「【アンデス山脈に墜落し、過酷な状況下最後まで生き残った16名のラガーマンの姿を描く。彼らは生きるために究極の手段を取るが、人間としての理性を保ち生き延びようとする姿とラストは涙を堪えきれない作品。】」雪山の絆 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【アンデス山脈に墜落し、過酷な状況下最後まで生き残った16名のラガーマンの姿を描く。彼らは生きるために究極の手段を取るが、人間としての理性を保ち生き延びようとする姿とラストは涙を堪えきれない作品。】
ー 学生時代に、雪山登山をしていた事もあり原作は読んだ記憶がある。だが、映像化された今作品を見ると、1972年の雪深き4000Mを超えるアンデス山脈に墜落しながらもよくぞ生還したモノだなと改めて思った作品である。-
◆感想
・微かな記憶だが、原作はウルグアイ空軍機に乗っていた人たちの視点から描かれていたと思うが、今作はラグビー選手のヌマの視点で描かれている点が個人的意見だが奏功していると思う。
・冒頭の、ウルグアイ空軍機をチャーターしたラグビー選手団が乗った小型飛行機が墜落するシーンはトンデモナイ臨場感である。後部座席は吹き飛び外に投げ出される選手たち。
・その後、飢えと寒さが襲う中、選手団一の俊足を誇るロベルトが口にした究極の選択。
ー 最初は拒否する人もいるが、フィト達が意を決して解体し、小さな凍った肉片を無表情で口にする人達。
ヌマはその時の気持ちを”口にして2,3回咀嚼しただけで、呑み込む。”とモノローグで伝える。-
・その後、やや体力を回復した機内に居た彼らを襲う表層雪崩。仲間を必死に雪から掘り出すも、尊き命が失われる。
ー だが、生き残った選手たちは数日後、雪を掘り進め陽光を浴びるのである。表層雪崩であった事と、季節が春に向かっていた事も彼らの命を救ったのだろうと思う。-
・漸く掘り出したラジオから流れる、捜索打ち切りのニュース。彼らは一度は絶望に陥れられるが、36日目、ヌマを含めた4人がアルゼンチンに向けて僅かなる装備を整え出掛けるのである。
ー 物凄い、生きる事を諦めない精神力である。だが、途中足を怪我していたヌマの傷が化膿していた事を知った仲間は引き返すのである。劇中、屡々生き残った彼らの的確な判断が描かれる。だが、ヌマは傷が元で亡くなってしまう・・。-
・生き残った彼らは儀式の様に小さな凍った肉片を口にしつつも、理性を失わず決死の行動に出る。それは吹き飛ばされた機体の後部にある筈のバッテリーを回収する事である。
ー その途中に見た、吹き飛ばされ亡くなった後部座席に座っていた友の凍った遺骸から、免許証などを回収する姿。-
・61日目、ナンドとロベルト達3人はチリへ向け、再び歩み出す。
ー このシーンも良く撮ったなと思う。アイゼンもピッケルもない中、斜度45度以上(観た感じです。)の斜面をラッセルで登り、雪壁をトラバースし、峠に立つのである。
そして、峠に立った時に目の前にある雪を冠った山塊を見たナンドが言った言葉。”ここまでくれば、海まで歩くぞ!”
今作では、生き残ったもしくは自らが死に行く時に”俺の遺体を食べてくれ・・。”と言った仲間の姿と共に、驚異的な精神力を持つナンドとロベルトの姿は驚異的ですらある。涙腺が緩み始めてしまう。-
<ラスト、ナンドとロベルトの二人が麓の地元民に発見され、彼らの帰りを待つ仲間達が、ラジオから流れる自分達の名前が告げられるシーン辺りから、涙腺が崩壊し始める。
救援のヘリコプターが来た際に、亡くなった仲間の遺品が入った荷物を必死に抱え、ヘリに乗る男の姿。それを許容する操縦士。
今作は、実話ベースである事をさしおいても、究極のサバイバル映画でありながら、人間の尊厳を失わずに生還した若者達の姿が深く心に刻まれる作品である。
冒頭で撮られた、彼らの集合写真がラストに再び映し出される瞬間は、思わず嗚咽が出てしまった作品でもある。>
多分、誇張された表現だからでしょうね。冬山を、経験されていらっしゃるからお分かりになると思いますが、遭難した時は単独での行動が一番生存確率が高いですからね。一番低い所を越境しようとするわけですから、尾根の向こう側になぜいかないか不思議でたまりませんでした。カニバリズムの前に考えるべきですね。不幸でした。
長々すみませんでした。