劇場公開日 2024年12月20日

「簡単なようで難しい」型破りな教室 ひろさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0簡単なようで難しい

2025年2月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

授業のスタイルとしては、ここ何年か重要視されている「考えを促す教育」で、真新しいものではなかった。
各々が興味を持った点を深掘りし、合った学び方を教え、後は生徒たちが学んでいくのを待つ、特別なものではないが、実践するのは思った以上に難しい。
特に、どこまでは自主性を重んじ、どこまでは教え導くべきなのか、曖昧な境界線に教師フアレスも悩んでいた。
その葛藤は、生徒の死によって、より強いものとなってしまった。
通学路に死体が並んでいて、銃声が飛び交う日常で、自主性を重んじる教育なんて間違っていたのではないか。
無理矢理にでも武器を奪い、リスクを避けるべきではなかったのか。
前職で、様々な家庭と向き合う中、子どもの気持ちを尊重したいという気持ちと、保護者が言うように今後の人生を第一優先にルールで規制するべきだという考えに悩んだことを思い出した。
日本と今回の舞台メキシコでは、状況が大きく異なるが、やはりどのような環境でも子どもたちにとって教育が大きな影響を与え得ることは変わらない。
正しい知識を基に、不必要なリスクを取り除き、必要な経験をさせることが、教育の中で確立し、その上で環境に応じた手法に発展していくことを願う。

ひろ