ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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See ya!
「ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリディ」ベトナム戦争下の寄宿学校が舞台のクリスマスホリディに取り残された3人の物語。これ、観客とそれぞれ3人とのバディ物語でもあるよね。脚本が素晴らしくて、当初は全く魅力的に感じられない3人の抱えた生き辛さ、孤独が少しづつ積み上げられるストーリーによって、その人間性に惹きつけられていく。そしてその展開が全然あざとくない。
誰かが勝手に決めた勝ち組でなくても、人生は祝福される、そんな映画です。
あと、劇中でバッドフィンガーの「No Matter What」が使われいます。ゴジラ×コングでもラストに「Day After Day」が使われていたし、密かに再評価されてるのか。
後半はロードムービーになるんだけど、ボールとタリーの旅を観ていて、三浦友和とオダギリジョーの「転々」を思い出したな。
キリスト教に関する文化がバックにあるとかなり有利
今年225本目(合計1,317本目/今月(2024年6月度)25本目)。
(前の作品 「おいハンサム」→この作品「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」→次の作品「ターゲット 出品者は殺人鬼」)
ストーリーとしては、1970年代をテーマにした、キリスト系の高校(日本相当)のアメリカで、冬期休暇を取れなかった生徒と先生、学校の食堂の女性の方の交流を描いたストーリーです。
多くの方が書かれている通り、クリスマスというのは日本でもアメリカでもたいていの国では「何らかの意味で多くの方で祝う」文化が確かにあるので、こういった展開になるとちょっと辛いですね…。
PG12の扱いですが、序盤にやや不穏当な発言をする子(ひやかしをする子)がいるからで、その子たちがいなくなる30分くらい後は一般指定でいいんじゃないかなといった感じです。また、タイトルにも書きましたが、キリスト教のいわゆるミッション系学校がテーマなので、キリスト教に関する語句(モルモン教やらエホバの証人やらなにやら)が結構多く出てくるので、これらの知識があれば有利かなといったところです。
映画それ自体が言いたいことは理解できるし(特に、主人公の高校生の子が背景に持つ生い立ちの事項)、この映画自体はアメリカでは2022年公開のようですが、1970年をテーマにしたために、映画を最後まで見ると、今日では珍しい The End も出てきます(別に出たからってどうってわけじゃないですが)。
若干映画の長さとして難があるかな(インド映画でもない限り、120分を超えるとちょっときついし、この映画では飛ばせそうなシーンがいくつかある)というところはありましょうが、日本以上に普通に存在するアメリカのミッション系学校で「ありうる」ストーリーを描いた映画という点ではほぼ満足です。ただ上述通り、キリスト教に関する語句はどんどん飛んでくるので、そこの点がある程度知識として知っているかどうかでかなり差が出るかなといったところです。
採点上特に問題はないのでフルスコアにしています。
立場は違えど、みんな言えない秘密がある
クリスマスシーズンの冬休み、帰る場所が無く学校の寄宿所に取り残された堅物の先生と生徒と食堂のおばちゃん。
まったく性格も環境も違う三人が、一緒に暮らすことでお互いの悩みを知る。
前半は淡々とした展開だけど、後半3人それぞれが持つ秘密が明かされるにつれ、関係性がギュッと深まっていく。
アスパラガスのかほり
フラストレーションの向けどころがわからない少年、世間への反骨心から厳格に振舞う老教師、夫と息子を失った女性の3人が、他者の痛みを知ることで自分の殻から抜け出し、前に進みなおす物語。
クリスマスを舞台にした映画と言えば、少々ハードな物語でもハートウォーミングな時間を挟むのがセオリーだが、本作では家庭的な空気や慈しみは登場人物達の孤独を際立たせるものとして機能し、開放的なシーンでも背景には冷えた空気を感じさせる。
物語が進むにつれ彼らの孤独のバックグラウンドが明らかになり、それには少なからず共感する部分がある。劇中のマジョリティ=名門校のテンプレ的な人物像からはみ出た人ほど共感できそうな人物造形が巧みだった。
ただでさえ「クリスマス=家族の時間」というぼっちに厳しい文化の中、舞台が名門校なので生徒も教師も「帰る家があって当たり前」という仕組みが出来上がっており、日頃からその空気を吸ってきた彼らの心中は察して余りある。
気になったのは、彼らが衝突するシーンの多さだ。登場人物達は孤独を拗らせているがゆえに他者に対して攻撃的だったり冷淡だったりする。上述のようにストレスMAXの状態で休暇に入ることもあり、序盤から一触即発の空気が流れている。会話の多くが悪口の類で、機知に富んだシニカルさやウィットの使い道が悪意に全振りされており、彼らが日頃いかに相手の気持ちを考えた言動から離れているかを示していた。中にはデリカシーゼロな言葉や現代なら眉を顰める発言も出て来る。
罵詈雑言として出て来るのは自分が言われたくないこと、という見方で言えば、彼らは悪口の引き出しがたっぷりあるのだろう。正直、衝突の描写にここまで時間をとる必要があるだろうかと疑問を持ったし、一線を越えた悪態や中傷を何度も言わせる必要があるのかと感じた。
八つ当たりじみた衝突を経て、徐々に彼らは自分だけでなく相手もまた痛みを負っているのだと理解し、ぎこちなくも距離を縮めていく。その近付き方がなんとも不器用かつリアルで、また睦まじい空気に座りの悪さを感じるぼっちらしいリアクションも微笑ましかった。安易な感動物語や仲良し路線にしないという、作り手の強い意志を感じた。
衝突から始まりそれが軟化するカタルシスがあるドラマではあるが、劇中のマイナスとプラスが釣り合っているとは言い難かった。クリスマス休暇の共同生活を経て踏み出す彼らの新しい日々に、観客が見出す希望でプラスを補う物語なのだろう。苛烈な暴言に耐え、エンディングのその先をポジティブに想像できるような、心が健康な時に観ることをすすめる
他の誰でもない、"私たちだけの話"
〈アントルヌー〉まずは言葉だ。さらば冬のセント・オブ・ボストン、そしてグッド・アンガス・タリー。地続きに心があって深い。最初から最後までどの瞬間も愛すべき、丁寧に紡がれたセラピー効果のありそうで、大切な一本。不器用な登場人物たちをあったかく優しく、まるで魔法みたいだった。本当に、70年代当時に製作されたような雰囲気・世界観。作品全編を随所で効果的に彩る素晴らしいサントラ選曲、あ~好きだったな。ワッと劇場が沸くような爆笑はあまりないかもしれないけど素晴らしく魅力的なドラメディで、映画史に新たに刻まれるホリデイ映画の傑作誕生。
何層にもなっていて、初めは好感を抱くようなタイプの人物じゃなくても見終わる頃には好きになってしまう映画を見る意味、映画を撮りたい理由。脚本フェチ(オタク)な自分には特に刺さる。セリフ主体の映画ではあるけどそれだけじゃない演出のすごさで、ちょっぴりホロ苦いカミングオブエイジ青春成長映画。よくできた会話劇と構成にメイン3人のアンサンブルキャスト、アレクサンダー・ペイン✕最高すぎるポール・ジアマッティ=『サイドウェイ』コンビが時を超えてまたも最高な作品を生み出してくれたことが嬉しい、歓迎されるべき名匠の帰還。待ちに待った映画ファンも多いはず。
"歴史は繰り返す"堅物と口悪?人類は過去から多くを学べるかもしれないけど、親とは違う自分自身の人生だ。嘘はつかないバートン男子。校長先生がお呼びです。トイレへ。舞台はベトナム戦争真っ只中の1970年、金持ち白人の甘ったれたクソガキ達相手に説く、どれだけ恵まれているか!斜視で臭くて多重苦。ケガやボストン…主人公2人の心理的距離が次第に近づいては、信頼関係ができていく様子もすごくよかった。今年の冬は、茶色コーデュロイとジムビーム(あとビールのシャンパンなミラー?)を買おう。チーズバーガーも食べたいね。あとクンツ役ザック・エフロン似の目元だった。
◯◯尿症、多汗症、"陰茎癌"
勝手に関連作品『さらば冬のかもめ』『セント・オブ・ウーマン』『グッド・ウィル・ハンティング』
だいすきだった!!
テーマでたぶんすきな映画だな〜とおもってたら想像以上でした。2024年最高のクソじじぃムービーです。優勝です。ぜんぶがだいすきだった。公開したら観に行くしフィジカルリリースも待ち遠しい。おもいだしただけで胸がぎゅっとあったかくなる。
愛と友情と笑いが溢れてる❤ ❤ ❤
#TheHoldovers #ホールドオーバーズ
試写会当選@神楽座🌟
装苑onlineさんありがとう😊💕
高校の時に過ごしたboarding school生活を想起させる映画だったー🍀休暇中は現地の子はみんな自宅に帰るけど、短い休暇だと留学生はそのまま寮に留まるからまさにこの映画みたいな感じで。学校がないのに寮に残って過ごす非日常感とか家族に会えない寂しさとかこんな時だからいつもと違うことしちゃうぞ(*´艸`*)という特別感とか、そんな感覚がスクリーンからよく伝わってきてなんだか懐かしかった💜
面白かった💕
寮にこもって過ごす話の『ロードムービー』感の強さww
X世代の象徴の先生とZ世代の象徴のタリー氏だけど、共に過ごすうちにお互いを尊重して分かり合えるようになるだけにとどまらず、世代を超えた友情を築いていくという良質のフレンドシップムービー✨✨そしてキッチン長のラム姐さん、なんなら安定の寮母さんでしょ??
以下、箇条書き👇
・幾つになっても人って変われる!
・『古き良き』にはそれなりに理由が!
・泣くより笑える良作!
・シニカルユーモア満載!
・みんな一度観たらいいよ!
(無関係だけど)
・グッドワイフでエルズベス役やってるキャリープレストン出てる!←スピンオフドラマ観たい…
ぎっしり盛りだくさんの133分
1970年のクリスマスの話し。最初はブレックファストクラブみたいな話しかと思いきや、登場人物が絞られて行く形に。自分の中ではオッペンハイマー、関心領域、パストライブより、一番アカデミーに近い作品でした。登場人物もはじめは全然好きになれなかったけど、最後はみんな好きになる。
あーもっと長い間、味わっていたい
鑑賞後に全員にハグしたくなった!
とても心温まる愛に溢れた優しい物語。
観終わった後、全員にハグしたくなったよ。
特に年齢は低いけど背も知能も高い彼!
ものすごく痩せてるのもあって、お腹いっぱいご飯食べさせたくなったわね!
どの人も色んな過去によって捻れてしまい、自分の見せ方が下手くそな人ばかり。
この3人はみんな愛に飢えている。
最愛の息子が突然消えてしまって、気持ちのやり場のないメアリー。
ママの愛が足りなさすぎるアンガス。
すごく優しいのに人に接するのが下手くそすぎるハナム。
望まぬ結果から一緒にいるうちに、お互いの弱い所を自然と垣間見る事になったことで、友情に近い愛情を持ち寄って過ごすようになるのだけど。
皆で傷を舐め合うというより、心の瘡蓋を敢えて剥がしてケアしあっているのが良かった。
蓋をしたままでは前に進めないこともある。
お互いの秘密をちょっとずつ見せ合って、お互いにその傷に優しさを持ち寄ることで仲良くなっていく様に本当に心が温かくなった。
あと食事するシーンが多いけど、食べ物をくれるってすごく愛があるよね、と友人に言われて以来、私の中で美味しいものをくれる人は愛をくれる人=あなた良い人!なんだけど。
メアリーがせっせとみんなのご飯を作って食べさせている所でもうちょっとうるっときた。私ならムカつく奴にご飯なんて作ってやりたくない。メアリー、愛が深すぎるよ!
そして環境に感謝する、これは本当に改めて思ったこと。両親に心から感謝です。
ラストシーンは涙なしには見られん。
誰しも生き辛さを抱えて生きているけど、彼の「君は大丈夫。」の一言で私も頑張れる気がした。
全体的に内容はなかなか胸を締め付けられる所も多かったのだけど、同時にコミカルな場面も多く、結構大笑いするシーンが多かったです。
笑えて泣ける、の感じ。
とにかくとてもとてもよかったので、おすすめしたいです。
学校の先生の話が好きな人にもおすすめ。
心に温まる素敵な映画でした!笑えるシーンも多く映画館で観客の笑いが起きてました。
厳格で嫌われ者の教師、母に邪魔者扱いされている生徒、ベトナム戦争で一人息子を亡くしたばかりの料理長、それぞれが問題を抱え孤独で帰る場所がない。そんな三人が高校の寮でクリスマス休暇を一緒に過ごすことに。最初は反発する生徒に手を焼く教師。だが生徒の悪さはまるでかまって欲しいと言っているかのよう。やがて明らかになる一人一人の秘密(問題)。三人がそれぞれの秘密の共有で互いに相手を理解していくさまが素敵でした。ただ一緒にいるだけではなく理解してくれる人がいるっていいですよね。映画館で何度も笑いが起きていました。楽しいシーンも多い素敵な映画でした。大好きなクリスマス映画がまた一つ増えました。
人生はほろ苦い
人生のほろ苦さを感じさせながらもコミカルでハートウォーミングな素敵な作品でした。1970年代風な映像や編集、音楽もとても好み!派手さはないけど、どの世代、性別にも刺さるストーリーでおすすめ。
好きなタイプの作品
孤独な冬の雰囲気は寂しげなのに、クスッと笑えるシーンが多く、時々ポッと暖かい気持ちになりました。皆それぞれ苦悩を抱えているけれど、人間は案外強いものでは?と思わせてくれるストーリーでした。好きなタイプの作品!
人生のヒントは意外なところから
アレクサンダー・ペイン監督が名優ポール・ジアマッティを
主演に迎えて描いた心暖まるストーリー。
マサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校で
ある事情からクリスマスを共に過ごすこととなった
生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポール、
母親の再婚によって他者からの愛情を受け入れられない青年アンガス、
ベトナム戦争で一人息子を失い、悲しみに暮れる食堂の給仕長メアリーの3人。
プロローグから逸脱することなく進行していく序盤から
クリスマスを分岐点として展開される心理描写の転換がシームレスに描かれ、
ポール、アンガス、メアリーそれぞれの魅力がじわじわと足の先から染み込んでいく。
他者との関わりによって人生が好転していくという
ありふれたストーリーではなく、生まれ、時代、とりまく環境など
すべてが異なった3人の人間が交わることで生み出された唯一無二の時間が
確かに本作品の中に存在していた。
利他的とはもしかすると最大の利己的な行為なのかも…。
シンプルに楽しく泣ける素晴らしい作品でした。
不器用に支え合う人たちを描いた素晴らしい映画でした。
ハル・アシュビー監督の映画が好きな方にぜひ見てほしいです!いつもどこにいてもベトナム戦争の影があった時代に、いやみな教師とちょっと不良な青年、息子を亡くした寮母が年末の何日かを一緒に過ごす物語です。
クリスマスのにぎやかな雰囲気を祝いきれない3人はぎこちなく、でもとても正直で愛おしいです。
お互いの悲しみや生きづらさは理解しきれないけれど、不器用に支え合う様がハル・アシュビー監督の映画のような優しさで、大好きな映画でした。
キャット・スティーヴンス(ユスフ・イスラム)の曲の使われ方も『ハロルドとモード』が思い出されてグッときました。
教師のポールは徹底した偏屈おじさんっぷりですが、最後の決断は本当にかっこよかったです。
きっとこういう形で戦争に反対し、次世代を助けた人がたくさんいるのだろうなと気付かされました。
ポールがあの後もずっと、偏屈で元気でいられますように。
そして、この映画がたくさんの人に見てもらえますように!
こういうの、ちょっと感動したいんですけどね…
第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされた作品、学園ものでコメディ?ハイハイ、大好物ですよ!IMDbでも星8.0/10、アカデミー賞に複数ノミネートなんて、めっちゃ期待するじゃないですか。
見終わった感想は「うーん」…てな感じなので、特に感動することなく最後は後味良くない感じだったので、なんで作品賞?って感じです。絶対ゴジラ・マイナス1の方がレベル高い…。
「ホールドオーバー」って残留者とか居残り組的な意味で、クリスマス休暇に実家に帰らなかった先生と生徒、寮母さんが寂しいクリスマスを過ごす…というストーリーです。
カナダで過ごす2回のクリスマスとも、昔のホストファミリーに招待され、ご馳走をいただきました。お正月はあっさり週明け月曜から仕事、みたいな感じですがw、クリスマス当日はほとんどのお店が閉まり、もちろん何のイベントもなく、ほとんどの人は働かず家族と過ごすのが定番です。
寄宿学校で過ごす生徒たちはクリスマス休暇が何より楽しみでしょうが、一人だけ帰れない男の子が。彼と一緒に先生が色々連れて歩く珍道中?的な、新しいバディものです。
個人的には少年成長物語が好きなので、意地悪なクラスメイトとか、泣き虫韓国人の子がカッコよくなるのを期待しましたが、ストーリーの中心はただ一人帰れなかった男の子と先生と寮母さんのみ。ちょいちょい観客から笑いはあるものの、終始…あー、こういう感じかー😩と切なく思いながら観てました。
私も2年近く日本に帰れてないので、切なさと恋しさしか共感できず、どんなに先生が優しくても家族に会いたいよねー…という感想です。
アカデミー賞ノミネートは…、かなり過大評価な気がしましたが。
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