「初恋」青春18×2 君へと続く道 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
初恋
ジミー役のシュー・グァンハンは、ほとんど芸能人には見えません。
シュー・グァンハンの新鮮な存在感。
それがこの映画を美しい青春映画にしていると思いました。
原作はジミー・ライの紀行エッセイ「青春18×2日本慢車流浪紀」
藤井道人に台湾側から合作のオファーがあったそうだ。
シュー・グァンハンの素人ぽい自然さ。
外国人が外国語(日本語などの、)を話すと、語彙の少なさからか、
幼く見える事が多い。
そんな点も長所を生み、この映画は切なくピュアで儚く美しい。
18年前(2006年)の台湾。
バックパッカーのアミ(清原伽耶)は財布を無くして、
カラオケ店「神戸」に働くようになる。
先輩のアルバイトがジミーで18歳。
教育係りをおおせつかり2人は互いの言葉を教え合って仲良くなる。
「カラオケ神戸」の店長も日本人。
スタッフもジミーとアミに好意的で、映画のチケットをくれたりする。
そして2人が観る映画がなんと岩井俊二監督の「Love Letter」
懐かしい。過去にみているけれど、中山美穂と豊川悦司が出ていたこと、
位しか覚えていなかった。
★★★
「Love L etter」
を観ました。
2年前に登山で死んだ恋人に、2年後に中学生頃住んでいた恋人の住所・小樽に
手紙を出す中山美穂。
取り壊されている筈なのに、なんと恋人の名前(藤井樹)の差し出し名の
返事が届く。
実は中学の同じクラスに同姓同名の男女がいて、彼女が返事を
くれるのです。
同姓同名の彼女に、恋人の思い出をおねだりする中山美穂。
その手紙の相手も中山美穂のふた役なのです。
そして小樽の藤井樹(いつき=美穂)が思い出のエピソードを手繰って行くと、
なんと樹(柏原崇)との、初恋のシュルエットが幻燈のように浮かんでくる。
☆☆☆
「Love Letter」
脚本が本当に素晴らしい!!
そりゃー、ミちゃん号泣しますね。
ジミーより4つ年上のアミは、どこかタカビーな言動をとります。
ジミーの告白にも、
「2人が今考えている夢が実現したら、会おうね」などと、
はぐらかすのです。
18年前の台湾での思い出と、会社の社長を追い出されて日本に来ている
18年後(2024年冬)のジミーの旅が交互に描かれます。
ジミーの18年前の心象風景に見えているアミ。
長岡から鈍行列車に旅で仲良くなる道枝駿佑と列車はトンネルを潜ります。
《トンネルを抜けるとそこは雪国だった》
川端康成の「雪国」の冒頭と同じ世界。
アミの生家のある福島の只見町は雪深い里でした。
松重豊のトラックでアミの家に送られて母親(黒木瞳)に会うジミー。
ジミーはもう既に知ってたのですね。
そこからはアミの言動の答え合わせ。
台湾の自室から漏れてきた激しい諍いの声。
「日本の恋人?」実は、
アミの病気を心配する母親の、
「帰って来なさい」の言葉への強い反発だった。
ジミーが台湾から電話して、「日本に行くよ」
と言うと、
アミの答えは「旅に出るの。地球の裏側へ、恋人と・・・」
実際のアミは入院中のベッドの上。
アミの強がりだった。
国境と時を超えて綴られる美しい叙事詩。
アミを愛した記憶、
初恋の美しい記憶は、
ジミーの生きていくこれからの原動力になる事でしょう。
琥珀糖さん、いつもありがとうございます。
「あまロック」もありがとうです。
コミュニケーション取れない方もいらっしゃる中、琥珀糖さんはいつも反応してくださるのでありがたく、お忙しいのだろうなーと、返信なくても琥珀糖さんだと気になりません!
さて、青春18、ホントにピュアで美しいですよね~。
私も「Love Letter」劇場で見たのですがほとんど覚えてない。近いうちに見たいなと思います。かっしー(柏原崇)が今、活動してないのが残念です。
いつも共感ありがとうございます。
本作、人生とは出会いの喜びと別れの切なさを繰り返して続く旅であることを教えてくれる作品でした。
特に、出会いが強調されていたと感じました。
やはり、出会いは大切ですね。人生を変えることもあります。
では、また共感作で。
ー以上ー
レビューに書いたとおり、私は「Love Letter」を観ておりません。
しかし、色々な物を読むと正に本作はリスペクトと言うか、オマージュと言うか「Love Letter」に寄り添った映画なのだと言う事が判りました。神戸、松本、手紙、雪国みんな「Love Letter」なのですね。
そして、その「Love Letter」を一緒に観て号泣するアミの姿を覚えているジミーのこだわりが、より理解出来たのだと思いました。
あと、ちゃんとスラムダンクの聖地にも行ってましたね。
「Love Letter」ご覧になっていましたか。見ているか、いないかでこの作品の印象(理解)が変わると思います。私は観ていなかった事を後悔しました。何で観ていないかな、まあ、しょうがない。