風よ あらしよ 劇場版のレビュー・感想・評価
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良くも悪くもNHKの朝ドラ総集編みたいな、そして思想云々よりも恋愛...
良くも悪くもNHKの朝ドラ総集編みたいな、そして思想云々よりも恋愛遍歴に重きを置いてるような...伊藤繋がりで以前見た伊藤千代子さんの映画に似ている(共産主義だけど) もう少し無政府主義とは?に踏み込んで欲しかったな 歴史で習うのは発足ばかりで青鞜があんな残念なことになっていたなんて初めて知ったのでそこは良かったけど、吉高由里子の演技が随分と大袈裟に感じられて感銘が半減してしまった しかし新しい女性だとか何だかんだ言って良き理解者である伴侶を得るのがやっぱりベストってことかい!?な気がした
百年前と今。
昨年「福田村事件」を観て、日本社会に根強く残る重層的な差別の構造を改めて実感しました。そして昨日「風よ、あらしよ」を観ました。
この作品は、伊藤野枝の生涯を描いたもの。以前NHK BSでやっていたものということですが、見逃していました。考えてみると、関東大震災も、東日本大震災や福島の原発事故も、直後の日本社会に大きなストレスとそこから来る矛盾を顕在化させてきました。
二つの映画が示してくれた現実は、たった百年前の出来事ですが、多層的な差別や貧困、ジェンダーの問題など、今も解決されているとは思えません。まだご覧でない方は、是非ご高覧あれ。
今の時代に必要な映画
大杉栄と伊藤野枝がなぜ殺されたのかは何度でも振り返り、記憶に焼きつけなくてはいけない。今の時代にこの映画が作られた意義は大きい。この映画の原作者、俳優、スタッフの全てに敬意を表したい。権力者が犯罪を犯しても罰せられず、メディアが自由な報道を妨げられ、ヘイト発言しても辞めない議員もいる現状への大きな警鐘となるだろう。大杉栄の吃音やお金にだらしないところも描かれていて、よかった。
男女同権思想の映画として見る分には及第点だが、わかりにくい部分も。
今年61本目(合計1,153本目/今月(2024年2月度)14本目)。
(ひとつ前の作品「夜明けのすべて」、次の作品「身代わり忠臣蔵」)
もともとHNKのドラマ等で放映されていたものの劇場版であるので、いわゆる「NHKクオリティ」は担保されており、この意味で映画のストーリーについてわかりにくいとか、配慮に欠く点はあまり見られません。
大手の映画館で見てきたのですが、男女同権思想に関する映画が放映された意義は非常に大きいものと思います。どうしてもミニシアター中心となりがちなこの手の映画が大手で放映された意義は大きいと思います。
一方で、この映画を見ているとわかりにくい点や、明確に配慮を欠く点もあり、法律系資格持ちはそこが気になったところです。ただ、この点は「そういう考え方もあるか」程度で大きくは引いていません。有料パンフには載っているのかもしれませんが、私なりに知っているところ書いておきます(これから見る方への参考用)。
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(減点0.3/甘粕事件に対する配慮が足りない)
この事件は、関東大震災において発生した事件で実際に警察権力が軍法会議にかけられた「ほぼ唯一の例」ですが、描き方に配慮が欲しかったです(後述)。
(減点0.2/「検束」についての記述が難しい)
この点は、帝国憲法時代の行政法の考え方で行われていたものですが、現在は「姿をかえて残っている部分もある」もので、何らか説明字幕が欲しかったです。
(減点なし/参考/この映画の海外進出について)
この映画はその趣旨上、帝国憲法時代の憲法・行政法の事項がかなり出ますので(「検束」が代表例)、これらのことを海外で把握するのは結構難しいんじゃないかと思います(日本の行政法はドイツからもたらされたものです)。
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(減点なし/参考/甘粕事件について)
関東大震災においては、「福田村事件」で描かれるように、官民とわず混乱が生じ、いろいろな理不尽な事件が起きましたが、その中でも「警察権力が起こした事件」については、ほぼ全てが「混乱状態にある仕方のないことである」ということで何ら責任を問われていません(亀戸事件など)。
ただこの事件は実際に軍法会議にかけられた「唯一の例」であり、同じ時期に起きた官民とわないこうした事件において、この事件の当事者「だけ」が軍法会議にかけられたというのはやや平等性原則をかくと同時に、当時はこの通り軍法会議でしたが、軍法会議は1審制でした(大審院(今の最高裁)への控訴は原則できなかった)。またこの軍法会議裁判は非公開であり、真に公平公正な裁判が行われていたのかというと微妙な部分があります。
(減点なし/参考/「検束」とは何か) ※海外において理解がしがたい
当時も警察権力が「酔っ払い」や「病人」を一時保護することは認められていましたが(保護検束)、一方で「思想上危険と思われる人を勝手に検束する」(予防検束)があり、後者が特に思想弾圧で濫用された(法律上、1日で釈放しなければならなかったが、保護する警察署を変えることで日数をいくらでも伸ばせる欠陥法だった)事情があります。
なお、現在の日本においては、「保護」として「酔っ払いや病人を一時保護する制度」は残っています(現在の日本国憲法の制定に伴い、人権侵害以外の何物でもない予防検束は廃止されました)。
(減点なし/参考/第一の「事件」の犯人について)
この人物は逮捕され刑に処されますが、その後、「売春防止法」の制定に尽力した人物です。
時代を2歩3歩先に進み過ぎた蹉跌の苦
元始、女性は実に太陽であった。
真正の人であった。
今女性は月である。
他に依って生き、他の光によって輝く病人のような蒼白い顔の月である。
私共は隠されて仕舞った我が太陽を今や取り戻さねばならぬ。
青鞜社創刊から関東大震災までの女性問題だけでなく、
社会問題にまで解放活動が展開され、
同時期にあった福田村事件ように、
二人は国家権力により粛清されて行く…
そんな時代への先駆けであったのか…
それにしてもリスキーなこの環境の中で、
野枝の甘い滑舌の悪い発声が緊張を壊し、
大杉栄の演技での吃音と奇妙に耳障りであったなぁ
しかし、その野枝が女性立場の弱さを大杉栄に諭す場面が幾度もあり、あの大杉栄がその度に実践家として強くなるところが辻潤との相違が、野枝が太陽であるのかも知れない頼もしさよ…
(^O^)
風よ あらしよ 劇場版
大正時代に結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた女性解放運動家・伊藤野枝を描き、
2022年にNHK BS4K・8Kで放送された吉高由里子主演のドラマ「風よ あらしよ」を劇場版としてスクリーン上映。
原作は村山由佳による同名の評伝小説。
福岡の田舎の貧しい家で育った伊藤野枝は、家族を支えるための結婚を断り、単身上京する。
「元始、女性は太陽だった」と宣言し、男尊女卑の風潮が色濃い社会に異を唱えた平塚らいてうに感銘を受けた野枝は、
らいてうらによる女流文学集団・青鞜社に参加。
青鞜社は野枝が中心になり婦人解放を唱えていく。
第一の夫であるダダイスト・辻潤との別れ、
生涯をともにする無政府主義者・大杉栄との出会い、
そして関東大震災による混乱のなかで彼女を襲った悲劇など、
野枝の波乱に満ちた人生を描いていく。
野枝役を吉高、
平塚らいてう役を松下奈緒、
辻潤役を稲垣吾郎、
大杉栄役を永山瑛太がそれぞれ演じる。
演出は吉高主演のNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」も手がけた柳川強。
風よ あらしよ 劇場版
2023/日本
今年9月16日、私は静岡の沓谷にある、野枝と大杉の墓の前にいました。
言うまでもなく、野枝と大杉が惨殺されてから100年目の忌日…たくさんの方々が集まり口々に語っていたのは「100年で一区切りがついた訳ではない」という事でした。
私もそう思います。“伊藤野枝の生と死”を描くこの映画は、単なる歴史劇ではありません。まさに「今」を照射したものだと思うのです。
よくも悪くもNHKらしい有料パンフは一部見どころあり 主人公時代を100年先取りすぎて戦略失敗もっと狡猾さ
伊藤野枝【実は本名はカタカナだと本作で気づいた。】の生涯
多少なりとも歴史に造詣が深い人なら
大杉栄 橘宗一 甘粕大尉の 許されざる 甘粕事件は既知だろう
さらに歴史に詳しい人なら 大杉栄 神近市子との三角関係 日陰茶屋🍵事件もご存知だろう。
女は家では父に 嫁いでは夫に 老いたら子供に 従う 三従の教えが 当然とされた 家父長制の旧時代
そして足尾鉱毒事件の顛末 に象徴される 富めるもの絶対 の時代
平塚らいてう、ライチョウ の青鞜 に導かれ 声を上げる 主人公の描写はNHKらしく堅実 オーソドックス
因習制度からの解放 当時としては珍しい 辻潤から 大杉栄の自由恋愛
なんか 自由恋愛は大杉栄の性的欲望だと思うが
他の点、主張は極めてまとも 今歴史の残ってるのも
ただ甘粕事件で野垂れ死では決して無いことの証左。TVドラマベースなだけに見やすく共感。ただパンチを欠く
本作でも出てるように 大杉栄の拘束に内務大臣 後藤新平にも 挑戦状を送っている
本作は史実に近いので 描写は想定内 最後の甘粕事件は 描写がソフトでテレビの限界
でもそのせいか こう思った
本当に 社会を変えたいなら ガチガチの権力に吠えるより
清濁併せ持って 権力にもある程度は取り入り 細胞を侵食させてくのが賢明では無いのかな❓
状況を見て柔軟に戦略立てた方が良かった。彼女や大杉栄に 思想はあっても 戦略が無かったのが悔やまれる
というか本作観てマジ思ったよ。
有料パンフ は後半の東大教授の 歴史的観点からのレビューが良い
あと 主要人物の同時並行年表は親切
伊藤野枝自身の 村の共助 的な小論文は 実はわかりやすく 当時の情勢 彼女の思想の原点 なるほど🧐と思った。
NHKのドラマだから チコっと平板なのは仕方ない
彼女たちが現在につながる価値のパイオニアなのは既知の事実だけど
時代を先取りすぎて 反発をくらい 憲兵に・・というのは自然の流れ ということも再認識した。
何事も 強硬に主張は良くない それにしては どうせ何もされない 当時のタカをくくってたのは
同情できない 申し訳ない。身の危険事前に予知できなきゃ。
吉高由里子、稲垣吾郎、永山瑛太 は好演
ただ 吉高由里子が体系といい 顔といい 当時の純ジャパニーズを表現だが
実際は 伊藤野枝最大の功績は 現代風の顔 現代風の髪型 笑顔で写真に収まったことだと個人的に思うから
チト違うかな・・・
いずれにせよ 頑張った。憲兵は許しがたい。どんな卑劣ハレンチ拷問だったかは 何の文章でも触れないのは不自然
と 声を上げたい 故人の名誉もあるが 憲兵に名誉など無い・・
普通の作品です。有料パンフ🈶はまあまあです。
連休初日朝イチ 観客5人 知識人のサロン化 漂ってたよ・・少し
恋愛小説の名手、村山由佳さん原作
原作は恋愛小説の名手村山由佳さん。
伊藤野枝と大杉栄の社会正義の話しではなく、そういう生まれきの女と男の業の絡まり合いを描こうとしているんだろうと思われるが、二人のどうしようもなさの深みがもうひとつかなと。
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