「今観る面白さ」もしも徳川家康が総理大臣になったら hiwaさんの映画レビュー(感想・評価)
今観る面白さ
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テンポが良く、期待以上に面白かった。
知ってると楽しめる笑いが散りばめられていて、特にロックダウンのところで出てきた青い服のあの人、まんまの役で驚かされた。
奇想天外な設定、見た目も楽しい個性的なキャラクターと俳優陣、後半の心を揺さぶる長台詞。
映画単体では、あっさりストレートな印象かなと思ったが、後半気づいたこと。最近まさにこういう光景を国内で見なかったかしら。
劇中では見事種明かしが行われて、煽動された民衆が目を醒ます(!)ところが描かれる。私たちはそれをスクリーン越しに俯瞰して見せられ深く頷いているけれど、現実社会では、仮想敵を作って強い言葉を吐いてくれるリーダーに、良く知らなくても肯定的に認識しようとする自分たちがいることに、うすら寒くなった。
種明かしなくその時代に生きている当人たちにとって、自分たちを客観的に俯瞰することって至難の業だ。
そして、ひっくるめて一塊りにして敵視することの容易さと危うさ。
現在進行形で紡がれる今の社会が、この映画の感想をより深めてくれるはず。
竹中直人さんの声が縦横無尽、映画館で聞いて良かった。
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