劇場公開日 2024年2月9日

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「どこまでも静かな、しかし感情豊かな映画」瞳をとじて Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5どこまでも静かな、しかし感情豊かな映画

2024年2月11日
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鑑賞方法:映画館

エリセ監督お久しぶりの期待は裏切らず、観客は咳払い一つしにくいほど静まり返って見る映画だが、その緊張にも応えてくれる、どこまでも静かだが、感情豊かな映画である。失踪した俳優を追うシンプルなストーリーのはずが、未完成の映画が絡むことで面白くなるので、なかなか戦略的にもよくできている。現実と創作の中での親子が重なり、愛しさが募る。3時間近くの長尺だが退屈させないのは、さすがである。登場人物の老いの悲しみには監督の老いの寂しさも間接的に感じた。劇中劇の未完成の映画までみたくなる。

Boncompagno da Tacaoca