劇場公開日 2025年5月23日

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「ゴッドシスターズも凄い」ゴッドマザー コシノアヤコの生涯 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ゴッドシスターズも凄い

2025年5月26日
iPhoneアプリから投稿

伝記映画というジャンルに収まりきらない、
多角的な魅力に満ちた作品だ。

ファッションデザイナー・コシノアヤコの、
壮絶な人生を鮮やかに描き出す、
バラエティ豊かな一本に仕上がっている。

その最大の魅力は、
やはり大地真央の圧倒的な存在感に尽きるだろう。

単にコシノアヤコを演じるのではなく、
一人の女性が歩んだ「ワンダーな人生」そのものを体現している。

病院でのシークエンス、
人生の岐路を示唆するような描写、
そして親子の絆を描くエピソードや、
だんじり祭りの情熱的なシーン、

そしてラブ・・・

それぞれの場面はまるで異なるテイストと、
世界観を持っているかのように感じられる。

しかし、これらの多様な世界観は、
主人公の何気ない立ち居振る舞いやセリフによって見事に統一されている。

「早よ寝り」「はよ食べり」

「手ぇつめたいわー」「ほんまけ」といった言葉の端々からは、

母として、職人として、
そして一人の女性としての温かさと厳しさ、
ユーモアと、人間的な魅力が滲み出ている。

あたかも一人で何役も演じているかのような不思議な存在感で、
コシノアヤコのポジティブなバイタリティを表現、

それが、本作を単なる伝記映画以上の、
楽しくて魅力的な作品へと高めている。

ゴッドシスターズの幼少期、少女期、
そっくり過ぎるやろ期、それぞれをスピンオフで観たい!

【蛇足】

宝塚歌劇団御出身の俳優の方、
大地さん含め4人の方と、
仕事をご一緒させて頂いた、
もちろんそれぞれ別の作品だ。

そのたびに思い出すのは、
故野村克也氏の言葉。

エースピッチャーや4番バッターは育てられない、出会うしかない。

すべての力のレベルちがう。

蛇足軒妖瀬布
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