「ヒーロー映画なのに雑な倫理観で萎える映画。」マダム・ウェブ idwebさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー映画なのに雑な倫理観で萎える映画。
ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースは
「ヴェノム」2作品と「モービウス」が
あまり面白くなかったので、
「マダム・ウェブ」はあまり期待はしていませんでしたが
まぁ一応見とくかというテンションで
字幕版を空席多めな劇場で鑑賞してきました。
以下ネタバレ
本編開始前に
コロンビア ピクチャーズ100周年のロゴがでてくる割りに
予算は大きくなさそうな映画でした。
押井守の著作に、「女優がよかったら映画になる」という
考え方が紹介されていて、
「マダム・ウェブ」は、主演の女優の魅力で前半は
なんとか見れる作品でした。
ニューヨークの整えられたインテリアや主演の女優は
ルッキズムに洗脳されている観客としては
楽しくみれました。
しかし、
タクシーや救急車を盗んだり、
森林の中で焚火を放置したり、
花火保管庫で戦略なしで暴れたり、
救助ヘリを派手にするためだけに爆破演出したり、
ヒーロー映画なのに雑な倫理観を見せられると
ルッキズムに洗脳されている観客であっても
主人公たちを応援する気力がなくなります。
序盤で探検しないと辿り着けなさそうな雰囲気だったジャングルへの移動が
ノースリーブの軽装でセスナとバスで簡単に往復できたり、
手振れ加工多めの未来予知のカット割りも見にくく、
「マダム・ウェブ」のウェブ能力をそれほど使わない
ご都合主義アクションが退屈な映画でした。
「マダム・ウェブ」は2003年を舞台にした映画でしたが、
顔認証を使った捜索は、まぁありとしても、
そもそも
監視カメラが街にあふれだすのはもう少しあとでは・・・
と思ったりもしたました。
劇中に使用されるブリトニー・スピアーズのトキシックは
ネット検索すると2004年の曲で
雑な時代設定だなとも思いました。
フェイ・ウォンの「夢中人」が唐突にエンドロールに流れて
強引によさげにまとめてるのも雑でした。