「『いまを生きる』他の作品との共通性」型破りな教室 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
『いまを生きる』他の作品との共通性
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一番イメージが近いのは、『いまを生きる』であろう。教師が机の上に立ち上がったり、様々な働きかけをして、子どもたちに既成概念から脱却するような発想ができるように仕向け、管理職や同僚、保護者から睨まれ、子どものなかから死者を生みだした挙げ句に職場を追放されるところまで行く。同じ中央アメリカの貧困な環境で生活する『マリア怒りの娘』のような状態があり、『泥の河』に出てくる子のように、学校の外から羨ましそうに覗き込む子がいたり、『人間の壁』に出てくる子のように、家庭で子守をしなければならないために学校に通えない子がいたり、『宙わたる教室』のように、科学に興味をもち、自分たちで工夫して実験装置をつくり上げる子がいたり、悪い環境から抜け出そうと藻掻く子もいたり、『みんなの学校』のように、助け合いの日常生活の積み重ねでテストの点数も上がったりする成果を挙げたり、『風をつかまえた少年』のように、学校で学ぶことができなくても、図書館で自分で調べて知識を高めようとする子がいたりするように、つながりが広がっていく。
浮力の原理の発見では、アルキメデスを出してほしかったところだった。
エンディングで、実話に関わる写真で、パロマしか出さなかったので、少し疑問に感じた。命を失ったニコや学校に通えなくなったルペのことを忘れさせないことこそ、仲間の絆が確認されるところではないかと感じたところであった。しかし、その二人は架空の人物であったようだ。それならばせめて、パロマが自分の学力でどんな社会貢献を果たそうとしているかを語る場面があったら良かった気がする。
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