「窮地に陥った農場運営を何とか建て直そうと、農場にキャバレーを作るために奔走する男の熱意は、周囲を巻き込んで燃え上がります。(…色々な意味で)」ショータイム! もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
窮地に陥った農場運営を何とか建て直そうと、農場にキャバレーを作るために奔走する男の熱意は、周囲を巻き込んで燃え上がります。(…色々な意味で)
最初は全くノーマークの作品だったのですが
観に行く予定の他の作品情報を眺めているうちに
目について、面白そうかも と気になり鑑賞です。
舞台はフランスの田舎街。
祖父の代から酪農を営んできたダビッドの家ですが
経営に行き詰まっています。牧場も差押えのピンチ。
どうにかして牧場を建て直そうと、差押えまでの猶予を
願い出るため簡易裁判所に出向くダビッド。
「6カ月の猶予を」と願い出るも「2カ月で」との宣告。
” 2カ月で何ができるというのだ ”
街でヤケ酒を飲み、ふらふらと彷徨うダビッド。
彼の目の前の店から、音楽が聞こえてくる。キャバレーだ。
その店にふらっと入ったダビッド。
そこで華麗なショーを目にすることになる。
” これだ このショーを牧場でやれば客を呼べる ”
思い込んだら即実行。翌日そのキャバレーを訪ねたダビッドは
興行主とケンカしてクビになった昨晩の踊り子と話をする。
” ウチでショーをやってくれないか ”
最初は全く乗り気で無かったその女性ボニー。
街に戻る途中のバスの乗客にも乗せられて、ダビッドの企画に
協力することになります。
この後、ショーの出演者を探すのですが
とても個性的なメンバーが集まります。
・催眠術師のお爺さん(本当に超能力者かも?)
・ダンサーの女性二人(シンクロ率…×)
・マジックを披露する女性(耳が不自由)
・華麗な美声の歌姫(実は女装の男性))
ショボいのか見事なのか微妙な演技者の顔ぶれがとりあえず
揃っていきます。
あとは演技の質を上げていけば… と、メンバーに厳しく意見
をしていくボニーなのですが、次第にメンバーに疲労の色が…。
ボニーとメンバーの間に入って緩衝の役を務めるダビッド。
そんなある日。開演初日の近く。
キャバレー会場となる納屋で火災が発生し、全焼。 きゃー
燃える炎の中にはダビッドの祖父が佇んでいた。
キャバレーを営むことに最後まで反対だった祖父。。。
” もうダメだ ”
全てを諦め、牛舎で首を吊ろうとするダビッド @_@アレー
そのダビッドを励ます(?)ダビッドの元妻。
ダビッドの良いところは、気持ちの切り替えの速さ。
立ち直るや、牧場にあるもの総動員で野外会場の設営に取りか
かるのであった。
と、まあ
農家(酪農家)が経営危機の脱出にキャバレーを運営して
起動に乗せるという「実話」が元のお話でした。
一度や二度は客席が満員になっても、一年二年と続けられる
ものなのかな と心配しながら観ていたのですが、最後の映像で
現在もしっかり運営中とのこと。
そうなんだ。と安堵しながら帰宅しました。
ハッピーエンドで終わって良かった。
満足です。・_・
※最近観た映画に同じようなテイストの作品があったような
気がしていたのですが、思い出しました。
今年初めに観た「ドリーム・ホース」でした。こちらは馬
の活躍(競馬♪)で村が元気になる話でした。・_・
◇あれこれ
■実は実話? その1
実話ベースだそうですが、実話だとしたら映画の中で
描いてしまって問題無かったのだろうか。…と、老婆心。
納屋が焼失。放火の疑い濃厚。…って 待て待て。
キャバレーに反対していたのも
燃える納屋の中に佇んでいたのも
ワシの事は放っておいてくれと言ったのも
ダビッドのお爺さんなんですけど…。うむむ
これってやはり。もしかして?
で、これって実話ベース…なんですよね?
こんな内容を盛り込んで、いいのか? @_@;
■実は実話? その2
老人の催眠術にかけられてしまう牧童(牧オヤジ)
術から覚めるには条件があり
” 自分のヒミツを話さねばならない ”
そう言われて口にしたのがダビッド母への慕情
かなり生々しい心情の吐露に、周囲引き気味。うわ
術が解け妙な空気の漂う中、俺は何をしゃべった?と
聞かれてもはぐらかす御一同様。(そりゃまあ ねぇ)
で
このエピソードを描いてしまって
その後の人間関係に破綻をきたしたりしてません よね?
穏やかな日々が続いていることを願うのみです。
■タイトル
邦題「ショータイム!」
原題「Les Folies fermieres」
大谷サンに便乗したのかと思ってしまった邦題ですが
農場キャバレーでのショーがテーマですから、意味が
わからないではないです。・_・ウン
◇最後に
ダビッドがボニーに声をかけて最初は断られる場面。
全力で口説いたのか? と牧童に聞かれて
” やったさ。いつものように ” と答えるダビッド
” それを全力で とは言わないだろう? ”
そう言われてまたボニーを追いかけ始めるダビッド。
助言を素直に受け入れる柔軟性と、反省したらすぐに実行でき
る行動力。いいですね。
この「農場キャバレー」が成功した理由が分かる気がしました。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。