ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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確かに、いい映画だとは思うけど…。
とても良い映画だと思います。
観て損はありません。
けど、何かが足りないような気がした。
「ハロルド・フライのうまくいきそうもない巡礼の旅」の感動が
尾を引いているのは間違いないにしても、
今一つ映画に入って行けず、若干冷めている自分を感じながら観ていた。
言ってみれば「連れて行ってくれなかった」ということかな。
しかし、テンポの良い(良すぎる?)会話と、意味の分からない言い回しについて行けなかっただけかも知れない。いや、多分そうだ。
それが、映画に入って行けなかった理由、じゃないかな…。
ということで、きっと素晴らしい映画です。
若者に何が残せるかを考える。
月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好き。
専門的過ぎないライトな紹介を心掛けています。
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若さ故、大人の苦労など何も見えない17歳の若者アンガスと
長年、金持ちのバカ息子ばかり相手にしているうちに
すっかり彼らを見下すクセが身に付いてしまった中年男性ハナム先生。
表面的にはどちらもちょっと問題ありの2人に
シングルマザーで、一人息子が戦死したばかりの黒人女性メアリーと言う
社会的にも境遇的にも彼ら2人とは違う第三者が加わって過ごすことで
少しづつわかり合い、ちょっと凝り固まっていた大人も
実は問題を抱えている若者も共に成長して行く。
派手な出来事が起こる訳ではないけれど
若者にも大人にもぜひ観て欲しい映画です。
ぜひ劇場で〜〜
教師と学生の成長の映画では
「グット・ウイル・ハンティング」
「今を生きる」とか
教師では無いけれど大人が学生に
影響を与える作品として
「センス・オブ・ウーマン」とか
その手の映画を思い出しました。
ただ、この映画は、それらの以前の名作と違って
明らかに効いているのは
見事に米アカデミー賞で助演女優賞を受賞した
ダバイン・ジョイ・ランドルフさんが演じる
メアリーの存在。
映画の時代の設定が1970年代。
裕福では無い階層の黒人女性のメアリーが1人で子供を育て、
その子は優秀だったのに、大学へ進学する資金が足りず、
徴兵に応じれば帰還兵には奨学金が与えられる制度を
利用するために戦争に行き、呆気なく戦死。
名門私学の学生寮で働くメアリーの目の前で、
ロクデモ無い金持ちのバカ息子たちが
親の金やコネでホイホイ進学してゆく。
友人のホームパーティーに招かれた夜、
息子を思い号泣するメアリー。
流石にその姿は反抗的な若者のアンガスにも
学生達を斜めにしてきたハナム先生にも
世の中の理不尽さや人それぞれの苦しみ悲しみを
思いやる心が生まれてくる姿を大袈裟でなく、伝えてくる。
一見、変わり者だったり、堅物だったりしても
人は何かしらの事情を抱えており、
それ故に、そんな言動になっていることを
思いやる心の余裕がいかに大事な事か〜〜
映画の後半、ボストンの博物館で、ある展示物を前に
盛り上がるアンガスとハナム先生。
アンガスは事情があって今は会えない父親との良い思い出に
ハナム先生との楽しい会話が重なって多幸感あふれるシーン。
後の展開を思うと、このシーンの欠け替えの無さに
改めて泣けて来てしまいます。
人生の後半、私も若者に何が残せるのか、
少しづつでも考えて行きたいと思った一作でした。
ジアマッティの斜視って演技?
「多くの人にとって人生は鶏小屋のはしごだ、クソまみれで短い」とか、「セックスは99%の摩擦と1%の好意だ」とか、「人間の形をした陰茎癌」とか、名言(笑)の詰まった作品。それぞれに孤独を抱えた嫌われ者、厄介者、社会の低位にある者。人には触れられたくない秘密や言いたくない過去が明かされる展開を通じて、世間から取り残された空間で反発と融和を重ねながら、信頼に足る関係性を築いていくさまがじんわり沁みる。
1970年目前のクリスマス期間の物語を70年代テイストで描いていて、ベトナム戦争や当時の人種差別を背景とした時代の空気感はある程度の知識を前提に想像できるけれど、アレクサンダー・ペイン監督の作品は米国の土地勘もけっこう必要とされる。ニューイングランドとかボストンとかの位置もちゃんとわかってない自分自身がやや残念…。
弱者たちの連帯
2023年。アレクサンダー・ペイン監督。1970年冬。アメリカの有名私立校のクリスマス休みに実家に帰らないことになった生徒と、その監督教師との数日間。決して分かり合えないお互いの事情や過去を少しずつ知り、自分の考え方を相対化し、大切なことに気づく奇跡のような時間。
内容的には、時代設定からしてノスタルジー満載。世界に希望を持たなくなった教師が、職をなげうってまでも生徒を助けるラストシーンに、人生を賭けられるものを見失っている大多数の大人たちは感動するだろう。「私に人生を賭けられるものを教えてほしい」。まっとうなことを考える人ほどうまくいかない世界(教師も生徒も鬱の薬を飲んでいる)に対して、涙ぐましく抵抗するという側面もある。弱者たちの連帯。主要登場人物たちの会話の場面での嫌味や皮肉や嘘(特に教師)は、典型的な負け犬の遠吠えであり、それが知的な要素を含んでいるのが楽しい。知性とは弱者による抵抗の手段だったのだということを思い出す。
映像的には、70年代の街や建物や車や服装をなにげなく映像で表現しているが、実はこれは大変なのではないか。特にボストンの街の描写があるが、CGだとしたらすごい。
尊敬できる大人と出会うこと
上映時間2時間以上、たまらなく幸福でした。
映像、音楽、脚本、役者、全てが見事に重なってそこに生きる人々の悲哀、喜びを丁寧に紡いでいた。スクリーンから慈しみの粒子が溢れ出ていた。優しさ、浴びまくりました。
子供のうちに、自分を叱り、認め、守り、時に共にふざけてくれる、そんな大人と出会い心通わせることの尊さ。
師を見つけることが、そして誰かの師になれることが、どれほど人生を豊かにするか。人生における喪失や孤独とその救済を、奇をてらうことなく、静かに、優しく、真摯に描き出した良作でした。きっとまた観たくなる。
あと、蒸し暑い夏にクリスマス映画をスクリーンで観れるという喜びもありました。上映館減ってますが、ぜひ映画館で観てください!
丁寧で温かく美しい
3人の人間性と関係性がものすごく丁寧に緻密に描かれて、決して完璧なキャラクターたちではないのに見終わったら3人とも大好きになってる。
特にメインの先生と生徒にとって、この二週間を経て人間的に成長したのか?と言われると、そういうわけでもない気がするが、確実に人生史に残る重要な日々になっただったんだろうなと思う。それを垣間見させていただいた感じ。
不人気な教師、問題のある生徒、ただの使用人、という一面しか見られない普段の生活では、知り得ない部分を知り、新しい一面も決して良いものばかりではないが、奥行きが増していき、受け入れ合っていき……
そして最後………
ああうあああうしぇんしぇええい…(胎児化)
なんかもうなんか…なんかすごい良い映画見たわ…
古き良きアメリカ 生真面目な教師と問題生徒
スルーする気だったけど評判いいから観てみました(笑)
結末は、途中で予想ついたんだけど、ほぼ予想どおりだった(笑)
いい映画だったけど、あまり好みじゃない(笑)
一般的にはウケると思います。
音楽も良かったです。
文句っぽい事を書いたけど、もう1回観ようかな(笑)
しんみり泣けるいい映画
ドラマチックな要素もそんなになく、エネルギーを使わずにいい映像といい演技を観れるいい映画。
登場人物の言葉一つ一つにその人の孤独感が現れてて、しんみり泣けるのは俳優の演技が光ってるからだと思います。
またいつかみたいです。
孤独と連帯の中に見る教育の本質
古き良きレトロな映像とテンポ感、辛口のユーモアが交錯する近年のアメリカ映画の名作です。この作品は、観る者に深い感動を与えると同時に、教育の本質について考えさせられる魅力があります。
ニューイングランドにある高校で繰り広げられる物語は、諸事情によって残ることになった3人の孤独な人物たち、古代史の非常勤教師、退学経験のあるトラブルメーカーの生徒、そして学校の料理長が中心です。家族団らんの季節に孤独を抱える彼らが過ごす時間は、時にほろ苦く、愛しく、おかしく、そして感動的です。
境遇の異なる彼ら3人の物語は、人間の奥深さを感じさせます。それぞれが抱える孤独や悩みが、互いに影響を与え合うことで少しずつ解きほぐされ、観客にじんわりと染み入る優しい映画です。この作品は、「教育とは何か」を問うているかのように感じられます。
教育の場における不平等を描きつつ、教育環境に恵まれた人とそうでない人、それぞれが抱える影に光を当てる物語です。一人ひとりの人間力が、家庭と学校という分岐点からどのように影響を受けているかを掘り下げて描かれており、過去に向き合いながら未来へとポジティブに向かう姿が描かれています。
この映画を通じて、孤独な3人が互いに影響を与え合いながら成長する姿が、教育の本質を浮き彫りにしています。教育とは単に知識を教えることだけでなく、人間関係や感情の交流によって成り立つものであるというメッセージが強く伝わってきます。このノスタルジックな映画は、過去を見つめ直しながら、未来へと希望を持って進む力を与えてくれる作品です。
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は、孤独と連帯の中にある教育の本質を深く考えさせる作品です。それぞれのキャラクターが織り成す物語は、観る者に新たな視点を与え、心温まりました。
なぜ今、70年代の学園もの映画?
映画館には観客が沢山いました。アメリカ合衆国本国でも評価されているようなんですが、なぜなのか私はわかりませんでした。背景が現在でないことは生徒たちの外見や部屋の雰囲気や所持物でわかったしテレビ番組で明らかでした。70年代、それも前半。当時の社会政治背景が殆ど描かれていないこと、何故今、そういう映画を作るのか、それによりどんなメッセージを送りたいのか全くわかりませんでした。ノスタルジー?こういう先生がいた時代の学校ってよかったね?
その頃まだ大人でなかった自分でも、当時はベトナム戦争、大人世代と戦後ベビーブーマーの価値観がぶつかり合った時代、今やっと浸透してきた自然保護・エネルギー問題、LGBTQ、結婚のあり方への疑問などの考え方の芽が出てきた時代、若い人達等による異議申し立てがアメリカだけでなくフランスでもドイツでも日本でもイタリアでも同時多発的に起こった時代だったとざっくりとですが理解しています。
ポール、アンガス、メアリーのそれぞれの家族、親、個人の問題もクリスマス休暇を通じて気持ちが通じ合い成長するという物語そのものには文句ありません。
誰もいないクリスマス休暇中の寄宿制私立男子校を舞台にし学校に残ったいわば隔離された3名を巡るお話。その舞台設定は外の世界や現実社会の諸問題を排除、といって悪ければきれいに漂白するにはうってつけだったと思います。
この暑い時期にクリスマスの讃美歌で始まる映画を公開するのはいろんな事情があったのかとも思いましたが、映画祭でも8月に上演、合衆国公開も10月末のようでした。気候が世界的に変動しているからなんでしょうか?昔から世の中変わってないんだよ。富める親の子どもは学校でも優遇され勉強をしなくても卒業できていい大学に進学し親のコネでさらに富を増やす、そういう仕組は昔から続いているんだよ、その証拠が現在の有り得ない程の富の格差だよ。わかった?受け入れましょ!と言いたかったんでしょうか?
新人には目を輝かせます。アンガス役のドミニク・セッサは今後が楽しみです。
おまけ
ベトナム戦争の時代だからこそ、せめて学校生活では自由に平等に、そして学問、特に歴史の大切さをポールが訴えるようなシーンありましたか?もしそうだったらごめんなさい。寝落ちしていた可能性高く記憶にありません。
居残りsavage
寄宿学校のクリスマスの物語と言えば、エーリヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」を思い出さざるを得ない。あちらはドイツのギムナジウムの話だが、再読するたびに毎回号泣してしまう。主人公のマルティン君は本当に健気で良い子で、一方この映画のアンガス君はかなりの荒くれ者、社会規範に従う気はさらさらない(のちにその家庭的な背景が明らかになってくるのだが)。なので、その行動にはついていけないところも多々あるが、それでもラストはちょっぴり泣いた。
ポール・ジアマッティの斜視はどうしたんだろう?「教場」の木村拓哉の義眼みたいにコンタクトレンズを使用したのだろうか。
24-069
1970年のクリスマス休暇が舞台。
寄宿校に残された生徒と先生、学食のチーフが共に時間を過ごすことで心に隠れていた弱さや苦悩、秘密を分かち合う。
大人も子供も誰しも周りに生かされて支え合っているぎこちなくても次第に心と心は通い合う。
終盤に向かってそれぞれの話し方や相手を見る目が敵対的なものから信頼のようなものに変わっていく。
ノスタルジックで良い映画でした😊
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