「生きるていくだけでも精一杯な地域での学校教育について」型破りな教室 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
生きるていくだけでも精一杯な地域での学校教育について
日本の熱血教師が活躍する学校ドラマは数多観てきたつもりだが、国が違うと自分の経験で予測できる展開とはかなり違い、全く先が読めなかったところが面白かった。
まさに「事実は小説より奇なり」。
小学生ですでに人生を諦めている子達にまず興味を持たせ、学ぶことの楽しさを教えることが大切なのは誰でも理解しているとは思うが、実際には本人だけでなく親や家族、学校の協力がないと潰されるだけで、相当強い意志や根回し、周囲の協力がないと難しい。
特に貧困と腐敗が蔓延しているマタモロスのような地域では志を持った教師が孤立することは目に見えており、本作の場合は唯一の救いは校長が味方になったことくらいで(日本のドラマだと反対派に教頭がいて、校長は温かく見守るだけだけど)、物語はどういう結末に向かって行くのかと言うより「こうなってくれ」とか「こうならないでくれ」とか祈りながら観ていた。
生徒にはあきらめないように根気と工夫で指導するが、教師も挫折しながらもう一度奮い立たち上がって行く姿が心を打たれる。
そしてテストの成績が出てると子供達は本当に学びたかったんだという事がわかり、文字情報だけなのに涙を誘う。
「型破りな教室」ってなんか「GTO」や「ドラゴン桜」みたいなのを連想させることが目的のタイトルだとしたら、配給会社はそんな小細工をせず、もっと内容に自信を持ってオリジナルのタイトル「Radical」のままでいいと思った。
いまだにPCが来てないってほんとに国や行政自体が腐ってる。
哲学者になりたかった子はなんとかしてあげたかった。
子供達の演技が本当に上手かった。
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