彼方にのレビュー・感想・評価
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彼の毎日は続いていく
なんだったらここからストーリーが始まるのかもしれない。
本作では彼の毎日が続いていくだろうという予測で観客は観終わる。
デヴィッド・オイェロウォの慟哭シーンは見事で喪失の悲しみ、犯人への怒り、未だ生きている自分への貶み、失った者への愛、全てが表現されている。
だから、立ち上がりハンドルを握る姿に彼には今日も明日もあると安堵する。
また立ち上がれない日もあるだろうが、この世確かに存在したふたりの温もりを忘れずに愛おしむことができるのは自分しかいないと気付いたから。
心でしか感じ取れない人間の強さを一瞬々で描く
奥行きのある物語
短編だからこそ
傑作!!!
傑作です!
たった18分で、心をわしづかみにされました。
米国アカデミー賞の短編映画賞、この作品に獲ってほしいです。
この先、何度も見返したい作品です。
一人でも多くの方にこの作品を紹介して、
ぜひとも観てもらいたい!!
一回目の鑑賞後に、「すごい!」と思って、その後、この作品のことを考えていたのですが、特に(原題が「The After」なのに、どうして『彼方に』というタイトルなんだろう)というのが、ずっと引っかかっていて、お嬢さんのバレエ発表会がオズだったのかなあ?と勝手に妄想して、また号泣。
ラストのシーンは、ボロボロだし、様々な想像を掻き立てて、危険な展開になるんじゃないかとか、どうなるんだろう?!と不安になりました。PTSD、受け止めきれないほどの大きな悲しみを抱えた人の「The After」、主人公の表情をみていると、彼の人柄が伝わってきて、(この人がご近所さんだったら、毎日「おはよう」と声をかけて、たわいもない会話をしたり、ちょっと笑かしてみたり、できるのになあ)と思ったりしました。
悲しみからの再生
グリーフケア セルフ 悲しみからの再生
連続通り魔事件の犯人と遭遇したことによって白人妻とまだ幼い娘を亡くした黒人男性の話
当時はなにかしらでっかい仕事をしていたようだが今はそれを辞めライドシェアのドライバーをしている
ライドシェアは所謂白タクのことで今のところ日本では違法だがアメリカでは合法
タクシー業界から献金をもらっている政治家やマスコミや知識人が反対してるんだろうがいずれ日本でも合法になる
あれから彼は寡黙になり心を閉ざしてしまい妻子との思い出に生きる毎日だが食べていくためライドシェアの仕事をしている
彼が喋らずともとっかえひっかえ次々に登場する乗客がいろいろと喋るので飽きさせない
そんなある日に黒人男性と白人女性とその娘が乗客として彼のライドシェアを利用した
生きてれば自分の娘と同じくらいに成長した姿だった
車内でくだらない口論する夫婦とそれにはもううんざりの娘
彼らの自宅の前で乗客3人を下ろしドライバーはあの幸せな日々を強く思い出さずにいられなかった
男のあまりにも寂しい背中を見かねた黒人白人夫婦の娘は背後から抱きついた
座り込みしばらく泣きじゃくったドライバーは我に帰り晴々とした表情でライドシェアの車に乗り込み発進させた
Netflixの短編としては大衆向け
わかりやすい
少なくとも難解な芸術作品ではない
コメディー要素は微塵もなく娯楽映画とはいえないし感傷的な内容だが多くの人が共感しやすい
好みではないがまあ悪くない
背後からいきなり抱きつく会ったばかりの他人の娘なんて有り得るだろうか
極めて稀だが創作作品はあるあるではないし話のキモはそこじゃない
これはあくまで自分の妄想だがおそらく亡くなった天国の娘が生きている黒人少女の身体を借りて主人公を勇気づけたのではないか
敬虔なクリスチャン的発想かもしれない
だが自分は無神論者だ
一瞬あの場面は『バックドロップ犬』を思い出したがもちろんそんな展開はなかった
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