陰陽師0のレビュー・感想・評価
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続編ありそう…⭐︎
夢枕獏の原作は未読だけど岡野玲子の漫画版は読んでの鑑賞。
予告編を見た時はたいして期待もせずに…。
でも、大河のユースケ・サンタマリアの晴明は違う!と思っていたら、ここに来て
意外にも山崎賢人は良かった。
CGもとても美しくて、エンドロールで「白組」の名前があり納得。
物語は原作と異なり、陰陽師のカースト制度ような階級の中の陰謀と晴明の両親が
殺されたことの真相が軸になって展開していく。
なんと言っても、呪術とか占いの世界なので何でもありなのだが、深層心理の世界での
設定なので何となく、そうかもと思えてくる。
でも、個人的には染谷将太の源博雅が岡野玲子の漫画のキャラにピッタリ。
普段の染谷将太とは違う雰囲気だけどすごく合っている感じで、晴明とのバディも
良く、続編があるならまたこの二人で演じて欲しい。
ただ、平安時代ってもっと「闇」が濃くって暗いイメージ(だからこそ、鬼とか霊が
出現する訳で)、それをもう少し出して欲しかった。
いつもレビューするけど、エンディングの歌はいらないなぁ…、バンプ・オブ・チキンは
嫌いじゃないけれど せっかく佐藤直紀が音楽を担当しているなら、最後も彼の
インストで締めて欲しかった。
嗣麻子を崇めよ!
…あ、いや嶋田久作氏が出ていたのでつい。
このところ映画を観てはいたんだが微妙な作品が続いててどうもレビューを書く気になれなかった。
この作品も夢枕獏のファンなんでとりあえず観ておくか。くらいの気持ちで鑑賞に行った。
で、直前に佐藤嗣麻子監督作品で在る事を知って、ならば当然脚本も担当してるので鑑賞前に確信した。
これは、"当たり" だ。
自分はテレビドラマ「YASHA-夜叉-」の時からの佐藤嗣麻子監督のファンだ。
当時なんて格好いい演出だろうと感心したし監督が女性で在る事に驚いた。
ので長年のファンで有る事を盾に親愛を込めてここでは勝手に嗣麻子さんと呼ばせていただきます。
嗣麻子さんに付いて行こうと確信を持ったのは映画「エコエコアザラク」です。
間違い無く学園ホラーの最高傑作でこのジャンルが好きな映画馬鹿への満漢全席でした。DVDに阿呆みたいな値段が付いてます。なんとかしてください。
が、その後明らかに予算が削られた「エコエコアザラクⅡ」以降、ドラマの脚本やゲームのムービーシーンの演出ばかりで監督作品は「K-20怪人二十面相」まで十年以上も間が開く事になる。間違い無く、ハブられた。
日本映画界はほぼ完全に男社会だ。
そもそも撮影現場はブラック企業がホワイトに見える位の過酷さで先ず女性はついて行けない。メイクや衣裳を別にすれば女性スタッフなんて1割以下だろう。
そんな中で海外で経験を積んだ才能有る女性監督がどうなるか、後はお察しだ。
嗣麻子さんの名を聞いて、「えっ?キムタクのYAMATOの脚本書いた人でしょw」
なんて事を言う人が居るかもしれないが、テレビなら全77話。劇場版でも全4作の作品を1本の脚本にするという無理難題。
誰が書こうが失敗が目に見えいて、明らかに火中の栗を拾わされたのだ。
非常に下品で下世話な邪推だが、山崎貴監督は責任を取ったんじゃないかな。
本作の脚本兼監督に嗣麻子さんが抜擢された経緯は知らないが、そんな山崎貴監督の推挙が有ったんじゃないかと思う。CGは同じ白組だし。
そしてようやく本作についてだが、夢枕獏原作の映像化作品は微妙な出来の物が多い。中には「大帝の剣」なんて噴飯物の作品も有る。
そもそも夢枕獏の小説の面白さは作者特有の文体にも有る。そんな物映像で伝える事など出来る訳が無いので、結果原作小説は面白いのに映像化すると微妙な作品ばかりになる。
だが本作は原作から安倍晴明と源博雅というキャラクターだけを借りてきて、あとは嗣麻子さんの持ち味全開のオリジナル脚本なので、面白く無い筈がない。
ちなみに「エコエコアザラク」とは呪術という共通点が有る。
陰陽寮で起きた事件のミステリーから始まり美しい美術とロケーションの下で展開する主人公二人の出会いと友情、スペクタクルなCGと無くてもお話的には困らないだろうに挿し込まれる格好いいアクション。
思わず貰い泣きしそうになった博雅と姫様の悲恋にミステリーと共に明かされる晴明の誕生秘話。
イロイロ盛り込んで結果、話が偏ったりとっ散らかったりする作品も多いが、嗣麻子さんはこんな感じの闇鍋料理を仕上げる手腕が抜群に高い。そこいらの監督とはハッキリ言ってレベチだ。滝田洋二郎監督の2作品など、比較するのも失礼だ。
嗣麻子さんはアクション演出も得意な筈だが、ちゃんとアクション監督のポジションを用意して「ベビわる」の園村健介監督に任せているのもアクション好きの好感度が上がるところだ。
嗣麻子さんのファンとしては云いたい事がイロイロ有って、ちょっと長くなった。
夢枕獏の原作のファンとしては原作の雰囲気がもう少し欲しかったところだが、間違い無く今一番のオススメだ。
佐藤嗣麻子監督のファンでも夢枕獏の原作のファンでも、山崎賢人のファンでも染谷将太のファンでもいいから、とにかく観に来てくれ。
嗣麻子さんの認知度を上げるにはヒットや大ヒットじゃ足りない。いっそ旦那さんの作品超え位のヒットをしてほしいと本当に思う。
山崎監督ごめんね。
期待以上とは言わないが、おもしろかったのでシリーズ化を!
原作未読ですが、予告を目にした時からずっと期待していた本作。公開2日目の舞台挨拶中継付き上映で鑑賞してきました。劇場はほぼ満席で、観客の期待の高さがうかがえました。
ストーリーは、陰陽師が政治に大きな影響力をもっていた平安時代、呪術師としての才を認められながらも変わり者として扱われていた青年・安倍晴明が、徽子女王を襲う怪奇現象の解明を持ちかけてきた源博雅ともに、朝廷内の行政機関である陰陽寮をも揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていくというもの。
冒頭で陰陽師について簡潔にして必要十分な説明があり、呪いや祟りやもののけの存在が信じられていた平安時代の世界に優しく誘う鮮やかな立ち上がりにワクワクします。そこに、晴明が毎夜見る悪夢、呪や呪術に対する晴明の見解を加え、これが終盤への伏線となる、なかなかうまい構成です。
そこから、博雅との友情、博雅と徽子女王のロマンス、陰陽寮内の陰謀を絡める展開で、最後まで楽しく鑑賞できます。特に終盤で魅せるVFX全開のダイナミックなアクションに目を奪われます。また、冒頭で語られる悪夢や蠱毒などの伏線を鮮やかに回収しながら明かされる真相に、一気にテンションが上がります。
逆に言うと、中盤は陰陽師らしい活躍よりも博雅の恋に尺が取られ、ややテンポが落ちてちょっと退屈していたので、最後に一気に巻き返した印象です。できれば、サブキャラのロマンスよりも、陰陽道の講義や科学的見解、陰陽師の修行や活躍をもっと描いてほしかったです。また、ダイナミックなアクションも悪くはないですが、序盤で観せたヒキガエルやネズミのように、当時の人々が抱くイメージの呪術や式神の使役などを、わかりやすく映像化したものをもっと見たかったです。とはいえ、全体的に見応えはあり、なかなかおもしろかったです。
主演は山崎賢人くんで、この手の役は彼に任せておけば間違いないです。脇を固めるのは、染谷将太さん、奈緒さん、安藤政信さん、村上虹郎さん、板垣李光人くん、國村隼さん、北村一輝さん、小林薫さんら、安定の布陣です。
今回は舞台挨拶中継があり、主要キャストや佐藤嗣麻子監督のお話が聞けました。どの方のお話からもやっと公開を迎えられた喜びが伝わってきました。撮影は2年前のコロナ禍の中で行われたらしく、本作がそんな災厄も祓ってくれたような気がします。ぜひシリーズ化して、引き続き安倍晴明の活躍を観せてほしいです。
現実と真実
清明と博雅のバディな感じがとても心地よく描かれているなぁと感じました。現実と自分が思う真実は違うという事が妙に心に刺さりました。平安時代でも令和時代でも通ずる事ではないかと思う。自分の考え1つで事実は変わってしまう。とても大切なことを教わったと思います。
CG描写もとても艶やかで迫力があり楽しませてもらいました。時代背景の解説もわかりやすかったです。
素晴らしい映画をありがとうございました。
実写ファンタジーにありがちな地雷にならなかった。良作!
こういうSFファンタジー系の実写映画って往々にして酷い映画で予告にも地雷臭を感じるものですが・・・この映画は予告を見た際にそれを感じなかった。いや、これいけるかも・・?と思い、見に行きました。
結果、期待通り普通に面白かったです。「誰にでもおすすめできる大作だ!」とは言えないものの、こういうファンタジー物がすきなら普通に楽しめるかと。ドラマ部分もしっかりしてたし。
後半の戦闘シーンも迫力あったし、陰陽術詠唱する際のわざとらしさなんかも逆に良かった。最後は道真召喚とか、熱い展開が何かをわかってますね!
あと個人的にですが、バトル・ロワイアルの時から安藤政信を応援してるのですが、久々にしっかり頑張ってるのを見れてちょっと嬉しかったです。
陰陽師今昔
昔、野村萬斎清明と伊藤英明博雅とヴィラン真田広之で映画を見たことがあります
あの頃は特撮技術も今ほどではなく、
野村萬斎は映画役者としてはイマイチで伊藤英明はセリフの言い回しが棒読みで大根に見えました
真田広之で底上げていた感じでした
ポスターのビジュアルは完璧だったので余計に落差を感じました
今回は山﨑賢人、染谷将太、小林薫、北村一輝と人気役者そろい踏みですごく楽しみにして観ました
山﨑賢人の後ろ姿と長髪姿がとても美しく、染谷将太の自信のなさ、真っ直ぐな感じが良かったです
2人の成長と友情はこれを機会に育まれていくんだろうな
いっそ、笛を吹く度に、菩薩音楽隊を出しても良かったんじゃないかな
それはやりすぎ?
ただ少々説明過多で
「見ればわかる」ことまで状況をセリフで説明するところが気になります
そんなに説明したいなら、清明の呪文を字幕にするとかどうでしょう
皆が知りたいのは安倍晴明の呪文だと思うけど違うかな
全体的にマトリックスとハリーポッターとSHERLOCKを足して1/4にした様なそんな映画でした💦
染谷将太に「聖☆おにいさん」のブッダを感じたのは私だけかな(笑)
口をとがらす感じがブッダなんですよね~
明るく爽やか呪術物語。これはこれで楽しいけど。
脚本は夢枕獏の「陰陽師」シリーズと京極夏彦の「百鬼夜行」シリーズをつき混ぜた感じ。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」(by 中禅寺秋彦)
映像の方は陰陽寮の感じはホグワーツ魔法魔術学校にそっくりだし、仮想空間での戦いはマトリックスに似ている。つまり古今東西のファンタジーの要素をいいとこ取りしたっていうところか。
それはそれで別にいけないわけじゃない。面白ければ良い。でも仮想空間(映画の中では「それぞれの心の中」と表現)がどこもかしこも明るく清潔で広々しているのはどういうことか?特に博雅と徽子女王が「繋がっている」デジタルショールーム(背景で雪や桜の映像が切り替わる)のような空間。理由はなんとなく分かる。抽象度が高ければ高いほどCG処理はやりやすくなる。つまりボロが出にくい。海外作品に比べどうしてもSFXやVFXの予算が少ない日本映画の方法論の一つだと思う。
でもそもそも陰陽師っていうのは平安の闇の中、怨霊や人の怨念が乗り移ったあやかしと戦う話ではなかったのか。もうちょっとドロドロしてた方が感じなんだけどな。まあ、ヤング◯◯っていうのはだいたいこんなものか。
徽子女王の人物像にも違和感がある。博雅への思いが金の龍になって、という話なのだが、ちょっと綺麗事過ぎるよね。六条御息所のような生霊になるとか、怨念が陰部から出て黒いヘビになるとか、いったあたりが平安ヤミ落ちあるあるだと思う。最後に博雅への思いをきれいに断ち切り帝を受け入れるとニッコリ笑って言った時、違うだろと思わず叫びそうになってしまった。せっかく奈緒を起用したのにね。相変わらず彼女の顔に張り付いたような笑顔は怖く、最後の最後までドンデンがあると期待していたんだけど。単なるいい子ちゃんを彼女に演じさせてどうするの。
山﨑賢人だから~
観に行きました。
95席の小さいスクリーン。
朝イチ8:20からでしたが、8割埋まっていました。
年齢層高め。
受付はたぶんブルーロックでコミコミだった。
歴史は大好きなので、この頃の時代も元々好き。
安倍晴明は漫画だと
岩崎陽子氏の『王都妖奇譚』が大好きだった。
ラストあたりの山崎清明の髪を下ろした姿は『王都妖奇譚』の安倍晴明そのものだった。
知らなかったけど、ドラマにもなっていたらしく、三上博史が安倍晴明だったみたい…
映画が始まる前にキングダムの予告もあったけど、キングダムは信そのものだし、
ゴールデンカムイもそのものだった。
陰陽師もきちんと演じ分けしていて、素晴らしい俳優さんだと思った。
染谷さんは、寄生獣のイメージしかないけど、
大人になった印象。
山﨑賢人さんとは2つ違いみたい。
けっこうビックリ。
ラスボスがラスボスぽくなかった。
次回もありそうな感じ。
染谷さんと組んで、難事件を解決しそう。
煌びやかな平安絵巻の中の呪術廻戦
夢枕獏の原作で、以前、野村萬斎が安倍晴明を演じて映画化された『陰陽師』。佐藤嗣麻子監督が、全く新しい視点で、『ゴジラ-1.0』で世界に名を轟かせた『白組』を率いて、リニューアルさせた新作。本作では、安倍晴明がまだ陰陽師となる前の学生(がくしょう)時代を、意識の世界と現実の世界の2つの世界観を通したオリジナル・ストーリーで、描いている。
今年は、大河ドラマの『光る君へ』も貴族の世の平安時代が舞台で、その煌びやかな映像が話題となった。その中で本作は、VFXを『白組』が担当しただけあり、貴族の生活の煌びやかさや華やかさはもちろん、邪悪な魔物や迫力あるアクション・シーンを、大河ドラマとは比べ物にならないほどの圧倒的な映像美で映し出してくる。特に、源博雅と徽子女王とのラブ・シーンの煌びやかさは、ため息が出る程だ。
天才陰陽師とも言われた若き日の安倍晴明だが、陰陽師としの昇格には全く興味を示さない風変りな青年。ある日、晴明は、源博雅から愛する徽子女王を悩ます怪奇現象を解決するように依頼される。その正体を見破った晴明は、博雅からの信頼を得て、互いを認め合うようになる。そんな折、陰陽師を目指す仲間の変死体が発見される。それを機に、晴明は平安京の内部に蔓延る、幹部による陰謀に巻き込まれ、囚われ身となっていく。一方で、徽子女王も妖の類に拉致されてしまい、晴明と博雅は、呪術を駆使して立ち向かっていく。
主演は、『キングダム』でも主演を果たし、今や日本映画界のトップスターに昇りつめた山崎賢人。本作では『キングダム』の信とは真逆な、冷静、沈着で、物静かな晴明を演じている。実際の安倍晴明は、それほどのイケメンではなかったようですが…。その相方の源博雅には、染谷将太。この2人の凸凹コンビの掛け合いが、なかなか面白く、アドリブも盛り込まれて馴染んでいた。そして、奈緒が、博雅が慕う徽子女王を演じているが、染谷と奈緒のラブ・シーンの背景は美しいが、ちょっと2人の取り合せは違うかな…と感じた。
全体的には、『平安絵巻アクション・ムービー』と言ったところで、『白組』が描く煌びやかで美しい舞台や背景は流石だ。しかし、『ゴジラ-1.0』のVFXがあまりに強烈で、印象的だったため、アクション・シーンでは、今ひとつリアルさに欠け、インパクトが弱く感じた。もっと、呪術による派手な戦闘シーンをたくさん盛り込んでも良かったように思う。
今回、タイトルに『0』が付き、陰陽師になる前の晴明を描いているが、山崎賢人が主演の『キングダム』が、次の作品で一区切りの様なので、今度は、本作がシリーズがされることを期待したい。
かっこいい😊
山崎賢人くん好きで観に行きました
もっとアクションがあると思ってたので少し残念
映像が綺麗で良かったし、ファンタジーなのもいいけど…
現実味が薄すぎてちょっと冷めた目で見てしまいました
奈緒さん、いいんだけどラブシーン的な所が眠くなってしまった😅
やはり賢人くんはキングダムのようなバリバリのアクションが良いです!
陰陽師の本質を描いている
陰陽師は超能力の類ではなく
暗示と催眠による
人の思い込みの強さによるものである。
全編を通して、
映画の観客ですら
その暗示へと誘導される構成が凄い。
陰陽寮での講義が
伏線になり
人の欲望が容易く操られる様は
寒気を覚えた。
陰陽師の力は
具現化されるものではない
それは暗示の結果であると
提示していたからこそ
クライマックスの
暗示の世界から具現化への描かれ方で
安倍晴明の才の凄さが際立った。
物語の初めの方で、
せっかく解決した怪異の原因を
安倍晴明が容易く解き放った理由が
最後で分かるのも唸ってしまった。
陰陽師の役割が知れた
平安時代の西暦948年、呪いや祟りから都を守る陰陽師の教育機関で、行政機関でもある、陰陽寮、が今の霞ヶ関のような政治の中心だった。27歳の学生・安倍晴明は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたのだが、陰陽師になる意欲も興味もない変わり者だった。ある日、晴明は貴族の源博雅から、皇族の徽子女王が悩まされていた怪奇現象の解明を依頼され解決した。その後、晴明と博雅は、陰陽寮での変死事件を調査していき、裏に潜む陰謀に巻き込まれ・・・さてどうなる、という話。
最初に観た時は意味が分からず、少し復習してから2度目を観に行った。
平安時代の貴族、皇族の様子、陰陽師の位置付け、わかってくると非常に面白く感じるようになった。
わたしの幸せな結婚、に似たようなファンタジー要素も有り、科学が未発達で未知の世界、未来への不安が有る中、政治を行う人たちが占いに頼る気持ちも理解できた。
平安時代600万人の人口を1万人が支配していた、なんて基礎的な日本の歴史も勉強出来、良かった。
当時は関東以北はあまり人が居なかったのだろうけど、今の20分の1規模だったんだなぁとか。
安倍晴明役の山崎賢人は連載物の大作3本の主役を引き受け、忙しすぎでは、と心配したが、本作でも良い演技を見せてくれた。
源博雅役の染谷将太、徽子女王の奈緒も良かったし、村上天皇役の板垣季光人のイケメン帝ぶりが素晴らしかった。
続きが楽しみ。
まさかの夢オチ
原作未読だが、野村萬斎さん主演の『陰陽師』2部作はどちらも観ていたし、『ゴールデン・カムイ』で山﨑賢人さんの演技力を再認識していたので、本作を鑑賞。封切日の初回上映で、観客は15人ほど。
本作は「安倍晴明」(山﨑)が陰陽師になる前の陰陽寮の学生(「がくしょう」と読むらしい)だったころの話で、「源博雅」(染谷将太)との出会いが描かれている。幼いころ目の前で両親を殺された清明は、しかしショックのあまり犯人の顔を思い出せずにいる。陰陽博士「賀茂忠行」(國村隼)に引き取られて、その勧めで陰陽寮で学び始める。陰陽寮では陰陽頭「藤原義輔」(小林薫)を頭領に、学生と得業生(学生の一つ上の身分)たちが陰陽師目指してしのぎを削っており、そこで清明はめきめきと頭角を現していく。けれども、清明自身は、呪いだ祟りだといって人々の不安をあおり、それにつけこむ陰陽師という仕事に興味を持てない、合理的な人物として描かれている。
夜中に琴が鳴り出すという怪異現象に悩まされた「徽子女王」(奈緒)が、従兄の博雅に相談する。徽子は幼いころ伊勢神宮の斎宮に選ばれ、両親と生き別れになるというつらい経験をしていたが、その悲しみを笛で癒したのが博雅だ。徽子と博雅は互いに憎からず思っているが、身分の違い(徽子のほうが偉い)からそれを言い出せずにいる。
博雅は、学生ながら優秀な清明に怪異現象の解明を依頼。はじめ断る清明だが、結局引き受けて、博雅とともに徽子女王の館に泊りこみ、金の龍を退治する(結局それは徽子女王が博雅を呼び寄せたいがために無意識に引き起こした怪異現象だった)。
そのうち今度は得業生の一人「橘泰家」(村上紅郎)が夜中に井戸で転落死し、邸内から呪符が見つかる。義輔は犯人を突き止めた者を泰家の後任の得業生に任命すると宣言し、学生たちは犯人探しに血眼になる。けれども、死体を検案した清明は、泰家が喉の渇きを催す蟲毒を盛られて井戸まで誘導され、そこで突き落とされたのだと推理する。
学生たちの筆跡を調べ上げた学生「平郡貞文」(安藤政信)が、呪符の筆跡と清明の筆跡が一致すると指弾する。清明は取り押さえられるが、そこへ博雅が「徽子女王がさらわれた!」と駆け込み――といったストーリー。
清明は凛々しいし、博雅は純情だし、徽子は可憐だ。平安時代の雅な貴族社会の裏側に過酷な階級制度があったことがよく理解できるし、平安京の町並みもオープン・セットとCGを組み合わせて巧みに再現されている。
ただ、描写は説明調で平板だ。また、呪(しゅ)のほとんどは科学的に説明がつくとしてそちらからアプローチしていくのかと思えば、途中で超能力バトルのような様相を呈し、最後はそれらはすべて脳内で起きていたことだとするまさかの「夢オチ」。肩透かし感が否めない。呪術だけでなく格闘技にも秀でている清明は、ちょっとスーパーマンすぎる。
ちなみに陰陽師は過去の存在ではないという。今でも四国あたりには陰陽師の村が存在するとか。
美麗映像による平安ファンタジー
原作は読んでおらず本作を鑑賞しました。
冒頭の津田健次郎によるナレーションからの導入は、実に物語に引き込む力があり、ワクワク感がありました。
陰陽師というだけで、ちょっとおどろおどろしい感じなのかなとの先入観がありましたが
(野村萬斎主演で中井貴一がラスボスだった映画は観た記憶があります)
陰陽寮で起きた事件とよしこ女王の身に起きる不思議な出来事を軸とした
ミステリー×ファンタジーでした。
なので、多くの方々に楽しんでもらえるエンターテインメント映画になっています。
山﨑賢人による晴明の流麗なアクションは、キングダムともゴールデンカムイとも異なっており、
呪文を唱える姿と相まって、すごくかっこいいと思いますし、そこが見どころといっても過言ではありません。
特に走りながら馬に乗るシーンが秀逸で、さすが山﨑賢人だ!と思いました。
また、相棒的なポジションの染谷将太による博雅も、所作や佇まいが上品且つ出番も多いので、
もうひとりの主人公ですね。
そして、奈緒によるよしこ女王のなんとも妖艶な雰囲気も必見です。
脇を固める役者陣もすごいです。
小林薫、北村一輝、國村隼、みなさん実に素晴らしい演技でした。
吹越満がチョイ役で出演しているのも面白く、また、なんて贅沢なんだ!と思いました(笑)
というわけで、ほぼ役者陣の素晴らしさで成り立っている映画ではないかと。
VFXも目を奪われる出来で、美しかったです。
セットもほぼCGとの組み合わせなのでしょうが、実にうまく舞台をつくりあげていたと感じます。
観客も多かったです。
プロモーションが奏功しているのだろうと思いますが、しっかり期待に応える作品に仕上がっていて、
また、続編もつくれそうにしているところが抜け目ないなと思いました(笑)
鑑賞後感も良く、多くの方に満足いただける作品になっていましたね。
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