「純愛から身を引く切ないアミの姿に涙!」青春18×2 君へと続く道 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
純愛から身を引く切ないアミの姿に涙!
ヒロインのアミが台湾男性のジミーとの純愛から身を引くその健気さに、ただただ涙!これはまさにアミの自己犠牲の賜物としか思えません。本当はジミーを愛していたのに、そのことを隠して、彼氏がいるという嘘をつき続けたヒロインの気持ちは理解できるけれど、あまりにも辛すぎます。彼女が身を引いた理由は、肥大心筋症という病があったためでした。そして彼女のとった行動は、ただただ、ジミーの幸せを願い、遠くから応援することでした。その温かい愛に、満員に近い館内では、泣き崩れる人が続出していました。ジミーはアミとの約束を守るために、身を粉にして働き、ゲームソフトの会社を立ち上げ、どんどん発展させました。しかし、アミの死を知った時には、逆に自暴自棄になって会社をめちゃくちゃにしました。そして、役員会で追放されるのです(冒頭のシーン)。それでも、彼は自分を振り返るためにアミの故郷に向かいます。その旅の幾つかの出会いの中で、自分を真摯に振り返りました。そして、アミの書き残したラブレターを只見の実家で読み、その気持ちを知った時、敢然と蘇っていきます。劇中では、ランタンに願いを込めて空に飛ばすシーンが、台湾と新潟県の長岡市で繰り広げられます。二人の間に交わされた未来の願いが、空に登っていくシチュエーションは、まさに心が洗われるほど美しかったです。また、アミの故郷は只見です。昔訪れた思い出が蘇ってきて、その懐かしさに胸が熱くなりました。さらに、エンディングのミスチルの楽曲にも大感動です。ミスチルの歌詞に「柔らかな後悔」「希望のサイン」とありましたが、出会った時に告白できなかったジミーの想いや生き様を見事に表現していて、しばし映画館を立ち去ることができませんでした(人生はシナリオ通りだとすれば、本当は後悔はないのかもしれませんが)。
追記 相手を愛するが故にアミはジミーに嘘をつきました。この素敵な嘘は、きっとジミーが前を向いて生きるための宝物のような記憶になると確信します。
共感ありがとうございます。
黒木お母さんには彼の事を肯定的に話していたので、彼との未来を真剣に考えていたようでした。嘘を吐いて直ぐに会いには来ないようにしてましたが、病には勝てなかったって事ですかね。“時の流れ”の香りの記憶に、最後触れて欲しかったです。