リトル・エッラのレビュー・感想・評価
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わたしの花
リトルズラタンってなんだろう…
サッカー選手なのね
とてもサッカーの盛んな地のようで、子供達の遊ぶのはサッカー。
そんな中エッラは1人ぼっち
友達ができないのではなく、作る必要がない。
だって、親友がいるから。叔父のトミー
彼とは何もかもの趣味が合う
サッカーを除いて。
それは平気で小さなエッラを置いて出かける両親の代わりもあり溢れる愛情を注ぐトミーとそれに甘えるエッラ
トミーの恋人がやってきた!
スティーブ
彼はサッカーボールをエッラに渡し上手なリフティングを見せる。
彼らはラブラブである
エッラの知らない英語を使い、2人の世界。
もちろん2人ともエッラを大事にしながらなのだけど…
しかし、子供のエッラには気づけない。
それからエッラのスティーブ追い出し作戦が始まる
でも、追いだしといっても彼女にはアイデアがない
せいぜい砂糖を靴にかける程度
そこに現れた転校生オットー
彼もまた1人ぼっち
枯れた花を知らない人の墓地に添える少年
彼は過去にいじめられていたいわゆる「いじめエキスパート」
追い出し作戦の参謀としてエッラに知恵を預けるも全てが失敗、子供の浅知恵は優しい大人達には愛のスパイスにしかならない。
なかなか上手くいかないエッラは度を越した行動を起こし優しいトミーもオットーも怒らせてとうとう跪く。
そこで手を差し伸べるのがスティーブ。
彼がとても優しい人だと気づき、大好きなサッカーという共通の趣味を見出し、笑顔の戻るエッラ。
彼女がモデルとしてショーに出る日
スティーブはエッラのために身を引き、空港へ向かう。
エッラにはトミーが必要だったように、トミーにはスティーブが必要。そしてスティーブにも…
それを追いかけるエッラ
スティーブにもらったサッカーボール。
今まで決まったことがなかったトップコートを狙ったエッラのボールに込められた思いがついにスティーブに届いた。
「ごめんなさい」
そして、エッラはいつも意固地に着ていたユニフォームを脱ぎトミーの選んだショーの為の服に着替えて、トミーをランウェイに。
そこにはスティーブ。
戸惑いの空気の中、トミーの用意した指輪をスティーブにギュッとはめる。
トミーが用意した服を着てランウェイを軽くこと。
ランウェイを3人で歩くこと。
ランウェイの後でトミーに指輪を渡すこと。
そのトミーの夢を叶えたエッラ
喝采の拍手の中、大好きな人達の幸せにエッラは満面の笑みを浮かべる
途中途中でさりげない面白さなどが散りばめられてて良い。
オットーの親友のネズミ。
モンスターイベントでネズミの仮装をしたエッラ。
友情の代わりに墓場で花を添えるオットー
犬を連れたおばあさんの3度の登場。
急いでるよ〜って言ってる実祖母の超スローな運転。
序盤にマリカーかなんかのゲームしているシンクロする動きをする三つ子の横でブスくれるエッラだが、空港へ向かう三つ子の猛スピードで走る車の中での4人は同じ揺れをする。
最後、「BBF」のカードはトミーではなくオットーへ
「親友」やった!と笑うオットー。
トミーだけでなくみんなでサッカーをする友人達
エッラの友人という花はたくさんになった
1人で花を添えていたオットー。彼もまた
相手のために行動し、自分も皆も笑顔にさせる方法を知ったエッラ
彼女の人生にはこれからたくさんの花々がキラキラと増え続けるのだろう。
そんな一輪を分けてくれたような話。
エッラ=キューピッド👼
81分という短さが奏功し、
テンポよく飽きさせず最後まで観ることができました。
エッラの子役が本当に魅力的&キュートに演じていて
この配役でうまくいっている映画だと思いました。
またLGBTQが生活の一部に溶け込んでいる普通さも
よかったです。
イタズラで大好きなおじさんのパートナーを
追い出そうと画策するのも子どもっぽい一方で
おじさんのパートナーであるスティーブの度量の
大きさや人間的魅力もわかってきて
ラストではキューピッド👼になるというのは
絵本的でよくできているし、鑑賞後感もよかったです。
たまにはこういう映画も気持ちが落ち着きます。
エッラのキュートさに癒されました。
エッラ役のアグネス・コリアンデルは
今後も注目したい俳優さんですね。
あるものをエッラがスティーブに授けるところがとても感慨深い
2024.4.11 字幕 アップリンク京都
2022年のスウェーデン&ノルウェー合作の映画(81分、G)
原作はピア・リンデンバウムの児童文学『Lill-Zlatan och morbror raring(2006年)』
仲良しの叔父さんの恋人出現に戸惑う少女を描いた青春映画
監督はクロスティアン・ロー
脚本はエラ・レムハーゲン&ヤンネ・ピエルト&サーラ・シェー
原題は『Lill-Zlatan och morbror raring』、英題は『Mini-Zlatan and Uncle Darling』で、ともに「小さなズラタンと愛しの叔父さん」と言う意味
ズラタンは、スウェーデンのサッカー選手ズラタン・イブラヒモヴィッチのこと
叔父のトミー(シーモン・J・ベリゲル)は、サッカー好きのエッラ(アグネス・コリアンデル)を「ミニ・ズラタン」と呼んでいる
物語の舞台は、スウェーデンのとある町
同世代と仲良くできないエッラは友達がおらず、叔父のトミーしか話し相手がいなかった
ある日、両親(テレース・リンドベリ&ビョーン・エーケングレン・アウグスツソン)が旅行に出るとのことで、祖母(インゲル・ニルセン)に預けられることになったエッラ
祖母宅には大きな三つ子(ミカエル・ハーデンボルト&パトリック・ハーデンボルト&ロビン・ハーデンボルト)がいたが、3人はいつも一緒で、エッラのことなど気にもかけない
そこでエッラは、祖母宅を抜け出して、トミーのところに行ってしまうのである
トミーはショーの準備で相手ができず、しかも彼の恋人スティーブ(ティボール・ルーカス)がオランダからやってきてしまう
エッラはトミーを奪われると思い、スティーブをどうやって追い出そうかと案を練る
近くに住んでいる同世代のオットー(ダニヤ・ゼイダニオグル)は、色んなアイデアを出し、彼が飼っているネズミを投入しようと言う話になった
物語は、エッラがあの手この手でスティーブに嫌がらせをする様子が描かれ、それによってトミーが心を痛めてしまう
さらにオットーから借りたネズミも行方不明になってしまい、やることなすこと裏目に出てしまうのである
映画は、トミーを独占したいエッラが暴走すると言うもので、少女期にある不安定さがその原因となっていた
彼女はサッカーに詳しく、大人と会話が普通にできるので、精神年齢は高めに見える
だが、中身が伴っておらず、すぐに感情に流されて、行動に結びつけてしまうのである
子ども向けの絵本が原作なので、多感な時期に起こしてしまう過ちについて描いていて、それを主演のアグネス・コリアンデルがうまく演じている
トミーとスティーブは同性愛者だが、この映画の中では誰もその関係に疑問を持たず、エッラも同性愛だからスティーブを嫌悪していると言うのではない
このあたりはLGBTQ+を受容する環境がすでに出来上がっている国ならではと言う感じがして、これが絵本の内容と言うところが現在の日本では考えられないことなのかもしれない
いずれにしろ、エッラの可愛さありきの映画ではあるものの、周囲のキャラも立っていて、分かりやすい物語に仕上がっていた
三つ子も出オチかと思えばちゃんと出番もあるし、オットーも最後には「友達」になっているので安心した
オットーは原作にはいないキャラなのだが、単にエッラが反省して終わるよりは、同世代の友人ができたと言うエンディングの方が良かったと思うので、この改変によってほっこりできるのは良かったと思った
スウェーデン発絵本の映画化 自発的でおおらか、子供を尊重した子供の世界 ジェンダーもごく普通で自然に
サッカーが得意な少女エッラは友だち付き合いが苦手。
唯一の大親友はおじさんトミーだったが、突然恋人が出現。
大好きなおじさんを独り占めするために、エッラの恋人追放作戦が始まる。
主人公エッラの行動が魅力的。
ちょっと転校生を利用している感は否めないが。
絵本の名作だけあって、登場人物たちが皆、個性豊かで生き生きしてる。
いじめられた経験もあってエッラには結構いいように使われてる転校生が、人が来ないお墓に花を供えていたり、嫌われ役で出てきた三兄弟も、クライマックスで協力してくれて大活躍するシーンが好きです。
キュートなディテールや小ネタが効いていて、オジサンとのデュエットや、モンスターデザインのケーキや寿司がでてくる寿司カラオケレストランとか、エッラが、なかなかゴールが決められないサッカーネタが後で効いてくる。
ジェンダーレスもごくごく自然な世界。
というか、おじさんのジェンダーがエッラとの関係に、親密でもいやらしくならない方向にうまく機能してます。
「ロッタちゃん」もそうですが、子供が主役の面白い映画は、大人が考えた子供目線でなく、子供の考えを尊重した優しい目線で描かれていることが共通しているとおもいます。
エッラが可愛い!
人見知りでおじさんのトニーが大好きな少女エッラの物語。ある日、トニーに彼氏ができて「トニーが取られちゃう」とエッラは大慌て。原作はスウェーデンの絵本なので、さほど深刻にならず、楽しく観れる良作です。
何はともあれ、エッラが可愛い!黄色くて、ちっちゃくて、動きも表情も、観ていて癒されます。「主演女優が魅力的なら良い映画」という映画の第一条件をちゃんと満たしています。
そんな可愛いエッラに降りかかる試練が「大好きな叔父さんが取られちゃう」というテーマで、それを覆そうと友達と策略を巡らすのですが、どんどん悪い方へ。素直になれないエッラがピンチになって、最後は大団円。トレードマークだった黄色のユニフォームを脱いで、女の子らしいカッコになり大人びた笑顔を見せるのも上手いですね。
トニーのパートナーが同性の彼氏、って設定はイマドキの北欧、って感じ?なのかな、とも思ったのですが、じゃあ彼氏でなく普通に女性だった、どうかな。
それでも成り立つのでしょうが、なんか生々しくなって普通の話になってしまいそう。欧米では一般的なのかもしれませんが、おかしな三つ子や変な寿司カラオケレストランを含め、日本人にとって、全体的なリアリティレベルが低いところが、作品に入っていける要素になっていると思います。
BFF
監督の前作「ロスバンド」が年間ベスト10に入れるくらい好きな作品で、あの優しさに満ち満ちた世界を作った人の新作が楽しめるのかと公開日までワクワクしており、初日に劇場に突撃しました。
監督の舞台挨拶付き上映に行きたかったんですが、あいにく予定が入って遠出をするため叶わず…。でも初日特典のステッカーが貰えたのでハッピーです。
前作の大人びたガールとは打って変わって、今作は等身大の子供、ワガママ全開な子供が主人公で、振り回しまくりの彼女がどうやって成長していくのかというのが主題に添えられており、みなぎるパワーを感じる作品になっていました。
両親が謎に放置的(展開的には仕方ない)で、そりゃ優しくしてくれる叔父さんのトミーに懐くわなと思いましたが、それもあってあんなにワガママになったのかなと腑に落ちるところもありました。
正直言ってエッラの行動はやり過ぎなところが多く、いい加減にしなさい!と怒りたくなるくらいには行きすぎた行動があってその部分が全開になっているシーンは乗れませんでした。
大切な人が取られるってなって、スティーブにあやれこれやするシーンはまだ可愛げがあるんですが、砂糖を塩にすり替えた辺りから行動が激しくなっていき、徹底的にポーラに嫌われるように仕向けるのは子供っぽさとかではなくシンプルにマセたクソガキだなと怪訝な目で観ていました。
オットーから貸してもらったネズミをカバンに入れて驚かせようとするも、驚いたのはトミーで、始末されそうになるという大変な事になっているのに、悪びれる事なく嫌がらせを続けますし、オットーにもいなくなった事を責められると逆ギレしたりと、身勝手さは流石に許容できませんでした。
スキンヘッドが嫌われると聞いてからの行動はかなり狂気じみていて、トミーがヘアリストだからハサミとかを持っているにしてもそれを勝手に使って前髪を切ったり、バリカンでスキンヘッドにさせようとしたりと、一歩間違えたら大怪我をさせてしまうところを無邪気さで片付けてはいけないよなとビクビクしながら観ていました。
殺人を犯す人の第一歩といってはなんですが、幼少期でここまで嫉妬に狂っていたら、大人になってからの嫉妬とかもうどんなレベルになるんだろうとホラーよりも怖いものを感じてしまいました(この後にオーメンを観たんですが、今作の方が怖かったです笑)。
同性愛が自然と盛り込まれており、それを冷たい目で観る人がおらず、トミーとスティーブも真剣に愛し合っている様子が素晴らしく、今作の中でも飛び抜けた美点だったと思います。
どうしても邦画や某夢の国の作品なんかは、入れるとくどさと説教くささが感じられるので、ここを作品の一部を強調させるためではなく、作品に滲ませているところにも強く共感を覚えました。
サッカーのシュートで中々ゴールが当たらないという伏線がデイビッドを空港で止めるための伏線になっていたとは…これは一本取られました。ナイスシュート!と思わず叫びたくなりました。
少し成長して、オットーとも仲直りしてBFF(Best Friend Forever)になってみんなとサッカーを楽しむという優しい終わり方になっていたのは良かったです。
今作はエッラの行動をどこまで許容できるかによって大きく評価が分かれるなと思いました。
自分は行きすぎた行動にはイラッとさせられましたし、子供だからと許してはいけないと思ったのでそこはマイナス点でした。
前作が好きすぎるが故に期待値が上がってしまったというのもあるのですが、ちょっと物足りなかったかなぁと思いました。
自分の子供がいるかいないかで評価が変わるのかなとも思いましたし、挑戦的な一本だったんだと思います。
鑑賞日 4/5
鑑賞時間 12:20〜13:45
座席 H-7
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