「原点回帰にジグソウ個のドラマ、生死を懸けた拷問殺戮ゲームは勿論。今回はソウ来たか!」ソウX 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰にジグソウ個のドラマ、生死を懸けた拷問殺戮ゲームは勿論。今回はソウ来たか!
前作でリセットしようとしたものの、リセットに失敗し、本来のフィールドにお戻り。通算10作目。
このシリーズ(何度も言ってる気がするけど)、『1』は面白くて『2』まで記憶あり。悪趣味殺戮ショーと化した『3』~『ファイナル』はほとんど覚えておらず。『ジグソウ:ソウ・レガシー』は未見で、それをすっ飛ばして『スパイラル ソウ オールリセット』。つまり、大して愛着ナシ。
番外編的な『スパイラル~』を除けば未見の『ジグソウ~』の次になるから、話に付いていける…?
なんて心配は無用だった。時系列的に『1』と『2』の間。記憶ありの『1』の後として見れるのが有難い。
連続猟奇殺人鬼“ジグソウ”ことジョン・クレイマー。
病院で末期の脳腫瘍がんで余命僅かと宣告される。
がん患者セラピーに参加。そこで一人の男からある非合法の治療を受け完治したという話を聞き、紹介して貰う。
連絡を取り、秘密の治療所があるメキシコへ。セシリアという女性医師らスタッフが迎える。
丁寧な説明、術前や術後の充実のサポート。手術が始まり、無事成功する。
稀代の殺人鬼も人に命を助けられ、新しい人生を…。
後日感謝を兼ねて治療所を再訪。が、もぬけの殻。
手術は成功した筈が…、時折不調が身を襲う。
頭に巻いた包帯を外してみると…、手術の後などナシ。
すぐに分かった。騙されたと。
奴らは自分のような病人をターゲットにした詐欺師集団であった…。
うんうん、つまり、ジグソウが今回の“オサカナちゃん”。
稀代の連続猟奇殺人鬼から大金を巻き上げ、罰を与えようと、手の込んだ詐欺を。
題して、“殺人鬼編”!
…って、作品が違~う!
騙された事を知ったジグソウは復讐を。
詐欺師連中を一人一人見つけ、拉致。
お馴染みの拷問殺戮器具に掛ける。
さあ、後悔と懺悔と復讐のゲームを始めよう。
果たして、ダー子・ボクちゃん・リチャードの運命は…?!(←ええ加減にしなさい!)
シリーズで初めてジグソウを主役に。
これまでは殺人鬼でありながら神の如き言動や独自生死感や哲学のうんちくを垂れてあまり好きにはなれなかったが、今作では人としての弱みも見せる。
ターゲットを徹底的に調べ上げるのに、そんなジグソウがあっさり騙される…? 余命の宣告を受け、さすがのジグソウも精神薄弱となり、誰かに助けを求め…とも解釈出来る。
ジグソウのパーソナルなドラマにもなっている。
トビン・ベル、健在!
シリーズお馴染みの痛い!グロい!エグい!拷問殺戮ゲームは勿論。
腕肉切り落とし、自ら足切断&首切断、頭皮切り剥がし&脳ミソ切り取り、強烈放射線照らし&自ら手足骨折…。ホント、よく思い付く。
ターゲットは心身弱った病人につけ込んだ畜生ども。そのくせ、皆惨めに命乞い。
彼らの中にもただ利用され、ちと同情に値する者もいるが、主犯のセシリアはクソビ○チ!
仲間がゲームを拒むと、やりなさい!と、自分の順番がまだだからよく言う。
コイツの順番になったら最も残忍なゲームを…と思ったら、パートナーが助けに現れ、形成逆転。
ジグソウと助手アマンダ(シリーズの何処から出てたっけ…?)は皮肉にも自分たちのゲームに仕掛けられる。
ジグソウが自分のゲームに…というのもシリーズ初。
自ら考案した“血責め”にピンチ…!
でも、時系列的に『2』にも登場するから本作で死んだりはしないんだけど…。
セシリアはこの“血責め”に何の罪も関係も無い少年を参加させる。唯一と言えば、詐欺手術の前、ジグソウと親交を。
苦しむ二人を見て気が狂ったように笑うセシリア。鬼畜!
セシリアたちの勝利…かと思いきや、ジグソウはある罠を。再び形成逆転。
ジグソウが言っていた、彼女(セシリア)はいずれ必ず君(パートナー)を殺す。
このどんでん返しがなかなか面白味。やはりコンフィ…失礼。
原点回帰したような分かり易さ。
拷問殺戮ゲームは勿論。
どんでん返し。
ジグソウ個のドラマ。
何より、少年を守ろうとして自ら血責めを受けるジグソウにちと感動。初めてジグソウが好きになったかも…?
シリーズで一番はやはり『1』だが、次は本作。何だか『スパイラル~』の時も同じ事言った気がするけど、偽りナシ!
(『スパイラル~』、いつぞや再見したら何か初見ほどではなかったな…)
最後にもう一人。確かにコイツもグルだね。
さあ、生死を懸けたゲームの続きを始めよう。
(…と思ったら、11作目がキャンセルになっちゃった)
今回が結構面白かったからまだ未見の『ジグソウ~』も続けて見ようとしたけど、概要見たらいつものと変わらないようだから、いずれでいいか…。