あんのことのレビュー・感想・評価
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生きづらさがひしひしと伝わる河合優実の演技
正直、内容が重そうだったんで迷ったんですが、河合優実の演技見たさに行きました。 河合優実はいいですねぇ。 自然でいて的確な演技。 主人公あんの生きづらさがひしひしと伝わってきます。 でも、そんな盛り上がりのある映画では無いので「ザ・ノンフィクション」好きにはたまらない感じ。
人は一人では生きていけない!?
杏の過酷な人生を演じきった、河合優美さんに称賛を送りたい。👏 主人公の杏は、何に救われていたのか?何を求めていたのか? 何を信じていたのか? を問われた作品だと感じました。 コロナをきっかけに全てが遠のくこととなり、最後まで自ら選んだ人生だったんだろうとは思うしかない!
すべて作り話であって欲しいと心から願う
あんの人生が、残酷すぎて泣くしかできず涙と嗚咽で見てられなかった。 親ガチャとか毒親ということで片付けられない彼女の壮絶な人生たるや、ほんとに生きづらい社会なんだと痛感した。同時に仕組みを作ることで救われる人がいる。必ず構築するべきでそのために動くと誓う。 入江監督の最高傑作。進化しているな!
ケアするものとされるもの
主人公のみならず、特に主要な登場人物に共通していたこと。ケアすることで自身がケアされていくこと。でもそれは非情な現実がいつも壊しにかかる。ケアされた記憶の無い者や他者の無邪気な興味によって。そしてそのしわ寄せはいつも弱者に及ぶ。この負のスパイラルから抜け出す方法を私たちはいまだに見出すことができていない。こんなにテクノロジーが発達した世の中にも関わらず。コロナ禍がベースとなった本作だからこそそのことの強烈な虚しさが残る。
子役の人権が気になった
作品の出来自体は悪くはないと思うけれど、先日観たミッシングは、同じように救いのない結末ながらまだ登場人物が前を向こうとするだけ鑑賞後の気持ちがスッキリする。 本作は(ノンフィクションだから仕方ないが)、絶望の中から立ちあがろうとする主人公が結局悲劇的な結末を迎えると言う、ダンサーインザダーク的ムナクソエンドなので、気分が鬱っぽいときは見ないほうが良い。 しかも「あんのこと」と言う「ある人物の一生についての物語」を匂わせるタイトルと「なんとなく悲劇っぽい予告」で、ある程度結末の予想がついてしまうため、配給会社は広告戦略をもう少し考えてほしい。 作品そのものについては諸感あれど、昨今よくある悲劇のうちのひとつに過ぎないのかなと思うに留まった。残念ながら現代日本社会は、映画の創作が追いつかないほど過酷な事件が毎日のように起こっていて、我々も感覚が麻痺してしまっており多少の悲劇では心が動かなくなってしまっている。 そんな中で非常に気になったのが子役(幼児)のこと。 まずこの子が泣いてるのは当然演技ではなく、この子に取って何かしら不快なことが起こっていたからで、それは撮影のために置かれた環境のせいではないのか、この子は不本意な状況に置かれて泣いているのではないかと言う危惧が拭えない。 ある程度の年齢なら役と言う認識もあるだろうが、この年齢ではどうなんだろう。 本作制作にあたり、幼児がゴミ屋敷汚部屋に連れて来られ、周りで大人達が怒鳴り合っている状況を作り出すのは必然だったかもしれないが、この子供に取ってはどうだったか。ママから引き離され、ただただ怖かったのではないか。(実際どんな状況で撮影が行われたかはわからないが) 加えて親が了承していれば問題ないのかも知れないが、オムツを変えるシーンで子供の身体の一部がハッキリ映るような映像は、幼児の人権を無視してはいないのか、ここらへんが他人事ながら非常に気になった。恐らくこれが女児ならこのシーンはなかったはず(と信じたい)だが、男児なら写しても良いのか。 世の中幼児に欲情する異常性を持った人物も実在し、被害もニュースになっている。 この子供に撮影の記憶はないだろうが、映像は半永久的に残る。撮影する際、そこを隠すように配慮もできたのではないかと思うのは、過剰反応なのだろうか。 ドラマ不適切で「インリマスィーコーリネーラ」が過剰に口出しするシーンがあったが、まだ何もわからない幼児に対しても少しコーリネーロする必要があるのではないかと愚考した次第。 →神木くん少年時代の妖怪ナンチャラと言う作品は酷かった。ご本人がどう思っているかはわからないけど、あれは児ポに引っかかるのではと思った。 ※面倒くさい方に絡まれたのでコメント非表示にします。
あまりにも辛すぎる顛末
実話ベースの内容なだけに重い
とにかく重たく何も云えない
これは辛すぎる顛末
ホステスの母親が酷すぎる
ちゃんと義務教育を受けていたら
母親が娘を金のなる木としか
思っていないからこうなる
娘をママって呼ぶ時点でおかしい!
ってかちゃんと働けよ👉💥
母親が娘のためにが微塵にも
足の悪いおばあちゃんは
あんのためにしてやれることは
母親からの暴力を庇うことだけなのか
内職をするなり何か出来なかったのか
いつも気にしてくれていたやさしい
刑事が別の事件で逮捕され、希望を失った
生前最期の彼女の姿は悲しい😢
彼女の唯一の癒やしは預かることになった
子供の存在だろうか
相談していたらまた違っていた…
彼女は身近に相談する相手がいなかったため
相談することを知らず常に気に掛ける人がいた
おかげで更生もできたのだろう
そう考えたら悲しい現実に目を背けては
ならないと改めて思った
彼女の表情に惹かれ観に行く
子は親の所有物ではない しかし子は親の呪縛の元に生きる 断ち切れないことが腹立たしくてならない 刑事は奔放だから援助することができるのか 彼女を守り支えたい気持ちも孤立が関係を絶ってしまう 惨憺たる気持ち
初めてでした。映画を観て悔し涙流したのは。
ただただ悔しくて悔しくて…悔しすぎました。 悔しくて唇噛み締めすぎて、元からあった口内炎が倍の大きさになっちゃったもん。 そしてこれが実話ベースということで、なんか…世の中ってもっと優しいものだと思ってた。 めっちゃヘビーでシビア、あまりにも救いが無さすぎる映画だから、あまり軽い気持ちで観に行かないほうがいいんだけど、でも色んな人に観てほしいし、色んなことを考えてほしい。 そしてなんと言っても圧倒的河合優実。 佐藤二朗も稲垣吾郎もめちゃ良かったけど、そんなベテラン俳優をも食ってしまう河合優実。 「不適切にもほどがある!」で彼女の存在を知って、あっまた可愛い役者出てきたなーぐらいの印象だったけど、ごめんなさい、はっきりいって舐めてました。めっちゃ強いっすね。 ワンピースのウルージ的なね笑 2024年上半期ベスト級の一本来ちゃったかなこれー!
三面記事にしかならなかったある女性のこと
2020年のコロナ禍で起きた実際の事件を「SRサイタマノラッパー」「AI崩壊」などの入江悠監督が映画化した。 三面記事にしか取り上げられなかった事件だが、知人をコロナで亡くした監督はこれは映画にしないといけないと使命に駆られたという。 21歳の杏(河合優実)は幼少期から母に虐待され、小学生で不登校、12歳から母に売春を強いられ、得たお金は母に搾取されるという過酷な生活を送っている。覚醒剤も常用しており2018年秋に逮捕されてしまう。 そこで出会った刑事の多々羅(佐藤次郎)に彼が主宰する薬物更生施設を紹介され、通うようになる。 そこに出入りする週刊誌記者の桐野(稲垣吾郎)も良き理解者として就職先として介護施設を紹介してもらう。小学校以来通っていない学校にも通うようになり人生に光が差し始めた時にコロナ禍が襲う。 せっかく出来た社会との繋がりを寸断されてしまう。 杏をどん底の生活から救い出せるのは社会と繋がる細い糸だった。引っ張ればすぐに切れてしまう細い糸。その糸が切れてしまった。 改めて思うが、その糸を切ったのは政治なのではないか。 あの当時、安倍首相は国のトップとしての行動力を示すために学校、会社などの休止を要請した。 そこに、細い糸でしか繋がっていない弱者の事は考えられていなかった。 あんのことは氷山の一角にしか過ぎないと思う。 もちろん社会を止めなかったらコロナはどうなっていたのか。もっとたくさんの人が亡くなったかもしれない。 ただ、一律に休止するのではなくきめ細かい配慮は出来たはずだと思う。 そうすれば、こうした弱者の被害は少しでも減らせたのではないかと、残念でならない。 また、未知の感染症が襲う可能性はある。その時に弱者を救うセーフティネットが構築されていることを切に願う。 河合優実の演技は杏が憑依しているようなリアリティがありもはや演技の域を超え、まるでドキュメンタリーフィルムを見ているような錯覚を憶えた。
とりあえずクスリやめろ。シャブやめるには自分を大事にすることからだ。
河合優実の、身体の削り方(肉体と精神に対する負荷)があまりにも壮絶すぎて、撮影のあと気持ちは大丈夫だったのだろうか?役から解放されたのだろうか?と心配してしまったほどだった。こちらの精神も(さすがに肉体はそうならない)多少ヤラてしまうそうなほどだった。 佐藤二朗と稲垣吾郎の二人は、なんか胡散臭いし、ひと癖ふた癖がプンプン匂い立っていて、君たちが善人のまま行くの?それとも裏があるの?とヒヤヒヤしてた。 結果は想定内ではあった。だけど、打ちのめされた。かすかな希望と、それを一気にどん底に突き落とす絶望が何度もやってくる。アンの人生に意味はあるのか?ってくらいに。人はほんの些細な支えでも生きていく勇気を得られるのかもしれないが、それがまったくの絶望になった時に選ぶ道は、そこ(ネタバレにつき伏せます)にたどり着くのだろうな。 とにかく、この撮影のあと、河合優実個人をちゃんとケアしてあげられていたかがほんと心配です。
これが実話なら、どうなってる?日本
こんな過酷な状況、あります? これ以上の悲劇が起きないように、ずっとドキドキしていた。 だれかを支えようとしたら、自分が存在し続けないと、その思いは無駄になる。 挫折が、寂しさが、孤独が、人を殺すんだな。
最近見たどのホラーより怖くて悲しい。
コロナ期の悲劇。 実際にあの時期、逃げ場の無くなった若い子だいぶ死んだ。家にも学校にもいられない、働く事も出来ないリスカ、薬、そして売り、、実際にあった話のツギハギ合成だからリアルである。 あんの河合が凄く良い。 佐藤も吾郎ちゃんもクソで良かった。 河井のクソお母さんの容赦ない蹴りもリアルであった。
万人にはおすすめしません
想像していたとはいえこの結末には全く救いようがない。過去に虐待を受けたことのある人にこの映画はかなりきついと思うのでおすすめしない。映画としては主人公はもちろん刑事役の佐藤二朗をはじめとした脇をかためる役者さんの演技も素晴らしかった。また実際の事件に基づいてかなり忠実に描かれていることに驚かされた。自分はまた観たいと思った。
2020年のことを、もう忘れかけていたことに愕然とさせられた。と同...
2020年のことを、もう忘れかけていたことに愕然とさせられた。と同時に、「あの頃は大変だったけれど、みんなで乗り越えたなぁ」と、懐かしむような気分になっていた自分には、まさに冷水を浴びせられたような映画だった。 あの時代を乗り越えられなかった人たちが、たくさんいたであろうことを知らしめてくれた。 実際の事件に基づいている、と聞くと、どの部分まで実話で、どこがフィクションなのか、という方に気持ちが行ってしまい、ググってみたりしてしまったが、具体的な事件詳細には辿り着けず、そんなことをした自分を恥た。
マスクも要らなきゃワクチンも要らぬ私ゃも少し愛が欲しい
観覧注意バッドエンド
厳密にいうと愛じゃなくて希望だけど語呂が悪いし愛がなければ希望が湧かない
2024年映画館鑑55作品目
6月23日(日)フォーラム仙台
会員割引1500円
監督と脚本は『22年目の告白 私が殺人犯です』『ビジランテ』『AI崩壊』『聖地X』『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』の入江悠
本編開始直前実話を元にしたというお知らせ
原案は2020年の6月1日の新聞記事らしい
子供はいずれ母に返さなければいけないがコロナ禍の影響で職場と学校を失ったのは大きかった
あとノーコメント多々羅の逮捕も痛かった
家族はあれだし
そんなわけで再生に向けて築き上げて来たものがガラガラと崩壊し飛び降り自殺してしまう杏
観客からも思わず「あっ」という声が
杏主演『かくしごと』に比べてあまりにもハードだし救いがない
ここまで来ると苦手な内容だが星5
だが鑑賞はおすすめできない
黒髪でショートになったせいか河合優実が実年齢または役の年齢より若く見えた
中学生に見えなくもなかった
『機動警察パトレイバー』の泉野明みたい
おそらく杏の母の春海もまた母の恵美子に幼少の頃から激しい体罰を受けてきたのだろう
だから娘を「ママ」と呼ぶのではないか
取調室でヨガりながらヨガを始める二朗さんが面白かった
背後の真面目な女性警察官のリアクションも含めて
たぶんあそこまでやるのはアドリブだろう
倉本聰が嫌うタイプの典型
でも自分は佐藤二朗という俳優が好きだ
配役
小学校もろくにいかず12歳から売春を始め16歳でシャブ中になった香川杏に河合優実
杏を気遣う刑事で薬物依存者の更生を目的としたセラピー「サルベージ赤羽」を運営する多々羅保に佐藤二朗
多々羅の友人でジャーナリストの桐野逹樹に稲垣吾郎
アパートの汚部屋で恵美子と杏と同居している杏の母で杏に暴力を繰り返しなぜか杏を「ママ」と呼ぶ水商売の香川春海に河井青葉
杏の祖母で体調不良の香川恵美子に広岡由里子
幼い息子を無理矢理杏に預けて逃亡したシェルターの女の三隅紗良に早見あかり
桐野の上司で多々羅刑事のスキャンダルの証拠を求める雑誌社の編集長に赤堀雅秋
多々羅の同僚で多々羅を心よく思っていない刑事の加藤に吉岡陸雄
セラピーの参加者で多々羅のスキャンダルを桐野に告発した真野雅に護あきな
セラピーのスタッフの坂元に中山求一郎
老健施設「若草園」の施設長で若い頃はヤンチャだったと自称する上間陽平に盛隆二
老健施設の「若草園」利用者で介護補助の杏を慕っている原幸太に小林勝也
日本語学校の先生の北山に竹内晶子
優れた作品、と言っていいと思うけど、少しだけ不満が残りました
どこが優れているかは他の人も色々書いているし、YouTube動画などにも上がっていて概ね賛成で私の言いたいことも言われているので、ここではどこに不満が残ったかを書きたいと思います。
まず、主人公の杏がいい子過ぎます。劣悪な環境で育てられて、あそこまで素直ないい子には育たないよな、と感じました。福祉施設で老人にわがままに振る舞われてもまるで反抗的な態度も見せないし、手を差し伸べてくれる大人の親切をすべて素直に受け入れているところに、やや非現実的なものを感じました。親切に接しても反発されてしまう、対応に苦慮してなかなか救いの手を差し伸べられないし差し伸べるのも嫌になってしまう、それが現実だと思います。そこを踏み込んで描いて欲しいなと感じました。
佐藤二郎演ずる多田羅が雅と関係したくだりで、多田羅に対する雅の態度を見ると、雅の方から誘ったのではないかと思えてしまいました。あるいは誘われたと思った多田羅がその気になって関係を持とうとしたら、雅の方が引いてしまったため、不満を感じて多田羅が強く迫ったのかと。もしそのような流れだったら、週刊誌が記事にしてしまったのが悪かったと、それがあれば最終盤の留置所での「もし記事にしなければ彼女はまだ生きていたのか」という台詞ももっと生きたと考えてしまいました。でもこれを描いたら、杏の話ではなく多々羅の話になってしまうので、やりづらかったのかも知れません。
以上書いた通り少々不満も残りましたが、全体的には非常にいい映画だったと思います。
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