蒼き狼 地果て海尽きるまでのレビュー・感想・評価
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さらば、角川帝国
日本人が日本語でモンゴル人を演じる。
まあ百歩譲ってこの設定は許せる。
古くは「釈迦」や「秦・始皇帝」、最近だと「テルマエ・ロマエ」、ハリウッド映画にだってこういう設定はある。
雄大なロケーションと大エキストラは勿論許せる。
だけど…
肝心のストーリーと演出と演技が酷い。学芸会レベル。
ストーリーと演出はもはや漫画。アニメにした方がまだマシ。
同時期に作られた「モンゴル」はテムジンがハーンになる前の内面の掘り下げと葛藤のドラマがメインだったのに対し、こちらはハーンになりモンゴル帝国を築くまでの話をメインにしたのが安易過ぎ。
別に悪い訳じゃないが、余りにも英雄的に描かれ過ぎている。ハーンはモンゴル帝国皇帝であると共に残虐な侵略者である事も忘れてはいけない。
反町隆史は熱演、若村麻由美も頑張ってるんだけど…
菊川怜は相変わらずお下手。この人、代表作って何かあったっけ?
カタコト日本語の素人さんに失笑。
映画に足を引っ張られて演技派・松山ケンイチも魅力ナシ。
制作費30億円をかけたプロデューサー・角川春樹の勝負作。
もう数年前の映画なので、結果は言うまでもない。
確かに角川は一時代を築いた大プロデューサーだ。
しかし、今はもう角川の時代ではないのかもしれない。
この映画を見る限り、そう感じずにいられない。
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