劇場公開日 2024年6月21日

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価

全196件中、41~60件目を表示

4.0疎外感や孤独感の先にある連帯感

2024年7月25日
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鑑賞方法:映画館

1970年代を舞台にした映画。だから映画の制作会社のクレジットや字幕、スクリーンの画角やノイズに至るまで、時代を感じさせる作りになっている。流れてくる音楽も当時のものだから、個人的にあまりなじみがなく新鮮だった。この時代の音楽って優しいものが多くて心にしみる。
舞台は全寮制の高校。全寮制は経験したことがないが、年末に取り残される疎外感や孤独感はわかる。取り残されたのは、偏屈で融通のきかない教師と、成績はいいが生活態度に問題のある生徒、そして息子を亡くした悲しみを拭えないでいる寮のコックという3人。楽しく過ごすには相当に難しい組み合わせだが彼らが徐々に心を通わせていく流れは王道だけど、やはり感動的だった。3人がわかりあう流れも単純ではないし、どこまでわかりあえたのかも疑問が残る。ただ、それぞれの孤独や生きづらさが徐々にわかっていく脚本がいいし、年齢も立場もまったく異なる3人が通じ合う世界はとても優しかった。相互理解ってこういうことだ。
金を持っているものが力を持つ。当たり前の事だけど、金も力もない3人がそれぞれ社会と向き合う姿にこちらも勇気づけられるし、ときに切なくなり、理不尽な人や物事に怒りを覚えることもある。それでもそれぞれのやり方で生きていかなければならないんだよな。地味にいい映画だった。

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kenshuchu

3.5JIMI

2024年7月24日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

キノシネマ新宿で鑑賞
水曜サービスデーで入りは少な目

宇多丸氏が絶賛していたので鑑賞
私にはそこまで刺さらず

いい映画とは思います
少年期と青年期の間で不安定な役を演じた
アンガス役のドミニクセッサもよかったです

アメリカの私立の学校って
優秀な子と落ちこぼれ、問題児の
玉石混淆なんだなと

しょうもない邦画見るくらいならぜひ劇場で

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ぼろんてーる2

4.0問題が解決しているわけではないけど、心地がいい

2024年7月22日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

問題を抱えた孤独な3人が過ごす、2週間の冬休み。立場も年齢も違って、この距離感だからこそ話せる過去があって、少しずつ影響しあっていく。
交わらないような面々が分かり合っていき、寄り添う姿が忘れられない。
悪友のような共犯シーンは大好き。
冬が舞台の作品だけど温かくて、この3人が愛おしい。

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トウマ(20代/女)

4.52024年一番の映画

2024年7月21日
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鑑賞方法:映画館

手堅いストーリーだけどそれを退屈に感じさせないしっかりした脚本が見事だと思う。今年の新作映画で一番好きな作品。
妥協しないし皮肉屋で生徒に嫌われている教師ハナム。ボストン近郊の全寮制の名門寄宿学校でハナムはホリデイに家に帰れない生徒の面倒をみる仕事を押し付けられ…。

アンガス役のドミニク・セッサは進学校で声をかけられオーディション参加した新星ということだけど癖ツヨのアンガスはまってて良かった。アンガスとハナムと寮の料理長メアリーという居残り達が学校を飛び出す展開もロードムービー的で好きな展開。

前にSNSで見かけた、「冬の朝、祖母が靴を温めていてくれたって記憶。その記憶、あのときの愛でなんとか生きてる」っていう内容の投稿をなんだか思い出した。誰かが自分を守ろうとしてくれたって記憶は、人を守ってくれる力になると思う。英雄も偉業もでてこないけど、こういうささやかな人間ドラマに心揺り動かされることも、わたしの力になってくれてる気がする。

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ターコイズ

3.5心温かく…なりそなところで突き放す

2024年7月21日
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鑑賞方法:映画館

クリスマスシーズンの映画をこんな時期に出してくるのは、
クリスマスシーズンに配信するための箔付けなんでしょうかね。
でもその時期にコレ見たら凹みそうな気もする、そんな最後の突き放し方。

絶対ハッピーエンドに見えない、容赦のない感じ。
人に対してやってきたことは、ちゃんと全部、漏れなく自分に返ってくるという
因果応報を、ハートウォーミングな展開の末に見せつけられる絶望感。。。

大学辞めることになった理由も、本人から聞いただけで真偽のほどは定かではないし、
この年で庇ってくれる人もいない中で何の再出発が出来るのか。
誰も支えてくれない、終焉への道行にしか見えなかったのは、自分の問題でしょうか〜…。

宿舎だけで終わるのかと思ったらロードムービーになり、心が温かくなってきたところで、思いっきり突き落とされた気分で終わったので、年末年始には見たくないなと思いました。

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ababi

4.0アメリカンヒューマニズムの良作

2024年7月21日
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知的

1 年末休暇を寄宿学校で過ごす生徒と教師たちの人間関係の機微を描く。

2 1970年の年末。名門の私立高校が舞台。家庭の事情などで帰省せず学校にとどまる生徒たちがいた。そのお守りに一人の偏屈な教師ハナムと同校OBの息子がベトナムで戦死したばかりの調理場責任者メアリーが残った。面白みのない日々に嫌気がさしていた生徒たちはスキー旅行に出かけることになったが、一人の生徒アンガスは親と連絡が取れず残った。クリスマスを校内で過ごした三人は社会見学と称して、校外に出た。そこで、アンガスはある場所に行きたいとに伝えた、そして・・・。

3 本作では、個人的な悲しみや怒りを抱え、自分ファーストであったハナムとアンガスが、行動を共にするにつれて、心の内を吐露しあい、そしてハナムが自己を捨ててアンガスの才能を活かそうとした姿にアメリカ固有の隣人愛や家父長的な愛に基づくヒューマニズムを感じた。ハナムはさっぱりした顔つきで、校舎を後にし、アンガスは和らいだ表情で校舎に戻って行ったラストショットは印象的であった。

4 一方、メアリーには、心中の大きな悲しみと天使のような慈愛を感じた。息子が死んで独り身となった辛さだけではなく、除隊後の優遇措置を使って大学進学を目指すため入隊させてしまった親としての力のなさや後悔が滲んでいた。そして、恐らく孫用のベビー肌着や靴を生まれ来る甥か姪のために譲ることで思いを託そうとしていた。その中で校内に残ったメアリーは、ハナムに寄り添い、アンガスのために家庭的なクリスマスディナーを用意するとともに二人の仲介役となった。

5 本筋とは関係ないが、現場となった木造校舎の佇まいが荘厳かつ凛として素敵だった。また、当時の時代感を上手く再現していた。

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コショワイ

4.02024年上半期ベスト!

2024年7月20日
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泣ける

笑える

知的

ポール・ジアマッティの喜怒哀楽は、ただそれを観るだけで満足する。そこに『老い』が加わり、もはや最強に。
爆竹のシーン、窓外からの主人公たちの様子が微笑ましくて、ずっと観ていたかった。

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orokamono

2.0上品過ぎ。

2024年7月20日
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非支持。
上品過ぎ。
同監督持ち味だった辛味苦味が抜けたゆえか、
想定内の綺麗なお話しをスルスル見て幕。
ハイスクール白書での「その感情を撮るか」な
引っ掛かりと驚きと喜びに欠ける。
次作を待つ。

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きねまっきい

5.0アメリカ的

2024年7月20日
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悲しい

楽しい

皆が、自分の選んだ行動をしているのが気に入りました。言いたいことを言って、好きなことをする…
他人にどう思われても良い。自分が納得していれば、幸せなんだと思いました。

1970年(自分の生まれ年!)設定なので、古い映画なのかと思ってみていましたが、2023年の映画なんですね。

子供も大人も、それぞれの事情がありますね。そして、大人になるほど、自身の世界は狭まり、同じ場所にいたはずの旧友たちとの差は広がっていきます。
現在の立場に優越はなく、自分の居場所でしっかり生きていこうと思いました。

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Mikikar

4.5季節外れが

2024年7月19日
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泣ける

笑える

幸せ

残念な気もしますが、日本じゃ関係ないか。
とにかくテンポがイイ、この位察せるよね? とポンポン場面が切り替わる。雪の中のシーンも美しいし、オープニングも凄く凝ってる。クリスマスソングのヒットパレードも真夏じゃ気付き難い。
嫌われ者で本当に臭い、ポールジアマッティだが信念を持った教師だった。

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トミー

4.0しみじみとくる良作

2024年7月19日
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泣ける

笑える

楽しい

 オープニングのクラシカルなユニバーサルのロゴに驚かされたが、物語の時代設定が1970年ということなので、敢えて狙ってやっているのだろう。映像の質感を含めたトータルデザインが70年代風な作りになっていて、どこか懐かしさを覚える作品だった。

 劇中ではベトナム戦争の影もちらつき、メインキャラの一人、料理長メアリーは息子を戦争で亡くしている。ただ、映画を観る限り、これ以外に当時の時代背景を大きくクローズアップするような箇所はなく、基本的に登場人物は皆ノンポリで、どこか浮世離れしているような印象も持った。

 監督はアレクサンダー・ペイン。少し癖を持った悲喜劇を撮らせると大変上手い監督で、心に染みるような良作をたくさん輩出している名匠である。今回は彼の自伝的な内容なのかと思いきや、年齢を考えると、どうもそういうわけではないらしい。
 また、ペイン監督は基本的に自分で脚本を書くことが多いが、今回は別に脚本家がいる。彼も年齢から逆算すると、1970年に青春時代を送ったというわけはないようだ。

 では、何故1970年なのか?これが自分には今一つピンとこなかった。劇中にアメリカン・ニューシネマの佳作「小さな巨人」が流れるので、もしかしたらアメリカン・ニューシネマのオマージュといった狙いがあったのかもしれない。尚、ここに「いちご白書」を持ってこなかったのも意図してのことだろう。政治色を払拭したかったのだと思う。
 更に、物語は中盤からハナムとアンガスのロードムービーになっていくのだが、このあたりにはニューシネマの代表格「さらば冬のかもめ」や「スケアクロウ」も連想された。

 そんなハナムとアンガスのやり取りは、時に微笑ましく、時にしみじみと観ることが出来た。二人とも人付き合いが下手で友達がいない孤独な者同士。教師と生徒という立場的な隔たりもあって、最初は全くそりが合わない。しかし、旅を通してお互いの過去や葛藤を知ることで徐々に絆が深まっていくようになる。

 また、ここに孤独な黒人女性メアリーが関わることで、物語は単調にならずに済んでいると思った。
 例えば、クリスマスイブのパーティーで酒に酔った彼女が取り乱すシーン、3人でチェリーケーキを燃やすシーンなどは抜群の存在感を見せている。彼女がいることでハナムとアンガスの友情がより一層深まった感じがした。

 ちなみに、映画前半はアンガス以外に4人の学生が登場してくる。夫々に個性的で面白くなりそうだったのだが、早々に彼らを退場させ、以降はハナムとアンガス、メアリーという3人だけのドラマに転換していく。このあたりの大胆な切り替えにも良い意味で驚かされた。

 クライマックスの展開は容易に先が読めてしまうのだが、こういう人情めいた話に自分は弱いということもあり自然と涙腺が緩んでしまった。

 また、結末も良かったように思う。このくらいのビター&ウェット感が伴うと気持ちよく受け入れられる。

 キャスト陣も夫々に魅力的な演技を披露している。
 ハナムを演じたポール・ジアマッティの妙演は相変わらずの見事さである。同じペイン作品で言えば「アバウト・シュミット」のジャック・ニコルソン、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」のブルース・ダーンに通じるような役所と言えるが、そこに少し毒気をまぶしたような造形に面白みを感じた。
 アンガスを演じたドミニク・セッサの独特なビジュアルも印象に残った。本作が映画初出演ということで、今後の活躍が楽しみな新人である。

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ありの

3.0寄り添う人たち

2024年7月18日
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単純

冬休みで寮生も全員帰宅するなか色んな理由で学校に残る生徒たち。そして、生徒や先生からも嫌われている宿直の先生と戦争で家族を失った料理長。それぞれが少しずつ寄り添っていく。
古代史の先生でたとえが西洋の歴史なので例え?が少し分かりにくかったのがちょっと…。

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KID君

4.5★2024年劇場鑑賞59★

2024年7月17日
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幸せ

心にジーン。ときた。

その帰り道、バーに立ち寄ってジムビームを飲んで帰りたくなり銀座を彷徨ってみました。

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yougo!!!

3.5確かに、いい映画だとは思うけど…。

2024年7月16日
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鑑賞方法:映画館

とても良い映画だと思います。
観て損はありません。
けど、何かが足りないような気がした。
「ハロルド・フライのうまくいきそうもない巡礼の旅」の感動が
尾を引いているのは間違いないにしても、
今一つ映画に入って行けず、若干冷めている自分を感じながら観ていた。
言ってみれば「連れて行ってくれなかった」ということかな。
しかし、テンポの良い(良すぎる?)会話と、意味の分からない言い回しについて行けなかっただけかも知れない。いや、多分そうだ。
それが、映画に入って行けなかった理由、じゃないかな…。
ということで、きっと素晴らしい映画です。

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ぜん

5.0いい映画

2024年7月16日
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とても良い映画でした、グッドウィルハンティングやスモークなどの90年代の良作を観ているような心地良さが自分には合っていました。
携帯電話が出てこない作品は良作なのかもと最近思ってきています笑

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kobackhome

4.5若者に何が残せるかを考える。

2024年7月16日
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泣ける

笑える

知的

月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好き。
専門的過ぎないライトな紹介を心掛けています。
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若さ故、大人の苦労など何も見えない17歳の若者アンガスと
長年、金持ちのバカ息子ばかり相手にしているうちに
すっかり彼らを見下すクセが身に付いてしまった中年男性ハナム先生。
表面的にはどちらもちょっと問題ありの2人に
シングルマザーで、一人息子が戦死したばかりの黒人女性メアリーと言う
社会的にも境遇的にも彼ら2人とは違う第三者が加わって過ごすことで
少しづつわかり合い、ちょっと凝り固まっていた大人も
実は問題を抱えている若者も共に成長して行く。

派手な出来事が起こる訳ではないけれど
若者にも大人にもぜひ観て欲しい映画です。
ぜひ劇場で〜〜

教師と学生の成長の映画では
「グット・ウイル・ハンティング」
「今を生きる」とか
教師では無いけれど大人が学生に
影響を与える作品として
「センス・オブ・ウーマン」とか
その手の映画を思い出しました。

ただ、この映画は、それらの以前の名作と違って
明らかに効いているのは
見事に米アカデミー賞で助演女優賞を受賞した
ダバイン・ジョイ・ランドルフさんが演じる
メアリーの存在。

映画の時代の設定が1970年代。
裕福では無い階層の黒人女性のメアリーが1人で子供を育て、
その子は優秀だったのに、大学へ進学する資金が足りず、
徴兵に応じれば帰還兵には奨学金が与えられる制度を
利用するために戦争に行き、呆気なく戦死。

名門私学の学生寮で働くメアリーの目の前で、
ロクデモ無い金持ちのバカ息子たちが
親の金やコネでホイホイ進学してゆく。
友人のホームパーティーに招かれた夜、
息子を思い号泣するメアリー。

流石にその姿は反抗的な若者のアンガスにも
学生達を斜めにしてきたハナム先生にも
世の中の理不尽さや人それぞれの苦しみ悲しみを
思いやる心が生まれてくる姿を大袈裟でなく、伝えてくる。

一見、変わり者だったり、堅物だったりしても
人は何かしらの事情を抱えており、
それ故に、そんな言動になっていることを
思いやる心の余裕がいかに大事な事か〜〜

映画の後半、ボストンの博物館で、ある展示物を前に
盛り上がるアンガスとハナム先生。
アンガスは事情があって今は会えない父親との良い思い出に
ハナム先生との楽しい会話が重なって多幸感あふれるシーン。

後の展開を思うと、このシーンの欠け替えの無さに
改めて泣けて来てしまいます。

人生の後半、私も若者に何が残せるのか、
少しづつでも考えて行きたいと思った一作でした。

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星のナターシャnova

4.0ジアマッティの斜視って演技?

2024年7月16日
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泣ける

笑える

「多くの人にとって人生は鶏小屋のはしごだ、クソまみれで短い」とか、「セックスは99%の摩擦と1%の好意だ」とか、「人間の形をした陰茎癌」とか、名言(笑)の詰まった作品。それぞれに孤独を抱えた嫌われ者、厄介者、社会の低位にある者。人には触れられたくない秘密や言いたくない過去が明かされる展開を通じて、世間から取り残された空間で反発と融和を重ねながら、信頼に足る関係性を築いていくさまがじんわり沁みる。

1970年目前のクリスマス期間の物語を70年代テイストで描いていて、ベトナム戦争や当時の人種差別を背景とした時代の空気感はある程度の知識を前提に想像できるけれど、アレクサンダー・ペイン監督の作品は米国の土地勘もけっこう必要とされる。ニューイングランドとかボストンとかの位置もちゃんとわかってない自分自身がやや残念…。

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ジョンスペ

4.0弱者たちの連帯

2024年7月15日
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鑑賞方法:映画館

2023年。アレクサンダー・ペイン監督。1970年冬。アメリカの有名私立校のクリスマス休みに実家に帰らないことになった生徒と、その監督教師との数日間。決して分かり合えないお互いの事情や過去を少しずつ知り、自分の考え方を相対化し、大切なことに気づく奇跡のような時間。
内容的には、時代設定からしてノスタルジー満載。世界に希望を持たなくなった教師が、職をなげうってまでも生徒を助けるラストシーンに、人生を賭けられるものを見失っている大多数の大人たちは感動するだろう。「私に人生を賭けられるものを教えてほしい」。まっとうなことを考える人ほどうまくいかない世界(教師も生徒も鬱の薬を飲んでいる)に対して、涙ぐましく抵抗するという側面もある。弱者たちの連帯。主要登場人物たちの会話の場面での嫌味や皮肉や嘘(特に教師)は、典型的な負け犬の遠吠えであり、それが知的な要素を含んでいるのが楽しい。知性とは弱者による抵抗の手段だったのだということを思い出す。
映像的には、70年代の街や建物や車や服装をなにげなく映像で表現しているが、実はこれは大変なのではないか。特にボストンの街の描写があるが、CGだとしたらすごい。

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文字読み

3.5Good Will Huntingな良作

2024年7月15日
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素敵な映画でした
先生の去り方が
良かったですね

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たつじ911

5.0尊敬できる大人と出会うこと

2024年7月15日
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幸せ

上映時間2時間以上、たまらなく幸福でした。
映像、音楽、脚本、役者、全てが見事に重なってそこに生きる人々の悲哀、喜びを丁寧に紡いでいた。スクリーンから慈しみの粒子が溢れ出ていた。優しさ、浴びまくりました。

子供のうちに、自分を叱り、認め、守り、時に共にふざけてくれる、そんな大人と出会い心通わせることの尊さ。
師を見つけることが、そして誰かの師になれることが、どれほど人生を豊かにするか。人生における喪失や孤独とその救済を、奇をてらうことなく、静かに、優しく、真摯に描き出した良作でした。きっとまた観たくなる。

あと、蒸し暑い夏にクリスマス映画をスクリーンで観れるという喜びもありました。上映館減ってますが、ぜひ映画館で観てください!

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夜の樹