「ラ・カンパネラは4回くらい流れます。」恋するピアニスト フジコ・ヘミング 病人28号さんの映画レビュー(感想・評価)
ラ・カンパネラは4回くらい流れます。
いやー、いい音だったなぁ?この映画は全て完璧だけど、音の再現度が半端ないんだよ?まるで、コンサートホールで聴いているとしか思えない音響でした。俺が見た映画館は、そんなにいいスピーカーを使っている筈はないんだけど、いい音でした。
フジコ・ヘミングは色んな国に家を持っているんだけど、家を持つ理由は近所に迷惑をかけないように、練習する為だけに郊外の一軒家に住んでいる。また、インテリアがオシャレなんだよな。窓際に並べる瓶の配置だけで何年もかけて置くこだわりぶり。自分の死後も家を残すように遺言していたそうな。
インタビューも、発言がいちいち含蓄があり、他人に対する気遣いもあった人格者である事は間違いない。さてさて、肝心のピアノの演奏だが、もうこれが聴いていて心地良い事ったら!学生の頃、昼食を食ってから、五時間目の授業を受けていた時に、うたた寝をしていた時のような気持ちよさと同じで、うっかり熟睡しかけたよ?
俺は、難聴気味で実年齢より10歳くらいの音域しか聞こえないが、いい音の区別は分かる。趣味のコンサート鑑賞で様々なピアノ演奏を聴いたが、どいつもこいつも、譜面の紙の範囲に縛られていて、譜面を抜け出すパワーのある演奏を聴いた事が無い。どれ聴いても、AEONで流れているクラシック程度にしか聞こえない。聴いていて面白くねぇんだよな?
型破りという言葉があるが、フジコ・ヘミングのピアノは譜面の範囲を軽く超えて、ぜってーに、譜面には書いていない演奏なのだが、基礎がしっかりしている上に、練習を欠かせた事が無いから、できる技なので、良い無茶苦茶な演奏なのだ。
フジコ・ヘミングの演奏を生で聴いた事がなかったのが悔しくてなりませぬ。この映画は音の満漢全席やぁ。
これは俺だけが知っている事だから話すが、いま現在フジコ・ヘミングは異世界に転生して魔王を倒す為にパーティーを結成している。詳しい事が分かったら逐一、noteアプリで報告するので、カミングスーン!!