「そりゃ泣くよ」ディア・ファミリー やあやあさんの映画レビュー(感想・評価)
そりゃ泣くよ
このジャンルのものはあまり得意ではない。
おおよそのストーリーは分かってるし、それによる自分の気持ちの動きも想像がつく。
得意ではないのに選んだのは、個人的な動機があるからです。(それは後述)
鑑賞して。
いやそりゃ泣くよ。
分かっちゃいたけど、ボロ泣きです。
制作側の思惑通りに泣いてる自分がなんだか悔しくて、大泉洋に泣かされてなるものか!と、たまに冷静に自分に言い聞かせたけれど、くそー。私の負けです。
後から振り返れば細かいツッコミ所はあったけれど「実話を元にしている」という前提の前にはどれも野暮に思えるばかりでした。
というか、私、途中から映画としてじゃなくてたぶんドキュメンタリー作品として見ていたんだな。心の急所を突かれたような作品でした。
私に子供はいないけれど、私自身が子供だったことはあるわけで。
娘のために東奔西走する大泉洋に、私に愛情をたっぷり注いで育ててくれたわが父の姿が重なりました。
父の日の直前に公開したのは偶然?それとも、何か意図があったのだろうか。
親孝行なんて何もできていないけれど、せめて健康で、親よりも先に逝くことだけはないように、なんて思ったりしました。
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この映画を鑑賞した動機について。*以下、映画の感想から外れます。
(行数あけてもたいして意味ないですがなんとなくあけてみました)
身内に難病を患っている者がいます。
診断されたのはおよそ20年前。
当時の時点でそこそこ研究が進んでいて、あと10年もすれば治る病気になっているんじゃないかといった楽観論もありました。
が、20年経ち、実用化まではまだまだ時間がかかるようです。
そんなこんなで、全くのゼロから途方もない尽力の末に完成させて世に送り出したその物語を見たい、と思いました。
翻ってウチの場合。使命感をもって邁進してくれる医師もいてくれます。
が、お金の問題は常に付きまとうし、利権やら特許やら審査やら、臨床と関係ないことで足踏み状態が続いています。
その間にはコロナもあり。
あの時は、未知のウイルスを前に世界中の頭脳がしゃかりきになって、短期間でワクチンを作りあげました。
それを見て、やればできるんじゃん、他の病気でもそのくらいの熱意で進めてくれよ、なんて思ったり思わなかったり。
身内の病気は、進行すれば生活に不自由が出るものの、命には影響しません。
なので「命」基準で考えれば「リミットはない」し、この映画の家族と同じ土俵で語ることなんておこがましくてとてもできません。
ただ、患者は、治療法ができるその日をずっと待ち続けています。