクションがほぼノンストップで多かったので…工夫を感じながら寝ました。
65~70点。香港ノワールっぽい。
香港ノワールの巨匠ジョン・ウー監督作ですが、
派手なカーアクションに激しい銃撃戦、観たことあるようなシーンの連続で、舞台と人種を変えた香港ノワールって印象。
既視感バリバリだけど、コレが好きなんだよ!って方がいらっしゃるでしょうから、そういう方には楽しめるのでは。
ストーリーに深みはなく、単純明快な復讐モノとして観るべきですね。
最初30分ぐらいの回想シーンや演出や演技などに、ストーリー自体に、安っぽさを感じた。
あと『サイレントナイト』ってタイトルは、どうかな?と思う、季節ハズレだし(笑)
採点は、厳しく付ければ65点、甘く付ければ70点。
そこまで悪くないけど、そこまで良くもないと思う。
個人的には、それなりに楽しめました。
見所は、派手なカーアクションと激しい銃撃戦かと。
新しい言語への挑戦
『ペイチェック 消された記憶』以来、ジョン・ウーの約20年ぶりとなるアメリカ資本作。殺された息子の敵討ちというストーリー自体は『フェイス/オフ』と同じだが、大きな特徴は復讐を誓う主人公が声を失ってしまったという点。それに伴い主要人物の大半がセリフを喋らない手法がとられている。
「戦いのシーンだけでなく、音やパンチの衝撃、さらにはカーチェイスまで、すべてを観客に情報を伝えるための新しい“言語”として使った」と述懐するウーの挑戦だが、ガンファイトにカーチェイス、キリスト教、ダンス、二丁拳銃といった彼のモチーフはちゃんと抑えている。展開がいささか荒唐無稽なのもウーらしさとポジティブに解釈。ただ、ウー作品に欠かせないものだった“白い鳩”だけは登場しない…と思いきや、実は違う形で登場させている。
にしても主人公を演じたジョエル・キナマンはリメイク版『ロボコップ』では全身が機械となり、『サイレント・アワー』では聴覚障碍になったりと、身体に難を抱える役どころが多いのは何故か。
本作も、『狼 男たちの挽歌最終章』をセルフリメイクした次作『ザ・キラー ジョン・ウー 暗殺者の挽歌』もアメリカでは不振だったようだが、気落ちすることなく今後もジョン・ウーにはアクション映画の新たな見せ方を模索してほしい。
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