劇場公開日 2024年6月14日

ディア・ファミリーのレビュー・感想・評価

全349件中、281~300件目を表示

4.0大泉洋でしかできない家族愛の物語とその先を丹念に描く。

2024年6月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

妻役・娘役・協力者役、好きな俳優が多く出ていて、それだけでも見ようという気にさせる映画だった。
しかしながら、本映画は、主演大泉洋がはまり役。コメディ要素などほぼなく、実話に基づく内容でどこまでのものが描けるのかが興味の対象だったが、非常に良かった。

自分の持てる立場・環境・技量を惜しみなく娘の疾患への解決策(人工心臓)に注ぎ、到達が難しいとわかってからは、娘との約束を胸に、そこで得た知見・蓄積を応用して、同じように苦しんでいる人たちへのツール開発(IABPバルーンカテーテル)に還元し、結果、より多くの人達を救う。

何より、壁にあたっては次はどうする、をひたすら続けるのに、本人の弛まぬ努力と、家族各自の役割分担&全力のサポートがあり、その皆で前進していくさまは家族愛の究極の形を見るようだった。

悲しい場面があっても、単に悲嘆に暮れるのではなく、それを上回るポジティブさが常に感じられたのは、そうした背景に基づくからなのだろう。

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entranslope

5.0より多くの人を救う

2024年6月15日
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鑑賞方法:映画館

 後半は、ずっと涙が止まらない。人工心臓の夢を絶たれた坪井に、より多くの命を救って欲しいと佳美が訴える。
 「死ぬたくない」「もっと生きていたい」その気持ちを押し殺して発した言葉に胸が締め付けられる。

 坪井の前には、医学会の掟が何度も立ちはだかり、その都度苦渋を飲まされる。
 娘を救いたい一心で始めたことが、挫折を経て、多くの命を救うための行動に変わっていく。

 いつもの感動物でしょ? しかも大泉洋だし。鑑賞前に思っていたことは、本当に謝りたいです。

 大泉洋、菅野美穂の熱演に心が動かされ、何度も拳を握り締めた。
 松村北斗の抑えた演技から医局に勤務する研究医の切実な心情が伝わってくる。

 有村架純が演じたテレビレポーターの話は、さすがに脚色? なんて気もしますが、全部がいいから脚色でも許しちゃいます。

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bion

5.0誰かを想う気持ち

2024年6月15日
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こんなに真っ直ぐで前向きで温かい家族が、実在の話と聞いてびっくりしました。
だからこそ、純粋な大きな愛で溢れた作品にとても感動しました。

1から知識を蓄え、理想とするところまで試行錯誤しながら技術に落とし込むその作業の過酷さと相まって、
周りで支えている方達が本当に良い人ばかりで心が温かくなります。

娘を想う気持ちを超えて、不特定多数の誰かを想う気持ちになるその心の広さは、なかなか簡単に出来ることではないと思います。
深く考えさせられる作品です。

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norarikurari

5.0洋ちゃん皆様お疲れ様でした‼︎

2024年6月15日
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泣ける

悲しい

難しい

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さーちん

4.5実話ならではの重み

2024年6月15日
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泣ける

知的

実話を元にした物語で、予告や紹介番組で大筋のストーリーはわかっている状態でしたが、
改めて物語を見て、「自分には絶対真似できない、本当に尊敬すべき凄い人たちだなあ」と強く思いました。
この映画が、というより、この実話が凄い、素晴らしいという感想です。
もちろん、大泉洋、菅野美穂、福本莉子、川栄李奈、有村架純らの素晴らしい演技によって、この凄い物語がより感動的に伝わったわけで、多くの人が知るべき実話であり、
見るべき映画だなと思いました。

泣きどころは多かったですが、個人的には、台所での川栄李奈の泣き演技がグッときましたね。

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ガレ

4.5よかった。

2024年6月15日
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見る前は難病の家族を救うための愛がテーマの映画と思ってそれほど期待していなかったが、いい意味で裏切られた。
こういう映画を見ていつも思うのは、1人の命を助けるために多数の人間を犠牲にするのはありなのか?ということだ。この主人公も自分の娘を助けたい一心で、自分の生活だけでなく、周りも巻き込んでいってしまう。周りの医者や工場の職員、家族。しかし、何をやり遂げるにも結局誰かに迷惑をかけなければいけないのは同じことだ。その目的が独りよがりなものであろうが、そうでなかろうが、何か話し遂げ世界を変えていくのはこういう人なのかもしれない。
大泉洋さんの演技は素晴らしく、彼の情熱が伝わってくる。何かを成し遂げるためには情熱が不可欠であることを再認識させてくれる作品だった。
映画の構成も見事で、全く未知の領域に飛び込む主人公の姿勢、周囲からの拒絶と絶望、そしてそこからの再起。主人公の決して諦めない姿勢には胸を打たれた。

僕は誰かを助けるために困難に立ち向かっていく主人公が好きだ。それがドラゴンに立ち向かう騎士であっても、メガネを開発する職人であっても。そういう意味ではこの映画もとても良かった。

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Yuichiro

3.5泣かせる要素てんこ盛りのプロジェクトX風の映画

2024年6月15日
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難病患者がいる家庭の家族愛を描いて観客を泣かせにかかったプロジェクトX風の映画と言ったら、石ぶつけられますかね・・

冒頭の「in vitro」(イン・ビトロ:試験管内)、「in vivo」(イン・ビボ:生体内)を医学猛勉強中の父親が知らなかった時点で、映画見る気が失せてしまいました(門外漢の自分でも知ってる初歩の初歩の用語です。知らないのは明らかにおかしい)。
そうなったら普通だったら気にならない齟齬も気になる気になる・・

・主演の福本莉子さん。綺麗な女優さんですけど血色良すぎです。
・心臓移植についてほとんど触れないのは何故でしょうか。海外移植が抑制される前の話ですが・・
・バルーンカテーテルを選んで開発しようとした理由があるようで無い・・
・十数万人の命を救ったとは盛りすぎ。十数万人の患者に使って医療事故が減ったが正確かと。
・記者の有村架純さん、偶然すぎて不自然です。

実話ベースの話ですが、過剰演出っぽくてイマイチ気に入らないという感想でした。
ただ、決してモデルの方を貶す意図はありません。

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お抹茶

4.0命も夢も諦めない

2024年6月15日
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泣ける

幸せ

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近大

4.0シンプルに心温まる前向きな作品で非常に良かった。時間経過の描写は月...

2024年6月15日
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シンプルに心温まる前向きな作品で非常に良かった。時間経過の描写は月川監督のエモさを感じさせていた。
俳優陣も全員良く、川栄さんは特に良かったと思う。

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おれ

4.5技術者魂を感じました

2024年6月15日
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泣ける

悲しい

興奮

子どものためとはいえ、ここまで徹底的に突き詰める根性は恐ろしくも感じます。
命を預かる医学界の保守的な考えも理解できますが、命を守るという考え方の違いを思い知らされました。
日本の技術力を守らなくてはいけないと、改めて感じました。

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けいせいおじさん

5.0希望と家族からの願い。人々の助け合いは本気で感動した。

2024年6月15日
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萌える

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Rocky.

4.5次はどうするの?

2024年6月15日
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1970年代、町工場の社長、そして家族は、
心臓疾患を抱える次女に対し、余命10年と宣告される。
二十歳まで生きられない、というこの宣告に対し、娘を救いたいという一心で
父は全国そしてアメリカの病院までもかけ回るも無理と言われ続ける。
ついには自ら人工心臓を作ろう、と決意し、有識者に頭を下げ、頼み込み、
研究、開発に着手。

多額の資金を費やし、あと一歩のところで完成しそうなとき、
医療関係者じゃないものが作ったもの、という理由で、
急な手のひら返しで却下される。

諦めかけたそんなとき、父と次女が新たな夢を見つける。
そして、それがバルーンカテーテルの開発へ、とつながっていく・・・

アメリカ人と日本人の血管の違いにも驚いたし、
このバルーンカテーテルが17万人もの命を救ってきた、
それを開発した実話がベースとは。

予告ではもっと泣かせられるかと思ったが、家族のあまりの前向きさに
涙も遠慮気味となり、最初から最後まで食い入るようにスクリーンを見続けた。

坪井父役は大泉洋さん、すっかり役者さんですよね。
この方の映画、何本か見ていますが、大好きです。

母役は菅野美穂さん、いつ以来だろ。変わらないなぁ。
前向きで、旦那を支え、娘たちの心の支え、素敵です。

三人姉妹、長女は川栄李奈さん、あちこち引っ張りだこですね。
病気を患う次女は福本莉子さん、三女の新井美羽さんは
映画では初めてかも。
三人とも明るく、可愛く、仲良し、そして強く、前向き。
うらやましいぐらいの姉妹の関係。

家族全員が前向き、あきらめない、「次はどうするの?」と
互いに問いかけながら前に進む。
こんな家族、他にあるのだろうか。すごすぎます。

嫌な医師役は光石研さん、何やってもうまいわ笑
今回は手のひら返し連発で、ホント嫌な役。さいてー笑

富岡医師役の松村北斗さん、2月ぐらいに見た「夜明けのすべて」以来。
最初に逃げたのに、最後はいいところ持って行ったなぁ笑

と思ったら、一番最初と最後に出てきたインタビュアー役の有村架純さん、
ホンの一瞬なのに、インパクトでかい笑

何事もあきらめず、前向きに進めていく。
なかなかできないよね。
予想、期待値を超える素晴らしい作品でした。

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あさやん

5.0こんなの泣くに決まってんじゃんすか…(泣)

2024年6月15日
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泣ける

悲しい

幸せ

「DUNE 砂の惑星」の世界だったら「水分がもったいない!」と怒られるくらい泣きました(笑)もう、涙が止まらんのですよ…(泣)

これが実話をもとにしているというからまた凄い。普通の両親にこれを期待してはいけない(笑)娘を救いたいという熱意が大泉洋と菅野美穂の名演により伝わってきます。全場面、本当に胸が締め付けられる思いで見入ってしまいました。

「次はどうする?」というセリフが何度か出てきます。これがこの映画を凄く前向きな気持ちで観れるものにしてくれています。ひたすら前向きに、次はどうする?何をすれば娘を救える?立ち止まる事なく、一心不乱に行動を貫くお父さんの姿に涙が止まりません。

美しい家族愛を描きつつ、日本の医療機関の保守的な姿勢との対立も描かれています。それから数十年経った今、日本の医療機関はどうなったのでしょうか。全く知りませんが(笑)変わってるといいなぁ。

音楽、脚本、役者、全てが全力で泣かせにかかってきます!お手元にハンカチのご用意を!観終わった後は爽やかな感動に包まれる、本当に良い映画でした!

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どすこいたろう

4.5大貢献

2024年6月15日
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泣ける

きっかけは娘の為だったかもしれないけど社会的に大貢献した話し。今も沢山の方が救われていると思うと自分ごとのようにお礼が言いたくなりました。
貴方の執念を持ったがんばりのお陰です。
有難う‼️

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ノブ様

4.5余命10年と宣言された娘を助けるため奮闘する父親、支える家族の話。...

2024年6月15日
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余命10年と宣言された娘を助けるため奮闘する父親、支える家族の話。
父親の行動力に脱帽するが、母がとにかく協力的で姉妹もやっかむことなく理解がある。だから観ていてストレスフリーで良い。
娘の病気を治すために惜しげもなく時間と労力さらにはお金を使うが、このお金は会社の売り上げ使ってるだろうから従業員は不満だよなぁとちょっといじわるな見方をしちゃった。

優しい周り(大学教授以外)に救われるが、実話ベース。最愛の娘を救えなかった悲痛は残るが、この経験でより多くの人を救うことができた事実と家族愛に感動。

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いたかわ

5.0期待値を軽々超えました

2024年6月15日
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上映開始1秒で映画の中へ引き込まれます。
上映中に嗚咽の声も聞こえるくらいほぼの皆さん涙涙。
作品内では病院との関係上、坪井宣政さんとなっていましたが実際は筒井宣政さんのご家族のお話。実話に基づく感動映画です。
原作は清武英利さんの『アトムの心臓』

『絶対にやり遂げる!』そんな強い気持ちはたくさんの人を幸せにできる力があるのですね。素敵な『家族愛』と『信念を曲げずに突き進むことの大切さ』を教えてくれる映画でしたよ。

1970年代から現代に2000年に至るまでの細かな街の状況も丁寧に再現されていて(信号機とか道路標識とか)中でも1973年の名古屋駅、東京駅の雑踏の様子(衣類、髪型などなど)はパンフレットにも書いてありますが素晴らしい再現でした。街並みはVFXを駆使して再現しているとのことです。

素晴らしい映画でした。是非観てみてください。

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おのちゃん

4.5次はどうするの力

Nさん
2024年6月15日
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本当に素晴らしい家族。辛い境遇の中でも前向きに、支え合って進んでいく姿に感動。強い思いを持ってチャレンジしていくこういう人が世界を変えるんでしょうね。

大泉洋よかったです。必死なお父さんかっこいい。あとは川栄が好きでしたね。姉として強がる強さ。素敵な表情でした。有村架純はどこで出てくるんだろうと思ったら最後に贅沢な使い方でした。

にしても真面目な役やると満島真之介カッコいいな、笑

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N

4.5実話ベースの良い味付け作品

2024年6月15日
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泣ける

幸せ

バルーンカテーテルの事は全く知りませんでした。
画期的な医療技術なんですね。大泉洋さんイイ味出してますね!もらい泣きしてしまいましたが決して湿っぽいストーリーではなく前向きになれる作品でした。
是非映画館で🎦

67

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タイガー力石

4.0日本の医療機器はどんな会社が開発してるの?

2024年6月15日
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予告編から、大泉洋が主演なので、笑って泣けるストーリーだと想像してたのに、意外にも笑えるシーンは無く、泣けるシーンだらけだった。
あれ?最初のシーンはラストかな。と思ったらすぐ1970年代にもどる。この頃の日本は景気が良かったよね。
10歳の娘、佳美は生まれつき心臓の具合が良くなくて、医者から余命10年と診断され、彼女の命を守る為に、人工心臓を開発する気になった、大泉洋演じる町工場の社長、坪井宣政。それにしても、この会社、借金を抱えていたのに、社長が開発を進める医療機器は開発予算も凄くかかる。完成しても利益を得られるのかどうか全く分からない。ま、社員達が仕事を頑張ってたんだろうな。
坪井は開発の為に医療関係の開発研究所に出入りを始める。そこで知り合う若い医者達。命を守る為の研究なんて、重くて難しいよな。そんな中、坪井は順調に開発を進めるんだけど、世の中そんなに甘くなかった。医療関係者じゃない工場が作った物なんて信頼度ゼロだもんな。ある意味仕方ない。だからって出禁にしちゃう?このあたりも事実だったんだろうな。優しくない感じの光石研を観るの初めてだわ。
ずっと開発していた坪井、高校を卒業した佳美、あら、そんな事に。社員の皆んな優しいね。人工心臓の開発を諦めるしか無くなった坪井は、佳美の希望を叶える為にバルーンカテーテルの開発を始める。あぁ、これが最初のあれか、ふーん。アメリカ人と日本人の血管ってこんなに違うんだ知らなかった。それにしてもアメリカ製のバルーンカテーテルで事故ってしまうのは仕方ないって話、気持ち悪かったな。
登場人物のほとんどが、ポジティブな感じでとても気持ちよかった。サイドストーリーがなく分かりやすく、前向きなのにずっと泣けた。最後にチョロっとしか出なかった有村架純には驚いたわ。とても楽しめました。

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涼介

4.5家族愛を実感させてくれる傑作

2024年6月15日
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実話に基づく物語である。治療法のない心臓病の次女のために本気で人工心臓を作ろうとする町工場の社長の話で、その熱意と実行力には本当に感動させられた。何度も涙を誘われ、館内には嗚咽を漏らす人さえいた。人の命とは如何にかけがえのないもので、それを救おうとする親や家族の愛とは何と得難いものかと痛感させられた。

永久埋設型の人工心臓は未だに実現されていない。人工弁のような実現された技術であっても、人工物を心臓に入れると、血栓の発生が頻発して身体中の血管の閉塞などを引き起こしてしまうことが根本的な問題として存在するのと、まだまだ医学的に未踏の分野であり、確立した技術が少なく、手探りの治療となるためである。人体に埋設して 170 日生存した例があるが、不具合が出る度に開胸手術をして部品を交換する必要があり、その 170 日間は患者が絶望的な苦しみで過ごしただけだったらしい。

心臓の機能が不完全で、血中酸素と二酸化炭素の交換が十分にできないと、心臓以外の臓器にも大きなダメージが発生して、合併症などを引き起こして死に至る。この物語の場合、タイムリミットは 10 年との診断だった。そこからの父親の努力は凄まじいもので、当初は in vivo (生体内)と in vitro (実験条件下)の相違さえ知らなかった状態から医学書を読み漁り、高額な装置を私費で購入して独自の研究に没頭し、専門の医師が驚愕するレベルに達している。工学的な描写も丁寧で、困難な問題に正面から向き合って解決法を探り、一つずつクリアしていく様子は、工学の本質そのものである。

しかし、結局立ちはだかった超えられない障害は、あまりに膨大な費用を要する研究体制と、医学部の旧態然としたセクト主義や上意下達の体質である。実現できないなら初めから言うべきであり、いい人ぶって協力しながら何年も経ってから前言を翻すという態度には、他人事ながら本当に腹が立った。

次女役は子役と成人との二人が配役されていたが、その印象が非常に良く似ていたのに驚いた。白を基調とした衣服を身につけさせた演出は、彼女の清楚さと儚さを印象付けるためだったのではないかと思う。福本莉子という女優さんは初めて拝見したが、難しい役を見事に演じていた。「明るさは滅びの姿であろうか」という太宰治の「右大臣実朝」のフレーズが頭から離れなかった。

次女の全身状態が非常に悪化して、家族は絶望のどん底に落とされるが、そこからの父親の方針転換は素晴らしいものだった。次女の助言が後押しをしたという流れも涙を誘った。この父親役は、大泉洋以外に演じられる人を想像するのが難しいほどで、普段の明るさが、絶望に打ちひしがられた時の痛切さを倍加させていた。私事ながら私も娘が幼い時に瀕死の重病に罹ったことがあり、自分の無力さを呪ったことが思い出された。私の娘は幸い全快して現在に至っている。

家族の愛を実感させてくれる素晴らしい映画である。
(映像5+脚本5+役者5+音楽3+演出5)×4= 92 点。

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アラ古希