劇場公開日 2025年4月11日

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「キナマンだからこの作品が成り立つ」サイレントナイト とろりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0キナマンだからこの作品が成り立つ

2025年4月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

主人公ほぼセリフなし、という斬新な作品。
賛否あるようですが、私が思うにこれはジョエルキナマンだからこの作品が作れたのではないかと思う。

元々、キナマンの演技がすごく好きなのもあるけど、とにかくこの人は表情の演技が本当にうまい。
喋らなくても、悲しい顔、泣いた顔、悔しい顔が観てる人にすべて伝わる。

きっとジョン・ウー監督もそこを評価したからこの作品の主役に抜てきしたのではないか。
それくらい、彼の演技が光っていたと思う。

内容はギャングに息子を殺された男が復讐に走るというありきたりな話だけど、事実を知ってから復讐を誓い、鍛錬し、実行に移すまでも、会話がないのに見入ってしまう。

ただ、復讐に走るだけの男ではなく、奥さんとの関係に悩む姿やそんな彼を見てどんどん追い込まれる奥さんも見ていて辛かった。
セリフはなく、表情や仕草だけなのになんで観てる私もこんなに辛くなるのか。

逆に、普通にセリフありの映画だったらおそらくつまらないものになっていた気がする。

彼が、復讐を実行しながら自分の行いに後悔を滲ませる顔やでもやはり許せない、と相手と戦うキナマンの姿は見ていて胸が締め付けられるようだった。

復讐を行うまでの過程も、地道な努力を見せてくれていたから上手くやってのける所は見ていて嬉しくなった。笑

結末はネタバレなので伏せるけれど、キナマンや奥さんの気持ちを思うと悲しくてたまらなかった…

キナマン以外の役者さん達も無声のなかでの演技が本当に凄くて、出演者全員の演技力に脱帽した。
斬新だけれどもっと評価されても良い気がする。

それに…ジョエルキナマンももっと有名になれる実力のある役者さんなのになぁ、、、
この映画もあまり評価されてないようだし、なかなか恵まれないなぁ、、、

とろり