陰陽師0のレビュー・感想・評価
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山﨑賢人と染谷将太のコンビの続編が待ち遠しくなります
並行している大河ドラマの安倍晴明とは、対極的な爽やかさがあり爽快感のある作品です。
シャーロックホームズの冒険風なところが好きですね。
特に、山﨑賢人と染谷将太のコンビが良く、このコンビが活躍していくところを観たいです。
金色の龍が出てきたので、キングギドラかと思っちゃいました。(笑)
白組のVFXはさすがです。
もしかして・・・次回の国内ゴジラ作品には、キングギドラが出そうですねー。
苦悩と欲望の階級社会
小説については全く知識なしで映画を観ました
原作を知らなくても楽しめる内容です
本作は学生(がくしょう)の安倍晴明が
女王の頼みから始まり
陰陽師たちの陰謀にまきこまれていくストーリー
映画としてド派手なバトルアクションシーンを期待していたが
陰陽師は催眠術的な部分が多い設定なので
精神世界ではそれなりに派手なシーンがあるが
全体的に派手さはない
グロいシーンはあまりないが
序盤に呪いによりカエルが爆散するくらい(これも幻術だが)
本作は平安時代なので
階級社会的な時代背景により
そこで苦悩したりする人物が多い
その中で45歳の学生の人や女王の恋心など
階級社会で苦悩したりする部分がリアルに感じられた
安倍晴明だけは、それに無頓着なので
キャラクター的に尊大に感じる
黒幕は陰陽頭だが
グルになっていた炎の龍を操っていた博士とかは
解説されないとどんな人かまったくわからなかった
殺された人は陰謀のために殺されただけで
女王の頼み事も呪術の触媒くらいでそこまで意味はなかったのはちょっとかなしい
クライマックスの展開は、僕はイヤだが興行的には必要だったんだろうね。
終盤の手前までは純粋に面白い。
基本的に非現実的な魔術など存在せず、すべては人間の思い込みが見せる幻覚だというスタンスの主張が何度もされる。
陰陽師はそれを意図的に引き起こすのだと。
しかし最後のクライマックスでは、人間が宙に浮き、龍が飛び交う、非現実的な現象を起こしまくるのでどういうことかと思っていたら、結局それが全部、別々の場所にいる者まで一緒になって、大勢の心がオンラインゲームみたいにつながって同じひとつの精神世界内に存在して体験していたことだった、で片付けられてしまう。
いくらんでも、そんなことまるで納得できないし、それが許されるなら、もうどれほど突拍子もないムチャクチャな出来事を起こそうとも、あとから全部、精神世界の出来事でしたで済んでしまうので、脚本家にとってこれほど便利な万能のオチはないだろう。
簡単に言うと変則的な夢オチなのだ。
やめてほしかった。
この強引な終盤がなければ、★4つはつけたい面白さだったのに。
でも世間的には、この終盤のような派手なCGのアクションがなければ物足りないと思われてしまうものなのかもしれない。
配役がやけに豪華で、話も面白かった。
主人公の無礼で失礼な、恐れを知らない態度は、貴族に処刑されても文句は言えないレベルだが、観て面白いので良かった。
晴明と博雅はじまりの物語
◯綺麗なVFX
リアル感は薄いが、美しさを意識したVFX。
さすが白組。
◯晴明と博雅はじまりの物語
晴明と博雅の友情を描く。
◯本物の陰陽師"安倍晴明"
安倍晴明だけが本物の呪術を使える世界。
◯意外と心理系
深層心理の世界に入り込む。
◯叶わぬ恋
陰陽師シリーズ恒例の博雅の恋。
△詰め込みすぎ?
博雅の恋が終わったところでお腹いっぱい。
晴明の親殺しの犯人もなんか小物感あるし、
続編に引っ張っても良かったんじゃ?
△呪術?呪?
本物の呪術が使えるのは晴明だけなので、
他の陰陽師は呪(しゅ)という心理テクニックを
使うのだが、これが普通に魔法的に使われており、
本物の呪術との違いがほぼ無いように見える。
晴明の呪術の本物感が引き立たない。
△所々演出が微妙
呪の舞を踊る時に効果をそのまま口に出すのは
カッコ良くない。
晴明のアクションシーンもなんかスローテンポ。
△鬼がいない世界
従来の陰陽師映画とは違い鬼はいない世界観。
美術よし
平安時代も大好き
前回の野村萬斎がとても良い作品でした。
今回は映像も含めパワーアップしてますが、話としては続いているので、未鑑賞の方はぜひ。
今回は、結構現代風にアレンジしたところはありますが、それでも着物は色彩綺麗だなぁと思いました。
そしてお花のヘアアレンジ、とても素敵
冒頭の平安京の説、陰陽師の説明は急ぎながらも楽しくて、もっと続けて欲しかったです
手紙のシーンで思わず泣きました😭
闘うシーンが少なく感じたけど、良き良き
帝役の板垣くん、少ししか出てなかったのに光ってました。ティモシーシャラメ並みの光沢感。今後も出演作品が増えることを期待します
新解釈陰陽師
安倍晴明ものの定番ネタも登場しますが、陰陽師の神秘の世界に、現代的な心理学っぽい味付けがされているのが興味深い新解釈です。
画面は色彩豊かで美しいのですが、CGを多用したきらびやかなシーンが多く、平安時代らしい薄暗い雰囲気とは言いかねる面もありました。
一点、驚いたのが「事実と真実」の話題です。「ミステリと言う勿れ」の名セリフだと思っていたものですから。
こういった気になる点のいくつかを分かった上でも、続編が作られることを期待しています。
呪術ミステリー
都を守る行政機関
律礼国家が生まれて出来た陰陽師。
疫病が厄神なら門を閉じる。
何者かが占い、まじない、こよみを創る。
そんな役職が。
晴明と博雅の関係性が良かった。
二人とも演技が上手。
染谷奨太さんの顔の表情、目の動きは凄い。
また帽子にお花を着けているが可愛い。
山﨑賢人さんの帝釈天のポーズは格好いい。
髪が振りほどいても。また杉元佐一と違って。
『真実は人の数だけある。その人が真と思えば真実。しかしは事実は1つだけある』なるほどなぁと思った。ミステリーと言う勿れでもあった気が。
ナレーションの津田健次郎さんが
『現代語に訳して続けます』
あのセリフと声のトーンで一気に映画に
引き込まれた感じがした。さすがだね。
晴明と声のバティのバランスが絶妙だったので
又観てみたい映画でした。
前作及び原作の陰陽師とは別物
として見るとまあまあ面白い。けど、原作の陰陽師の前日譚って言われたら違和感しかない。単体として見て、これだけの映画として見るなら、まあこういうのもありかなだけど、あの夢枕獏先生の小説の博雅と晴明の若い頃!って言われたら嫌すぎて暴れる。27歳はそもそも若くない。
衣装が「時代考証してこうなりました!」と言う割に「じゃあ他のものは???」ってなるので、都合のいいところだけ自己解釈時代考証入ってんな…感。割と力技のストーリー。唐突に出て来るアクション。そして人間寄り過ぎる晴明。夢枕獏先生に全く関係ない新説陰陽師です!って言われたら、色んな解釈あるよね〜だったけど、関係あります!って言われるともう…勘弁して欲しい…解釈違いです…
名探偵晴明、呪は既に本作にあった。CG陰陽師0点。
瘦せ細った山﨑賢人さん(安部晴明役)。どんなけ業界は彼を酷使するんだ!
ちょっと心配なるよね。
今日は「陰陽師0」観に行った。
今日は雨で劇場は大賑わい。ロビ-超混雑で、その多くはコナン。そしてドラえもん。家族連れパワ-が凄い。
決して陰陽師が少ないわけではない。そこそこ席が埋まってた。
この作品の監督:佐藤嗣麻子氏だけども、この前アカデミー視覚効果賞を獲った山崎監督の奥さんなんだね。
夫婦で監督って、キャメロンと、ビグロ-みたいだね。もう別れたけどw
それはさておいて・・・
過去には 安倍晴明役:(野村萬斎さん)作品が有った。
2001年:陰陽師
2003年:陰陽師II
今作は原作 夢枕獏の小説シリーズ『陰陽師』の若き頃の時代である。
よって過去作との繋がりは無い。
見ていて思うのは、名探偵コナン⇒安部晴明って感じが所々したな。
その解説ぶり・・・コナン君じゃんw
皆が 怪しい動きで狙ってくるけど、最後にそれは全体に”呪”をかけてたからって、藤原義輔(役:小林薫さん)の罠を暴露。
最後に帝(役:板垣李光人さん 可愛いわぁ)につく蔵人所陰陽師に晴明が指名されるって展開。
作中の源博雅(役:染谷将太さん)と 徽子女王(役:奈緒さん)の恋心が描かれてるけど 然程感動には至らなかったかな。
今作はハッキリと描かれたCG多用が仇だったかも知れんね。
CGで良かった所は徽子女王が手紙を渡されて文を読むあの部屋の背景シーンかな。心の変化に合わせて白い雪化粧から赤い花吹雪に変わるCGが鮮やかでタイミングが良かったでしょうか。何かのCMに使えそう。
実は リアルな陰陽師をやって欲しかった。CG多用せず。
やるなら実写と分からない位の創り込みで。
呪術でもっと人の心がどの様に変わって行くとか、描いて欲しいかな。
ロウソクの炎、松明とか川・湖の水流とか 太陽、月の明かりとか。
障子に映る色変化とか。それと人々の表情、心情変化を捉えた作品展開だったら楽しめたと思う。
CGと役者陣に頼ってた感が強い作品だったのが惜しい所です。
興味ある方は
劇場へ。
邂逅
陰陽師ものって実写では観たことなかったなーと思いつつ、バンプが主題歌ってのもあって初日に行きました。特典はCLAMP先生の書き下ろしのポストカードでした。
圧倒的映像美は素晴らしく、物語は良く言えば分かりやすく、悪く言えば一方通行すぎる作品でした。
話は安倍晴明が陰陽師としての才能を開花させていく過程と、陰陽師のお偉いさんになるための争奪戦と、博雅と女王の恋の話がメインになってくるので、割と要素は多そうなんですが、どれも途中途中で合流しながら進んでいくので整理自体はし易かったです。
ただ恋の話がそこまで目新しいものではないかつときめくものでも無かったのが致命的で残念でした。
争奪戦もそこまで激しいものになっておらず、数人にフォーカスを当ててショボアクションをやって終わりなので、この時間帯は?と疑問を覚えてしまうシーンもありました。
ミステリー要素もシンプルなもので、意外性はありませんでしたが、しっかり観れるものにはなっていたので、暴いてる時間はなるほどねーと頷きながら観ていました。
悪玉の正体もそこまでの脅威は無く、サクッと解決してしまったのも残念でした。もうちょっと凝ってくれてたら物語への評価も上がったのではないかなとは思ってしまいました。
白組が担当したVFX含める映像表現はとても美しく、色彩豊かな映像がこれでもかと言わんばかりの大盤振る舞いで襲ってくるので観ていて震え上がりました。
花が建物に咲いていくシーンとか、ひらひらと舞っているシーンとか、龍が追いかけてくるシーンとか、とにかく圧倒的なものになっており、スクリーンがデカければデカいほどその見応えはマシマシになっていくなと思いました。
CGマシマシのアクションなので迫力こそ欠けますが、しなやかさはこれでもかと表現されていたので、そこは新しい映像表現で面白かったです。
バンプの主題歌がこれまた素晴らしく、歌詞のひとつひとつにある悲哀と希望が作品にマッチしており、幻想的な雰囲気も相まって好きな曲でした。
1本の映画としてはしっかり完結しているので、続編は無くても大丈夫ですし、興行次第で2本目があってもいい作品だなと思いました。邦画としてのレベルはかなり高かったです。
鑑賞日 4/19
鑑賞時間 12:25〜14:30
座席 D-1
山崎賢人は平安時代の和服でも戦える
中華ワイヤーアクションを思わせるシーンや、術の発動は、心をくすぐります!ハマる人にはハマるだろうし、厨二病が増えそうな作品。(詠唱が山崎賢人の低めボイス^^)
冒頭の古語から現代日本語に変わる演出好きです。ツダケンのナレーションが耳に良いです。神楽や音楽も素敵。
エンドロールの時代考証スタッフが手厚く心強かったです。
染谷将太の陰キャの友達っぽさが良い。平安貴族の身分差の恋が丁寧に描かれていて素敵でした。
平安貴族(賀屋さんと男性ブランコなのすぐ分かった)が違和感なさすぎ。
染谷&山崎賢人のダブルス最高、今までにない陰陽師♪
まずは、大好きな二人の共演だけでもルンルン・ワクワクの内容でした。
シュッとした安倍晴明の山崎賢人と、どこか頼りなさそうで真面目な源博雅
がいいのです。WoodJobや寄生獣もかわいい染谷くん、菊地凛子の気持ちがわかります。
さて映画は新し陰陽師って感じがしました。真田さんや野村萬斎さん達とは違います。
まっ”0”ですからね。これからこの二人がどう展開していくのかが楽しみです。
サイドの俳優さんも凄いです。小林薫や北村さんや奈緒さんも素晴らしいのです。
最後まで両親を殺した人が誰なのか?いったい何のためだったのか?分かりません。
私も思っていた人とは違いました。(育ての....!)
反省:事前に少しは調べないと
私だけかもですが、予備知識なしに見て
変なところが気になって置いていかれるパターン多いです
主役、染谷君?て思うくらい彼が良かった
龍のCG( 今はVFXかぁ)凄いなぁって思ってたら
エンドロールで白組じゃんって
なるほど
ただ、ツルツルの舞台みたいなところの花は違うだろーって
花に目がいってセリフ聞き逃してしまった
いいシーンだったのにw
ストーリーは楽しめた、ちょっと難しかったけど
意識の中でって言う概念には置いてきぼりになってしまったなぁ
今でもわかるようなわからないような
あの中で自分を保てる人が
心が強いって事なんかなぁ
正気でない演技をしたあの三人はいい感じでした
褒めてるんですけど、虹郎君の死体はすごく良かった
シリーズ初心者でも問題ないが、言葉が聞き取れないシーンが多いので専門用語の予習は必須
2024.4.19 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(113分、G)
原案は夢枕獏の『陰陽師』シリーズ
陰陽師として名高い安倍晴明と雅楽家・源博雅との出会いを描くファンタジーアクション映画
監督&脚本は佐藤嗣麻子
物語の舞台は西暦948年の日本・平城京
当時の日本は帝(板垣李光人)を中心とした政治が行われていて、政治は陰陽師と呼ばれる人々の占いによって執り仕切られていた
帝直属の陰陽師は空席で、その地位を目指して、陰陽寮にて学生(がくしょう)たちが切磋琢磨し、得業生と呼ばれる地位を目指していた
陰陽師の頭は藤原義輔(小林薫)で、陰陽博士の賀茂忠行(國村隼)、天文博士の惟宗是邦(北村一輝)、暦博士の葛木茂(嶋田久作)などが学生の指導にあたっていた
その中でも「狐に育てられた」と噂される安倍晴明(山﨑賢人)は、賀茂が身元引受人として陰陽寮に入ることが許されていて、その存在を疎ましく思う者は多かった
ある日、得業生の橘泰家(村上虹郎)が殺されるという事件が起こり、惟宗は学生たちに「犯人を見つければ、次の得業生になれる」と言い、試験を行うと告げた
晴明は、元から得業生どころか、陰陽師になることにすら興味がなく、授業をサボっては、書庫に入り浸っていた
だが、「命令」は絶対とのことで晴明も試験に参加することになった
晴明の名を轟かせたのは、徽子女王(奈緒)の件にて、中務大輔の源博雅(染谷将太)に助力したことがきっかけで、彼女は夜な夜な鳴り響く琴に悩まされていた
晴明は博雅の依頼を引き受け、その原因を取り除き、それによって、琴の音は鳴り止む
これが帝の耳に入り、また、次の得業生として賀茂が推薦したことが陰陽寮に良からぬ風を吹かせる原因になっていた
物語は、一連の陰陽師シリーズの前日譚という内容で、本編は晴明と博雅のコンビが難事件を解決するシリーズものとなっている
いわゆるバディ系推理ものになっていて、本作はそれに付加して、呪術が凄まじいCGで描かれる内容となっている
晴明には特別な能力が秘められていて、今回の一連の事件の首謀者を突き止めるに至るのだが、その黒幕との戦いにおいて、彼の能力が発揮される、という流れになっていた
この晴明の活躍と同時進行するのが博雅と徽子女王の恋バナであり、幼少期に伊勢神宮に遣わされて以来孤独だった徽子女王は、それ以来ずっと博雅に恋焦がれていた
だが、博雅は帝の恋文を持参し、それによって徽子の内なる魂が暴走し、一連の首謀者が仕掛けた「呪(しゅ)」が発動してしまう
彼らは深層心理の世界に誘われ、そこでそれぞれのトラウマと向き合うようになっていて、晴明の場合は「両親を殺した犯人」と対峙するという流れになっている
世界な深層心理の世界で繋がっていて、それによって博雅と徽子女王の繋がりも確認され、そして徽子女王のある決断と、博雅の覚悟というものを呼び起こすことになったのである
いずれにせよ、シリーズのファンが納得するのかはわからないが、未読鑑賞者としては、そこまで悪くない出来に思えた
ファンタジーアクションというよりは、ほとんどラブロマンス映画のノリになっていて、晴明と博雅の馴れ初めとしては合格点なのだと思う
薄い本が出そうな関係性であるものの、そのテイストが原作からあるからなのか、監督の趣味なのかはわからないが、そっち方面のファンと原作ファンが喧嘩しないかは気になるところかもしれない
映画館で観る分にはCG技術の凄さを体感できるので良いのだが、いかんせん「何を言っているのかわからない映画」なので、ある程度「陰陽師で使われる言葉」ぐらいは予習しておいた方が良いかもしれません
パンフレットには解説があるが、物凄く字が細かいので、拡大鏡のお世話になる人が多いだろう
ラストに印字されているエンドロールはさらに細かすぎて字が潰れていて読めないので、何かを確認したい人はスクリーンをガン見することをおすすめいたします
最後の種明かしさえなければ。
全体的に面白い。
和風マトリックス感を感じて。
話のラスボスは序盤に分かってしまうけど、
許容はできる。
爽快感あり、綺麗に終わると思いきや、
最後の方でラスボスによる種明かしが始まる。
これ、大変寒い。
変な家とかカイジ3とかもそうですが、
トリック説明しだすのは大変興醒めします。
あれ、本当無しでお願いします。
新たな呪術で解き放て陰陽道(シリーズ化)
山﨑賢人今年2本目の主演映画。
『キングダム』『ゴールデンカムイ』とシリーズ化のヒット作続くが、本作も。
映像化は数知れず。最も有名なのは野村萬斎が扮しヒットした映画2作。
原作者・夢枕獏監修の下、オリジナルストーリーで描かれる“若き日”。
陰陽師・安倍晴明!
かつての陰陽師ブームももう20年以上も前。
今の令和の若者に平安宮廷の役職や陰陽道の専門的な用語など馴染み難いだろうが、陰陽師の学校=“陰陽寮”があって、エリートである“得業生”になるべく日々の学びや学生たちがいて…と、和の『ハリポタ』だと思えばいいし、話自体もシンプル。
一人の得業生が死亡。呪いか、殺されたか…? 異端児の学生・晴明はひょんな事から知り合った貴族の源博雅と事件を調べる。都や陰陽道を揺るがす陰謀と脅威が…。
平安時代と陰陽師の世界の和のファンタジーであり、謎を解き明かしていくバディ・ミステリー。
人嫌いの晴明と人好きの博雅。凸凹コンビはホームズ&ワトソン始めバディの鉄板設定。
陰陽師としての才能は随一。が、ドライな性格、人嫌い、出世欲ナシ。それどころか陰陽師にすらなる気もない。
おいおい、アンタが陰陽師にならなかったら話が続かないよ! びっくり設定の若き晴明。オリジナル設定だからこそ自由にキャラを創造させる事が出来た。
少々性格に難ありだが、常に冷静沈着。頭も切れる。
ミステリアスで、立ち振舞い、身のこなしも華麗。終盤、髪が解れた姿は同性から見ても色気だだ漏れ!
いつもの熱血キャラではない山﨑賢人の新たな魅力。
染谷将太、奈緒、村上虹郎、板垣李光人、安藤政信、國村隼、北村一輝、小林薫ら若手~実力派~ベテランの豪華顔触れが妖しの世界を彩る。
呪術ファンタジー、アクション、バディ・ミステリー、男二人の友情、身分違いの恋…エンタメ要素をたっぷり詰め込んだ佐藤嗣麻子の手腕。繊細なドラマが多い女性監督の中で稀有な、男性監督ばりのエンタメ派。
美術や衣装はさすがの絢爛さ。花舞うシーンなど映像も目を見張る美しさあり。
まるで舞いのようなアクション。呪術の数々。
それらをVFXを駆使して。『ゴジラ -1.0』で米アカデミー視覚効果賞を受賞した白組が担当。火竜が登場するシーンは圧巻のスペクタクル。(でもこのシーン、予告編で見せちゃったのは惜しい…)
奇々怪々と美。陰陽師ならではの呪術エンタメ・ワールド。
ここから、難点・不満点。
開幕のナレーションで一通り説明した後、千年前の言葉ではなく現代の言葉でお送りする。
あ、これ、漫画なんだ…と少々萎えた。今Disney+で見ている『SHOGUN/将軍』はハリウッドと日本の予算云々ではなく言葉や所作など細部に至るまでリアリティーに拘った本気の作りと程遠い。
山﨑賢人は魅力ある。役者陣も熱演。が、染谷将太がちとオーバー演技でこんなに演技ビミョーだったっけ…? コメディリリーフだからか…?
一連の事件の犯人。最初は安藤政信かとミスリードさせて(でも役柄的に小物だった)、思わぬ黒幕が。晴明以外誰もが地位に拘る。何となく察し付く。
ストーリーや真相。ストーリーは謎解きと巨大陰謀と大きな仕掛けあり飽きさせないが、真相はちとあっさり。己の欲が動機であり、ベタだけど都滅びの危機のようなスケールとハラハラには乏しい。
博雅と徽子女王のラブストーリーは若者客寄せの蛇足だったような…。
後、主題歌合ってなかった…。
拙さも目立ったが、秀でたものもあった。
地位、権力、名声に躍起になる一部のエリートたち。今の政治家どもと変わりない。
ヘビ、クモ、サソリ、毒を持った生き物を一つの壺に入れ、最強の毒=蠱毒を作る。あるシーンで殺し合う3人の陰陽学生。欲が毒、殺し合う3人が毒生物の印象的な対比。
彼らを操る人物の呪術の舞い。
晴明が夢の中で両親を殺した人物と対するシークエンス。
友情育み、酒を飲み交う晴明と博雅。友情以上のブロマンス的な匂い漂い、その終幕も余韻残って良し。
つまらなくはなかった。
が、極上ではなく、山﨑エンタメとしても『キングダム』『ゴールデンカムイ』よりちと見劣り。
後こんな事言っちゃうと元も子もないが、せっかくの『陰陽師』の映画の新作、出来れば野村萬斎で見たかった…。
いや勿論新しい『陰陽師』を作ろうとしたスタッフ/キャストの意欲は伝わってくるが、オスカーを受賞した滝田監督と貫禄増した野村萬斎のコンビで『陰陽師』の新作を…。
こういうのは出来ないのかな…?
現在と過去を脅かす強大な敵。最難度の術を使い、現在の晴明=野村萬斎と過去の晴明=山﨑賢人が時空を越えて共闘する。
題して、『陰陽師 ∞(クロスオーバー)』!
【都に蔓延る様々な”呪”に囚われた人々を描いた作品。VFXを多用した幻想優美なる原作の世界観を再現した美術に魅入られた作品。山崎さんは若き晴明のイメージ通りだし、矢張り源博雅は佳き漢なのである。】
■陰陽寮で学ぶ、安倍晴明(山崎賢人)達の中で一段位の高い徳業生である橘泰家(村上虹郎)がある夜、自宅の井戸で怪死する。
陰陽寮学生である、平郡貞文(安藤政信:いつ見ても、格好良いよなあ。)を始め、安倍晴明以外の学生たちは出世のため、躍起になり、犯人探しを始める。
◆感想
・原作にはない、陰陽寮を底辺とした陰陽師のヒエラルキー制度や、平安京のヒエラルキー制度は面白く鑑賞。
ー たった、150人の上級役人が都を治めていたとはねえ。-
・と、並行して起こったよし子女王(奈緒)の弾く琵琶の弦が切れて行く怪異解明に呼ばれた晴明と博雅(染谷将太)。そして、晴明が捕まえた銀の龍。
よし子女王は博雅への想いが”呪”になってしまっていたのである。
ー 博雅君、相変わらず鈍いなあ。オジサンでも怪異の理由は分かったぞ!そこが良いんだけどな。それにしても奈緒さん、無茶苦茶お綺麗である。ー
■だが、博雅君、帝(板垣李光人)の恋文をよし子女王の想いを分かりつつ届けてしまうのである。そして、よし子女王は哀しみの余り、消えてしまう。
ー よし子女王の嘆きと博雅君への告白。けれども、帝の手紙を読んでしまってはなあ・・。仕え人はツライよ。-
・一方、橘泰家の怪死事件を発端に、晴明は自分の両親を殺した男を探って行く。
ー この辺りの精神世界の使い方、描き方は良かったなあ。
そして、晴明を救った博雅の葉二の笛の音。
晴明はよし子女王を救った後に、真の怪死事件の遣い、天文博士(北村一輝)を斃し首謀者、陰陽頭(小林薫)と決するのである。
ー 陰陽頭は、年に一度陰陽寮学生たちを占い、自分の地位を脅かす者の親類縁者を殺していた。晴明の両親も同じ理由で殺されていた・・。
天文博士も陰陽頭から昇進をチラつかされていた。二人とも地位を守る、もしくは地位を上げたいという”呪”に掛かっていたのである。
それにしても、晴明が陰陽頭を斃すのに、菅原道真の怨霊を使うとはなあ。当時、最強の怨霊と言われていた方である。晴明の霊力の凄さが分かる。ー
・そして、全てが解決し、帝は陰陽師で安倍晴明の育ての親である賀茂忠行(國村隼)を呼び、帝の陰陽師にならないかと声を掛けると賀茂忠行は
”未だ、徳業生になったばかりですが、安倍晴明をお勧めします。”と答えるのである。
<ラスト、晴明と博雅は月光の元、十年の知己の如く、対当に喋っている。そして、晴明は言う。
”笛を吹いてくれないか。(物凄く細かくて恐縮だが龍笛と言ったと思う。葉二じゃないかな・・。)”
博雅は、笛を静に吹くのである。
今作は、呪術を催眠や暗示を組み合わせた技として描いた所が、人間の様々な欲や情念が”呪”になる、と言う原作に通じていて良かったと思う。
夢枕獏先生も、このレベルの映画化であれば、ご満足されたのではないかと思った作品でもある。>
新しい陰陽師像
ファンタジー系の映画はあまり観ないので、観に行くかどうか迷った。しかし、日本史が好きで、過去に陰陽師に関心を持って調べたり、晴明神社に参拝したこともあったので、どんな映画だろうという好奇心が勝ったので映画館に足を運んだ(2024年映画館鑑賞11作目)。
夢枕獏の原作を読んだことがないので、VFX×山崎賢人の派手な呪術とアクション、というテイストかと思っていたら、想像とは違うものだった。
まず、安倍晴明(山崎賢人)が、自身が本物の呪術を使うことができるにも関わらず「事実を見る」ことに拘っていること。陰陽師が人の不安心理を煽って存在価値を高めているという批判を師匠(國村隼)に早い段階からぶつける場面に、ファンタジックな呪術だけではなく、史実(実際)の陰陽師の姿もきちんとバランス良く描くという姿勢に好感を持った。
史実の陰陽師を描くと全く地味で映画として成立しないだろうから(安倍晴明が活躍するのは晩年だし)、当然、呪術シーンが出てくるのだが、描かれる不可思議な現象の源が人間の様々な心理によるものであるというところに、何となく納得させられてしまう。
山崎賢人と染谷将太は安心して観ていられる演技。徽子女王(奈緒)は可愛いけど終始少女漫画な世界に生きる人って感じ(好きな人は好きでしょう)。
欲を言えば、脇役にも実力派が多く揃っていたので、彼らとの絡みも含めてもっと1つ1つのエピソードに深みがあればより見応えがあるものになったのではないだろうか。
少しだけハリーポッター風味
陰陽師育成学校の異端児「安倍晴明」が陰謀を企む先生たちに対し、圧倒的な才能と友情の力で親の仇を討ち、帝の陰陽師の座に登用されるまでを描いたまさにエピソードZERO的なお話だが、何故そこまでの能力を身につけたかについては語られない。
怪しい現象の多くは思い込みからなると現実主義的立場を取りつつも、実は呪いや超常現象の存在を一番理解しており、自身もいざという時に戦える能力を備えているというステレオタイプのクールなヒーロー。
出演は主演に山崎賢人(原作ものの主役はこの人以外はダメなのか)、相棒役に染谷将太、ヒロインに奈緒、脇にも小林薫、國村隼人、北村一輝、安藤政信など出演するだけで作品の格を上げられる実力派がズラリと並び、目が散って誰が黒幕なのか最後までわからないような効果もうまく出している。
クライマックスの火と水の龍のCGは安っぽく見えた割には力を全て注ぎ込んでしまったのか、それ以外のアクションシーンがさらにこじんまりと地味に見えてしまった。
もっとド派手に鬼や化け物とのバトルなどを期待していた分、少しだけ肩透かしをくらった感じがあった。
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