ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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映画の感想書いてて、 『暫く泣き続けた』くらいのことをよく、 『号...
映画の感想書いてて、
『暫く泣き続けた』くらいのことをよく、
『号泣した』って書いちゃうことは正直あるけど、
これは、言葉の意味通り本当に『嗚咽』した
声が出そうになるのを抑えるのが大変だった
いや、少し漏れ出てた
「こっち側の目を見て話して」(うろ覚え)の台詞からその後、
泣きっぱなしでところどころ嗚咽
予告からある程度は読めちゃうストーリーだけど、
ここまでぐっとくるとは思わなかった
ストーリーは、
切なすぎるから好きなタイプじゃないけど、
でも作品としては良い内容だった
「The Holdovers」翻訳すると 残留者 みたいな感じ。 ...
「The Holdovers」翻訳すると 残留者 みたいな感じ。
邦題で「置いてけぼりのホリディ」と表現されてますが・・クリスマスに、置いてけぼりを喰らって ボッチクリスマスになってしまった人達のお話し。
いい映画でした。配信待つか、迷ったが・・鑑賞してよかった♪ただ、季節的にはクリスマスシーズンに鑑賞できれば理想的でした・・。
誰一人知っている俳優が出演していませんが・・こういう、出演俳優の名前に頼らない映画に名作は少なくない♪ これもそんな一作♪
私は、ポールであり、アンガスであり、メアリーでもある・・世にはそんな人も少なくないのかもしれない・。
1970年代・・まだ、理性と理想が現実と対峙できて、人の心が現実を動かすことができ時代だったのかもしれない・・。今はどうだろう???・・ポールは?アンガスは?メアリーが救われる世界になっているのか・・。1970年代が、現代、2024年はどうだ???と投げかけた映画なのかもしれない・・。
ポール、アンガス、メアリーが、自らを失わず、幸せにくらせる世界でありたいものです。
他人ばかりが恵まれて見える
教師は重要!
今教員不足が社会問題になっているが、過剰な責任と長時間労働を負わされて、その上やりがいを感じにくいとしたら、だれがやりたいと思うのだろうか。でも、人生を振り返れば、大事なところに、先生が居た。もし、あの先生に出会えなければというのは、映画ならずとも、実人生で誰もが経験しているのではないだろうか。かく申す私にもあった。でも、その機会が実にまれなことも事実。自分にとり、良い先生に巡り合えるか否かは、その人の人生を実りのあるものにするかどうかにかかる実にコアな問題だと思う。そして、良い先生とは、シンプルに生徒をわかろうとし、そのために、状況において、自分の弱さをさらけ出すー期せずしてかもしれないがーことのできる先生。そのメッセージを単純なメロドラマや喜劇に仕立てず、伝えてきれていることが、この映画の成功じゃないだろうか。役者も良い。最後の、「君ならできる!」がすべてを言い現わしている。時間的には少し長い映画だが、良い映画は時を感じさせない。まさしく、この映画がそれである。This is it!
エリザベス・リードの追憶
「吊り橋効果」ではないのだけれど
あり得ない状況下に置かれると人は相手の事を実際よりも高く評価してしまい、その結果燃え上がるが、その先は……、或いはスキー場や登山中に出逢った相手が物凄く美形に見えたが下野してみるとなんてことない。
それとは違うけれど、ある意味逃げ場のないシチュエーションに閉じ込められた面々が時間を掛けながら心を溶かし合い、深く関わっていくようになる。
1970年という通信手段が限られた時代だからこそできた年齢を超えた交流だったのかもしれませんね、かといって「あぁ、あの時代は良かったよ」なんてノスタルジックになることもなく、現代を否定している訳でもありません。
きっと今は今で他人と深いところで繋がる手段はあるはずですから。
話しを本作に戻すと、登場する主要3人が心根の優しい人であるのが素晴らしい!物語に彩を与えてくれています。
そして本音と建て前、嘘とまことを上手に使い分け、どんどん善き方へ回転して行く様が心地好かったです。
アメリカは大戦の後もベトナム戦争もあり、心に傷を負った人々が多くて、平静を保つことが難しかったのでしょうが、それでも凍てついた心を溶かすのは優しさなんだと気づかされてくれる作品でした。
冒頭の古いユニバーサルのロゴの時点で5億点だけど、雪景色や空気感、...
良い映画を観た。
待ちに待っていた映画
自分の痛みを共有することは成長につながる
チェリージュビリー
クリスマス休暇に学校に残ることになった問題児な生徒と嫌われ者のカタブツ先生の話
1970年12月、2週間のクリスマス休暇でみんなが家に帰る中、マサチューセッツの寄宿学校に残ることになった生徒4人と、監督をすることになった斜視の教師、そして食堂料理長という面子に、更に1人追加になって巻き起こっていくストーリー。
曲がったことが大嫌いという訳ではないけれど、妙に堅くて融通の利かない先生と、いうほどの問題児か?な勇者タリーが残されてベリー・メリー・クリスマスになっていく流れはまあよくある感じではあるけれどなかなか。
と思っていたら、終盤一気にイメージが変わり、シチュエーションこそ違うけれどセント・オブ・ウーマンを思い起こさせる感じで面白かった。
オープニングから魅了された
1970年の設定なので、オープニングからその時代の映画的な雰囲気が満載で、数分でこの映画の感じに心が飲み込まれてしまう。
個人的には、この映画冒頭、古い「UNIVERSAL」からの5分くらいが、すごく感傷的な「エモい」時間だった。
さて、内容。
誰でも、人生に「陰」や「孤独の悲しみ」を抱えている。でも人はそれを見せない様に無理に我慢したり、隠したり、嘘をついたり見栄を張ったりして、繕いながら生きている。
登場人物全員がそんな孤独を抱えながらも、特に周囲と折り合いをつけることなく、皆自分の力で生きていくだけの「したたかさ」は持っている。
でも、お互いがそれを理解して支えることで、よりその人生が深みや輝きを増していく。
現状を否定せず、ちょっとだけ前に一歩進める様に背中を押す。
そんな、いろんなことを受け止める器の広さのある映画。
オープニングを始め、他にも好きなシーンがいくつもあった。
同部屋でオネショしちゃったアジア人をフォローしてあげるシーン。
アンガスがお父さんに会うシーン。
3人でボストンのレストランに入り、アルコールの入ったデザートを店員に
出せないと言われたシーン。
ラストでメアリーが、主人公が旅立つ直前に無地のノートをプレゼントするシーン。
大げさな演出はないのに、すごく心にグッとくる。
役者たちがみんな良い。
登場人物たちの表情、演技、言葉、もちろん物語全体に溢れる「優しさ」。
特に音楽がすごく良かった。
映画として「何が」「どう」良いのかは、私の力では文字化できなそうなので、そういう解説を生業にされている方に託すことにする。
私はとにかく作品全体を包む優しい眼差しに、「ああ、良い映画観たな」という満足感で劇場を出た。
家に帰って来て、レビューのために思い出せば思い出すほど、味が出てくるね。
クラシック感満載の作品、ストーリー
素晴らしい作品だった。アカデミー賞作品賞候補も納得。
映像も場面もクラシック感満載で、映像然り。
ストーリーもよくある話だが、前半は退屈だが、後半はジワっとくる。
頑固な古代史の先生も最後は父親の面を見せて
いい作品観たなと肌で感じる。
ただ、残念だったのが副題。置いてけぼりのホリデーはいらないのでは。むしろ、置いてけぼりのホリデーを題にしても良い。
内容はともかく非常に丁寧な作りでした
大好きなクリスマスムービーが増えました
原題は「holdovers」、居残りって感じでしょうか
クリスマス休暇に学校に留まる事になった偏屈な先生ポール、反抗的な生徒アンガス、食堂の料理長メアリー
孤独を抱えた3人が軸になるストーリー
そりゃ皆に嫌われるわっていうくらい偏屈なポールだけど、忖度しない先生で私は好き
最初はポールとアンガスは衝突ばかりで、その中和剤のメアリー
衝突を繰り返す度にみんなの抱えている孤独を知り、理解していき、思いやる関係になっていく
その流れが自然で、ジーンときたりクスッと何回も笑わされたり
その辺のバランスがちょうど良い
そしてラストは涙ポロポロ
日本みたいにただのイベントじゃないアメリカの雪景色の中のクリスマス
そばにいてくれる人の優しさに心があったかくなれるステキな作品でした
観て優しい気持ちになれる作品にまた出会えて良かったです
ハナム先生、さようなら
親指をたてながら映画館のエレベーターに乗り込んできた川平慈英氏は、映画を見終わった後至極上機嫌だった。70年代のハリウッドで盛んに作られた“ニューシネマ”独特のほんわかとした優しい雰囲気に包まれたのは本当に久し振りな気がする。私とほぼ同年代の川平氏も、おそらく同じ気持ちにひたっていたにちがいない。
修復映画の収集家としても知られている監督のアレクサンダー・ペインは、アイデアの源泉として30年代に作られたフランス映画の名前を上げていたが、本映画の基本的構成は英国パブリックスクールを舞台にした古典ドラマ『チップス先生さようなら』にとてもよく似ている。生徒に嫌われていた堅物教師が、新妻の死によって生き方を見直し、悪戯ずきな生徒たちに心を開いていくストーリー。
主人公のハナムは、ギリシャローマ史を専門とする全寮制高等学校の歴史教師。出自に関わらず情け容赦なく生徒を落第させるハナムは、その斜視を生徒たちにバカにされ、ひどい体臭のせいか女性とも縁のない学校中の鼻つまみものだ。実際寮生活の経験がおありになるというポール・ジアマッティの、まさにはまり役といってもよいだろう。はじめからジアマッティを宛がきにしたシナリオだけのことはある。
クリスマス休暇でも帰る場所がないハナム、そしてベトナム戦争で一人息子をうしなったばかりの給仕長のメアリー(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)、勉強はできるけど母親からは問題児あつかされているアンガスの3人が、誰もいなくなった学校で寂しいクリスマスを祝うことになる。これだけならば物語の設定をわざわざ70年にする必要もないし、そしてなによりも現代のアメリカに通じるメッセージ性がいまいち伝わりにくいのである。
当時のベトナム戦争によって間接的に傷ついた3人の物語として本映画を観たらどうだろう。ハナムは戦争に志願したものの身体的理由で入隊試験に落第、メアリーの息子カーティスは戦争で帰らぬ人に、そしてアンガスはこの学校で今度問題をおこせば陸軍士官学校送りとなり、将来的にはベトナム送りにもなりかねない身なのである、つまりこの3人、(ベトナム戦争時期の)過去、現在、未来において、いつのまにか“スクルージ”化させられ、PTSDを背負わされたアメリカ人の象徴でもあるのだ。
そんな心の“残留物”を取り除く処方箋として提示された心優しき物語は、他国の戦争(ウクライナ、ガザ)への武器供与のため多大な負担を強いられている現代のアメリカ人の心にやはり響くものがあるのではないだろうか。普仏戦争直前のイギリスで反愛国教育にこだわったMr.チップスのように、あるいは『自省録』を記したローマ帝国衰退期の皇帝マルクス・アウレリウスのごとく、コスモポリタズムに基づいた寛容の精神を、分断が叫ばれているアメリカ人に今一度思い出させようと試みた1本だったのではないだろうか。「歴史とは過去を学ぶだけでなく、今を説明すること」なのだから。
何層もエピソードが重り味がある作品
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