ディア・ファミリーのレビュー・感想・評価
全95件中、61~80件目を表示
王道東宝の、事実に基づく感動作
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
正直に言えば、脚色が色濃く出る東宝の王道的な作り方よりも、事実に基づく映画なのであればなおさら、淡々とした作風の方が好みです。
しかしながら今作の映画『ディア・ファミリー』は、主人公・坪井宣政(筒井宣政さん・大泉洋さん)の娘の病気を治そうという一貫した強い信念と、運命を引き受けながら前向きに生き切った次女・坪井佳美(筒井佳美さん・鈴木結和さん/福本莉子さん)と、にもかかわらず待ち構える厳しい現実の描写によって、1観客の私的な疑念などはるかに凌駕する素晴らしい作品になっていたと思われました。
坪井家の、妻であり母の坪井陽子(筒井陽子さん・菅野美穂さん)、長女・坪井奈美(筒井奈美さん・川栄李奈さん)、三女・坪井寿美(筒井寿美さん・新井美羽さん)の、主人公・坪井宣政、病気の次女・坪井佳美との関係性も、それぞれの演技含めて素晴らしかったと思われました。
(※長女、三女の、幼少期を演じた子役の方の名前は分かりませんでした、申し訳ありません‥)
当初目指した人工心臓の実現の挫折と次女の死を乗り越えて完成にこぎつけたIABPバルーンカテーテルの完成物語‥
坪井家の周り含めた役者陣の皆さんの素晴らしい演技と相まって、観て良かったと私のような者にも感じさせる、感動作だったと思われます。
当時の世界的ものづくりの最先端を行っていた日本における、モデルとなった筒井宣政さんや筒井家のみなさんや東海メディカルプロダクツの当時の魂が、今は停滞してしまった日本の産業界に今でも、そのバトンがそこかしこで伝わって継承されて行っていることを、個人的にも映画を超えて切に願っています。
ハンカチ必須&敬意を表したい
実話を基にしたフィクション。
生まれつきの心臓疾患を抱えた娘を救うため奮闘する父、そして家族の物語。
とても泣けました。原作は未読です。
映画同様、実際の筒井さんのご苦労も計り知れませんが、何よりも、気の遠くなるような困難な道を選択した、あきらめない父がすごいです。
次へ行く、何もしないでいるより動く、ということが希望へつながり、一緒にいる時間が少なくても、親の姿を子どもはしっかり見ていて伝わるということ。
支える妻、姉妹たちも暗くならず、いい家族でした。
開発は一人の力ではできない、人脈はとても大切(松村、満島)…というような、人の縁を考えさせられました。
人工心臓が未だに完成していない事をラストで知らされますが、光石研さん演じる教授のような立場の方も沢山いらっしゃるでしょう。新しい事にはなかなか踏み出せない、資金繰りや技術面、様々なしがらみや…。(医療に限りませんが)
それほどに困難な道に負けずに向かっていったお父さん、支え共に闘った家族。
医療の進歩は、このように影で努力された方々のおかげでもある事を改めて学び、感謝せずにはおれません。
*****
福本莉子ちゃん、かわいいですね。TOHOの案内映像でしか見たことなかったです。
光石さん&松村君、「夜明けのすべて」コンビ。今年もいい作品が多いです。
誰が為に、他が為に
迷っていたが、ミセスの曲と高評価に背中を押され鑑賞。
予告では大泉洋と菅野美穂の演技がややクサく感じてしまったが、思ったより気になりませんでした。
小学生が日記に「疾患」なんて言葉を使ったり、町工場の社長が8億も用意したり、どこまで事実だろ。
借金までしてた割に終始裕福そうだったけど。笑
しかしまぁ、そんな細かいことはどうでもいい。
ものづくりの話でもないので、難しい理論とか何がどう凄いかとかも重要ではない。
娘の命を救いたい両親が、目的のために恥も外聞も常識も取り去って奮闘する。
その姿に胸を熱くすればいい作品です。
佳美の結末を本サイトのレビュータイトルでネタバレされてたこともあり、意外性は皆無だった。
しかし、予告で何度も聞いたが、「私の命は、もう大丈夫だから」はズルい。
娘にあんなこと言われたら、諦められないよね。(肩を揉む福本莉子の手がまた小さくて、もう…)
ただ、話としてはここが頂点だったように思う。
佳美の最期は見せないし、カテーテル開発の描写もやや中途半端。
どちらも描く必要があるのは分かるが、人工心臓とカテーテル、どちらかに力点を偏らせた方がよかった。
英詞の挿入歌は浮いてるし、最後の文字も説明的過ぎてちょっと冷める。
また、メタ的な視点になるが、主役級を脇に使い過ぎなのはノイズ。
個人的には満島真之介はギリ、有村架純、川栄李奈あたりの役どころはもっと控えめな方がよかった。
その点、徳永えりの配役と彼女の出過ぎない演技は見事。
色々書いたけど、大きな欠点もなく、哀しいだけで終わらない良作でした。
石黒教授に正当な方法で意趣返し出来たのもスッキリ。
坪井佳美の死は偉大な救済を生んだ!
この作品の中の大動脈内バルーンパンピングは、心臓の機能が低下し、自らの心臓で血液を全身に送ることができない状態に対する治療法として確立されているようです。使用期間は長くて10〜14日ぐらいで、永久的な人工心臓とは違いますが、今までに数多くの(世界で17万人)心臓病疾患の方を救ってきたかと思うと、この映画の主人公になった坪井社長(大泉)にめちゃくちゃリスペクトです。坪井社長は坪井佳美(福本)の人工心臓を作りたかったが、挫折して叶うことができませんでした。しかし、副産物として大動脈内バルーンパンピングを、さまざまな困難を乗り越えて世の中に送り出すことができて、本当に幸せな人生だと思います。坪井社長の人生は、心臓病の娘を持つことによって、家族をより深く愛し続けること、そして自分がこの世で果たすべき使命に全力投球することが、どれだけ世の中のお役に立てるかという人生を学んだのでしょう。また、どんな困難があっても、常に妻と共に前向きに「次はどうする?」と自分に問い続けて進むことが、幸せな人生の生き方であると悟ったのです。あと、坪井社長の持つ直向きな向上心は、強い波動となって周りに人々たちに届き、その人たちの波動あげた状態で糾合することができました。これは彼の人徳の崇高さだと言えるでしょうか。もう1つ、坪井佳美の名台詞にもやられました。自分の死を俯瞰して放った菩薩のような言葉です。「私の命はもう大丈夫だから、みんなを助けて!」みなさんどうぞハンカチ&タオルを用意して堪能あれ!
追記 企業のトップが、すぐに売上に結びつかない仕事に没頭している姿を見る社員は、不安でたまらないかもしれません(笑)。夢を追う精力的なトップに、そういう方が多いような気がしました。
そりゃ泣くよ
このジャンルのものはあまり得意ではない。
おおよそのストーリーは分かってるし、それによる自分の気持ちの動きも想像がつく。
得意ではないのに選んだのは、個人的な動機があるからです。(それは後述)
鑑賞して。
いやそりゃ泣くよ。
分かっちゃいたけど、ボロ泣きです。
制作側の思惑通りに泣いてる自分がなんだか悔しくて、大泉洋に泣かされてなるものか!と、たまに冷静に自分に言い聞かせたけれど、くそー。私の負けです。
後から振り返れば細かいツッコミ所はあったけれど「実話を元にしている」という前提の前にはどれも野暮に思えるばかりでした。
というか、私、途中から映画としてじゃなくてたぶんドキュメンタリー作品として見ていたんだな。心の急所を突かれたような作品でした。
私に子供はいないけれど、私自身が子供だったことはあるわけで。
娘のために東奔西走する大泉洋に、私に愛情をたっぷり注いで育ててくれたわが父の姿が重なりました。
父の日の直前に公開したのは偶然?それとも、何か意図があったのだろうか。
親孝行なんて何もできていないけれど、せめて健康で、親よりも先に逝くことだけはないように、なんて思ったりしました。
・
・
・
・
・
この映画を鑑賞した動機について。*以下、映画の感想から外れます。
(行数あけてもたいして意味ないですがなんとなくあけてみました)
身内に難病を患っている者がいます。
診断されたのはおよそ20年前。
当時の時点でそこそこ研究が進んでいて、あと10年もすれば治る病気になっているんじゃないかといった楽観論もありました。
が、20年経ち、実用化まではまだまだ時間がかかるようです。
そんなこんなで、全くのゼロから途方もない尽力の末に完成させて世に送り出したその物語を見たい、と思いました。
翻ってウチの場合。使命感をもって邁進してくれる医師もいてくれます。
が、お金の問題は常に付きまとうし、利権やら特許やら審査やら、臨床と関係ないことで足踏み状態が続いています。
その間にはコロナもあり。
あの時は、未知のウイルスを前に世界中の頭脳がしゃかりきになって、短期間でワクチンを作りあげました。
それを見て、やればできるんじゃん、他の病気でもそのくらいの熱意で進めてくれよ、なんて思ったり思わなかったり。
身内の病気は、進行すれば生活に不自由が出るものの、命には影響しません。
なので「命」基準で考えれば「リミットはない」し、この映画の家族と同じ土俵で語ることなんておこがましくてとてもできません。
ただ、患者は、治療法ができるその日をずっと待ち続けています。
愛にあふれた開発のお話
娘の余命10年という限られた時間を家族でどう使うか。
不可能かと思われるような挑戦に挑む家族の在り方に感動しました。
「次はどうする?」という奥様の前向きで力強い言葉が印象的でした。
17万人の命を今なお救い続けている
バルーンカテーテルの存在を恥ずかしながら詳しく知らなかったですが、
この映画をきっかけにもっと知りたくなりました。
涙無くしては見られない素晴らしい映画だと思います。
Mrs.green appleのエンディングも感動です。
町工場のオッサンが娘の命を救う映画と思いきや世界で17万人の命を救う医療器具を開発した感動作。 本年度ベスト!!
娘を救う事が出来なかった父親。
他界した娘との約束を成し遂げる素晴らしい作品だった。
久し振りに鼻水を流しながら泣いてしまった(汗)
でも周囲の人の鼻水をすすってる音に自分だけじゃ無いと安心(笑)
そして実話ベースと言う事にも驚く!
心臓病で余命10年と宣告されたら娘の為、医療知識ゼロのオッサンが人工心臓を開発する感じで始まるストーリー。
大泉洋さん演じる坪井宣政が熱いお父さんだった。
娘の人工心臓を作ろうと奮闘する中、開発を断念せざるを得ない状況に陥る。
福本莉子さん演じる娘の佳美が自分以外の人を沢山救って欲しいと言う願いを成し遂げようとする展開。
そんな中、輸入に頼っているIABP(大動脈内バルーンバンビンク)での医療ミスが多く、松村北斗さん演じる医師の富岡が輸入品のIABPが日本人の体に合ってないとの考えにより、宣政が日本人の体に合った器具の開発に着手する展開。
松村北斗さんの演技が良い!
前作の上白石萌音さんと共演した作品も良かったけど本作でも素晴らしかった!
調べたらナント!
彼はアイドルグループの方だったのね(笑)
家族愛を全面に押し出している感じで三姉妹の仲の良さが印象的。
川栄李奈さんが美しい。
・佳美の書いた日記。
・病院で佳美の隣のベッドにいた娘のスニーカー。
・菅野美穂さん演じる妻が宣政にかける言葉。
・佳美の成人式の記念写真。
泣けるシーンが盛り沢山(笑)
有村架純さんも登場。
彼女役の方は実際に宣政が開発した
IABPで命を救われたのか?
気になるところ。
どこまでが実話でどこを脚色したのか不明だけど素晴らしい作品を観られた事に感謝。
宣政が娘を思う事に必死で自分の会社を差し置いていた印象。
莫大な研究開発費用も会社のお金を使っている疑惑も否定出来ない感じ(笑)
従業員の事もあまり考えていない感じが気になりました( ´∀`)
余りにも余りにも
人にとって自分の死を死ぬことは出来ない。それは自分の眠りを意識して、眠る瞬間を自覚出来ないのと同じだ。
だから、物語は「死」を幻想し、仮定し、「物語」の中に納めることで安心を得ようとする。それは仕方がないことだ。問題はその仮想化の姿勢だ。
娘が亡くなることは悲しいことだか、その末期の言葉に「家族を誇りに思う」と言わせることは、余りにも死者に対して傲慢だと私は感じる。
そんな傲慢さが細部に渡るまで行き届いた不快な映画だった。
そもそも冒頭、有村架純演ずるインタビュアーの圧が強いのは、きっとこのカテーテルで救われたからなんだろうなと思っていれば、その通りだし、同室の子が残した運動靴を代わりに履くんだろなと思えば、その通りになるし。
最初反対していた富岡が協力者になるし。お父さんのためにと呟いた後、倒れるし。
自らの洞察力を誇るつもりで言っているのではないし、フラグとその回収がステロタイプであることを非難しているのではない。
ドラマであることと、ドキュメンタリーを下書きにしたことの着地点が必要なことも分かる。しかし、ストーリーを進める時に無限にあり得る描写の中から選び取られたその選択は、どこか人を、人の存在を、もっと言えば尊厳を蔑ろにしている。
人は、あのように話さないし、あのように行動する生き物ではない。「人」の魅力はあんな行動、あんな台詞には1ミリもない。
「私の医師免許にかけて」の一言で、手術を始められるのだとしたら、ドラマツルギーなど必要ない。
また、私にはそんな専門知識がないのだが、循環器の手術に、一介の業者が立ち会うことなど可能なのだろうか?
原作は未読だが、本当にこれはドキュメンタリーなのか?
周囲の啜り泣きがなければ、『翔んで埼玉』よりずっと大笑いできる映画だ。
大泉洋の熱演…⭐︎
娘の心臓病を治すために人工心臓を作ろうとする父親とその家族の物語。
この手のお話しは、湿っぽくて泣いてくださいと言わんばかりになりがちだが
この作品はそんな感じによっていかない。
家族も一緒になって、病気に立ち向かっていく。
菅野美穂はやっぱり上手いなぁ…と思い、姉妹三人もそれぞれに個性があって
面白い(川栄李奈は個人的に少しムリっぽかった)。
でも、なんと言っても大泉洋の一人芝居かと思えるほどの熱演!
今まで彼の演技を良いなと思ったことあまりなくて、「こんにちは、母さん」
などはわざとらしくてウンザリするくらいだったけど今回は町工場の娘を
何としても助けたいという父親に成り切っていた。
物語のテンポも良くて、エピソードが積み重なり 人口心臓からIABP開発への
父親の気持ちの変化も上手く繋がっていく。
娘さんは亡くなってしまうけど悲しさだけで終わらない未来を感じるエンディング
も良かった。
・・・・・イマイチ。
脚色が多い。
出てくるクルマが旧車ミーティングで並んでるような、やや希少な、当時でもすこしは特別扱いされたようなクルマばかり。ま〜バンみたいな普通のクルマは雑に扱われて残ってないだろうから仕方ないですが、シリアスな物語なだけにそういうところが感情移入し難いところ。
大泉洋さんは、水曜どうでしょうから見てきましたが、正直、役者としてはイマイチなんじゃないのかな?
根が真面目そうだから。
チームナックスの人たちみんなそう。好きですが。
娘さん役の3人イマイチ。
菅野美穂さんキレイになりましたね。
BGMがクサイ。
所々で涙しましたが全体的にイマイチ。
涙なしにはみれません
悲しくなったし、感動したし、考えさせられ、とにかく泣いた。
演技で言うと光石さんが素晴らしかった。本当に腹が立ったし、厭らしい笑い方するなぁと。単純に自分自身が事前知識がないまま観賞したので、夜明けのすべての社長の優しいイメージ引きずってただけに裏切られた感がすごかったせいもあるのだけど。
人工心臓も恒久的に使用できる物が無いのも知らず。手術を重ねなくてはいけないと学べたし、延命治療についても考えさせられる映画でした。
涙だけではない、後味のいい映画
命の重さ、家族のあり方、医療の世界の難しさと時代背景…メッセージが多いのにきちんと整理されていて、分かりやすく映画に没頭できた。
大泉洋の演技には、何回も泣かされた。コミカルさもあるのに、人が持つ熱量を感じさせる。また、脇役で川栄李奈と松村北斗はとても良かった。
映像が昭和レトロで、そちらも素敵だった。映画館でみて欲しい。
命を扱う重い内容ではあるが、ある意味ではもの作りのサクセスストーリーにも見れる。後味のいい、人にすすめたくなる映画だった。
映画は予告編だけで観に行くかどうか決めるべきかも(笑)
映画を観る場合、原作を先に読んで内容を知ったうえで映画を観る以外は、基本的に予告編くらいの前知識で他の情報を得ずに映画を楽しむ方がいいと、この作品で痛感させられました。
難病モノ、父親を中心に家族一丸となって頑張る・・・こういう予告編を観て、「ああ、娘はなんとか助かるんだろうなぁ」なんて想像できます。この映画の冒頭は主人公夫婦が祝賀会に招かれて、みんなにお祝いしてもらうという内容だったので、やっぱうまくいったんだなぁと単純に想像しましたが、有村架純演じる女性記者に「娘さんも心臓病だったのですね?」などとインタビューされたときに、夫婦の顔が曇ります。
この時点で「あ、やっぱ娘さんはだめだったんだ」ということと、「んじゃ、この祝賀会は何?」という疑問で物語に一気に引き込まれます。
この映画は娘さんの遺志を尊重すればハッピーエンドということになります。
1970年代という近過去の映像は懐かしい車のオンパレードでとても楽しめました。
後々放送されたときに、静止画にして車種名をチェックしたいですね(笑)
実話では勝てません。素晴らしいです。
坪井宣政さんの実話(本名は筒井さん)。娘の佳美さんが小さい時に心臓病が見つかり、助けたい一心で10年というタイムリミットで人工心臓を作るというところから、駄目だったとしても、国産のカテーテルに関わり年間世界で17万人も人命を救う素晴らしいものを制作。
家族の素晴らしさ。そして途中で人工心臓を諦めてからの国産カテーテル制作のシフトチェンジしてからの踏ん張るパワーがたのもしい。こんな日本人そんなに現代はいないなぁと感心させられました。
いい話で何度も涙が溢れ、実話がベースという話ですとなかなか作り話ですとかなわないな、やっぱり真実が強いと思わされた。
いい映画でした
次女の命のタイムリミットがある中での過酷な挑戦…
それを支える家族や仲間たち。
この映画を観た方達は物語の中で必ずどこかに刺さるシーンがあるんじゃないかと思います。
全てを注ぎ込んで人口心臓を何とか作りたいと行動する父、寄り添い時に背中を押す母、そんな家族をまとめ上げる長女、次女の安らぎとなる三女、生れつきの難病で死にたくないと思いなからも口には出さず前を向く次女
。お互いを思い優しく強い家族に涙が溢れました。
ラストにドーンと感動する映画ではありません。物語の様々なところで感動した素晴らしい映画でした。
家族愛を超え人間愛に根差した主人公の姿が心を捉えて放さない
本作は、家族愛に始まり人間愛という大きなテーマにまで迫った感涙必至の実話ヒューマンドラマである。家族の為だけではなく他者の為に懸命に奮闘する主人公の姿は人間愛に根差したものであり強く心を揺さぶられる秀作である。
本作の舞台は1970年代。小さな町工場を営む主人公・坪井宣政(大泉洋)と妻・陽子(菅野美穂)の娘・佳美は幼い頃から心臓病を患い余命10年と宣告される。宣政は畑違いの人工心臓を自ら開発する決意をする。宣政と陽子は佳美の為に大学・医学部と協力して失敗を繰り返しながらも諦めず粘り強く不可能に近い開発に奔走していくが、タイムリミットは容赦なく迫ってくる・・・。
前半は人工心臓開発シーンは際立っていたが典型的な難病・家族愛作品だった。しかし、後半、保守的、閉鎖的な大学・医学部が保身の為にハイリスクの人工心臓開発から手を引き絶望的な状況になる。そんな時、“私の様な病気で苦しんでいる人達を助けて”と佳美が自らの想いを吐露する。作品テーマは、家族愛から人間愛という大きなテーマに昇華する。宣政は、佳美の想いを受け止め、人工心臓開発で知合った富岡(松村北斗)の協力を得て、心臓病手術で成功率が低いバルーンカテーテルに着目し、改良開発に心血を注ぎ、艱難辛苦の末に改良に成功する。改良品は17万人の命を救う。
宣政は佳美の命は救えなかったが、17万人の他者の命を救った。佳美の想いは叶えられた。他者の為という人間愛精神は、今後、佳美の死とともに宣政の子孫に脈々と受け継がれていくだろう。
陽子は、結果が出て一段落すると、必ず次はどうする?と宣政に尋ねる。人生で常に高い目標を持つことの大切さを示唆している。時折、映し出される、宣政の社長室に掲げてある、為せば成る。為さねばならぬ何事も。という諺は意志と行動力の大切さを強調している。
本作は、主人公の生き方を通して、命ある限り結果に一喜一憂せず常に高い目標を持ち強い意志で粘り強く行動していくのが人生の醍醐味であり道は拓かれると教えている。
完璧な人工心臓の早期開発を願いつつ・・・‼️
大泉洋扮する主人公が重度の心臓病を抱えた次女の命を救うため、自ら人工心臓の開発に乗り出す作品‼️冒頭、年老いた主人公夫婦が表彰される場面から始まる事で、次女の命を救えなかった事、人工心臓も作れなかった事、バルーンカテーテルの開発に成功した事が示唆される‼️結果が分かっている物語構成に大丈夫かなぁと危惧しつつ、鑑賞したのですが、これがとんでもなく感動的な作品でした‼️娘のために一生懸命頑張る父、それを献身的に支える妻、妹思いの長女、健気な次女、姉思いの三女、共に開発に励む医療関係の方々、なかなかバルーンカテーテルを承認しない病院のお偉方など、定石通りの展開で新鮮味は無いのですが、俳優さんたちの素晴らしい演技で素直に泣かせてくれる見応えのある作品となっていました‼️特に三姉妹を演じる女優さんたちの存在感は悲しい物語ではあるのだけれど、作品全体を微笑ましく彩ってくれています‼️ラスト、次女が家族、特に父を思って書いた日記が読まれるシーンは、涙が溢れてきますよね‼️ただ主人公が経営する町工場の従業員たちの描写が少し浅いと思いました‼️娘のために暴走する主人公に迷惑をかけられ、複雑な思いを抱いている従業員たちの見せ場があった方が映画的に盛り上がったような‼️3枚の退職願だけでは‼️そこまで要求するのは欲張りですかね⁉️
魂を込めた信念を貫く深い思いと、父を支える家族愛に涙する!
この映画のチラシを手にしたのは2月頃だったか随分と前に思います。いつやるの?今でしょ、じゃないけど 公開日まで待ち遠しい日々を過ごしておりました。
本日初日に無事「ディア・ファミリー」を鑑賞させて頂きました。
有難う御座いました。(*´ω`*)
場内ですが、実話でもありますし やっぱり関心の高さを感じましたね。
それと この心臓の病について何らかの関わりがある方々なのでしょうか、日頃劇場ではお見受けしない服装の方々が来られていた感じしました。
私も身内と心臓疾患で早くに別れた為、このご家族の思いは凄く分かります。10年と言う時間を把握できて、前向きに過ごせた事は幸せであったと感じます。
悪化を感じる事無く気が付けばもう手遅れ。宣告されても何の手立ても打てずに終えてしまわれる家族の方もきっと多いと思うのです。
ですから レビュ-コメントするのちょっと心傷む思いもあります。
映画の展開、質的評から言うと、感動モノの王道作品な作りです。
実話ベースですので描かれた10年は色々とあり、怒り憎しみ、諦め、そして去った人々への感謝。深い思いが一杯詰まっては有るのですが上映時間的制約もあり各エピソ-ドが浅く感じるかも知れません。その点は少し残念ですが仕方無いと感じます。人によっては あんまり泣けなかった~ってコメントされる方が居るかもですが それはこのテーマへの自身の関係深さにて左右されるだろうと少し感じます。
--------------
原作:清武英利氏 『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』
監督月川翔氏
----心優しい役者陣----
坪井宣政(父 主人公):大泉洋さん
坪井陽子(母):菅野美穂さん
坪井奈美(長女):川栄李奈さん
坪井佳美(次女 心臓の病):福本莉子さん
坪井寿美(三女):新井美羽さん
富岡進(日本心臓研究所の研究医):松村北斗さん
石黒英二(東京都市医科大学教授):光石研さん
--------
この元話は、東海メディカルプロダクツ(愛知県)の創業エピソ-ドですね。
創業社長筒井御夫妻のお嬢様が心臓疾患で余命宣告を受けられた事により、何とか娘の命を助けたい思い、強い信念でもって人工心臓の開発に挑まれた奮闘が描かれてます。そして深い挫折とやり場のない悲しみ。そして日本製初のIABPバルーンカテーテル開発秘話へと繋がります。
同じ境遇の家族を抱えてる人が、この夫妻と同じ事が出来るのか? と言えば殆どの方は難しいでしょう。一つは時間、そして圧倒的な財力、そして努力できる環境連携(協力の輪)、そして 最後に運でしょうか。
どんなに優れた物が完成しても、世間に認めて貰わないと採用されない・・・
これを観ていて一番痛感致しました。
今は何処の地域でも、医学+工学=医工連携 って言うのが組まれている様ですが
平成元年当時はそういう後押し的な組織づくりは無かったのでしょうかね。
昔見た映画「ロレンツォのオイル/命の詩」も実話で今作と境遇が良く似てます。
難病の副腎白質ジストロフィー病の一人息子(ロレンツォ)を何とか助けるため、必死に奮闘するオドーネ夫妻の実話に基づく話です。
今作、一番感動した所は やっぱり父と次女との二人っきり会話の所ですかね。
”私の命はもう大丈夫だから”・・・ そこはやはり涙しますね。
父のもう限界域に達していて、助けたくても もう叶えられない思い。
それを察した娘の言葉が心の奥底に響きます。
それと、終盤のレポ-タ役の有村さんの 意外にも自分自身が心臓疾患あってこのバル-ンによって治った事。その感謝を開発に尽力された坪井さんへ直接告げる所でしょうかね。実際は色んな患者さんから感謝の手紙などは多かったであろうと感じますが、直接言われて頭を下げられる事程 嬉しい事は無かったであろうと思うのです。物を開発してる開発者って、中々それを使用する使用者の方からお礼を直接言われる事が無いでしょから。そう言うのって とっても大事だと思うんですよね。
本作は普通に感動モノで他の同類作品に埋もれてしまうかも知れません。
しかし、きっと記憶に残る一作で在ると信じます。そして最高です!!
ご興味御座います方は
是非、今の内に劇場へどうぞ!
全95件中、61~80件目を表示