「もっと実話に沿った方が良かったのでは?」あんのこと YKさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと実話に沿った方が良かったのでは?
大阪のなんばで初日に見ましたが、客席は余り埋まってなかった。
朝日新聞で「ハナ(仮名)」として登場した記事の女性がモデルだと言いますね。
医療・福祉の現場(医療専門職や介護専門職ではないですが)にいたので、分かることもあり、「全くそうだな!」と思うことも盛りすぎだと感じる描写もあった。
逆に、ドラッグストアの店員の返事、区役所生活保護窓口職員の(いかにもな)口ぶりなど、細部は(シニカルで)この映画の監督らしさが出ていました。
実際に見聞きしているからでしょう。つまり、日本社会の普遍的・恒常的風景だから。
杏さんに対する施設事務の対応のまずさなど、まさに蟻の一穴から人間の運命が大きく狂うきっかけになることもあります。それも本当に実感することです。
施設長が「面目ない」と言っていたが、それどころではないし、おそらく給与明細を送った本人であろう、バツの悪そうな顔をしていた事務員の表情(演技)も良かった。
いろんな人間の質の悪さを見せつけられた映画でした。
欧州・米国ともに、福祉政策で失敗はするが、その後のフォロー、立法化・制度化が思い切ったものなので、他の国も参考にするのだと思う。
キーになるのは政策を進める側と国民の側の「当事者意識」だろう。
メインビジュアルに書いてある「彼女は、きっと、あなたのそばにいた」だけでなく
「あなたの、そばにも、きっといる」多くのヤバイ日本人が自分から変わらない限り、日本は今後どんどん衰退すること、それを示してくれたと思います。
あと、心理的安定性のない人間は部屋を片付けられない、貧困なほどゴタゴタ物を置く、料理を自分で作らない、それも日本の住宅事情もあるだろうけど、日本の危機ですね!
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