「魂を込めた信念を貫く深い思いと、父を支える家族愛に涙する!」ディア・ファミリー The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
魂を込めた信念を貫く深い思いと、父を支える家族愛に涙する!
この映画のチラシを手にしたのは2月頃だったか随分と前に思います。いつやるの?今でしょ、じゃないけど 公開日まで待ち遠しい日々を過ごしておりました。
本日初日に無事「ディア・ファミリー」を鑑賞させて頂きました。
有難う御座いました。(*´ω`*)
場内ですが、実話でもありますし やっぱり関心の高さを感じましたね。
それと この心臓の病について何らかの関わりがある方々なのでしょうか、日頃劇場ではお見受けしない服装の方々が来られていた感じしました。
私も身内と心臓疾患で早くに別れた為、このご家族の思いは凄く分かります。10年と言う時間を把握できて、前向きに過ごせた事は幸せであったと感じます。
悪化を感じる事無く気が付けばもう手遅れ。宣告されても何の手立ても打てずに終えてしまわれる家族の方もきっと多いと思うのです。
ですから レビュ-コメントするのちょっと心傷む思いもあります。
映画の展開、質的評から言うと、感動モノの王道作品な作りです。
実話ベースですので描かれた10年は色々とあり、怒り憎しみ、諦め、そして去った人々への感謝。深い思いが一杯詰まっては有るのですが上映時間的制約もあり各エピソ-ドが浅く感じるかも知れません。その点は少し残念ですが仕方無いと感じます。人によっては あんまり泣けなかった~ってコメントされる方が居るかもですが それはこのテーマへの自身の関係深さにて左右されるだろうと少し感じます。
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原作:清武英利氏 『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』
監督月川翔氏
----心優しい役者陣----
坪井宣政(父 主人公):大泉洋さん
坪井陽子(母):菅野美穂さん
坪井奈美(長女):川栄李奈さん
坪井佳美(次女 心臓の病):福本莉子さん
坪井寿美(三女):新井美羽さん
富岡進(日本心臓研究所の研究医):松村北斗さん
石黒英二(東京都市医科大学教授):光石研さん
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この元話は、東海メディカルプロダクツ(愛知県)の創業エピソ-ドですね。
創業社長筒井御夫妻のお嬢様が心臓疾患で余命宣告を受けられた事により、何とか娘の命を助けたい思い、強い信念でもって人工心臓の開発に挑まれた奮闘が描かれてます。そして深い挫折とやり場のない悲しみ。そして日本製初のIABPバルーンカテーテル開発秘話へと繋がります。
同じ境遇の家族を抱えてる人が、この夫妻と同じ事が出来るのか? と言えば殆どの方は難しいでしょう。一つは時間、そして圧倒的な財力、そして努力できる環境連携(協力の輪)、そして 最後に運でしょうか。
どんなに優れた物が完成しても、世間に認めて貰わないと採用されない・・・
これを観ていて一番痛感致しました。
今は何処の地域でも、医学+工学=医工連携 って言うのが組まれている様ですが
平成元年当時はそういう後押し的な組織づくりは無かったのでしょうかね。
昔見た映画「ロレンツォのオイル/命の詩」も実話で今作と境遇が良く似てます。
難病の副腎白質ジストロフィー病の一人息子(ロレンツォ)を何とか助けるため、必死に奮闘するオドーネ夫妻の実話に基づく話です。
今作、一番感動した所は やっぱり父と次女との二人っきり会話の所ですかね。
”私の命はもう大丈夫だから”・・・ そこはやはり涙しますね。
父のもう限界域に達していて、助けたくても もう叶えられない思い。
それを察した娘の言葉が心の奥底に響きます。
それと、終盤のレポ-タ役の有村さんの 意外にも自分自身が心臓疾患あってこのバル-ンによって治った事。その感謝を開発に尽力された坪井さんへ直接告げる所でしょうかね。実際は色んな患者さんから感謝の手紙などは多かったであろうと感じますが、直接言われて頭を下げられる事程 嬉しい事は無かったであろうと思うのです。物を開発してる開発者って、中々それを使用する使用者の方からお礼を直接言われる事が無いでしょから。そう言うのって とっても大事だと思うんですよね。
本作は普通に感動モノで他の同類作品に埋もれてしまうかも知れません。
しかし、きっと記憶に残る一作で在ると信じます。そして最高です!!
ご興味御座います方は
是非、今の内に劇場へどうぞ!