夜のまにまにのレビュー・感想・評価
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この出会いが嬉しくなる。おかしくて優しい空気感の虜になる
本作では劇場での一幕から”出会い”が生まれる。もとより作品中に映画や映画館が出るだけで感動しがちな僕ではあるが、ここで上映中なのがフランク・キャプラ監督の『或る夜の出来事』というのがシチュエーションを絶妙に交錯させていて巧い。よく若い男女の巡り合い映画は”ボーイ・ミーツ・ガール”と呼ばれるが、本作も同じ。だがそれに輪をかけて、幾つもの”別れ”を描いた物語でもあるところが重要だ。人はどれだけの夜と別れを超え、いつしか掛け替えのない出会いと巡りあうのだろう。過去にも「夜」と「移動」を散りばめ作品を重ねてきた監督の到達点がここにあるような気がした。この監督は決して力まない。おおらかさと思わずクスッと笑ってしまう空気感を大切に、優しさ、人の繋がりを紡ぐ。そこに夜空の輝きの如く「星の王子さま」のエッセンスも効果的に沁み渡る。旅路の果ては新たな旅立ち。エンドシーンと共に豊かな余韻が胸に広がっていった。
長い夜の余韻
それぞれの一歩をふみだすまでを描いた物語。
お互いを慰めたり、説得するでもなく、
夜に、街中を歩く、走る、一緒に寄り添う、他愛無い会話を積み重ねる、ただそれだけで十分。
はっきり自分の意見が言えなかったり、圧が強かったり、
登場人物はみな不器用なところもあるけど、
主人公 新平のちょっとした秘密も含めて、
お互いの個性を自然に受け入れている雰囲気に幸せな気持ちになった。
出会いと別れが、劇的な化学反応ではなく、
日常生活や小さな偶然、出来事の積み重ねを通じた流れ(まにまに)として描かれている。
さらに、やや引き気味の距離感の画面構成が、まるで登場人物達を見守っているようで、
共感やじんわりした長い余韻を残すことにつながっていると感じた。
よかった〜 全体を流れる空気感がすごく良いし、 キャラ設定もキャス...
よかった〜
全体を流れる空気感がすごく良いし、
キャラ設定もキャスティングも良い
はっきりしないストーリーは好きじゃないけど、
でもこれはこれで良い
ラストの音楽も良かった
じわじわ来る良い映画
この映画の良さを言語化するのは難しい。
何とも言えない空気感を見事に表現していて、それが心地よくじわじわくる。
出演者のキャラクターが良く、主人公の一歩踏み出せない、そして一歩踏み出すところにリアリティがあって面白い。
なんとも愛らしい作品
大阪の映画館で出会った男女がまた再会し、夜を彷徨いながら惹かれあっていく様子を描いている作品。
登場人物それぞれの不器用さと個性がとても愛らしく、観終わった後もじんわり余韻が続いて、噛めば噛むほど味が出るようなそんな感覚になりました。
骨まで柔らかそうな新平に最後には1本しっかり骨が通ってウルウル。
エンディング曲である奇妙礼太郎さんの「朝までのブルース」が作品と驚くほど噛み合って、早速帰り道でも聴いてまたウルウル。
購入したパンフレットを読むと、磯部監督が奇妙さんの曲が好きで歌声をイメージしながら本作の構想を考えたのだそうです。なるほど…!
またこのゆるりとした世界観に触れたくなる日が来るのだろうな~と思う素敵な映画でした。
そしてゆっくりと夜が明ける。
なんて清々しくて真っ直ぐで心地良いエンディングなのか。ずっとずっと余韻に浸っていたい気分。奇妙礼太郎さんの歌う朝までのブルースもめちゃくちゃ沁みて大好きになりました。
大阪。不思議な探偵ごっこを続けながら付かず離れずな関係を続ける新平と佳純。実は新平がそんな関係を続けるのは佳純だけではない。どこにでもいそうな青年にも当たり前に葛藤があって、悩みがある。
その秘密を知った瞬間から新平が愛しくてたまらなくなった。自分の意思で前に進めない時、背中を押してくれる誰かをきっと皆待っている。それは弱さかもしれないけど、それでいいとあの旅する王子様が笑ってくれる。
期せずして新平と佳純が出会う第七藝術劇場での鑑賞となりました。全然知らなかったので今まさに自分が座っている映画館が登場してびっくり。配役も良くて加部亜門の自然体な演技が素晴らしいです。そしてなんて言うてもお姉ちゃんがオモロイ!年の瀬にこんな素敵な映画に出会えて幸せです。
映画館でタコ焼き
優柔不断で足が地に着いていない青年が自信を得ていく過程で支えを少しずつ外していく様を、独特のテイストで描いた秀作。支えていた人たちの去り方がそれぞれにかっこよくて、いい余韻。
観た映画館がロケ地だったと知ってびっくり。そしてまさにあのおばさんが座ろうとした席で鑑賞。
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