劇場公開日 2024年6月21日

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価

全277件中、1~20件目を表示

4.5世代や立場を超えた魂の触れ合いから生まれる希望

2024年6月22日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

5.0留学中の記憶を刺激された

2024年8月31日
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鑑賞方法:映画館

疑似家族関係を描く秀作。クリスマスシーズンに全寮制の高校で、帰る家のない青年と、家族のいない教師、ベトナム戦争で息子を失った寮の料理長が束の間のホリデーをともにする。生徒は生意気な問題児だった。ことあるごとに教師にぶつかる。教師の方は気難しい性格で、生徒たちから嫌われている。ホリデーシーズンにも関わらず、寮での生活を厳しくルールで縛ろうとする教師に生徒はうんざりするが、料理長が緩衝材となっていって、打ち解けていく。
アメリカ人にとってのクリスマスシーズンは家族の時間。家族を持たない人はその団らんの輪を築けない。団らんの輪を築けない人同士がちょっとデコボコした輪を築く物語だ。筆者もアメリカ留学時代、その空気はちょっと体験した。学生はみなクリスマスには実家に帰るが、留学生はわざわざ帰らないので、クリスマスは孤独になる。やることなく手持ち無沙汰で一層の孤独感を感じたものだ。
クリスマス映画として異色の作品だと思うのだけど、誰にとっても大事なことが描かれていて、心が温まる素晴らしい作品だった。

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杉本穂高

4.5前向きなノスタルジーの成果。

2024年6月30日
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1970年代というのは、映画でもポップ・ミュージックでもある種の黄金時代であり、ノスタルジックな憧憬の対象で有り続けている。ソダーバーグ、リンクレーターあたりに顕著だと思うが、アレクサンダー・ペインが70年代趣味を全開にしてきたのがこの作品。音楽のチョイス、映像や編集のスタイルなど、形から入れ!とばかりに、もう70年代にできた映画ですと言われても信じそうになるくらい、細部まで時代性を表現している。デジタル撮影なのに、35mmフィルムの上映用プリントまで作ったのも、監督の強いこだわりの現れだろうう。

じゃあ、ただの形式主義かというとそうではなく、70年代的なルックが、特に新味があるわけではないけれど、繊細で沁みる物語にピッタリあっている。というのも、ペインが参照している70年代が、しっとり、かつ飄々とした70年代ヒューマンドラマだから。アルトマンみたいに尖っているわけでもニューシネマみたいに抗っているのでもない。ハル・アシュビーとか『ペーパー・チェイス』とか『ヤング・ゼネレーション』とか、今では滅多に見られなくなった地味だけど愛すべきタイプの映画が、この時代にも価値を持つと信じているからこその、前向きなノスタルジーの成果なのではないだろうか。

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村山章

4.5いい映画を見た、と幸福な溜息が出た

2024年6月30日
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鑑賞方法:試写会

本作の序盤、寄宿学校で暮らす人々の関係性は不協和音に近いほどギクシャクしている。なかなか素直になれない。身の回りのすべてに反発する。あえて他者と距離をおく。自分は嫌われ者だと高を括っている・・・などなど理由は様々。彼らは家庭がとびきりの温もりに包まれるクリスマスシーズンにも帰省できない人たちなので、よっぽどの事情があるのは明らかだ。そんな「ワケありさん」たちが、誰もいなくなった学校で、まるで擬似家族にでもなったかのように過ごす数日間。最初はしょうがなく、しかし途中からは本心で、苦笑いを浮かべながらもぎこちなく、ありったけの心を持ち寄り始める姿がなんとも胸を打つ。自分のことだけで精一杯の意識にふと「他者のために」という気持ちが芽生える時、人は誰もがルビコン河に挑むカエサルになりうるのだろう。そうやって人生は押し開かれていく。監督によるジアマッティの演出が相変わらず冴え渡った至福の一作である。

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牛津厚信

5.0誰もがどこかで感じている"置いてけぼり感"

2024年6月23日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

悲しい

人生のレールから逸脱した人々にもひとかけらのプライドがあることを描かせて、今のハリウッド映画では右に出る者がいないアレクサンダー・ペイン。その最新作も期待通り、皮肉と優しさとユーモアに満ちた作品になっている。

その厳しすぎる性格から生徒からも同僚からも疎んじられている教師と、母親に見捨てられた男子学生と、息子をベトナム戦争で亡くした料理長。以上、3人の主要キャラには同じ寄宿学校の住人という以外に何の共通点もないのだが、たまたま、クリスマス休暇で誰もいなくなったキャンパスで共に過ごすうちに、互いの心の奥底に同じ傷を隠していることに気づいていく。でも、ペインは彼らが傷を癒し合う話にはせず、絶妙の語り口で矛盾だらけの人生を生きることの悲しさと可笑しさを同等に配分して、温かみのある後味を残してくれる。こんな贅沢な時間は滅多にない。

ポール・ジアマッティ、ドミニク・セッサ、ダバイン・ジョイ・ランドルフが醸し出すケミストリーも芳醇だ。"置いてけぼりのホリディ"という日本オリジナルの副題が、誰もがどこかで感じている置いてけぼり感を言い当てていて、なんかこう、今の日本人にピッタリの映画であり、副題だと思う。

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清藤秀人

3.5良い映画

2025年3月2日
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鑑賞方法:VOD

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楽しい

こういう映画は好物なので。
ある程度予想のできる王道展開だったとはいえ嫌な感じは全然しなくて、ユーモアも自分に合っていたし、淡々と進んでいくストーリーも良かった。少し長く感じたけどラストも良かったです。

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七味唐辛子

5.0教師の仕事

2025年2月27日
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アメリカでのクリスマスの意味は大きいんですね
教師は大変だなぁ
楽しめました

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alextm

4.5良い作品でした。

2025年2月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

全くどんな作品なのか分からず観ました。
誰かに悩みを聞いてもらえるだけで、
誰かがそばにいてくれるだけで、少しでも心が
楽になるなら、そんな映画です。

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マイタケ

4.0男前になる

2025年2月21日
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鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

主人公(ポール・ジアマッティ)は頑固で偏屈な全寮制学校の先生、クリスマス休暇で一人だけ寮に居残った生徒(ドミニク・セッサ)のために当直をこなすことに。
まかないのおばさん(ダバイン・ジョイ・ランドルフ)と三人で少しずつ人間関係を作り上げていく。
登場人物の人生はすべて波乱万丈、せめて未来のある若者だけは・・・。
心が次第に絡まっていくのは、観ていてほっこりする。

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いやよセブン

4.5切ない

2025年2月17日
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鑑賞方法:TV地上波

切ないけどジーンとするストーリーです

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ニックネームは考え中

4.0人に近付くことは地雷を踏み抜くこと

2025年2月10日
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鑑賞方法:VOD

幸せ

1970年代ボストン。
アメリカでも屈指の古い都市であり、保守的な考えが強い場所。
そんな場所だからバートン校も結構締め付けの厳しい学校なんじゃないかな、と。
ベトナム戦争の爪痕も生々しい時期だけに「君たち生徒は恵まれている」という言葉も重い。

そんな中、クリスマス休暇に寄宿舎に残った変な組み合わせの3人。
お互いに親しいわけではなく、教師と生徒は敵対的と言っても良いほど険悪。

アメリカのクリスマスは、恋人と家族の違いはあるが、日本と同様に孤独感を感じやすい季節。
共に過ごす家族が”いない”という事実は、日本よりも淋しく、自尊心を損なうものなのだろう。
反目し合いながらも、クリスマス休暇を過ごす中で、クリスマスという許しと親切の季節が不器用ながら少しずつ対話を重ねさせる。
作中で教師と生徒は、時に父子、時に叔父甥と偽る。
周囲から見れば、それはそのように映るのかもしれないが、一時として彼らは教師と生徒以上の関係にはなっていない。
2人にとってはどこまで言っても嫌な教師と愚かな生徒でしかない。
しかし、対話は触れられたくない事実と明かした事情を引き出し、お互いの美徳と敬意を払うべき高潔さを見出していく。
互いの幸運を真摯に祈れる関係にまで昇華していくのは非常に尊い。

「立派ではないが、聡明である」

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昭和ヒヨコッコ砲

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年2月5日
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猫柴

5.0"最高!"の一言に尽きる

2025年1月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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幸せ

初ミニシアター

宇多丸の受け売りだけど、これほど尊く崇高な映画を観たことがない。

言葉の使い方が非常に巧みで、例えば"我々だけの話(アントルヌー)"や"バートン男子"、"キャンディケーン"など、アンガスとハナム先生の間だけで使われる言葉が度々登場するが、それらの使い所がオシャレすぎて感服する。
加えて終盤ハナム先生が校長に対して口にする"人間の形をした陰茎癌"はピカイチのセンスにコミカルさも相まってすごく笑えた。
これらのユニークな言葉を巧みに使いながら、ラストシーンでハナム先生がアンガスにかける言葉は"頑張るんだぞ、君なら大丈夫"というなんとも普通で気取らないありきたりな言葉。
真に大事なことを伝えるときは、カッコつけずまっすぐに伝えるというメリハリのある台詞遣いがたまらなく良い。

実際にバートン校の演劇部に所属するドミニク・セッサの演技には脱帽。
声質が非常に耳心地よく、表情の演技も素晴らしい。
ポール・ジアマッティの過去作で最も印象に残っていたのは"アメイジングスパイダーマン2"でのライノ役だったが、これほど素晴らしい演技ができる役者とは知らなかった。
アカデミー主演男優賞はキリアン・マーフィーではなく彼に贈られるべきだったとさえ思う。

音楽や映像からもレトロな雰囲気が敢えて醸し出されており、70年代の古き良きドラマ映画が現代に甦ったかのような感覚に陥った。

間違いなく映画史に残る大傑作!

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Alejandro Gillick

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年1月25日
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楽しい

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mui

4.0ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ

2025年1月25日
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鑑賞方法:VOD

2025年1月25日
映画 #ホールドオーバーズ #置いてけぼりのホリディ (2023年)鑑賞

全寮制の男子高校で、クリスマス休暇に居残ることになった1人の生徒と嫌われ者の中年教師と料理長の女性職員が、最初は反発しながらも少しずつ心を通わせていく

クリスマスを家族で過ごせない人の孤独は深いんだな

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とし

4.0恵まれた環境の満たされない子ども

2025年1月25日
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泣ける

知的

幸せ

ベトナム戦争後のアメリカの、全寮制の寄宿学校が舞台。
クリスマス休暇に家に帰れないという、日本のクリスマスに恋人がいないということより
よっぽどみじめな気持ちにさせられる子どもたち。
金持ちの息子だから、物理的に満たされている分精神的にほっとかれている感じだ。
インターネットもない時代、素敵なものを見たりやりたい気持ちが強い。

何を美徳とするか。何を教えるのが良いか。
先生の最後の選択に痺れる。

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かやは

5.0教育とは何か

2025年1月25日
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泣ける

楽しい

幸せ

ハートウォーミングな教育モノかと思いきや各キャラクターのバックグラウンドの奥行きがすごくてストーリーに深みを出している。傷ついてきた人たちが、お互いの関わりによって少しずつ癒やされていく様が見ていて心地いい。人生とは何か、教育とは何かを問いかける作品。ラストが好きすぎる。毎年クリスマスに見たい。あと主演の男の子市川実日子に似てるよね。オシャレな顔です。笑

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れい

2.5もうちょっとリアリティを

2025年1月23日
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いい話作る気まんまんなんだよなー。だってこのポール・ジアマッティ、この程度の嫌味とユーモアならそこまで嫌われないし、もし仮に学期中はわざと嫌なヤツ演じてたとしても、こんなに心根が良ければそこまで毛嫌いされるような人間にはなれないでしょ。全編に漂う空気がウェイン・ワンのスモークに通ずるいい映画ですよ感。若き日に見たスモークが感動的にいい映画だったなーと十分年取ってから見なおしてみたら、何とまあ感傷的なお涙ちょうだい映画で愕然としたように、これは会社の若い子にスゴイ良いですよ、とすすめられたのです。彼女も20年後に「わーなんだこの映画湿度べったべた」って思うのかな。

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三毛猫泣太郎

3.0勧善懲悪でないあたりが本作の魅力か

2025年1月22日
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鑑賞方法:VOD

個人的にはあまりアンテナにかからなかった作品だったが、第96回アカデミー賞5部門ノミネート助演女優賞受賞ということで鑑賞。
観てみて、景色や街並みはきれいに撮れていたし心洗われる優しいストーリーだったしでとても良い作品だとは思ったが、アカデミー賞作品賞ノミネートというわりには結構普通過ぎな印象。良い意味でも悪い意味でもあまりクセがなく、優等生的にも映るし、反面物足りなくもある。
とはいえ、本作がもっと解りやすい勧善懲悪的に創られていたならば、ここまでの評価はなかったのかも知れない。

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いけい

3.5忘れられないホリデー

2025年1月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

最低?最高?
どちらでも無いけど、
忘れることのないかけがえのないホリデー。

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