ゴッドマザー コシノアヤコの生涯のレビュー・感想・評価
全7件を表示
コシノアヤコを演じきった大地真央
コシノアヤコの一生は、NHKの朝ドラ「カーネーション」で放映されていたようですが、未鑑賞。大地真央さんが、映画初主演ということにはビックリでした。大地真央さんの女学生姿には、やや難有りですが、それ以外は良かったです。あの時代、女性が強い意志を持って自立して生きていくということは大変な苦労が有ったと思いますが、本人だけでなくて家族の支えや協力があってこそ成し遂げられたことだと思いました。特に父(木村祐一)の理解が、あったことも大きな要因だと思います。同様に、アヤコが3人の娘に対しても包容力と深い理解を持って子育てしたことが、現在活躍中の娘の三姉妹の姿になっているかもしれません。(勿論三姉妹それぞれの努力は有りますが...)
劇中に大地真央が子供たちとチャールストンを踊るシーンが有りましたが、私は35年以上前の日本生命のCMで大地真央が唄いながら踊るシーンを思い出してしまいました😅。
クスッと笑って涙して、勇気をもらいました
自分が死んだかもしれないという状況でお迎えに来たヌックン(温水洋一さん)と一緒に自分の人生を振り返るコシノ三姉妹のお母さんコシノアヤコさん(大地真央さん)の物語です。
俳優さんでは、
中学生から亡くなる時までマヤコを
演じた大地真央さん
アヤコのお父さん、木村祐一さん
小さい時のジュンコ、永尾柚乃ちゃん
学生時代のジュンコ、
今のジュンコ、鈴木砂羽さん
が特に良かったです。
中学生の時に出会って、ゾッコンになってしまったミシン一本で、たくさんの服を作って娘達と家族を支え、人生を生き抜くゴッドマザー。アヤコ。
お父さんから愛情をたくさんもらって、実家の洋装店を任せてもらって
一生懸命、パワフルに、そして楽しく駆け抜けた人生。
娘の三姉妹たちには、全員に
自分の好きなことを
見つけてやりなさい、という
一貫した姿勢だった。
旦那さまが出征し亡くなった後妻子ある男性と恋に落ちたこと、三姉妹のデザインをパクって70代で立ち上げた自分のブランド服にしたこと、、
自分は天国に行くのか、
地獄に行くのかは、観ている私たちに委ねられました。
アヤコさんのチャキチャキとしたキャラクターが物語に明るいリズムとトーンを添えていました!
アヤコの生き様から、
「毎日楽しく自分に素直に一生懸命生きたら、それでええんやで!」というメッセージが伝わってきました。
自分の人生や家族との関係と
重ねて、涙と笑いと勇気をたくさんもらいました。
これはスゴイわ
オープニングからテンポ良くいって、コシノアヤコの人生を振り返るんだけど「ミシンに出会った」ってシーンがカッコいいね。これで人生が拓かれてくんだなって感じが。
女学生のシーンに戻るから『ここは役者交代だな』と思うと大地真央がやってるのがいい。さすがにコスプレ感あるけど、面白くていいよね。
お父さんがアヤコを支えてくけど、お父さんはアヤコの商才を見抜いてたんだろうなって気がした。
結婚のところはね、当時の結婚制度の無茶っぷりを感じたな。当人の気持ちは無視だもんね。
そりゃ浮気したり不倫したりするよ。「この人が運命の相手だったんだ」って思うよ。
でも、これくらい強引に結婚させてたから、少子化とか起こらなかったんだとも思ったな。
戦後になって、アヤコがすぐに切り替えて、オシャレな洋服を売ってくところすごい。デザインセンスと商才の両方があるんだね。
この時代って、女の人が独りで生きるのが厳しい時代だよね。そんななか、アヤコは、なんとかやってくだけじゃなくて、先頭きって進んでる感じがすんの。
それを娘が見てたらね、お母さんカッコ良すぎだよね。そこを目指して突き進んだら、みんながファッションで成功するのも分かる気がしたな。
とはいえ、娘三人すごいんだよね。
ジュンコが装苑賞をもらったとき、ヒロコは服飾文化学院を首席卒業してるし、ミチコはテニスで日本一になってんの。なんかパワーが違う。
娘三人が成功したあたりで、アヤコが三人のデザインをパクって自分のブランド立ち上げちゃうのもいい。確かに、自分が産み出した娘が産み出したデザインなんだから、元は私だろっていっても良いかも知れない。
コシノアヤコの生涯がパワフルで面白いから、それを作品化したら面白いね。
加えて、脚本・池田テツヒロの観せかたもうまかった。
そしてなんといっても大地真央がすごい。女学生時代はコスプレ感があったものの、その後は役の年齢と同じ年齢に見える。御年いくつなんだ。
最後の旅立つシーンでは「こんな風に、向こうで待ってくれてる人がいるなら、旅立つのも悪くないな」と思ったよ。
なんで天使が出てきたのかわからないが、Wikiを読むと何となくわかりますね
2025.5.28 イオンシネマ茨木
2025年の日本映画(117分、G)
実在のファッションデザイナー、コシノアヤコの生涯を綴ったコメディ風伝記映画
監督は曽根剛
脚本は池田テツヒロ
物語の舞台は、2006年の大阪府岸和田市(ロケ地は千葉県香取市)
岸和田の救急病院に搬送されたコシノアヤコ(大地真央)は、脳梗塞で倒れ、その時を迎えていた
彼女の前には天使(温水洋一)を名乗るおっさんが現れ、「天国に行くか、地獄に行くかの審判を行う」と言い出す
彼は分厚い辞書の本を取り出し、最初から読み上げようとしたが、アヤコはそれを奪って「ここから始めて」と言った
時は遡ること1927年、アヤコは一台のシンガーマシンに憑りつかれていた
パッチ屋の松本(新藤栄作)は根負けして店の中に彼女を入れるものの、ミシンは従業員以外にはさわらせないと言う
そこでアヤコは学校を辞めて働くと言い出し、父・甚作(木村祐一)に直談判することになった
1週間後、根負けした父は就職を許すものの、下積み時代はミシンにさわらせてもらえない
だが、「夜中は遊んでるから好きにしたらよい」と言われ、アヤコは仕事終わりにミシンをさわることになった
その後、戦争の影が近づき、パッチ屋も閉店に追い込まれてしまう
だが、父の計らいによって、そのミシンは自宅に来ることになった
アヤコはそのミシンを使って日夜仕事をこなし、父の店の重要な収入源となっていた
それから順調に過ごしていたアヤコは、父の強引な勧めで、川崎武一(庄野崎謙)と結婚することになった
そして、長女・ヒロコ(浅田芭路、中高時期:寺田光、成人期:黒谷由香)、次女・ジュンコ(長尾柚乃、少女期:菊池麻衣、成人期:鈴木砂羽)、三女・ミチコ(小泉明璃、幼少期:江原璃莉、少女期:板垣樹、成人期:水上京香)を授かることになった
だが、武一に赤紙が来てしまい、そのまま帰らぬ人となってしまう
さらに父も病魔に倒れ、アヤコは母・ハナ(島津尋)、祖母・ヨネ(あづみれいか)、妹・ケイコ(北川都喜子)、キミコ(河北麻衣)、セツコ(中村莉那)たちと協力して、子育てをすることになった
さらにチヨ(大西礼芳)とともに店を切り盛りし、徐々に仕事をこなしていくのである
物語は、アヤコが裁縫に興味を持ち、それを仕事にしていく過程、三姉妹の成長過程を描いていて、これらの人生が「天国か地獄か」というテイストで紡がれていく
武一亡きあとに妻子ある男・西田(市川右團次)と恋仲になったり、その騒動のためにヒロコが彼の娘・恵子(吉村まいり)から「泥棒」呼ばわりされたりする
そんな中で、人生を謳歌したことの審判というものを描くのだが、その結論は「どっちでも同じ」という結ばれ方になっていた
実際にどっちに行っても掻き回すだけ掻き回すのだろうなあと思うし、その審判を気にも留めないキャラのように思える
ただし、なぜ天使が出てきて、天国か地獄かの審判を受ける構成になっているのかは意味がわからない
一応は、アヤコがキリスト教徒だったからだと思うのだが、彼女はそうだったということは映画では一切描かれていなかったりする
また、パンフレットは高い割には中身がなく、アヤコと三姉妹、家族のインタビューなどはあるものの、家族と関わった人々はキャラ名すらわからない
パンフレットの最後に掲載されがちなエンドロールもかなり端折られているわりには、川崎麻世役の人はこんな人でしたとサラっと追記されてたいたのは意味不明だったように思えた
いずれにせよ、彼女のデザイナー観とか、ファッションに興味を持った過程はそこまでふれられず、三姉妹の成功に関してもざっくりとした感じに描かれていた
基本的にはコメディ映画のタッチになっていて、ミュージカル演出などもあるので、そこまで辛気臭い話にはなっていない
この構成と演出がウケるかどうか何とも言えない
また、ホテルのロビーにコシノジュンコたちがいる近辺で三姉妹とアヤコが「ブランド立ち上げケンカ」をしているのだが、現場にご本人がいたらさぞかし緊張しただろうなあと思った
ジュンコだけびっくりするぐらいに寄せていたので、今後は三姉妹の映画がこのキャストで作られるのかなと思ってしまった
大地真央さんはキュートで可愛い
面白かったことは面白かったです。
劇中でもツッコミが入っていたけれど、今の大地真央そんが女学生時代や独身・新婚時代を演じるのは、コメディとは言え無理があったと思う。
母親になった中盤以降は、違和感なく観ることが出来ました。
でも、大地真央さんは、キュートで可愛くて良かった。
私は観ていなかったけれど、朝ドラ「カーネーション」で小篠綾子の生涯の物語を放映しているのに、何故に今さら映画化したのかは謎でした。
【”素晴らしき哉、人生!コシノアヤコバージョン。”今作はだんじり魂で日本を代表するデザイナーのヒロコ、ジュンコ、ミチコの三姉妹を育てたど根性女性の半生を描いたチョイと沁みるヒューマンコメディである。】
■粗筋、他。
ー 今作は、子を持つ親として参考になるシーン満載の、そして参考にしてはイケナイシーンも描かれている、今や時の人である池田テツヒロ氏の映画愛溢れるオリジナル脚本の元、描かれている映画なのである。
そこでは、若くして親(木村祐一)の決めた人と結婚したコシノアヤコ(大地真央:ナント!映画初主演だそうである。ビックリ!)が、娘を三人もうける中で自由奔放に、けれども常に子のことを考え、更に様々なピンチを機転を利かせて切り抜ける姿が描かれているのである。
物語は、イキナリ、コシノアヤコが危篤の状態で病院に担ぎ込まれ、意識不明のままベッドに寝かされている所に、赤、ピンク、黄色の服を着たかしまし娘のヒロコ、ジュンコ、ミチコが登場するシーンから始まる。
そして、コシノアヤコの魂の脇にはどう見てもチョイ情けない見習い天使(温水洋一)が分厚い彼女の人生を綴った本を手に立っているのである。
誰が見てもフランク・キャプラ監督の名作「素晴らしき哉、人生!」のパロディだと分かるのである。だが、ここで怒ってはイケナイ。この作品は、含蓄もチラリと含ませながら一人のだんじり魂を持った肝っ魂母さんの半生を、見事に描いているからである。-
◆感想<Caution!内容に触れています!>
・冒頭のコシノアヤコの魂とチョイ情けない見習い天使との会話から、娘のアヤコの生き様が描かれて行く。全て大地真央さんがアヤコを演じている。天使が”チョイ、無理がありますな!”などと余計な突っ込みをしているが、私は気にならなかったな。逆に”大地真央さん、凄いな!”と思った程である。目力が凄いのである。流石、元宝塚大スターである。
・アヤコは結婚し三女を設けるも、夫は戦地に赴き帰って来ない。それでも、彼女は家業である呉服店を一人でミシンを踏みながら切り盛りするのである。供出品の指示によりミシンを護国婦人会に要求されるも、軍服を急遽作りミシンを守るシーンは、ナカナカである。
ー この辺りからコシノアヤコの機転と肝っ魂母さん振りが発揮されて行くのである。ー
・アヤコが、妻子ある男(市川右團次)と禁じられた恋に落ちるも、胸を張って娘達が渋い顔をする中で掛けていく姿。彼女の初めての恋である。
ー 褒められた行為ではないが、彼女の破天荒な一端を表している。ー
■アヤコの、後に世界的なデザイナーになるヒロコ(黒谷友香)ジュンコ(鈴木砂羽)末娘ミチコ(水上京香)の育て方もナカナカに凄い。
ヒロコとジュンコには、特に教える訳でもないが、家業の呉服店を手伝わせることで、二人は自然と服飾の世界に入って行くのだが、末娘のミチコが、テニスの全国大会で優勝した時に掛かって来た電話にも、喜ぶわけでもなく”はよ、帰ってキイ!”と言い労う訳でもなく電話を切るシーン。褒めもせず、貶しもしない。だが、ミチコは母を見返すが如く、服飾の道に進むと決め”ロンドンに留学する!”と言った時には、周囲の大反対の中でただ一人”行ってこい!”と言う姿が、印象的である。
そして、困窮しているだろう娘の所に単身食料品を持って乗り込み、お手製のすき焼きを食べさせるシーンは沁みたなあ。ミチコは嬉し泣きをするのだが、その姿を見ながら”ヤッパリココの肉は美味いなあ”と言いながら、もりもり食べる姿。
ー アヤコの子育てとは、正に”背中で教える”と言う方法であり、娘三人はアヤコが意図した訳ではないが、世界的なデザイナーになったのはご存じの通りである。-
・更に凄いのはアヤコが74歳で自らのブランドを立ち上げたシーンでの、猛抗議する三人娘に対する啖呵である。
”アンタらを産んだのは、私や!だから、アンタらのデザインも含めて、全て私のブランドや!”
ー ”凄いなあ。だんじり魂だなあ。”その威勢の良い母としての啖呵に対し、言葉を返せない娘達の姿。ー
<そして、意識不明のアヤコのベッドの隣に、ヒロコ、ジュンコ、末娘ミチコが川の字になってアヤコの馬鹿話 <海外に出国した際に、”SEX”の欄を見て”最近してないなあ。”と言ってアヤコが0を書いた話は可なり笑った。>で、盛り上がる中、天使が”さてどうしましょう”と言った時にアヤコが言った言葉が、又凄いのである。
今作は、だんじり魂で日本を代表するデザイナーになったヒロコ、ジュンコ、ミチコの三姉妹を育てたど根性女性の半生を描いたチョイと沁みるヒューマンコメディなのである。>
朝ドラ演劇仕立て
大人になってからの三姉妹がとにかくそっくりなビジュアルで目にとまり、大地真央が主演と言うことで観てみたら大当たり。
気楽に観られて楽しい時間でした。
大地真央が子どもたちとチャールストンを踊った時、お!こ、これは、さすがの動き。とドキッとする。
さらにヒロコのデザイン画が動き出すアニメーションにウキウキする。
それだけでは終わらず、コシノアヤコファッションショーのシーンでは宝塚のレビューの舞台さながらのスターオーラ大放出となる。
そしてまさかの丸パクリw
池田テツヒロ脚本で温水洋一の天使が出てきたりするのはリアルではなく演劇的でもありる。
前半の子ども時代は朝ドラのような雰囲気も醸し出していて、朝ドラ好きにもたまらない。
少女から危篤状態の老婆までの大地真央の演じ分けも演劇的に楽しめました。
映画館を出たら夕飯時でゴッドマザーの作ったすき焼きが食べたくなった。
母の愛っていいな!
全7件を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。