「ダコタが悪いんじゃない、ペプシのせい」マダム・ウェブ Lhowonさんの映画レビュー(感想・評価)
ダコタが悪いんじゃない、ペプシのせい
原作は読んでません。
ダコタ・ジョンソンは、サスペリアでちゃんと踊っているし、アワー・フレンドで難しい芝居も出来る人。でも、見てても全然ノッテこない。マダムって言葉は一回も出てこない。
スーパーヒーローものだと思ってみにいくとがっかりする。キーヴィジュアルの通り、ヴィランを含めてコスチュームを出し惜しみしているので、何の映画を見たのかさっぱり記憶にない。それどころか、登場人物の普段着も地味で特徴がない。画面が全体に暗いのでさらに個性を潰している。
特殊能力が地味なので難題だと思うが、映像にして理解させることに失敗しているので、さっき見たフォアキン・フェニックスの悪夢のようだ。こういった脳内の描写は、シャマランに相談すれば良かったんじゃないの。アクションはないも同然。
子供3人の個性の書き分けが出来ていないので、誰にも思い入れができない。推しを選べない。普段から全く楽しそうじゃなく、共感できない。
サスペンス仕立てにしたかった見たいだけど、到達目標がよくわからない。林?ダイナー?倉庫?なぜそこに行くの、たまたまいたから?暗いせいで何が起こってるのか分からない。あの糸状のものは蜘蛛の糸じゃないの、倉庫で爆発しているのは一体何、なぜ障害が残ってるの?
音楽もほとんどオーケストラによる劇版だけなので、耳に残るものはないし、盛り上がりもない。
おそらく、今後制作される続編がスーパーヒーローものしての本番なんでしょう。最後まで見るとそれなりによい物語なんだけど、これはネットで前日譚として公開する程度のもので劇場でお金取っちゃいけないよ。女性ヒーロー(ヒロイン)の作品がこうだと、逆コースになっちゃうよ、2016年のゴーストバスターズみたいに。
ダコタ・ジョンソンが『マダム』なのは納得いかないが、続編見ないとちゃんと評価ができないので、プロジェクトが畳まれてしまわない事を祈るばかりです。