「遥か」映画 からかい上手の高木さん ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
遥か
原作は途中まで追いかけていて、アニメは映画含め鑑賞済み。ドラマは見る気が起きずにスルー。
実写版が発表された時は正気か?と思いましたし、なんなら原作で卒業後の話も描かれているから、この10年後の話って必要ではないよなおモヤモヤしていましたが、今泉監督だし、原作とはまた違った良さを引き出してくれるのではという一縷の望みに賭けて鑑賞しましたが…やはり名監督の腕を持ってしても実写映画の成功は困難なのか…というのをしっかり味合わされました。
原作の中学生たちがそのまま大きくなっていた感じだったんですが、20半ばでその感じは流石に幼すぎないか?と思うところが多く、なんだか演技してる感じが強くて、その辺も原作や過去の今泉監督作品と比較してしまって物足りなかったです。
友人たちの結婚式のシーンも、プロポーズしてない云々であんなにワタワタしちゃうのか…と観ていて苦笑いしていましたし、ブーケトスの花がプールに落ちたからって西方も高木さんも飛び込んで取らんでもと冷めた目で観てしまいました。
あれで関係性が深まるなら喜んで飛び込みますとも。
現在の中学生たちの恋愛模様は初々しく、これはオリジナル展開ですが、今泉監督らしい振り切れない感情に、葛藤する男女が観れてこれこれ〜!ってなりました。
それに対する西方と高木さんの接し方も良くて、大人になった2人だからこそ描けるものだなとこのシーンは見入ってしまいました。
ただラストシーンの教室での会話、正直言ってあれは学生だからこそ成立するものであって、立派な社会人になってあの会話はいくらなんでも…見ている側が小っ恥ずかしくなってしまうやつで大変もどかしかったです。
漫画ならコマ割りとかで1話丸々使ってのデフォルメされた表情の変化とかで楽しめるんですが、実写だとそういう風にもいかず、押せど押されど進まない焦ったい会話劇に胸焼けしちゃいました。
ラストはいい感じに原作に繋がっていきましたけど、これだったら原作だけで良かったよな…と思いました。もう別物としてカウントした方がいいかもしれません。
役者陣はとても良くて、高橋くんは西方がそのまま大人になったようなピュアさや挙動が素晴らしく、永野さんのからかう感じも高木さんがそのまま成長した感じで良かったと思います。
中学生組も素晴らしく、今泉監督の本領発揮と言わんばかりに学生だからこそ出せるオーラをこれでもかと引き出していて、多くのシーンでニヤニヤしていました。
役者の自然体の良さを引き出すのが上手い今泉監督だからこそ、演技強めの今作でもしっかり味を出していました。
小豆島のロケーション綺麗だな〜と見惚れてました。随分前に行ったっきりなので、機会を伺ってまた訪問したい限りです。
今泉監督の良さをやはり殺してしまっていたなぁというところに落ち着きました。
次回作ではオリジナルでまたのびのびと、めんどくさくて可愛いラブコメを撮って欲しいものです。
鑑賞日 6/3
鑑賞時間 18:45〜20:55
座席 G-5