ディア・ファミリーのレビュー・感想・評価
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愛にあふれた開発のお話
娘の余命10年という限られた時間を家族でどう使うか。
不可能かと思われるような挑戦に挑む家族の在り方に感動しました。
「次はどうする?」という奥様の前向きで力強い言葉が印象的でした。
17万人の命を今なお救い続けている
バルーンカテーテルの存在を恥ずかしながら詳しく知らなかったですが、
この映画をきっかけにもっと知りたくなりました。
涙無くしては見られない素晴らしい映画だと思います。
Mrs.green appleのエンディングも感動です。
町工場のオッサンが娘の命を救う映画と思いきや世界で17万人の命を救う医療器具を開発した感動作。 本年度ベスト!!
娘を救う事が出来なかった父親。
他界した娘との約束を成し遂げる素晴らしい作品だった。
久し振りに鼻水を流しながら泣いてしまった(汗)
でも周囲の人の鼻水をすすってる音に自分だけじゃ無いと安心(笑)
そして実話ベースと言う事にも驚く!
心臓病で余命10年と宣告されたら娘の為、医療知識ゼロのオッサンが人工心臓を開発する感じで始まるストーリー。
大泉洋さん演じる坪井宣政が熱いお父さんだった。
娘の人工心臓を作ろうと奮闘する中、開発を断念せざるを得ない状況に陥る。
福本莉子さん演じる娘の佳美が自分以外の人を沢山救って欲しいと言う願いを成し遂げようとする展開。
そんな中、輸入に頼っているIABP(大動脈内バルーンバンビンク)での医療ミスが多く、松村北斗さん演じる医師の富岡が輸入品のIABPが日本人の体に合ってないとの考えにより、宣政が日本人の体に合った器具の開発に着手する展開。
松村北斗さんの演技が良い!
前作の上白石萌音さんと共演した作品も良かったけど本作でも素晴らしかった!
調べたらナント!
彼はアイドルグループの方だったのね(笑)
家族愛を全面に押し出している感じで三姉妹の仲の良さが印象的。
川栄李奈さんが美しい。
・佳美の書いた日記。
・病院で佳美の隣のベッドにいた娘のスニーカー。
・菅野美穂さん演じる妻が宣政にかける言葉。
・佳美の成人式の記念写真。
泣けるシーンが盛り沢山(笑)
有村架純さんも登場。
彼女役の方は実際に宣政が開発した
IABPで命を救われたのか?
気になるところ。
どこまでが実話でどこを脚色したのか不明だけど素晴らしい作品を観られた事に感謝。
宣政が娘を思う事に必死で自分の会社を差し置いていた印象。
莫大な研究開発費用も会社のお金を使っている疑惑も否定出来ない感じ(笑)
従業員の事もあまり考えていない感じが気になりました( ´∀`)
余りにも余りにも
人にとって自分の死を死ぬことは出来ない。それは自分の眠りを意識して、眠る瞬間を自覚出来ないのと同じだ。
だから、物語は「死」を幻想し、仮定し、「物語」の中に納めることで安心を得ようとする。それは仕方がないことだ。問題はその仮想化の姿勢だ。
娘が亡くなることは悲しいことだか、その末期の言葉に「家族を誇りに思う」と言わせることは、余りにも死者に対して傲慢だと私は感じる。
そんな傲慢さが細部に渡るまで行き届いた不快な映画だった。
そもそも冒頭、有村架純演ずるインタビュアーの圧が強いのは、きっとこのカテーテルで救われたからなんだろうなと思っていれば、その通りだし、同室の子が残した運動靴を代わりに履くんだろなと思えば、その通りになるし。
最初反対していた富岡が協力者になるし。お父さんのためにと呟いた後、倒れるし。
自らの洞察力を誇るつもりで言っているのではないし、フラグとその回収がステロタイプであることを非難しているのではない。
ドラマであることと、ドキュメンタリーを下書きにしたことの着地点が必要なことも分かる。しかし、ストーリーを進める時に無限にあり得る描写の中から選び取られたその選択は、どこか人を、人の存在を、もっと言えば尊厳を蔑ろにしている。
人は、あのように話さないし、あのように行動する生き物ではない。「人」の魅力はあんな行動、あんな台詞には1ミリもない。
「私の医師免許にかけて」の一言で、手術を始められるのだとしたら、ドラマツルギーなど必要ない。
また、私にはそんな専門知識がないのだが、循環器の手術に、一介の業者が立ち会うことなど可能なのだろうか?
原作は未読だが、本当にこれはドキュメンタリーなのか?
周囲の啜り泣きがなければ、『翔んで埼玉』よりずっと大笑いできる映画だ。
大泉洋の熱演…⭐︎
娘の心臓病を治すために人工心臓を作ろうとする父親とその家族の物語。
この手のお話しは、湿っぽくて泣いてくださいと言わんばかりになりがちだが
この作品はそんな感じによっていかない。
家族も一緒になって、病気に立ち向かっていく。
菅野美穂はやっぱり上手いなぁ…と思い、姉妹三人もそれぞれに個性があって
面白い(川栄李奈は個人的に少しムリっぽかった)。
でも、なんと言っても大泉洋の一人芝居かと思えるほどの熱演!
今まで彼の演技を良いなと思ったことあまりなくて、「こんにちは、母さん」
などはわざとらしくてウンザリするくらいだったけど今回は町工場の娘を
何としても助けたいという父親に成り切っていた。
物語のテンポも良くて、エピソードが積み重なり 人口心臓からIABP開発への
父親の気持ちの変化も上手く繋がっていく。
娘さんは亡くなってしまうけど悲しさだけで終わらない未来を感じるエンディング
も良かった。
・・・・・イマイチ。
脚色が多い。
出てくるクルマが旧車ミーティングで並んでるような、やや希少な、当時でもすこしは特別扱いされたようなクルマばかり。ま〜バンみたいな普通のクルマは雑に扱われて残ってないだろうから仕方ないですが、シリアスな物語なだけにそういうところが感情移入し難いところ。
大泉洋さんは、水曜どうでしょうから見てきましたが、正直、役者としてはイマイチなんじゃないのかな?
根が真面目そうだから。
チームナックスの人たちみんなそう。好きですが。
娘さん役の3人イマイチ。
菅野美穂さんキレイになりましたね。
BGMがクサイ。
所々で涙しましたが全体的にイマイチ。
涙なしにはみれません
悲しくなったし、感動したし、考えさせられ、とにかく泣いた。
演技で言うと光石さんが素晴らしかった。本当に腹が立ったし、厭らしい笑い方するなぁと。単純に自分自身が事前知識がないまま観賞したので、夜明けのすべての社長の優しいイメージ引きずってただけに裏切られた感がすごかったせいもあるのだけど。
人工心臓も恒久的に使用できる物が無いのも知らず。手術を重ねなくてはいけないと学べたし、延命治療についても考えさせられる映画でした。
涙だけではない、後味のいい映画
命の重さ、家族のあり方、医療の世界の難しさと時代背景…メッセージが多いのにきちんと整理されていて、分かりやすく映画に没頭できた。
大泉洋の演技には、何回も泣かされた。コミカルさもあるのに、人が持つ熱量を感じさせる。また、脇役で川栄李奈と松村北斗はとても良かった。
映像が昭和レトロで、そちらも素敵だった。映画館でみて欲しい。
命を扱う重い内容ではあるが、ある意味ではもの作りのサクセスストーリーにも見れる。後味のいい、人にすすめたくなる映画だった。
映画は予告編だけで観に行くかどうか決めるべきかも(笑)
映画を観る場合、原作を先に読んで内容を知ったうえで映画を観る以外は、基本的に予告編くらいの前知識で他の情報を得ずに映画を楽しむ方がいいと、この作品で痛感させられました。
難病モノ、父親を中心に家族一丸となって頑張る・・・こういう予告編を観て、「ああ、娘はなんとか助かるんだろうなぁ」なんて想像できます。この映画の冒頭は主人公夫婦が祝賀会に招かれて、みんなにお祝いしてもらうという内容だったので、やっぱうまくいったんだなぁと単純に想像しましたが、有村架純演じる女性記者に「娘さんも心臓病だったのですね?」などとインタビューされたときに、夫婦の顔が曇ります。
この時点で「あ、やっぱ娘さんはだめだったんだ」ということと、「んじゃ、この祝賀会は何?」という疑問で物語に一気に引き込まれます。
この映画は娘さんの遺志を尊重すればハッピーエンドということになります。
1970年代という近過去の映像は懐かしい車のオンパレードでとても楽しめました。
後々放送されたときに、静止画にして車種名をチェックしたいですね(笑)
実話では勝てません。素晴らしいです。
坪井宣政さんの実話(本名は筒井さん)。娘の佳美さんが小さい時に心臓病が見つかり、助けたい一心で10年というタイムリミットで人工心臓を作るというところから、駄目だったとしても、国産のカテーテルに関わり年間世界で17万人も人命を救う素晴らしいものを制作。
家族の素晴らしさ。そして途中で人工心臓を諦めてからの国産カテーテル制作のシフトチェンジしてからの踏ん張るパワーがたのもしい。こんな日本人そんなに現代はいないなぁと感心させられました。
いい話で何度も涙が溢れ、実話がベースという話ですとなかなか作り話ですとかなわないな、やっぱり真実が強いと思わされた。
いい映画でした
次女の命のタイムリミットがある中での過酷な挑戦…
それを支える家族や仲間たち。
この映画を観た方達は物語の中で必ずどこかに刺さるシーンがあるんじゃないかと思います。
全てを注ぎ込んで人口心臓を何とか作りたいと行動する父、寄り添い時に背中を押す母、そんな家族をまとめ上げる長女、次女の安らぎとなる三女、生れつきの難病で死にたくないと思いなからも口には出さず前を向く次女
。お互いを思い優しく強い家族に涙が溢れました。
ラストにドーンと感動する映画ではありません。物語の様々なところで感動した素晴らしい映画でした。
家族愛を超え人間愛に根差した主人公の姿が心を捉えて放さない
本作は、家族愛に始まり人間愛という大きなテーマにまで迫った感涙必至の実話ヒューマンドラマである。家族の為だけではなく他者の為に懸命に奮闘する主人公の姿は人間愛に根差したものであり強く心を揺さぶられる秀作である。
本作の舞台は1970年代。小さな町工場を営む主人公・坪井宣政(大泉洋)と妻・陽子(菅野美穂)の娘・佳美は幼い頃から心臓病を患い余命10年と宣告される。宣政は畑違いの人工心臓を自ら開発する決意をする。宣政と陽子は佳美の為に大学・医学部と協力して失敗を繰り返しながらも諦めず粘り強く不可能に近い開発に奔走していくが、タイムリミットは容赦なく迫ってくる・・・。
前半は人工心臓開発シーンは際立っていたが典型的な難病・家族愛作品だった。しかし、後半、保守的、閉鎖的な大学・医学部が保身の為にハイリスクの人工心臓開発から手を引き絶望的な状況になる。そんな時、“私の様な病気で苦しんでいる人達を助けて”と佳美が自らの想いを吐露する。作品テーマは、家族愛から人間愛という大きなテーマに昇華する。宣政は、佳美の想いを受け止め、人工心臓開発で知合った富岡(松村北斗)の協力を得て、心臓病手術で成功率が低いバルーンカテーテルに着目し、改良開発に心血を注ぎ、艱難辛苦の末に改良に成功する。改良品は17万人の命を救う。
宣政は佳美の命は救えなかったが、17万人の他者の命を救った。佳美の想いは叶えられた。他者の為という人間愛精神は、今後、佳美の死とともに宣政の子孫に脈々と受け継がれていくだろう。
陽子は、結果が出て一段落すると、必ず次はどうする?と宣政に尋ねる。人生で常に高い目標を持つことの大切さを示唆している。時折、映し出される、宣政の社長室に掲げてある、為せば成る。為さねばならぬ何事も。という諺は意志と行動力の大切さを強調している。
本作は、主人公の生き方を通して、命ある限り結果に一喜一憂せず常に高い目標を持ち強い意志で粘り強く行動していくのが人生の醍醐味であり道は拓かれると教えている。
完璧な人工心臓の早期開発を願いつつ・・・‼️
大泉洋扮する主人公が重度の心臓病を抱えた次女の命を救うため、自ら人工心臓の開発に乗り出す作品‼️冒頭、年老いた主人公夫婦が表彰される場面から始まる事で、次女の命を救えなかった事、人工心臓も作れなかった事、バルーンカテーテルの開発に成功した事が示唆される‼️結果が分かっている物語構成に大丈夫かなぁと危惧しつつ、鑑賞したのですが、これがとんでもなく感動的な作品でした‼️娘のために一生懸命頑張る父、それを献身的に支える妻、妹思いの長女、健気な次女、姉思いの三女、共に開発に励む医療関係の方々、なかなかバルーンカテーテルを承認しない病院のお偉方など、定石通りの展開で新鮮味は無いのですが、俳優さんたちの素晴らしい演技で素直に泣かせてくれる見応えのある作品となっていました‼️特に三姉妹を演じる女優さんたちの存在感は悲しい物語ではあるのだけれど、作品全体を微笑ましく彩ってくれています‼️ラスト、次女が家族、特に父を思って書いた日記が読まれるシーンは、涙が溢れてきますよね‼️ただ主人公が経営する町工場の従業員たちの描写が少し浅いと思いました‼️娘のために暴走する主人公に迷惑をかけられ、複雑な思いを抱いている従業員たちの見せ場があった方が映画的に盛り上がったような‼️3枚の退職願だけでは‼️そこまで要求するのは欲張りですかね⁉️
魂を込めた信念を貫く深い思いと、父を支える家族愛に涙する!
この映画のチラシを手にしたのは2月頃だったか随分と前に思います。いつやるの?今でしょ、じゃないけど 公開日まで待ち遠しい日々を過ごしておりました。
本日初日に無事「ディア・ファミリー」を鑑賞させて頂きました。
有難う御座いました。(*´ω`*)
場内ですが、実話でもありますし やっぱり関心の高さを感じましたね。
それと この心臓の病について何らかの関わりがある方々なのでしょうか、日頃劇場ではお見受けしない服装の方々が来られていた感じしました。
私も身内と心臓疾患で早くに別れた為、このご家族の思いは凄く分かります。10年と言う時間を把握できて、前向きに過ごせた事は幸せであったと感じます。
悪化を感じる事無く気が付けばもう手遅れ。宣告されても何の手立ても打てずに終えてしまわれる家族の方もきっと多いと思うのです。
ですから レビュ-コメントするのちょっと心傷む思いもあります。
映画の展開、質的評から言うと、感動モノの王道作品な作りです。
実話ベースですので描かれた10年は色々とあり、怒り憎しみ、諦め、そして去った人々への感謝。深い思いが一杯詰まっては有るのですが上映時間的制約もあり各エピソ-ドが浅く感じるかも知れません。その点は少し残念ですが仕方無いと感じます。人によっては あんまり泣けなかった~ってコメントされる方が居るかもですが それはこのテーマへの自身の関係深さにて左右されるだろうと少し感じます。
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原作:清武英利氏 『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』
監督月川翔氏
----心優しい役者陣----
坪井宣政(父 主人公):大泉洋さん
坪井陽子(母):菅野美穂さん
坪井奈美(長女):川栄李奈さん
坪井佳美(次女 心臓の病):福本莉子さん
坪井寿美(三女):新井美羽さん
富岡進(日本心臓研究所の研究医):松村北斗さん
石黒英二(東京都市医科大学教授):光石研さん
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この元話は、東海メディカルプロダクツ(愛知県)の創業エピソ-ドですね。
創業社長筒井御夫妻のお嬢様が心臓疾患で余命宣告を受けられた事により、何とか娘の命を助けたい思い、強い信念でもって人工心臓の開発に挑まれた奮闘が描かれてます。そして深い挫折とやり場のない悲しみ。そして日本製初のIABPバルーンカテーテル開発秘話へと繋がります。
同じ境遇の家族を抱えてる人が、この夫妻と同じ事が出来るのか? と言えば殆どの方は難しいでしょう。一つは時間、そして圧倒的な財力、そして努力できる環境連携(協力の輪)、そして 最後に運でしょうか。
どんなに優れた物が完成しても、世間に認めて貰わないと採用されない・・・
これを観ていて一番痛感致しました。
今は何処の地域でも、医学+工学=医工連携 って言うのが組まれている様ですが
平成元年当時はそういう後押し的な組織づくりは無かったのでしょうかね。
昔見た映画「ロレンツォのオイル/命の詩」も実話で今作と境遇が良く似てます。
難病の副腎白質ジストロフィー病の一人息子(ロレンツォ)を何とか助けるため、必死に奮闘するオドーネ夫妻の実話に基づく話です。
今作、一番感動した所は やっぱり父と次女との二人っきり会話の所ですかね。
”私の命はもう大丈夫だから”・・・ そこはやはり涙しますね。
父のもう限界域に達していて、助けたくても もう叶えられない思い。
それを察した娘の言葉が心の奥底に響きます。
それと、終盤のレポ-タ役の有村さんの 意外にも自分自身が心臓疾患あってこのバル-ンによって治った事。その感謝を開発に尽力された坪井さんへ直接告げる所でしょうかね。実際は色んな患者さんから感謝の手紙などは多かったであろうと感じますが、直接言われて頭を下げられる事程 嬉しい事は無かったであろうと思うのです。物を開発してる開発者って、中々それを使用する使用者の方からお礼を直接言われる事が無いでしょから。そう言うのって とっても大事だと思うんですよね。
本作は普通に感動モノで他の同類作品に埋もれてしまうかも知れません。
しかし、きっと記憶に残る一作で在ると信じます。そして最高です!!
ご興味御座います方は
是非、今の内に劇場へどうぞ!
洋ちゃん皆様お疲れ様でした‼︎
素晴らしい作品でした。
娘さんに役立って元気に暮らしていれば良かったのに、それだけが大変残念です。役者さん達皆さんいい演技されていて、グッと気持ちを引き込まれました。
あんなに熱く一生懸命頑張れる人がいるって凄い事です。勇気貰いました。
命も夢も諦めない
実話、難病、苦難、家族愛…。
予告編ではキャストの泣きの演技を見せ、人気アーティストの主題歌でさらに感動を謳う。
日本映画定番とも言えるこのジャンル。お涙頂戴映画。
こういうのって見れば良作なんだけど、ちょっと鼻に付くんだよね。実話だから感動して当たり前、泣け泣けの押し売り。
題材は違うが、本作と同じく菅野美穂が支える奥さん役で出た『奇跡のリンゴ』を何故か思い出した。あれも“さあ、泣いて下さい”の売り込みで見た人の涙をたくさん溢させたが、勿論苦難の実話には頭が下がるが、私ゃ冷めて見てた。
なので、最初は本作にも辟易。
だけど、この実話には惹かれるものも感じた。
人の命。それを救う。
もう6年も前。私も命が危うい事あったので、少なからずシンパシーを感じる。
観ようか観まいか直前まで悩んでいたのだが…、結果観た感想。
観て良かった。素直に感動しちゃいましたよ。所々、私の荒んだ目に溢れるものも…。
大泉洋演じる主人公は坪井宜政とされているが、そのモデルは、愛知県にある医療機器メーカー“東海メディカルプロダクツ”の創業者、筒井宜政氏。
元はプラスチック加工会社であったが、医療機器を扱う事になった訳…。
宜政と妻・陽子の次女・佳美。
先天的に心臓に病を煩い、医師から余命10年を宣告される。二十歳まで生きられない…。
宜政は国内のみならずアメリカの心臓病に長けた病院にまで赴くが、当時(1970年代)の医学では治療は無理。
そんな時、人工心臓の話を聞くが…、開発段階で、実用どころか完成にも至ってない。後何年…いや、何十年掛かる事か。
何十年って…。そんなに待てない。10年しかないんだ。
まだ出来てもいない。ならば…。
お父さんが作ってやる!
開発と実用化に成功した今だからこそ、氏の熱意と努力に本当に頭が下がる。
でも、当時だったら誰もが思う筈。そんな事…。夢物語で理想事。
ましてや氏は町工場の技術者であって、医学の知識は全くのゼロ。
医療従事者たちからすれば、ただ一心に命を救いたいという気持ちは分かるが、医学の事など何も知りもしない外部の素人が、何言ってやがると面白くもなかっただろう。
が、信じている者もいた。
宜政本人。諦めが悪いのだ。
家族。普通だったら奥さんは反対し、子供たちも呆れるが、佳美の日記にも書かれてある。
ウチの家族は変わっているのだ。
医学の知識はゼロ。分からない事は調べる。学ぶ。聞く。
病院の医師・石黒や研究医たちに根掘り葉掘り。
最初は鬱陶しがられるも、熱意に負け、協力を得られる。
病院側は医学の知識は豊富だが、技術に関しては専門家ではない。そこは、技術者である宜政の腕がモノを言う。
開発に当たってのこれまでの問題を、技術者ならではの視点で打開。
その分野に携わっていると何でもかんでも無理と決め付けるが、こういう時外部の人間の視点や発想が切り拓く。歴史上の発明や開発にそういう事は多い。
医学×技術。まずは先行きの良いスタートを切ったが…、本当の苦難はここから。
アメリカで治験中の人工心臓の患者が死亡。
これにより、石黒は手のひらを返すように手を引く。
協力してくれた研究医たちも各々進路が…。無理強いは出来ない。
振り出しに戻ったかのように孤立。
気付けば莫大なお金が…。人手、新技術の開発、アメリカからの機器の取り寄せ、本業もある。数千万単位ではない。億単位…。
さらに絶望的な報せ。佳美の症状が重くなる。心臓が弱まり、それと共に他の内臓機能も弱まる。つまり、例え奇跡的に人工心臓の開発に成功して移植手術しても、他の機能の低下により助かる見込みはない。
佳美の死は避けられない。
何だよ、それ! 人工心臓さえ成功すれば助かるんじゃなかったのか! じゃあ、今まで俺がやってきた事は何だったんだ…!?
家族や佳美の傍にも居てやれず。全て佳美の命を救えると信じて…。
だったら、佳美の傍に居てやれば良かった…。何をしてたんだ、俺は…。
諦めが悪い宜政。が、この時ばかりは諦めかける。
そんな宜政を救ったのは、救おうとしていた佳美の言葉だった…。
佳美はこの時、もう自分の運命を受け入れたのであろう。
自分の死は避けられない。
でも、お父さんがやってきた事は無駄じゃない。
私の命は救えなくても、これからたくさんの人たちの命を救う。
私の命は大丈夫だから…。
これを言った佳美の本心は、本当は辛かっただろう。泣きたかっただろう。
そんな本心を押し殺して。…いや、家族の為に前向きな心こそ、佳美の本心であろう。
健気な妹の前では気丈な姉・奈美。ひっそり咽び泣く。
佳美の日記を読む宜政。傍に居てやれなかったのに、溢れんばかりの愛と感謝の言葉が…。
娘の命を救う事はもう無理かもしれない。
が、そんな娘との約束、娘の夢…。
お父さんの作ったもので一人でも多くの命を救う。
宜政や家族の歩みは、苦難や壁の連続だった。
それにぶち当たったら…。
諦めろとは言わない。時に諦めたくなるほどの絶望もある。ならば…。
発想を切り換える。
娘一人の命から、同じ病に苦しむ人たちを救う。
人工心臓の開発から、バルーンカテーテルの開発へ。
恥ずかしながらバルーンカテーテルという言葉を初めて聞いた。
血管などに通し、圧縮の膨らませを繰り返し、心臓などの補助をする装置。
あくまで補助装置なので根本的な完治は出来ない。
ちなみに現時点でも永久的な人工心臓の開発の成功には至ってないという。
しかしこのバルーンカテーテルで、どれほどの命が救われた事か。その数実に、世界中で17万人以上!
それをやってのけた宜政氏の功績は、本当に人間国宝級だ。
それもこれも娘との約束。一人でも多くの命を救って。
だが無論、それに至るまでの道のりはこれまた苦難…。
開発をまた一から始める。
またまた莫大な時間とお金…。
が、やる。諦めの悪い男なのだ。
再び石黒に協力を乞うが…、門前払い。出禁。
と言うのも、当時国内で使われていたバルーンカテーテルは、アメリカからの輸入製。それで事故が相次いでいた。
事故は仕方のない事。
仕方のない…? それが医師が言う言葉か…?
人工心臓の時と同じく、国産バルーンカテーテルなど“いずれ”の事。
何故、今やらないのか…?
保身、金や地位や名声、事なかれ主義。権力に屈する病院の体制は変わらない。
事故が多いのなら、その原因は…? 誰もそのデータを取っていないのか…?
いた。研究医の富岡。が、彼は人工心臓開発の時、一番に逃げ出した人物だった…。
石黒に逆らえず。また、自分の保身の為。
それを悔やんでいた。
今回は協力。その協力あって、原因を突き止める。
アメリカ製のバルーンカテーテルが、日本人の体型に合っていない。
ならば、日本人の体型に合ったバルーンカテーテルを作る。
そこからまた試行錯誤、試作の連続。
治験も繰り返し、遂に実用化しても問題ナシの国産バルーンカテーテルの開発に成功した。
が…
石黒は実用化を認めない。他の病院にも圧力をかけて。
ここまで来て、ここまで来て、また阻まれる。
認めないなら、認めさせるまで。認可ナシに実用を。
責任は全て自分が取る。そう断言したのは、宜政ではなく富岡であった…。
人工心臓開発の時協力してくれた元研究医の現医師が実用。
結果は良好。全く何の問題もナシに、完璧なほどに。
実用化成功が知れ渡り、あちこちで買い手が付く。海外にまで…!
大借金返済のメドが付いた。
石黒の勤務する病院でも病院長の命により、実用へ。
石黒のまたまた手のひら返し。
この時の宜政の返しと「よっしゃ!」に本当にスカッとした。
どれほどの歳月が経った事か…。
全ては娘の命を救う人工心臓開発から。
当初の目的から変わったが、娘との約束を果たし、多くの人の命を救った。
そんな佳美も宣告の余命から生きた。成人式も迎えた。
佳美は大変喜んだ。また一人の命を救ったね。
だが、“その時”は確実に迫っていた…。
あざとさとか、お涙頂戴とか、確かに否めない。そう言うなら言えばいい。
23年の歳月を2時間の尺に収め、本当はもっともっともっと、苦難は計り知れない。
が、月川翔監督の演出と林民夫による脚本は、医療や専門技術の事など全く無知でも見れる分かり易さと作りに徹し、好感。
キャリアの絶好調ぶりと安定を示す大泉洋の好演。
菅野美穂、川栄李奈、松村北斗らも好助演。福本莉子もいいが、少女時代を演じた鈴木結和のアラレちゃんに匹敵レベルの眼鏡っ娘姿もキュート。
最初は協力するも、途中から協力を拒否する光石研の憎々しい巧演もあってこそ。
後年、功績が認められ、国から栄えある賞を。
が、宜政の顔は浮かない。
俺は、娘の命を救えなかったダメな父親だ…。
直接的な描写はないが、佳美は他界。宜政はずっと悔やんでいた。
確かに娘の命は救えなかった。が、多くの人の命を救った。目の前にも。
開幕のバルーンカテーテル手術。有村架純演じる記者。
ここは創作だろうが、命を救われた人が大勢いるのは事実だ。
世界中の人々が、感謝してもしきれない。
父は亡き娘に感謝を。佳美、ありがとう。諦めない事を教えてくれて。
亡き娘は父に感謝を。お父さん、ありがとう。私の夢を叶えてくれて。
次はどうする?
約束を諦めない。
夢を諦めない。
命を諦めない。
まだまだ。
諦めが悪いのだ。
希望と家族からの願い。人々の助け合いは本気で感動した。
福本莉子さんのために見たんだけど俳優たちの演技力でびっくりした。
「変な家」で川栄さんの演技力はまあまあと思って、本作は全然違った。予告編のシーンで川栄さんのショットはずっと菅野さんだと思われた。後大泉洋さんも凄くて 本当にその気持ちを共感された。
主人公の成功は本人の諦めない精神だけではなく、人々の助け合いである。それは1番感動したものでだから辛抱や人類の可能性が実現できると思う。
質感はかなり平成っぽく感じて色彩はまあまあだけど。佳美さんははるかの靴を着いて学校の坂で歩くシーンでモンタージュを見つけた。フレーム内の音からフレーム外の音になって靴を変えて元々のフレーム内の音に戻った。その音声とモンタージュを合わせるとかなり面白いなと思った。
なかなか良い作品だと思って本当に勧めのだ!
どうでもいい話だが、川栄李奈さんと有村架純さんが出てたのを観賞後に知った。
◆最初に、大切などうでもいい話
映画の内容に全く関係ないどうでもいい話なのだが、有村架純さんが出てたのをエンドロールで、川栄李奈さんは観賞後にポスターで知った。1人1万として計2万円ぐらい損した気分。
(終わり)
家族みんながお互いを支え合っていて心が暖まる。心臓疾患を抱える次女 佳美が、おねだりする妹に「みんなわたしを助けようとするのに、アンタはわたしに甘えるのね」なんてところも良い。
僕がこの物語で1番気に入ったとこは、坪井宣政(大泉洋さん)のチャレンジ精神だ。冒頭では、日本で売れない髪結びを外国(モンゴルだかモロッコだか)で売りさばいて戻ってきたエピソードが描かれ、坪井の前向きな性格が分かる。これがこの後の、人工心臓がないなら自分で作ればいいじゃないかという話につながる。
パートナーの洋子(菅野美穂さん)は大泉洋の思いつきを止めるどころか、あっ、ナルホドそうよねーという軽いノリだ。
長女が、ママが反対してパパを止めると思ったら、パパのアイデアに乗り気なのを見て呆れる場面も面白い。
予告編で、「たとえ明日 人工心臓が出来たとしても娘さんは救えない」と担当医らしき人が言う場面があった。僕はこの場面が映画のかなり後半にくると思っていたら、前半に来たので、長い残り時間どうするんだろうと思ってたら、バルーンカテーテルの話になった。
観賞後に映画.comの解説を見たら、バルーンカテーテルのことが、しょっぱなに書いてあった (^^)。 もしかしたら予告編でも言ってたのかもしれないが、ちゃんと見てなかったので、映画冒頭の叙勲も人工心臓の開発に対してのものだと思ってた。
つまり、僕はこの映画のことを勝手な思い込みで、人工心臓は出来たけど、残念なことに娘は救えなかった悲しいお涙頂戴映画だと思ってたのでした。涙もあるが、それだけではなかった。
事実を元にしてるから、実際に娘さんはすごく若くして亡くなっていて悲しい話だ。
当然、泣き所もたくさんある。例えば、長女が次女に、洗い物をしながら後ろ向きのまま明るい声で「治るに決まってんじゃん」と言う所など、「ここで泣かなかったらミミズかタコよ」と叫びたいぐらいの泣き所である。いや、ミミズさんもタコさんも泣くだろう。
(スイマセン僕泣いてません(^^))
そして、この作品は、お涙頂戴の難病ものであるとともに、(断念してしまったが)人工心臓の開発を目指し、バルーンカテーテルの開発を行った人物のガッツを描いた根性物語でもある。
だけど、さすがに2時間では、NHKの「プロジェクトX」や、池井戸潤原作のTVドラマ「下町ロケット」みたいな開発の苦労、挫折、それらを乗り越えて完成したときのカタルシスまで望むってのは酷だろう。
あと、見所の一つは、医学部長におもねった石黒教授(光石 研さん)の手のひら返しと、バルーンカテーテルを自分にも使わせてくれという日和見主義の変わり身の早さである。
なんてふざけたヤツだとは思うが、サラリーマンも個人事業主、経営者も、自分は光石 研さん演じる医学部教授とは違う、とは言いきれないのではと思う。
長いものにはグルッグル巻かれるし、大樹にゃスリスリ寄る。ぐるぐるすりすり。
富岡(松村北斗さん)が、他の大学が開発した医療器具は使えないという慣習を破る。
出世したり地位が上がると責任が増えて面倒ではあるが、出来ることが増えるのは官民問わず確かだなと思った。富岡も研修医辺りだったら出来なかったのではなかろうかと思った。
(追記)いつも脈絡がないレビューなのだが、今回はいつも以上に脈絡の無さが冴え渡ってると思った。
期待度△鑑賞後の満足度○ プロジェクトXホームドラマ版
①大泉洋、あんまり好きじゃない。難病映画、あんまり好きじゃない。だから最初は観る気なかった。
それが観る気になったのは、心臓に欠陥がある次女に扮するのがTOHOシネマズの幕間でいつもお世話になっている福本茉子ちゃんと知ったから。
でも観たのは松竹系のMOVIX堺。ごめんね、TOHOシネマズ😅
②冒頭の70年代の風俗(車や服装等)が良く再現されていて昭和60年代生まれとしては嬉しかった。
それとも最近はCGとかですぐ作れちゃうのかしら。
③有りがちな「人工心臓の製造がギリギリ間に合って何とか助かりました!感動!」という話ではなく、“お父さんが絶対に助けてやるからな!”という約束は果たせなかったけれども、その個人的な目的が、“お父さんが私を助けるために蓄えた知識・技術を使って私のような人達を助けてあげて”という娘の願いを叶えようとする時点で、人のためという目的に変わっていくところが、単なる家族愛オンリーの作品ではなく裾野の広い作品になっていったのは宜しい。
④ただ、全体的に綺麗事感は拭えないし、医療界の狭量さ(医療界に限らないけれども)に触れてはいるけれどもあんなに簡単に事が運ぶとは思われない。
立石研も一人悪役を押し付けられているようで少々可哀想。
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