DitOのレビュー・感想・評価
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DitO
映画好きですが舞台挨拶は3回目です。
今回は監督と音楽プロデューサーが来るのかとおもってましたが主演本人が登場で驚きました
体作りとボクシングへの情熱を生で体感することができました。ありがとうございます。
言語はコミュニケーションにおいて絶対的なものですが多言語と否なる日本語とタガログ語の近さの様なものを感じました。それと同時に価値観•感覚の違いもハッキリしていて観ていて面白かったです。ボクシングシーンありきで痛そうで心配していたのですがジャズの効果もあって終始リラックスして感動したのは不思議でした。いままで観たことがない映画でフィリピンにも行ってみたくなります。
こういうのでいいんだよ!
オリンピックやスポーツを見て盛り上がれる人はもちろん、東南アジアの生活に興味がある人、いろんな世代が満足できるし、おススメできる見逃して欲しくない1本。
朝飯に白飯、卵焼き、パリッとやいたウインナー、みそ汁、漬物を久々に食べたような感覚。それがしかも丁寧にお皿もシンプルだが、鮮やかな食卓。例えるならそんな作品。
視聴後、感動と生きていく熱い活力をもらえる名作
ストーリーはシンプルかつ王道感がある、しかし細かいところで作りこまれているのが素人目にもよくわかる。(あらすじは他を参照して欲しい。)マニアな人には物足りないかもしれないが、これでいい。
BGMのジャズも印象的だが邪魔せずうまく盛り上げ、ビートとともに高揚感が自然と増していく。これほどわかりやすく主人公やストーリーにうまくはまったBGMはそうそう無い。
視聴後もあのリズムと躍動感が思い起こされる。
カラフルで活気ある街並み、海辺の景色の家々の美しさ、人々のたくましさ、弱さ、家族との絆の再構築。ベタな展開とマニアの方は思うかもしれない。
でもこれでいい。自分はこんなフィリピンのリアルを知らないし素直に面白かった
フィリピンの人も納得するリアルさだと思う。知り合いのフィリピン人も予告をみて非常に興味を示していた。
鑑賞後はきっと「よし!明日も仕事がんばろ!」と自分なりの拳を上げているはず。
田辺桃子さんは登場時やストーリー初期には本当にしょんぼり感があるが物語の展開に合わせてものすごく魅力的に輝きだしていく。こんな花がある人だったのかと驚かされる。
一番演技の幅が広かったように思う。素晴らしい役者さんで今後も期待したい。
結城貴史さんは40半ばにしてこの精悍さ、実際に現地に住み、ボクシングも本気で取り組んでいるのがよくわかる。とにかく彼がフィリピンに住み、体を張って経験したことをしっかり表現しているので説得力を強く感じる。違和感が全くなく、世界観がしっかりしている。おそらく彼が伝えたかったこと、やりたかったことを表現しきれたのではないかと勝手ながら感じている。
物語のキーワードは鬼滅の刃の「心を燃やせ」以来の熱いフレーズだった。
映画製作側の熱さを感じる。本当に背景も含めてきっちり描かれている。
時間をかけて、情熱をかけて、実際に住んで体験しないとできない作品なのがよくわかる。
現地に監督兼主演の結城貴史さんも何年も住み、じっくり構想を練ったそうだ。
説明はなくとも、フィリピンのリアル、ボクシングのリアルが物語の温度を上げていく。
例えばスパーリングシーンなどあるが、ガチである。カメラワークなどの誤魔化し無し。
リングにカメラは上がらず、視聴者は実際の試合同様の観戦をする形になる。
リングもフィリピンの実際の野試合?という感じを再現している。
余談ですが、DitO 鑑賞後はディトではなくディートォという発音じゃないと気持ち悪くなると思う。
これも物語のあちこちでキーワードのように出てきて、他の単語はわからなくても、
はっきりDitoだけは聞き取れる。そこがまたいい。ヒーローにも悪人にもいろんな人のDitoがある。それを見つけるのも今作鑑賞の際の面白さだと思う。
私のオールタイムベスト。
結論を恐れる者、結論を急ぐ者、その両者には見えなくなるもの
2024.7.29 一部字幕 アップリンク京都
2024年の日本&フィリピン合作の映画(118分、G)
ボクシングに固執し、フィリピンで再生を図ろうとする男とその娘の再会を描いたヒューマンドラマ
監督は結城貴史
脚本は倉田健次
原題の『DitO』はタガログ語で「居場所」を意味する言葉
物語の舞台は、フィリピンのルソン島バギオ
幼少期にその場所に来たことのある桃子(田辺桃子、幼少期:鈴木さくら)は、父・英次(結城貴史)と母・ナツ(尾野真千子)の思い出に耽っていた
だが、母が他界し、高校生の桃子は父を頼らざるを得ない
そこで桃子はミンダナオ島のカビテのジムを訪れ、父を頼ることになった
父が所属するジムには若手の有望株ジョシュア(ブボイ・ビラール)がいて、彼は6戦6勝と破竹の勢いに乗っていた
ジムのオーナー・タマゴン(ルー・ベローソ)もトレーナーのシシ(モン・コンフィアード)も彼に付きっきりで、英次はそれでも良いと考えていた
桃子はシシの妻・アナリン(レスリー・リナ)が面倒を見ている寮に住まわせてもらうことになったが、早々に住居を見つけようとしていた
だが、地元の不動産屋に金を騙し取られてしまって、やむなく父の部屋に居候することになったのである
物語は、ボクシングに固執しつつも試合には積極的ではない父を描き、娘とのギクシャクした関係を静かに描いていく
何も起こらない日常系であるものの、娘との再会は英次を突き動かしていくことになる
タイトルが示すように「自分の居場所は自分で作るしかない」のだが、それは未成年の桃子も同じだった
彼女もアナリンとその娘たちからタガログ語を学び、父のそばにいることを選択する
そして英次は、試合を経てボクシングとの距離を再確認する、という流れになっていた
映画の中盤にて、ジョシュアが試合で大敗し、それによって戦意を喪失して田舎に帰ってしまうのだが、英次も桃子も彼の居場所はリングだと感じていた
彼が英次の試合を見ることで燻っていたものがクリアになり、桃子もまた父親の本当の姿を思い出す
そうした先にある未来というものは、彼らの居場所を作り出すことになるのだが、その場所はそれまでいた場所とはさほど変わらない
ただ、視点が変わったことで、それまでの単なる場所が居場所になった、ということなのだろう
いずれにせよ、人生の転換期を向ける中で決断をする物語で、好きなことと世の中に求められているものの違いがよくわかる内容だったと思う
英次のマインドが当初から同じであれば、ボクシングの結果も違うものになったと思うし、それがジョシュアに伝わればOKなのかなとも思う
家族に見せる背中はそれぞれだけれど、不器用な英次にはこれしかない
だが、例え生きる場所が変わったとしても、彼の背中は変わらないと思うので、そう言った意味において、最後の試合には大きな意味があったのだと感じた
単純なボクシング映画ではない
今回の映画のタイトルにもあるようにDitO(ここ)
を本作品では自分の居場所というテーマで作られていた。
「自分の居場所は自分で作らなければいけない。」
そう気づいた娘の桃子が慣れない土地で成長していく姿が熱く描かれていた。
作中ではあえて多くは表現せず、観客自らに考えさせるようなシーンが結構あったような気がしました。
音楽もジャズが中心で、カッコよかった。
あと贅沢を言うならクスッと笑えるシーンがもう少しあると良いなと思いました笑
脳内補完しました
尾野真千子さんが好きなのと、オンライン英会話でフィリピン人の先生に習っているので興味があり吉祥寺の舞台挨拶から観に行きました。ヒロインの田辺桃子さんが目力・演技に惹かれるものありました。離婚はしていないようですが妻の容態や娘の扶養の相談すらしていないのか、とかの設定に?の部分ありましたが、多くを語らない脚本なので脳内補完してしまいました(帰国後、母の遺産や母の祖父母の支援は十分にあるが、それを振り切って来た、とか)。舞台挨拶を先に観たこともあり、役どころというより結城さんの監督魂、田辺さんの役者魂とか決意を感じながら見ていました(パンフレットでさらに。パンフレットで子役さんの紹介欄がなく、名前が1行だけというのが意外でした。重要な役どころだったので)。尾野さんがパンフでも述べていましたが、出番が少なく、大物だけにスケジュールだったのかしらとも思いました。ふつうの映画だったら夫婦の激突シーンとかもっとありそう。一方、重要な役どころであり、透明感のある役どころではありました。
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