ディア・ファミリーのレビュー・感想・評価
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driving forth
夏至の日にこの映画を見た。母の死から5週間が経とうとしている。母も父も私の中で生き続けてはいるけど、人は何の為に生きるのか、という馬鹿げた問に付き纏われている。「今だけを見よ」と言われ日々実践しているが、根源的な問いに対する答えにはならない。
人は死に向かって日々を生きている。「死ぬ為に生きる」という所に根本的な矛盾がある。どうあがいてもやがては死ぬ、だからこそ、日々を精一杯生きるのだろう。
私の親しい人が病の床についている。その人の事を思いながら、それと母の事を思いながらこの映画を見た。医学の進歩はやはり凄まじい。それを支えているのは「情熱」だ。何が何でもやる、絶対にやる。私がやる。という情熱だ。「driving forth」という語感がピッタリだ。それは今の私が最も手に入れたいものだ。
生まれつき心疾患がある娘の為に全てを投げ打ち人工心臓の開発に素人が取り組む。その開発はできなかったが、その過程で得た知見が国産のバルーンカテーテルの開発に繋がった。17万人の生命を救ったとクレジットタイトルで流れた。
私が最も印象に残ったシーンは校門への坂道を一歩一歩、登って行く靴音だ。その一歩は医学の進歩であり、困難への挑戦であり、歩み続ける鼓動だ。
不可能を可能にするには「脳のリミッターを外す」しかない。脳は楽な道、楽な方を選択するようにできているから、運動でも勉強でも、人工心臓製作でも、「それはムリだ」「無謀だからやめておけ」と脳は指令を出す。それに抗う力がdriving forthだ。
個人のリミッターが外れても、次には組織のリミターがかかる。国産よりもアメリカ産というバイアスも手伝う。
物理的に物が動くには最初のエネルギーが最も大きい。その源は自分の為ならば湧いては出てこない。他者の為の時、最も大きなエネルギーとなる。
動き出しはしたけどそれが軌道に乗るとは限らない。何度でも、何度でもチャレンジし諦めない、折れない心、それにはやはり、周りの人の理解と協力が不可欠だ。だから映画のタイトルが「ディア・ファミリー」なんだ。ファミリーには工場の従業員もデータを提供し開発に協力してくれた医師も含まれる。
・医学の進歩を信じろ。
・家族の力を信じろ。
・不可能を可能にする意志の強さを信じろ。
泣かされました
娘を助けるためから他人を助けることに目標が変わる。娘が助からないことが確定してからの会話に泣かされる。バッドエンドながらも他の苦しむ人を救える絶妙な展開。最後の有村架純の言葉もグッとくる。
人や社会を変えるのは人の思いや願い
難病ものは苦手だが、本作は鑑賞。大泉洋の演技も苦手だが、本作には合っていた。父親を動かしたのはニ女の命を救いたいという一心だったが、そのニ女の父を支えたいという思いが、父親に勇気を与える。父の夢は二女の夢であり、家族の夢となった。人の心や社会の様々なしがらみや制約を変えるのは、人の思いや願いであることを改めて思う。
落涙のプロジェクトX
心臓疾患の娘の命を救おうと人工心臓作成に取り組み、結果として改良型バルーン・カテーテルを作り出した、町工場経営者の実話。
様々な困難にもめげず突き進むその姿に、家族との絆に、感動する。実話であるだけに、話をこれほど盛らずに、もう少しノンフィクション風だったら良かったと、個人的には思う。
全体的にテンポが良く、あっという間の上映時間でした。俳優さんの演技...
全体的にテンポが良く、あっという間の上映時間でした。俳優さんの演技、色々な場面で泣かせに来る構成には、さすがに涙を堪えられませんでした。
ただ、途中の謎の洋楽は必要だったのか、脇役所も有名俳優ばかり使う必要があったのか、そこは少し気になりました。そのせいで、削ることのできる場面を削りきれず、もう少し厚みのあるストーリーにできたのでは無いかと感じてしまいました。
涙だけでなく勇気が出ます
事実を元にしたストーリーなので、より心が揺さぶられます。
娘がいる父親として、自分だったら何ができるだろうかと自問自答してしまいます。
観た後に、役者さんやモデルになったご家族のインタビューを動画サイトで見ました。
ご本人は、「娘がこうなったら誰だってこうします」のようなことを言われていました。この無償の愛に人は動かされるんだと思った。
そうはいっても、現実社会は思う通りにはならないもので、利己的だったり私利私欲が優先してしまうのもわかる。
この実話は世の中に溢れる美談のほんの一握りであるが、映画にして後世に伝えるべきお話だと、作品を通じて思った。
熱演に泣ける
感動必須の映画は苦手なのですが、大泉洋ちゃん主演なので観てきました。
次女を救おうと奔走する父と、その父を支える母と、明るくふるまう娘たちの物語でしょうか。
実話が基になっているせいか、リアルさが心に響いて泣けました。
洋ちゃんにも娘さんがいるので、更に熱演になったかな~と思います。
こういう人々が技術の進歩を支えているのかもしれません。
それにしても番宣の洋ちゃんと菅野美穂さんが、映画の中のシリアスなキャラクターと全く違っていて、そのギャップ(シリアスなドラマの間にお笑いのCM が入るみたいな感じ)で、 一寸不愉快かな。
洋ちゃんが面白いのはわかるけど、番宣のやり方をもう少し映画に沿わせてくれたら~と思ったので、-0.5ポイント。
Dear
予告から滲み出るお涙頂戴が好みじゃなくて、観る予定は無かったんですが、評判がどのサイトでもどのレビューでも観てとれたので、時間もぴったり良い時間にあったのでそのまま鑑賞。
予告編だけで判断してすみませんでした!と謝罪してしまうくらいに、作品として面白く、実話ベースだからこその親子愛に感動し、お仕事ドラマとしての良さも合わさって素晴らしい作品に仕上がっていました。
医療に関しては全くの素人の主人公が、娘の命を救うために人工心臓を作ろうとする物作りの側面が強く描かれていて、ただでは転べないと強くあり続ける主人公の泥くささに胸打たれました。
最初は手術を検討したり、既存の人工心臓を頼ろうとするものの、どれもうまくいかず、それならば人工心臓を作ってしまおうという行動力がたくましく、多くの土地へ飛び、勉強もして、それでもうまくいかないという苦悩しながらも解決していくパートが悲喜交々していました。
そこから娘が自分の命よりもこれからの命を優先してと言うシーンはグッときました。
バルーンカルーテルの制作に着手し、1度人工心臓の制作時に逃げ出した1人の医者が、手伝いしてくれるという胸熱展開には心を持っていかれました。
家族の支えがこれでもかってくらい大きくて、長女は心折れそうな時に尻を蹴り上げてくれますし、三女はどんな時も明るく立ち振る舞ってくれますし、奥さんは寄り添いながらも色々な案を出してくれて、その上で共感も反対もしてくれていたりと、この暖かさが国産のバルーンカルーテルが医療に繋がっていくんだなと嬉しくなりました。
教授が上からの命令だの、実現は難しいだの、あーだこーだ理由をこねて協力をしないような態度は実体験だとしたらキツいもので、金も時間もかけてきたのに、実績が無いからという理由で突き放すのはいかがなものかと主人公と一緒に怒っていました。
いざ実現、しかも多くの人を救えるとなったら手のひらグリンッとして交渉にかかりますが、そこでスイッチを切り替えて商売に打って出た主人公の心意気に惚れました。
大泉洋さんの演技はとっても好きだったんですが、この切り替えは過去最高だったのでは…と思えるくらい良かったです。
若干2000年代パートでの心臓の病気をバルーンカルーテルで救ってもらった記者との対話のシーンは現実でも実際あったのなら申し訳ないんですが、これがフィクションだったら無駄に泣かせにきたんだろうなぁと少し冷めてしまいました。
エンドロールでミセスの「Dear」が彩ってくれるのも良かったです。
映画を観る前にこの曲を聴いた時は可愛い歌詞だな〜と思っていましたが、本編を観終わってから聴くと歌詞がひとつひとつ刺さりますし、何気無い日常というものをしっかり落とし込んでいて、改めてミセスの凄さに気付かされました。
多少脚色はあれど、1本筋の通った作品に仕上がっていました。
感動を超えて明日からの日々の生活を前向きに過ごしたいなと思いました。お見それ入りました。
鑑賞日 6/19
鑑賞時間 10:00〜12:10
座席 L-27
予告の音声でもう泣いた
2024年劇場鑑賞150本目。
コロナワールド金沢のトイレでは映画の予告が音声だけずっと流れていて、映画によってはタイトルが画面に出るだけの予告なので「これなんの映画なんだよ!」となることも時々あります。そんな中このディアファミリーは予告の音声だけで泣いてしまいました。
正直予告の内容で大筋は分かってしまっていてそこは映画としてマイナスなのですが、とにかく内容が良くて満点のままにしました。
超前向き家族
たとえできないことを認めそうになっても、次に何ができるのかを視点を変えて考える。これって意外と重要なことで、とても勇気付けられるのではないか。
それにしても、家族がみんなえぇ人や…
涙活号泣しに行ったのだが、斜め上の展開でとても前向きになれました。
日本一頑張る父ちゃん
ここまで頑張れる父ちゃんはいない。自分はそこまで頑張れなかった。絶望に打ちひしがれる中、父の背中を押した長女のひと言もよかった。偉業は、亡くなった次女を含め、家族で、いや、陰でサポートしてくれた工場の人、研究で手を取り合った若き医者たちも含め、成し遂げることができた。思いが束になれぱ、どんなに険しい困難も乗り越えることが、できる、かもしれない。
今まで観た映画で最も泣きました。文句なしで良い映画です。
心臓に難病を抱える娘を救うために、町工場のオッサンが奔走する話です。これが実話というのが、また泣けます。
泣きどころは何度もあって、映画中盤にはすでに館内からすすり泣きが聞こえ、終了後にはみんな涙を拭いていました。こんな映画は他に見たことがないかもしれない。
ハンカチ二枚、ご用意ください。
とても素敵な家族の物語でした。
絶望と希望を繰り返す展開で、前半から最後までずっと泣かせどころのシーンが続くので、ハンカチ一枚では足りなかったな。
家族の物語に涙するも、一方で日本の医療組織体系や研究費の問題は医学や医療の進歩を遅らせているのはなんとかならないものか。
日本人向けIABPカテーテル開発秘話
先天性の心臓疾患を抱えた二女(福本莉子)のために、人工心臓の開発に身を捧げた父親(大泉洋)と、その家族のお話でした。実話を元にしたストーリーということで、莫大な開発費を自費で賄い、日本のみならずアメリカの病院にまで飛んで可能性を追う父親の信念と行動力は驚くべきものでした。ただ、映画としては余りにストレートで、直接的に涙腺を刺激されている感じだったので、もう少し捻りが欲しかったかなと思わないでもありませんでした。
ストーリーを離れたところでは、闘病の中で成長する二女を綴った1970年代、80年代のシーンで登場する風景や、女性陣の衣装や髪形、そして特に車なんかが郷愁を誘うものでした。
また、個人的に興味深かったのは、人工心臓の開発を断念した後に開発に着手したIABPバルーンカテーテル。以前この種の医療機器の販売に携わっており、かつ本作のモデルとなった父親が設立した会社には、かつての同僚も勤めていたりして、その点実に身近なお話であることが分かりました。ただ15年以上医療機器業界にいて、IABPバルーンカテーテルの存在も知っていたのに、外国製しかなかった同製品の日本人向けの改良品が登場した裏に、こんなストーリーがあることを知れたのは、非常に印象的でした。
また、原作である「アトムの心臓『ディア・ファミリー』23年間の記録」を書いた清武英利氏。どこかで聞いたお名前だと思ったら、元々読売新聞の記者で、後に我が栄光の巨人軍の球団代表やGMを務めたものの、色々あって解任されてしまった方でした。なるほどお名前を知ってる訳です。まあ作品とは関係ありませんが。
そんな訳で、本作の評価は★3とします。
家族の物語であると同時にニッポンのモノ作りの映画でもあった。
医療機器としてのバルーンカテーテルの開発史などについては、開発会社のウェブページをカンニングしたところでは、略々(ほぼほぼ)事実の通りで、その点については、映画作品としての脚色も、なかったようです。
そのことを踏まえると「親の一念」というものは、物凄いものだということを以外に、なかなか適切なレビューが思い当たらない評論子です。
否むしろ、ニッポンのモノ作りの精神には、こちらも物凄いものがあったという方が、偽らない感慨に近かったように思います。
モノづくり系の中小企業は、しばしば「多様な技術・技能の担い手」と形容されますけれども。
その「多様な技術・技能の担い手」が、日本経済の基盤を根底から支えてきただけでなく、モノづくりを通じて、こうやって人の命を救うことにも貢献してきたことにも、思いが至りました。評論子は。 そういうことも含めて「ニッポンのモノづくり」であり、日本はモノづくり大国なのでしょう。
本作の場合は、佳美の家の家業が素材(ビニール系樹脂?)加工を本業とする町工場だったことが、本作のストーリーに、大きく寄与しているようです。
(不幸中の幸いだったとも、いうべきでしょうか。)
思い起こせば、日本で初めて開発された胃カメラは、今のようなケーブルの先に仕込まれたレンズ(撮影部)で動画を観察するものではなく、ネガフィルムに映像を撮影固定し、体外に出したカメラから取り出したフィルムを現像処理して、初めて読影ができるというような代物だったと聞き及びますけれども。
(つまり、食道を通して胃の中に入れられるミニチュア版の「写ルンです」みたいなものだった。)
開発に当たって、一番に困難を極めたのは、フラッシュに使う電球だったということでした。
真っ暗な胃の内部を5枚は撮影できるーつまり、小さな小さなカメラ本体に収納できる小さな小さな、もっと小さな電池から供給できる僅かな僅かな、ほんの僅かな電力で、少なくとも5回は発光可能な電球を、果たして作ることができるのか。
胃カメラの開発の最大の難関は、その一点にあったようです。
その仕事を引き受けたのは、空港の滑走路に埋め込む特殊な電球を作っていた中小企業の町工場のだったようですけれども。
その社長さん兼職人が「ウチに話を持ってきてもらって、断ったというケースを作りたくない」という職人気質(かたぎ)から仕事を引き受け、胃カメラ本体の開発・製造をを請け負っていたオリンバス光学工業に、試作品5個を納入したのが、世に胃カメラが出回る嚆矢となったと承知しています。
本作でも、そういうニッポンの(町工場の)モノづくりの能力の高さを実感する一本にもなりました。
親の子を想う心根の熱量の大きさと共に、上記のような事情も垣間見ることのできる本作は、充分に佳作と評することができると思います。
評論子は。
(追記)
泣きました。素直に。
重度の先天性涙腺脆弱症を患っている評論子は、ひとたまりもありません。
(追記)
むろん、ダンナも頑張っていましたけれども。
そのダンナの頑張りも、この奥さんあってのことでしょう。
どちらも似通ったものという意味では、正しく「割れ鍋に綴じ蓋」(あくまでも良い意味で)のご夫婦だったのだと思います。
その点も、本作の魅力であったことは、間違いがないことと思います。
〈映画のことば〉
何もしない10年と、やってみる10年。あなたは、どっちを選ぶの。
〈映画のことば〉
「なければ、作ればいいんだ。人工心臓を」。
「なんで、そんなこと気がつかなかったのかしら。」
(追記)
ニッポンのモノづくりという視点から観てしまったせいなのか、本作の「つくり」としては、宣政・陽子のご夫妻を始め、家族の佳美を想う関係性の方に力点が置かれ、モノづくりとしての本作のバルーンカテーテルの「開発秘話」のようなことには、あまりスポットが当たっていなかった印象です。
(製品としての製造上の企業秘密をネタバレさせないような配慮もあったのかも知れませんけれども。)
ただし、この点は、本作を、いわゆる「お仕事映画」という視点で観た場合のことであり、それを本作に当てはめるのは、ある意味「評論子の勝手な視点」ともいうべきでしょうから、上掲の佳作としての評価には、この点を反映(減点)していないことを、念のため申し添えておきたいと思います。
実話か~、泣かせて頂きました~😢
成せばなる何事も、成さねば成らぬ何事も、
成らぬは人の成さぬなりけり。
当に格言通りの映画でした。
人の心が有れば泣きます、ハンカチいやタオル持って映画館にどうぞ~🙏
新プロジェクトXでもやって欲しいのは、俺だけ❔
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