「とばっちり彼氏君がひたすら優しい映画」サウンド・オブ・サイレンス Lymanさんの映画レビュー(感想・評価)
とばっちり彼氏君がひたすら優しい映画
修理大好きパパが、呪われた骨董品ラジオを直しちゃったばかりに家族が怖い目に遭うお話。
夜9時半からは絶対に音を出してはいけないルールが発動し、音を立てると激おこ幽霊が襲ってくる仕組みです。
しかもこの悪霊は男性の体を乗っ取ることができ、乗っ取ると音を出さずとも物理的に襲えるようになるぞ、ひえ~!
と、序盤はシンプルながらホラーを純粋に楽しめましたが、シンプル過ぎてすぐ慣れてしまうのが難点。
加えて悪霊氏の見た目がしっかり人間で、しかもそこそこカッコイイので…なんか思ってたのと違う…w(おどろおどろしさ0。☆-1)。
シナリオ展開もド直球の王道路線(幽霊!→原因探索→解決!)で、拗らせた思想や小難しい設定もない為、THE初心者向けホラーという印象です。
決してチープすぎるって程ではなく、怖がりな友人とも程よく楽しめるタイプの作品でしょう。
ホラーマニアにはお勧めしません。
「Sound of Silence」というタイトルや“静寂と音”をテーマにしたホラーなのに、結局糞デカSEでビビらせてくるスタイルはちょっと失笑…(☆-1)
以下【ネタバレ】含む
捻りなし…と思いきや、ラストに妙な展開が。
家族は無事ハッピーエンドを迎えるのですが、問題のラジオはゴミ捨て場からチャリパクオジサンに盗まれてしまいます。
ここからオジサンが痛い目を見てスカッとするのかと思いきや、即骨董屋に売ってフラグ回避。
じゃあ可哀想にも骨董屋の店主が餌食に?…と思いきやここも回避。
ところが店に届いた別の骨董品の絵画に新たなナニかが憑いており…という形で幕切れでした
……え、これは何?
今作と関係ない話が始まって、まるで次作への予告編みたいな終わり方でしたが…。
でも驚かせ方がラジオ霊と全く同じで、正直これを続けるほどのポテンシャルは感じられませんでした(☆-1)。
どうせ尺やアイデアが余っているなら出し惜しみせず、舞台を骨董屋に移して古今東西呪いのアイテムたちが様々なルールで襲ってくる「ホーンテッド・アンティーク・ショップ」にでもすれば良かったのでは…?