劇場公開日 2024年5月10日

「人類愚民化計画」猿の惑星 キングダム レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人類愚民化計画

2024年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

猿の惑星のオリジナルはすでに人類が知性を失っていて、猿が地球を完全支配していた世界。今回のトリロジーはいまだウィルスに感染してない人類の生き残りと知能が上がってきている猿たちの戦いを描こうというのかな。これってまあ、ターミネーターみたいなもんだね。人類が自分たちより知能が高い相手から攻撃を受けて戦うという筋は。

現時点では地球上人類に対抗できる知能を持った生物は存在せず、たいてい敵は宇宙からの侵略かAIというのがパターン。このシリーズは猿が進化して人類の脅威となるというもの。同じ知的生命体同士、戦い合うのかそれとも共存共栄を目指すのか。やりようによっては面白くなるのかも。解釈しようと思えばいくらでも解釈は膨らむ。せっかく人類のように知能が高くなった猿たちが、人類と同じように支配欲、権威におぼれて他部族を襲い支配しようとする姿はまさに猿真似という言葉が示す通り皮肉な物語だ。人類と同じく彼らも愚かな歴史をたどるんだろうか。
前トリロジーの主役のシーザーをキリストのようになぞらえて彼の教えを自分たちの都合のいいように解釈して権威に利用するなんて人類そっくり。

そして今作は新トリロジーの一作目だけど、おそらく二、三十分くらいで語れる内容を二時間以上に引き伸ばしてるから、まあ展開は遅いし、内容がないこと。
端的に言えば一人の若者が苦難を乗り越えて一人前の鷹匠になってゆく物語だけど、正直退屈過ぎて次第にストレスが溜まってきて神経伝達物質の放出が抑制され神経細胞間での情報伝達が阻害されて脳の機能が低下していくのが分かった。こうやって人間の知能を下げて、猿たちは地球を乗っ取ろうというのだな。三部作というからにはすべてを見終わったら人間はあっぱらぱーになって地球侵略完了というわけだ。そうはいかんぞ、まず次の作品は見ることはないだろうから。

前回のトリロジーも内容ほとんど覚えてないくらい印象が薄かった。あらためて今回、新トリロジーって、どんだけ猿の惑星好きなんだろ。正直見る気なかったけど時間調整でやむなく見たら予告編から想像してた通り、何一つ印象に残るものがなかった。

この作品を見て得られるものが何一つなかった。しいて言うならCGはすごいねえというくらいかな。確かに猿のCGは完璧、「ジュマンジ」の頃と比べようもないくらい。そして猿のCGもすごいけど、人間のCGもよくできてたねえ。あの女の子はほんと本物かと思うくらいよくできてた。馬もCGだろう、多分。
でもCGがよくできてると逆に見ていて飽きてくる。ジュラシックワールドシリーズも見てるうちに恐竜がただのでかいトカゲにしか見えなくなってくる。

やはり配信で十分だったな。

レント