Hereのレビュー・感想・評価
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それで、なんて名前なの?
はじめに言っておくと、エンドロールのスタイルが同じなのに疑問を持って公式サイトで確認するまで、「ゴースト・トロピック」の監督だとは気づかなかった。たしかに、同じブリュッセルが舞台だなとは思ったのだが。そして同じようにゆったりしたテンポの映画だなとも思ったのだが。
結局は、最後の最後に、鮮苔学者の彼女がオバサンとするやりとりが肝なんだろうな。誰も見向きもしない苔の名前をあれほど知っているのに、彼の名前は知らなかった。それは、聞こうともしなかった、興味もなかった、ということ。いや違うのよ、と弁解しても。まあ、そのことを、研究に没頭してしまったがゆえ、と微笑ましく思えるところが彼女の魅力のような気もするが。
ブリュッセルに住む男性、住まいを引き払って郷里に戻ろうと、友人らに...
ブリュッセルに住む男性、住まいを引き払って郷里に戻ろうと、友人らにスープを配って回り。
森の中を徒歩中に出会った女性:生物学者と、苔の観察に夢中になる様子。
映像の使い方が鮮やかで・・・
森の木々や、木漏れ日、朝焼けや夕陽の彩り、など。
何気ない散策路でも、丁寧に観察すれば気づくことはあるよと、教わったような印象をいだきました。
ささやかなるものたち
見過ごされそうなものに目をやり、価値を見い出すという、バス・ドゥボス監督の優しく温かい視点が表現されていました。
シュテファンという男性がとてもチャーミングに描かれているのも、この映画の魅力です。
いつも半ズボンなのは「もう仕事やめて自分の国に帰っちゃうもんね!」という気持ちの表れなのか、意固地なほど半ズボン(笑)
冷蔵庫の片付けでスープを作り、知人に挨拶がてら配って回るという人間力にも参りました。なんて可愛いのでしょう。
本来彼はこうして丁寧に人間関係を紡ぐ繊細さがあるにもかかわらず、厳しい労働ですり減って疲れてしまっているのですね。
笑みがこぼれる素敵なラストにも注目。ぜひ映画館で味わっていただきたい作品です。
Here ヒア 不思議な映画。ゴーストトロピック同様、日常を描くが...
Here ヒア
不思議な映画。ゴーストトロピック同様、日常を描くがのがとてもうまく早い段階でこの優しい日常に自分も参加してしまっている。
その中で徐々に苔類の世界へ、二人の恋愛へと徐々に興味を優しく移り行かせてくれる不思議な作品であった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 コット、はじまりの夏 4.7
3 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
4 アクアマン/失われた王国 4.5
5 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
6 異人たち 3.7
7 ミツバチと私 3.6
8 僕らの世界が交わるまで3.0
9 弟は僕のヒーロー 2.8
10 ジャンプ、ダーリン 2.5
11 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
12 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
13 哀れなるものたち 2.3
14 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
15 ゴースト・トロピック 2.2
16 葬送のカーネーション 2.2
17 Here ヒア 2.1
18 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
19 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
20 VESPER/ヴェスパー 1.5
21 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5
なんか、新しい形の映画ができた感じ 音、画、カメラと被写体の位置関...
なんか、新しい形の映画ができた感じ
音、画、カメラと被写体の位置関係、
俳優さんたちのたたずまい、
場面場面の繋ぎ方、
全てが魅力的
監督が「ストーリーなんて実はどうでも良いんだ」と言っていたのが印象的
受け手の思うままに感じ取ってくれればそれで良いと思うような監督に対して、
的外れな筆問があったのが、ちょっと申し訳なかった
穏やかにして緩やかな波紋。
植物のたくましい生命力や安らぎの一方で、人との触れ合いや関係性の複雑さを、場面変わりの直前の余韻とともに仄かに描く。
手を差し伸べ、相手の手をかたく握り、相手の身体を引き上げる。一方はその支えを信じて、立ち上がるために身を預ける。この一連の所作に希望を感じられる。
只そこにある自然
《Here》
建設労働者ステファンはベルギーを引き払いルーマニアに帰郷しようと冷蔵庫を片付ける為に作ったスープを友人達に配る。森で出会った食堂の中国系看板娘は"苔"の研究者。草木のざわめきを聴き驟雨にうたれ自然を"畏怖"や"敵"ではなく"只そこにある"ものとして描く"何も起こらない映画"大秀作🌿
ゴースト・トロピックと共に人物が"横向き"で画面の外に対するカットが興味深い。"映っていない"人との会話、"映っていない"出来事からの影響。静かに淡々と進む作品でありながら居場所に安住するわけでなく"ダイナミックな"外部を感じる。"只そこにあるだけ"の自然には到底敵わない。
日本初公開の バス・ドゥボス 監督と主役の リヨ・ゴン さん登壇。監督の作品の作り方として"作り込むというよりその場で何が起こるのかを愉しんでいる"という発言を伺い、今後注目したい監督リストに入れさせていただきました✨
#Here
#ゴースト・トロピック
苔は小さな森
小学生の頃、ゼニゴケにハマって家にある鉢植えや花壇にゼニゴケを見つけて来ては移植していたことを思い出した。
確かに森だし、ゼニゴケは無人島のジャングルみたいだった。
多くの人は、大人になって足元の苔なんか視界に入らなくなっている。
苔の研究をしている彼女に出会って
忙しない日々を過ごしているうちに見えなくなっていたものを思い出し、彼はこの地にどんな種を蒔き、育てていくのだろう
バス・ドゥヴォス監督がコトコトと煮込んだ穏やかな愛情のこもったスープのような映画
この映画もゴースト・トロピックも、私にとても心地よいテンポだった。
次回作が待ち遠しいと思える監督に出会えてよかった。
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